
ランデックスコートで建物の価値を長く保つ秘訣
今回は横浜市神奈川区にある4階建てアパートの外壁塗装工事の様子をご紹介します。
今回の工事で私たちが大切にしたのは、単に見た目を綺麗にするだけでなく、塗料が持つ性能を最大限に活かして建物の寿命を延ばし、長期的な資産価値を守ることでした。
アパート経営において外壁塗装は大きな投資ですが、適切な材料と工法を選ぶことで、将来の修繕コストを抑え、結果として収益性を高めることに繋がるからです。
この記事では、現場担当者の視点から、今回の工事のポイントを分かりやすくお伝えします。
施工前の状況:築十数年、黒カビとひび割れが目立つ外壁
今回の対象となったのは、横浜市神奈川区にある築十数年の鉄筋コンクリート(RC)造、4階建てのアパートです。
お問い合わせのきっかけは、オーナー様が建物の見た目が悪くなってきたことと、外壁の傷みを心配されていたことでした。
特に、建物の北側や湿気がこもりやすい場所には、黒いカビや藻が広範囲に発生していました。また、日当たりの良い南面では、紫外線や風雨の影響で無数の細かいひび割れ(ヘアークラック)が見受けられる状態でした。
これらの劣化は、建物の見た目を損なうだけでなく、雨水が建物の中に入り込む入り口になってしまうことがあります。
なぜなら、ひび割れから染み込んだ水分が内部の鉄筋を錆びさせ、コンクリートの強度を弱めてしまう危険があるからです。
アパートのような収益物件では、こうした構造的な問題を未然に防ぐことが、安定した経営に繋がります。
現地調査では、外壁を実際に手で触って表面の傷み具合を確認(チョーキング現象の確認)し、打診棒という道具で壁を優しく叩きながら、塗膜の浮きやコンクリートの状態を細かくチェックしました。
外壁面積は約235m2で、庇部分の補修や鉄骨階段のサビ対策も必要な状況でした。この診断結果を基に、オーナー様へ最適な補修計画と塗料をご提案させていただきました。
このように、外壁塗装を計画する際は、まずご自身の建物の現状を正確に把握することがとても大切です。傷みの原因を突き止めることで、本当に必要な工事内容が見えてきます。
塗料選定の決め手:大日技研「ランデックスコートPB-5000」の透湿性
今回の外壁塗装では、大日技研工業の「ランデックスコートPB-5000」という塗料を選びました。この塗料を選んだ一番の理由は、その非常に高い「透湿性」、つまり壁の内部にある湿気を外へ逃がす性能にあります。
一般的な塗料で壁を塗り固めてしまうと、壁の内部に湿気が閉じ込められてしまうことがあるのです。鉄筋コンクリート造の建物は、コンクリート自体が水分を含んでおり、室内からの湿気も壁を通り抜けようとします。
この湿気の逃げ道がないと、塗膜が内側から押し出されて風船のように膨れたり、カビや藻が再び発生する原因になってしまいます。
特に、施工前の建物では北側のカビが目立っていたため、この問題を根本から解決する必要がありました。
ランデックスコートPB-5000は、水蒸気は通しながらも、雨水のような液体の侵入は防ぐという特別な性質があります。例えるなら、高性能なアウトドアウェアのように「壁が呼吸できる」状態を作り出す塗料です。
これにより、建物の構造を常に乾いた良い状態に保ち、長く安心して住める耐久性に繋がります。横浜市は海に近く湿度が高い日も多いため、この透湿性は建物を守る上で大きなメリットになります。
塗料選びは、価格や耐用年数だけで決めるのではなく、建物の構造や周りの環境、そして現在の傷み具合に合わせて最適な機能を持つ製品を選ぶことが、長く満足できる塗装に繋がります。
施工工程:入居者様へ配慮した丁寧な下地補修と3回塗り
美しい仕上がりと塗料の性能を100%引き出すためには、塗装前の下地処理が一番大切です。まず、業務用の高圧洗浄機を使い、長年たまったカビ、藻、汚れ、そして剥がれかけた古い塗膜を徹底的に洗い流します。
この作業は、新しい塗料が壁にしっかりとくっつくために、絶対に欠かせない工程です。洗浄と乾燥が終わった後、ひび割れの補修作業に移ります。
小さなヘアークラックには下塗り材を刷毛で丁寧に刷り込み、少し幅の広いひび割れには専用のシーリング材を詰めて、雨水が二度と入り込まないようにしっかりと塞いでいきます。
この地道な作業を怠ると、どれだけ良い塗料を使っても数年で再び傷みが出てしまうため、私たちは特に丁寧に行っています。
下地処理が完了すると、いよいよ塗装工程です。塗装は基本の「下塗り・中塗り・上塗り」の3回塗りです。
下塗りは壁と上塗り塗料をくっつける接着剤の役割、中塗りは塗膜に厚みを持たせて色を均一にする役割、そして上塗りで最後の仕上げと、雨風に負けない強さを確保します。
それぞれの工程で、塗料メーカーが定めた乾燥時間をきっちり守ることで、強い塗膜が出来上がります。
アパートの工事では、入居者様への配慮も欠かせません。工事開始前には工程表をお配りして、高圧洗浄など音がする日や、バルコニーの作業日を事前にお知らせしました。
また、塗料の臭いが少ない水性タイプのランデックスコートPB-5000を使用したことも、快適な生活環境を維持するのに役立ったと考えています。
施工後の変化とお客様の声:新築時を思わせる清潔感ある仕上がりに
約一月の工事が完了し、足場を解体すると、見違えるように明るく清潔感のある外観が現れました。
黒ずんだカビや汚れで暗い印象だった北側の壁は、均一で美しい仕上がりになり、建物全体がワントーン明るくなったようです。
色選びの際には、元の色合いを大切にしつつも、より洗練された印象になるよう微調整をご提案しました。
今回の工事では、外壁だけでなく、雨樋や破風板などの付帯部を日本ペイントの「ファインSi」で塗装し、鉄骨階段もサビ止め処理の上で丁寧に仕上げました。
こうした細部まできちんと手入れをすることで、建物全体の印象がグッと引き締まります。
屋根には遮熱性能を持つ日本ペイントの「ファインパーフェクトベスト」を使い、夏場の室内温度の上昇を和らげる効果も期待できます。
オーナー様からは、「まるで新築のようになった。くすんでいた建物がここまで綺麗になるとは思っていなかったので、本当に嬉しいです。
入居者さんへの丁寧な対応も安心してお任せできました。今後の入居者募集にも良い影響がありそうです」という、大変ありがたいお言葉をいただきました。
このように、適切な外壁塗装は建物の見た目を良くするだけでなく、オーナー様や入居者様の満足度を高め、物件の競争力アップにも直接繋がります。
アパート経営者様へ|横浜市で費用対効果の高い外壁塗装を選ぶポイント
アパートの外壁塗装を成功させるためには、施工事例だけでなく、費用や塗料、業者選びに関する知識を持っておくと安心です。
横浜市という地域特性も考えながら、アパート経営の視点で、費用対効果を最大化するための実務的なポイントを解説します。
目先の費用だけでなく、10年、20年先を見据えた長期的な視点を持つことが、より良い投資判断に繋がります。
横浜市神奈川区の費用相場:アパート塗装で価格が変わる3つの要因
横浜市神奈川区におけるアパートの外壁塗装費用は、建物の規模や状態によって大きく変わりますが、一般的には150万円から400万円程度が目安です。
この価格差が生まれる主な理由は、「建物の大きさ」「傷みの進行度」「使用する塗料のグレード」の3つです。
第一に、建物の大きさ、つまり塗装面積や階数が価格に大きく影響します。4階建てのような高さのある建物は、安全な作業のためにしっかりとした足場を組む必要があり、その仮設費用が総額の約20%を占めることもあります。
第二に、傷みの進行度です。ひび割れの数が多ければその分手間がかかりますし、古い塗膜の剥がれがひどい場合は、それを取り除くための追加作業が必要になる場合もあります。
そして第三の要因が、使用する塗料のグレードです。例えば、一般的なシリコン塗料と、今回使用したランデックスコートのような高機能な無機質系塗料とでは、1平方メートルあたりの材料費が異なります。
最初の費用だけを見ると高く感じられるかもしれませんが、長持ちする塗料は次の塗り替えまでの期間が延びるので、長期的に見ると足場代の節約になり、結果的にコストパフォーマンスが高くなるケースも少なくありません。
見積もりを比べる際は、単に総額の安さだけで判断するのではなく、これらの理由がどのように価格に反映されているのか、その中身をしっかり確認することが大切になります。
ランデックスコートPB-5000の長所と注意点
今回採用したランデックスコートPB-5000は、アパートの外壁塗装においてとても優れた選択肢ですが、良い点だけでなくいくつかの注意点も知っておくことが大切です。その特性を一覧表にまとめました。
長所 (メリット) | 高い透湿性:壁内部の湿気を逃し、塗膜の膨れやカビの再発を防ぎます。 高い耐候性:紫外線に強く、長期間にわたり建物の美観と保護機能を維持します。 建物の長寿命化:コンクリートを常に良い状態に保ち、構造体の劣化を防ぎます。 |
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注意点 (デメリット) | 価格:一般的なシリコン塗料に比べ、材料費が比較的高価です。 業者選びの重要性:塗料の性能を最大限引き出すには、施工実績が豊富な専門業者への依頼が不可欠です。 |
これらの特性を理解した上で、建物の将来計画に合わせて採用を検討することが、後悔しない塗料選びのポイントです。
シリコン・フッ素塗料との違いは?アパート向け塗料の比較
アパートの外壁塗装でよく使われる代表的な塗料グレードの特徴を比較してみましょう。
どの塗料が一番良いというわけではなく、オーナー様の投資計画や物件の将来像に最適な選択をすることが、賢いアパート経営の第一歩です。
塗料の種類 | 耐用年数 (目安) | 特徴 | こんな物件におすすめ |
---|---|---|---|
シリコン塗料 | 10年~13年 | 現在最も普及している塗料。価格と性能のバランスが良い。 | 定期的なメンテナンスを計画しており、コストを抑えたい場合。 |
フッ素塗料 | 15年~20年 | 高い耐久性を持ち、汚れが付着しにくい。光沢が長持ちする。 | 塗り替え回数を減らしたい。長期的に物件を所有する計画の場合。 |
無機塗料 (ランデックスコートなど) | 20年以上 | 最高レベルの耐久性を持つ。湿気を逃がすなど高機能な製品が多い。 | 将来の修繕コストを最小限にしたい。資産価値を長く維持したい場合。 |
ここで重要なのが、長期的なトータルコストという考え方です。
仮に30年間で考えると、耐用年数10年のシリコン塗料では2回の塗り替え(計3回の工事)が必要ですが、耐用年数15年のフッ素塗料なら1回の塗り替え(計2回の工事)で済みます。
塗り替えのたびに高額な足場代がかかることを考えると、最初の費用が高くても長持ちする塗料を選んだ方が、結果的に総コストを抑えられる場合があるのです。
信頼できる業者の見分け方:横浜市でのパートナー選びの着眼点
横浜市にはたくさんの塗装業者がいますが、アパートの塗装を安心して任せられるパートナーを見つけるには、いくつか大切なポイントがあります。
まず第一に確認したいのが、「アパートやマンションの施工実績」が豊富かどうかです。一戸建てとアパートでは、入居者様や近隣への心配りや工事の進め方など、求められるノウハウが大きく異なります。
次に、見積書の分かりやすさです。
信頼できる業者の見積書には、「一式」という曖昧な表現は少なく、「日本ペイント ファインSi 軒天 〇〇㎡」のように、どこに、どのメーカーの、どの塗料を、どれだけ使うかが具体的に書かれています。
この細やかさが、誠実な仕事の証です。複数の業者から見積もりを取る際は、総額だけでなく、この詳細さを比べてみることをおすすめします。
また、保証制度についても確認しておきましょう。塗料メーカーが出す「製品保証」と、塗装業者が独自に出す「工事保証」の2種類があります。
保証期間の長さだけでなく、どのような場合に保証が適用されるのか、その内容を書面ではっきりと示してくれる業者を選ぶと安心です。極端に長すぎる保証期間を掲げる業者には、少し注意したほうが良いかもしれません。
最終的には、担当者の人柄や提案力も大切な判断材料になります。
こちらの質問に丁寧に答えてくれるか、建物の状況を的確に診断し、専門家の視点から複数の選択肢を提案してくれるかなど、会話を通じて信頼できると感じる業者を選ぶと、きっと満足のいく工事ができます。
外壁や屋根の劣化が気になる方は、横浜市神奈川区エリアの無料現地調査・お見積りをご利用ください。塗料選定や費用感も、写真と診断結果を踏まえてご説明します。
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