
外壁塗装で人気の色、ND-013を使ったダークグレーのツートンカラーをご検討中ですね。
日本ペイントの外壁用上塗り「パーフェクトトップSi」は、2025年3月24日に従来の「パーフェクトトップ」から製品名が変更された水性ラジカル制御形シリコン系上塗りです。
(参考:建築用塗料「パーフェクトトップ」の名称変更のお知らせ |日本ペイント株式会社)
シリーズの中核として高い耐候性と仕上がりの良さで選ばれています。
弱溶剤タイプは「ファインパーフェクトトップSi」、完全マット仕上げは「パーフェクトトゥルーマット」(水性)と「ファインパーフェクトトゥルーマット」(弱溶剤)があり、用途や下地に応じて選べます。
ただ、この魅力的な色を外壁ツートンで採用するにあたっては、配色やデザインのパターン、ツートンカラー特有のデメリット、さらにはツートンで塗るといくらくらい費用がかかるのか、業者による金額の違いも気になるところです。
また、ND-013(ダークグレー)と他の人気のある色、例えばND-012(中明度グレー)、ND-050、ND-342(ブラウン系)、ND-400/ND-401(明るいグレー)、ND-375(ベージュ系)といった色との組み合わせによっても、家の印象は大きく変わります。
さらに、万が一の補修はDIYで可能なのかといった、事前に知っておきたい点も多いでしょう。この記事では、ND-013を用いた外壁ツートン塗装に関するあらゆる疑問にお答えします。」
記事のポイント
- ND-013と相性の良い色の組み合わせ
- ツートンカラーの主なデザインパターンと注意点
- 塗装にかかる費用感と業者選びのポイント
- 濃色ツートン特有のデメリットと対策
- 1. ND-013の外壁ツートン基礎知識
- 1.1. 日本ペイントのパーフェクトトップとは
- 1.1.1. ラジカル制御技術の仕組み
- 1.1.2. パーフェクトトップの主な特徴
- 1.1.3. 塗料の種類と下塗り材
- 1.2. 人気色のダークグレーツートン
- 1.2.1. デザイン面でのメリット
- 1.2.1.1. モダンで洗練された印象
- 1.2.1.2. 他の色や素材との調和
- 1.2.2. 実用面でのメリット
- 1.2.2.1. 汚れが目立ちにくい
- 1.2.3. ダークグレーの注意点
- 1.2.4. ツートンカラーとしてのND-013
- 1.3. 配色とデザインのパターン
- 1.3.1. 配色の基本ルール
- 1.3.1.1. 同系色(類似色)でまとめる
- 1.3.1.2. 無彩色やアースカラーと組み合わせる
- 1.3.1.3. セパレーションカラーを導入する
- 1.3.2. 塗り分けのデザインパターン
- 1.4. 色の比較:ND-342やND-375
- 1.4.1. ND-342(ブラウン系・モカ)
- 1.4.2. ND-375(ベージュ系)
- 1.4.2.1. 組み合わせの印象まとめ
- 1.5. ND-013と他の人気色(ND-012・ND-050・ND-400など)の比較
- 1.5.1.1. 色選びは「塗り板」での確認を
- 2. ND-013の外壁ツートン実践ガイド
- 2.1. ツートンカラーのデメリットとは
- 2.1.1. ツートンカラー共通のデメリット
- 2.1.1.1. 1.色選びとデザインが難しい
- 2.1.1.2. 2.費用が割高になる可能性がある
- 2.1.1.3. 3.境界線の仕上がりが業者の技術に左右される
- 2.1.2. ND-013(濃色)特有のデメリット
- 2.1.2.1. 1.熱を吸収しやすい
- 2.1.2.2. 2.色あせが目立ちやすい
- 2.1.2.3. 3.特定の汚れが目立つ
- 2.2. ツートンで塗るといくらくらい?
- 2.2.1. 追加費用の主な要因:「養生」と「塗り分け」の手間
- 2.2.1.1. 費用は「デザインの複雑さ」によります
- 2.3. 業者による金額の違い
- 2.3.1. 1. 施工品質と人件費(工程の省略)
- 2.3.1.1. 丁寧な業者
- 2.3.1.2. 安価な業者
- 2.3.2. 2. 使用する塗料・材料のグレード
- 2.3.3. 3. 会社の規模と保証内容
- 2.4. 補修はDIYできるか
- 2.4.1. DIY補修が推奨されない深刻な理由
- 2.4.1.1. 危険性
- 2.4.1.2. 下地処理の難しさ
- 2.4.1.3. 色の不一致(補修箇所が目立つ)
- 2.4.1.4. ツートンの境界線の再現不可
- 2.4.1.5. 保証の対象外になるリスク
- 2.5. ND-013外壁ツートン塗装の総括
ND-013の外壁ツートン基礎知識
- 日本ペイントのパーフェクトトップとは
- 人気色のダークグレーツートン
- 配色とデザインのパターン
- 色の比較:ND-342やND-375
- ND-013と他の人気色(ND-012・ND-050・ND-400など)の比較
日本ペイントのパーフェクトトップとは
日本ペイントの「パーフェクトトップ」は、外壁塗装において国内で非常に高いシェアと人気を誇る塗料シリーズです。
(参考:パーフェクトシリーズ(パーフェクトトップ) ラジカル制御形塗料のパイオニア|日本ペイント株式会社)
この塗料が多くの専門業者や施主様から選ばれる最大の理由は、「ラジカル制御技術」という革新的な技術を採用している点にあります。
ラジカル制御技術の仕組み
従来、塗膜(塗装の膜)が劣化する主な原因は、紫外線が塗料に含まれる「酸化チタン(白色顔料)」に当たることで発生する「ラジカル」という物質でした。
このラジカルは非常に不安定で、周囲の樹脂を次々と破壊し、結果として色あせやチョーキング(壁を触ると粉が付く現象)といった劣化を引き起こしていました。
パーフェクトトップは、このラジカルの活動を抑え込むために、2つの制御技術を用いています。
- ラジカルバリア技術
酸化チタンの表面を特殊なシールドでコーティングし、ラジカルの発生自体を強力に抑制します。 - 光安定剤(HALS)
もしシールドを突破してラジカルが発生してしまっても、HALS(ハルス)と呼ばれる光安定剤がラジカルを捕獲し、活動を停止させます。
この二重の防御機能により、塗膜の劣化を長期間にわたって防ぎ、従来のシリコン系塗料を超える高い耐久性を実現しました。
パーフェクトトップの主な特徴
- 高い耐候性
施工店の目安としては12〜16年程度の案内例が一般的です(使用条件により変動)。耐用の年数表示はメーカー公式では明言されません。年数はあくまで目安として比較に用いてください。 - 優れたコストパフォーマンス
耐久性が高いフッ素塗料(15年~20年)に近い性能を持ちながら、価格はシリコン塗料と同等レベルに抑えられており、非常に経済的です。 - 美しい仕上がり
塗料の伸びが良く、作業性に優れるため、職人が塗りやすく、結果としてなめらかで美しい仕上がり(塗膜)になります。 - 低汚染性
塗膜に汚れが付着しにくく落ちやすい設計(低汚染性)を備えています。 - 豊富な艶のバリエーション
艶有り、7分艶、5分艶(半艶)、3分艶、艶消しと、艶の調整が幅広く可能です。一般的に、艶が有る方が耐久性や低汚染性は高まる傾向にあります。
塗料の種類と下塗り材
パーフェクトトップシリーズには、主に水性の「パーフェクトトップSi」と、弱溶剤(油性)の「ファインパーフェクトトップSi」があります。
臭いが少なく環境負荷が低いのは水性ですが、旧塗膜の種類や下地の状態によっては、付着性に優れる弱溶剤タイプが選ばれることもあります。
また、外壁塗装の際は、この主剤(中塗りと上塗り)だけでなく、下地と塗料を強力に密着させるための下塗り材(シーラーやフィラー)が不可欠です。
窯業サイディングの下塗りには「パーフェクトサーフ」等の指定下塗り材が公式ラインアップにあります。下塗りの適合確認を見積書で明記しましょう。
これらをセットで正しく施工することで、塗料本来の性能が最大限に発揮されます。

人気色のダークグレーツートン
近年、住宅の外壁塗装において、流行に左右されない定番色としてND-013のようなダークグレーが非常に人気のある色となっています。
この色が選ばれる理由は、デザイン性と実用性の両面を兼ね備えているからです。
デザイン面でのメリット
モダンで洗練された印象
濃いグレーは建物を視覚的に引き締め、重厚感とスタイリッシュさを両立させます。シンプルモダン、スタイリッシュ、都会的といったキーワードに当てはまる外観に最適です。
他の色や素材との調和
無彩色であるため、他の色を邪魔しません。白や黒はもちろん、ベージュ(ND-375など)やブラウン(ND-342など)といったアースカラーとも相性が良いです。
さらに、木目調の玄関ドアやフェンス、レンガ調のサイディング、金属系の素材(ガルバリウムなど)とも調和し、互いの質感を高め合います。
実用面でのメリット
汚れが目立ちにくい
中間色であるグレーは、砂埃、土埃、排気ガスといった「中間色の汚れ」が、真っ白や真っ黒の外壁に比べて目立ちにくいという大きな実用的なメリットがあります。
ダークグレーの注意点
実用面でメリットがある一方、注意点もあります。
前述の通り、砂埃などは目立ちにくいですが、鳥のフンや黄砂、花粉といった「白っぽい・黄色っぽい汚れ」は、逆に濃い地色の上で目立ってしまう可能性があります。
立地環境(交通量、周囲の自然)も考慮して色選びをすることが望まれます。
ツートンカラーとしてのND-013
このND-013を外壁全体に単色で使うと、非常にクールで格好良い印象になりますが、家の形状や大きさによっては「重すぎる」「暗すぎる」と感じられることもあります。
そこで人気を集めているのが、明るい色と組み合わせる「ダークグレーツートン」です。
例えば、ND-013をベースカラーにしつつ、バルコニーや玄関周りといった一部にだけ白や明るいベージュ(ND-108など)をアクセントとして取り入れるデザインが挙げられます。
この配色は、重厚感の中に軽快さが生まれ、メリハリのある非常にオシャレな外観となります。

配色とデザインのパターン
外壁をND-013を使ったツートンカラーにする際、成功の鍵を握るのが「配色(どの色と組み合わせるか)」と「デザイン(どこで塗り分けるか)」です。
センス良く、かつ失敗なく仕上げるためには、いくつかの基本的なルールを知っておくと役立ちます。
配色の基本ルール
失敗しないツートンカラーの配色は、大きく分けて3つの考え方があります。
同系色(類似色)でまとめる
同じ色味で明るさや鮮やかさが違う色を組み合わせる方法です。例えば、ND-013(濃いグレー)とND-400(明るいグレー)のように、グレーの濃淡で分けるパターンです。
色同士が喧嘩せず、統一感があり上品で、失敗しにくい最も堅実な組み合わせと言えます。
無彩色やアースカラーと組み合わせる
ND-013(ダークグレー)は無彩色です。これに、白(ND-102など)やベージュ(ND-108、ND-375など)、ブラウン(ND-342など)といった他の系統の色を合わせる方法です。
メリハリがつき、デザイン性を高めることができます。
セパレーションカラーを導入する
2色の境界線に、あえて別の色(主に白や黒)を入れる上級テクニックです。
幕板(帯板)や目地部分にこのセパレーションカラーを使うことで、2つの色が直接ぶつかるのを和らげたり、全体をキリッと引き締めたりする効果があります。
また、色の面積比率は、ベースカラー(広い面積)とアソートカラー(狭い面積)を「7:3」または「6:4」の比率にすると、バランスが良く見えるとされています。
5:5の均等な比率は、視点が定まらず、まとまりのない印象になりがちなので避けるのが無難です。
塗り分けのデザインパターン
どこで色を分けるかによっても、家の印象は大きく変わります。ご自宅の形状に合ったパターンを選ぶことが重要です。
| 塗り分けパターン | 特徴とメリット | 向いている家の形状 |
|---|---|---|
| 上下(水平)で分ける | 1階と2階で色を分ける最も一般的な方法。1階にND-013のような濃い色、2階に明るい色を塗ると、視覚的な重心が下がり、重厚感と安定感が出ます。 | 総二階建て、1階と2階の境界がはっきりしている家 |
| 縦(垂直)で分ける | 建物の角や壁の面ごと(入隅・出隅)に縦のラインで色を分けます。シャープでスタイリッシュ、モダンな印象を強調でき、家を高く見せる効果も期待できます。 | 凹凸(おうとつ)のある家、モダンなデザインの家 |
| 凹凸(アクセント)で分ける | バルコニーや玄関周り、窓の周りなど、建物の出っ張った部分やへこんだ部分だけ色を変える方法。立体感が生まれ、デザイン性が高まります。 | バルコニーや玄関ポーチが特徴的な家 |
どのパターンがご自宅に最適かを選ぶのは難しいですよね。
そんな時は、専門業者にシミュレーションを依頼して、ご自宅に最適な分割ラインを見つけることが成功への近道です。

色の比較:ND-342やND-375
ND-013(ダークグレー)と組み合わせる色は、家のテイストを決定づける非常に重要な要素です。ここでは、特に人気のあるブラウン系・ベージュ系の色番号との比較を見てみましょう。
まず、ND-013が持つ印象は「クール」「モダン」「無機質」「スタイリッシュ」といったキーワードです。
これに対し、ND-342やND-375は「ウォーム(温かみ)」「ナチュラル」「柔らかさ」といった、正反対の印象を与える色系統です。
ND-342(ブラウン系・モカ)
ND-342は、落ち着いたブラウン系の色で、「モカ」とも表現されます。
この色はアースカラー(地球にある自然な色)の代表格であり、周囲の景観や植栽(木や緑)と非常に良くなじみます。
ND-013(ダークグレー)とND-342(ブラウン)を組み合わせると、クールな印象に温かみが加わった「ウォームモダン」な仕上がりになります。
近年人気の「ジャパンディ(Japan + Scandi)」スタイルや「ナチュラルモダン」な外観を目指す方に最適です。
木目調の玄関ドアやフェンスとの相性も抜群で、冷たすぎない、バランスの取れた外観を好む方におすすめです。
ND-375(ベージュ系)
ND-375は、ND-342よりも明るいベージュ系の色です。
ND-013(ダークグレー)とND-375(ベージュ)を組み合わせると、(重×軽)の対比がND-342よりも明確になります。
ダークグレーの重厚感を、明るいベージュが軽やかに見せてくれるため、洗練されつつも親しみやすく、明るい印象を与えます。
組み合わせの印象まとめ
- ND-013 × 明るいグレー (ND-400など)
統一感のあるクールモダン。最も失敗しにくい。 - ND-013 × ND-342 (ブラウン)
温かみのあるウォームモダン。ナチュラルで落ち着いた印象。 - ND-013 × ND-375 (ベージュ)
メリハリのあるナチュラルモダン。明るく軽快な印象。 - ND-013 × ホワイト (ND-102など)
最もコントラストが強い。シャープで潔いモダン。

ND-013と他の人気色(ND-012・ND-050・ND-400など)の比較
ND-013のツートンを検討する際、他のグレー系やベージュ系との組み合わせも人気です。ND-013(濃いグレー)の比較対象となることが多い、主要な色番号を紹介します。
これらの色番号は、すべて日本ペイントの色見本帳に掲載されている標準色であり、多くの塗装業者で取り扱いが可能です。
| 色番号 | 色味の系統 | ND-013との組み合わせイメージと選び方 |
|---|---|---|
| ND-012 | ミディアムグレー | ND-013よりも一段階明るいグレーです。この2色でツートンにすると、色の差が激しくないため、主張しすぎない洗練されたグラデーションが生まれます。非常に上品なモノトーンスタイルにしたい場合におすすめです。 |
| ND-050 | ベージュ系 | ND-375などに近い、温かみのあるベージュ系の色です。ND-013と組み合わせることで、ナチュラルで柔らかい雰囲気をプラスできます。ND-375やND-108など、複数のベージュ系を比較して好みの色合いを選ぶと良いでしょう。 |
| ND-400 / ND-401 | ライトグレー | ND-400・ND-401はともに明るいグレー帯の標準色として流通しており、ND-401の方がわずかに濃いと紹介されることがあります。ND-013との明度差でメリハリが出る組み合わせです。 |
色選びは「塗り板」での確認を
これらの色番号は、色見本帳の小さなチップで見ると、違いがわずかに感じられるかもしれません。
しかし、外壁全体に塗ると、そのわずかな違いが家の印象を大きく左右します(これを面積効果と呼びます)。
最終決定前はA4以上の塗り板で「屋外・日向/日陰・朝夕」の実光確認に加え、日本ペイント公式の「PERFECT Color Design」等でシミュレーションを併用すると失敗が減ります。
(参考:PERFECT Color Design カラーコーディネーター監修 戸建ておすすめ配色|ニッペラボ|日本ペイント株式会社)

ND-013の外壁ツートン実践ガイド
- ツートンカラーのデメリットとは
- ツートンで塗るといくらくらい?
- 業者による金額の違い
- 補修はDIYできるか
- ND-013外壁ツートン塗装の総括
ツートンカラーのデメリットとは
ND-013を使ったツートンカラーは非常に魅力的で、お住まいに個性とデザイン性を与えます。しかし、採用する前に知っておくべきデメリットや注意点も存在します。
これらを事前に理解し、対策を講じることで、後悔のない塗装計画を立てることができます。
ツートンカラー共通のデメリット
1.色選びとデザインが難しい
単色塗装よりも考えるべき要素(色の相性、面積比率、塗り分け位置)が格段に増えます。
配色やデザインのバランスを誤ると、期待していたほどオシャレにならなかったり、逆に「まとまりがない」「落ち着かない」といった印象になったりするリスクがあります。
【対策】経験豊富な業者に相談し、カラーシミュレーションや「塗り板」で、仕上がりイメージを徹底的に確認することが不可欠です。
2.費用が割高になる可能性がある
使用する塗料の総量は単色と変わりませんが、色を塗り分けるための「養生(マスキング)」の手間が余分にかかります。
境界線を真っ直ぐ出すために、丁寧にテープを貼って剥がす作業工数(人件費)が追加されるため、単色塗装よりも数万円程度、費用が高くなるケースが一般的です。
3.境界線の仕上がりが業者の技術に左右される
2色の境界線(見切り線)を真っ直ぐキレイに仕上げるには、職人の高い技術と丁寧な作業が求められます。
技術が低い業者の場合、境界線がガタガタになったり、塗料がはみ出して(にじんで)しまったりするリスクがあります。
【対策】業者の過去のツートン塗装の施工事例(写真)を確認させてもらい、仕上がりの品質を見極めることが重要です。
ND-013(濃色)特有のデメリット
さらに、ND-013のようなダークグレーを選ぶ場合、濃色特有のデメリットも考慮する必要があります。
1.熱を吸収しやすい
濃色は熱を吸収しやすく、白系と比べて外壁表面温度が大幅に高くなる傾向があります。
これにより、室内の温度上昇に(特に2階の部屋)影響を与えたり、熱による塗膜の劣化を早めたりする可能性があります。
【対策】日本ペイントの外壁用遮熱塗料「サーモアイウォール」シリーズ等を選ぶことで、表面温度の上昇を抑える効果が期待できます。
外壁では色選びや計画換気・断熱と併せて総合的に対応しましょう。
ND-013に近い色味で遮熱塗料を選ぶか、日当たりの良い南面や西面には明るい色を配置するデザインにする、といった工夫が有効です。
2.色あせが目立ちやすい
濃い色は、紫外線によって顔料が分解されて色あせ(退色)が始まると、明るい色に比べて変化が目立ちやすい傾向があります。
【対策】パーフェクトトップのような「ラジカル制御技術」を持つ高耐候性塗料を選ぶことが最低条件です。
これにより、従来のアクリル塗料やシリコン塗料に比べて、色あせの進行を大幅に遅らせることができます。
3.特定の汚れが目立つ
前述の通り、砂埃は目立ちにくい反面、鳥のフンや黄砂、花粉といった白っぽい汚れは、かえって目立ちやすくなることがあります。
これらのデメリットを理解した上で、塗料の選定や塗り分け位置を決定することが、長期的な満足度につながります。

ツートンで塗るといくらくらい?
「ツートン塗装は単色よりも大幅に高くなるのでは?」と心配される方も多いですが、結論から言うと、費用は単色塗装と大きく変わらないか、若干高くなる程度が一般的です。
塗装費用は主に「塗料代」「足場代」「人件費(作業工数)」で構成されています。
ツートンカラーにする場合でも、家全体を塗装する面積は変わらないため、使用する塗料の総量(塗料代)や、工事に必須の足場代は、単色塗装とほぼ同じです。
ただし、前述の通り、ツートンカラーには単色塗装にはない「色分け作業」が発生します。この手間が費用に反映されます。
費用の上振れ幅はデザインの複雑度に依存するため、見積書に「色分け作業費」の内訳を明記してもらい比較することが重要です。
追加費用の主な要因:「養生」と「塗り分け」の手間
2色を塗り分ける際、境界線を美しく仕上げるために、先に塗った部分がはみ出さないようマスキングテープなどで保護する「養生(ようじょう)」作業が必要です。
また、色ごとにローラーや刷毛を替えたり、乾燥時間を待ったりする必要も生じます。
これらの追加の作業工数(人件費)として、一般的に数万円程度(例:2万円~5万円)の追加費用が見積もりに計上される場合があります。
逆に言えば、塗料が2色だからといって塗料代が2倍になったり、工事費が倍になったりすることは決してありません。
費用は「デザインの複雑さ」によります
追加費用は、デザインの複雑さに比例します。
例えば、単純な「上下分け」に比べ、「窓枠すべてを別色にする」「複数の細いラインを入れる」といったデザインは、養生の手間が格段に増えるため、追加費用も高くなる傾向があります。
正確な金額は、業者に希望のデザインを伝えた上で見積もりを依頼し、「色分け作業費」としていくら計上されているかを確認しましょう。

業者による金額の違い
外壁塗装の金額は、どの業者に依頼するかによって大きく変動します。
同じND-013とND-342のパーフェクトトップを使ったツートン塗装であっても、A社は100万円、B社は130万円といったように、見積もり金額が異なることは日常茶飯事です。
この金額差が生まれるのには、明確な理由があります。
1. 施工品質と人件費(工程の省略)
塗装工事は「塗料」という製品を売るのではなく、「塗装工事」という技術サービスを提供します。
仕上がりの美しさと耐久性は、職人の技術と、決められた工程を遵守するかどうかにかかっています。
丁寧な業者
高圧洗浄、ケレン(旧塗膜の除去)、シーリングの「打ち替え」、塗料の乾燥時間を厳守する「3回塗り」など、見えなくなる部分も手を抜きません。そのための適正な人件費が計上されます。
安価な業者
シーリングを安価な「打ち増し」で済ませたり、乾燥時間を守らずに塗り重ねたり、ひどい場合は3回塗りを2回塗りにするなど、工程を省略して人件費を削減している可能性があります。
2. 使用する塗料・材料のグレード
見積書に「シリコン塗料」としか書かれていない場合、注意が必要です。同じシリコンでも、パーフェクトトップのような高性能なものもあれば、安価で低品質なものもあります。
ND-013でツートン塗装を依頼する場合、主剤が「パーフェクトトップ」であるかといった点は、もちろん重要な確認事項です。
しかし、それと同時に「脇役」となる材料のグレード確認も欠かせません。
例えば、シーリング材に「オートンイクシード」のような高耐久な材料を使っているか、下塗り材は適切なもの(例:パーフェクトサーフ)を選定しているか、といった点です。
こうした塗料以外の材料が塗装全体の品質を支えており、どのグレードの材料を選ぶかが、最終的な見積もり金額と建物の耐久性に大きく影響します。
3. 会社の規模と保証内容
大手ハウスメーカーやリフォーム会社は、広告宣伝費やショールーム維持費、営業マンの人件費が上乗せされるため、地元の塗装専門店より高額になる傾向があります。
その分、ブランド力や安心感、充実した保証が手に入るとも言えます。一方、地元の塗装専門店は、余計な経費がかからない分、適正価格で高品質な施工が期待できます。
金額だけで業者を選ぶのは非常に危険です。
ツートン塗装の実績、シミュレーション対応、使用材料(見積書に製品名明記)、保証内容を、必ず3社程度の業者で比較検討(相見積もり)してください。
そうすることで、適正価格で高品質な工事を実現する鍵となります。

補修はDIYできるか
外壁塗装から数年後、「台風で物が当たり傷が付いた」「ボールで塗装が剥がれた」際、「その部分だけDIYで補修できないか?」と考える方もいるかもしれません。
結論から申し上げますと、外壁塗装の補修をDIYで行うことは、絶対に推奨されません。
特にND-013を使ったツートンのような専門的な塗装の場合、下地処理・色合わせ・見切り(境界線)再現性の難易度が非常に高く、かえって状態を悪化させる可能性が高いです。
さらに、保証条項の除外原因になり得るため、リスクが大きすぎます。
DIY補修が推奨されない深刻な理由
危険性
たとえ1階部分のわずかな補修であっても、脚立などでの作業は転落事故の危険が伴います。
下地処理の難しさ
塗装は、単に色を塗るだけではありません。
塗装を長持ちさせるには、補修箇所を洗浄し、古い塗膜を適切に除去(ケレン)し、下塗り材(シーラーなど)を塗るという専門的な「下地処理」が不可欠です。
この処理が不十分だと、補修した箇所が数ヶ月で再び剥がれてしまいます。
色の不一致(補修箇所が目立つ)
最大の問題点です。たとえ同じND-013の塗料を入手できたとしても、①新しく塗った部分と、②数年間紫外線にさらされた既存の部分とでは、必ず色味に違いが出てしまいます(経年退色)。
結果、補修箇所だけが浮き上がり、かえって目立ってしまいます。
ツートンの境界線の再現不可
2色の境界線を真っ直ぐに補修するのは、プロの職人でも気を使う作業です。DIYでは、既存の美しいラインを崩してしまう可能性が極めて高いです。
保証の対象外になるリスク
最も避けたいのがこのケースです。
業者の保証期間中にDIYで手を入れてしまうと、それが原因で不具合が起きたとみなされ、家全体の塗装保証が無効になる(保証の対象外となる)恐れがあります。
気になる傷や劣化を見つけた場合は、絶対に無理に自分で直そうとせず、まずは施工を依頼した塗装業者に相談してください。
その際、使用色(例:ND-013)の調色情報と、材料適合(下塗り・シーリング材)を踏まえた最小範囲の補修を依頼するのが確実です。

ND-013外壁ツートン塗装の総括
- モダンで洗練された印象を与えるため人気の色である
- 砂埃など中間色の汚れは目立ちにくいが、鳥のフン等の白系汚れは目立つ場合がある
- 塗料はラジカル制御形のパーフェクトトップが主流
- パーフェクトトップはコストパフォーマンスと耐久性に優れる
- ツートンの配色は同系色か無彩色との組み合わせが基本
- 塗り分けは「上下」「縦」「凹凸(アクセント)」が主流
- 色の面積比率は7:3や6:4がバランス良く見える
- ND-342(ブラウン)と組み合わせると温かみが出る
- ツートンカラーのデメリットは色選びの難しさにある
- ND-013(濃色)は熱を吸収しやすい点に注意が必要
- 色分けの養生手間により費用が若干高くなる場合がある
- 業者によって金額や保証内容、技術力が大きく異なる
- DIYでの補修は危険であり仕上がりも難しいため推奨されない
- ND-013(濃)とND-012(中)やND-400(明)等の標準色グレー系は、濃淡で統一感を出しやすい







