
- 1. ALC外壁で後悔する理由
- 1.1. ALCとは?
- 1.1.1. ご自宅の外壁の見分け方
- 1.2. 知っておくべき欠点
- 1.3. ヘーベルパワーボードの評判
- 1.3.1. 【豆知識】パワーボードとヘーベルの違い
- 1.4. サイディング外壁との比較
- 1.5. どちらがよいか
- 1.5.1. ALCがおすすめな人
- 1.5.2. サイディングがおすすめな人
- 1.5.2.1. どちらを選んでも「メンテナンス」は必須!
- 2. ALCの外壁で後悔しないための対策
- 2.1. 必須のメンテナンスと補修
- 2.1.1. 塗装メンテナンス
- 2.1.2. シーリング(コーキング)補修
- 2.2. DIYでの穴あけは可能か
- 2.3. ゴキブリ発生の噂は本当か
- 2.3.1. 断熱性が高いのに「寒い」と感じる理由
- 2.3.1.1. ⒈シーリング(目地)の劣化による「隙間風」
- 2.3.1.2. ⒉窓や換気口まわりの施工
- 2.4. 外壁の耐用年数で一番長持ちするのは
- 2.4.1. 【素材別】長持ち比較
- 2.5. ALC外壁で後悔しないための総括
- 2.5.1. メンテナンスの際に業者選を選ぶコツ
こんにちは!ステップペイントの現場担当、土橋 昭です。
今、ALC外壁で後悔と検索して、この記事にたどり着いたということは、ALCの外壁について色々とご不安な点があるんだと思います。
ALC外壁は高性能で良い素材なんですが、ネットで調べると「寒い」とか「虫(ゴキブリなど)が多い」といった気になる情報や、パワーボード(ヘーベルハウス)は、メンテナンス費用が高いんじゃないか、といったデメリットの情報も目立ちますよね。
「本当にALCで良かったのかな…」「サイディングと比較してどっちが正解だったんだろう…」と迷ってしまうお気持ち、とてもよく分かります。
私自身、現場で多くのお客様のお宅や、もちろんALC住宅もたくさん拝見してきました。
その経験からハッキリ言えるのは、ALC外壁で後悔するケースには、実ははっきりとした理由がある、ということです。
そのほとんどは、ALCの「特性」と「正しい付き合い方」を知らなかったことに起因するんです。
この記事では、2級建築施工管理技士でもある私が、現場の視点から「なぜALC外壁で後悔するのか?」という本当の理由と、「後悔しないために本当に大事なこと」を、できるだけ分かりやすく、詳しくお話ししていきます。
この記事を読めば、ALC外壁への漠然とした不安が解消されて、どうすれば長く快適に住めるかがきっと分かるはずですよ。
記事のポイント
- ALC外壁で後悔する主な原因とそのメカニズム
- ALCのメリットと、必ず知っておくべき欠点
- 後悔しないために必須となる正しいメンテナンス方法
- サイディングとの具体的な違いと選び方のポイント
ALC外壁で後悔する理由
ALCは、本来とても高性能な外壁材です。耐火性や断熱性、遮音性なんて、他の外壁材と比べてもトップクラスだと私も思います。
現場で見ていても、その性能の高さは感じますね。それなのに、なぜ「後悔」なんていうネガティブな言葉が出てきてしまうんでしょうか。
それは多くの場合、ALCの持つ「ある特性」、特に「弱点」を、建てる時や選ぶ時にしっかり理解していなかった…というケースがほとんどなんですね。
まずは、その「後悔」の元になってしまう理由を、一緒にしっかり見ていきましょう。
ALCとは?
まず、「ALC」って一体何なのか、簡単におさらいしましょう。
ALCは「Autoclaved Lightweight aerated Concrete」の略で、日本語だと「軽量気泡コンクリート」と呼ばれます。
その名の通り、内部にたくさんの微細な気泡を含んだ、とっても軽いコンクリートパネルなんです。
セメントや珪石、生石灰などを主原料にしていて、高温高圧の蒸気で養生(硬化させること)して作られます。この製造工程のおかげで、寸法安定性が高くて丈夫なパネルになるんですね。
JIS規格(日本産業規格)でも「JIS A 5416 軽量気泡コンクリートパネル」としてちゃんと規定されていて、国内でもこのJISを取得したごく限られたメーカーだけが製造している、とっても信頼性の高い工業製品なんですね。
この「気泡」が空気の層となって、高い断熱性や優れた遮音性、そしてコンクリートならではの耐火性を発揮するわけです。
ご自宅の外壁の見分け方
じゃあ、自分の家がALCかどうか「見分け方」は?というと、一番分かりやすいのは「目地(めじ)」ですね。
ALCは、幅が30cm〜60cm程度の長方形のパネルを、パズルのように縦横に組み合わせて張っていきます。
だから、壁全体をじーっと見ると、縦と横に規則正しくコーキング(シーリング)の線が入っているはずです。
一般的なサイディング外壁も目地はありますが、ALCはそれと比べても、この目地が明らかに多いのが特徴ですね。
もう一つの方法は、壁を指の関節で「コンコン」と叩いてみることです。これはちょっと感覚的ですけど…
【壁材ごとの叩いた音のイメージ】
- 窯業系サイディング
「コンコン」と比較的軽くて薄い感じの音がします。 - モルタル(塗り壁)
「ゴツゴツ」「ゴンゴン」と、中身が詰まっていて硬い音がします。 - ALCパネル
「コッコッ」「ポクポク」と、モルタルほど硬くなく、サイディングより厚みを感じる…少し響くような、乾いた音がしますね。
図面があれば「軽量気泡コンクリート」や「ALCパネル」と書いてあるのですぐ分かりますが、分からない時は目地のパターンと音でだいたい見当がつくかなと思います。

知っておくべき欠点
ここが一番大事なポイントです。ALCの素晴らしい性能(断熱・遮音・耐火)は、すべて「無数の気泡」から生まれると言いましたが、最大の欠点も、実はこの構造から来ています。
それは、「素材自体が非常に水を吸いやすい(吸水性が高い)」ことです。
例えるなら、ALCパネルは「硬いスポンジ」のようなもの。パネルそのものには、防水機能は一切ありません。
だから、外壁材として使うには、その表面を「塗装(塗膜)」と「シーリング(目地を埋めるゴム状のもの)」で、水が一滴も入らないようにガッチリと守ってあげる必要があるんです。
もし、この塗装やシーリングが紫外線や雨風で劣化して防水性が切れると…。
想像つきますよね?
【ALCの劣化メカニズムと「後悔」への道】
- 塗装・シーリングが劣化する
(新築から約10年〜15年) - 劣化した隙間からALCが水を吸い込む
(硬いスポンジが水を吸うイメージ) - 内部で深刻な問題が発生する
- 冬場(特に寒冷地)
吸った水が内部で凍って膨張し、パネル自体が割れる「凍害(とうがい)」を起こします。 - 夏場・その他
内部の補強用鉄筋(スチールメッシュ)まで水が達すると、鉄筋が錆びて膨張します。その膨張する力でコンクリートを内側から押し出して、壁が欠け落ちる「爆裂(ばくれつ)」を起こします。
- 冬場(特に寒冷地)
これが、ALCが「メンテナンス絶対必須」と言われる理由であり、「メンテナンスを怠った」場合の最大の後悔の原因なんですね。
爆裂や凍害が起きてしまうと、もう塗装だけでは済みません。大掛かりな補修工事が必要になってしまいます。
ヘーベルパワーボードの評判
ALCというと、「ヘーベルハウス」や「パワーボード」という言葉を思い浮かべる方も多いですよね。
これらは旭化成グループの製品・ブランド名で、ALCの代名詞のようになっています。テレビCMなどでもお馴染みかもしれませんね。(参考:HEBEL 旭化成のALCパネル | ALCとは?)
ヘーベルパワーボードの評判を調べると、「高性能だけど、メンテナンス費用が高い」という話をよく見かけませんか?
まず、「高性能」というのは、私、土橋の目から見てもその通りです。耐久性も断熱性も本当に優れています。特にパネルの厚みがしっかりありますからね。安心感が違います。
ただ、「メンテナンス費用が高い」という評判も、あながち間違いではないかもしれません。
というのも、多くのハウスメーカーさんでは、お家を建てた後の「長期保証」を維持するために、メーカー指定の純正塗料や、指定業者さんでの施工が条件になっているケースが多いんですね。
もちろん、これはメーカーさんが「品質を担保するため」にやっていることで、それ自体は悪いことではありません。
純正の塗料や工法は、そのALCパネルに最適化されているわけですから。
ただ、その結果として、私たちのような一般の塗装店で見積もりするより、費用が割高になってしまう傾向はあるかなと思います。
これはALCパネルそのものの欠点というよりは、家を建てた後の「維持管理の仕組み(保証システム)」による部分が大きいですね。
【豆知識】パワーボードとヘーベルの違い
現場での使い分けですが、実は、「パワーボード」と「ヘーベル」は厳密には違う製品を指すことが多いです。
「パワーボード」は主に木造住宅向けに開発された37mm厚などのALCパネル。
一方、「ヘーベル」は鉄骨造の「ヘーベルハウス」に使われる75mm以上の厚型ALCパネルを指すことが一般的ですね。どちらも高性能なALCパネルであることには変わりありません。

サイディング外壁との比較
じゃあ、日本の住宅で一番多く使われている窯業系サイディングの外壁と比べるとどうなんでしょうか。
どちらも工場で作られるパネルで、目地(コーキング)があり、塗装で防水している、という点は共通しています。
大きな違いは「厚み」「性能」「重さ」「デザイン性」ですね。ちょっと比較表にしてみましょう。
| 比較項目 | ALCパネル | 窯業系サイディング |
|---|---|---|
| 厚み(主流) | 37mm 〜 75mm以上 | 14mm 〜 18mm程度 |
| 断熱性 | ◎(非常に高い) | △(ALCには劣る) |
| 遮音性 | ◎(非常に高い) | △(ALCには劣る) |
| 耐火性 | ◎(不燃材料) | 〇(不燃・準不燃材料) |
| 重さ | ◎(非常に軽量) (コンクリートの約1/4) | △(ALCより重い場合が多い) |
| デザイン性 | △(単色・シンプルな柄) | ◎(非常に豊富) (木目・タイル・石積調など) |
(参考:ALC外壁の仕上げと防水に関する日本ALC協会の技術資料)
重さに関しては、ALCは「軽量」気泡コンクリートなので、あれだけ分厚いのに、実は一般的な窯業系サイディングより軽いんです。
コンクリートの約1/4の重量しかありません。建物全体への負担が少ないので、耐震性にも良い影響があると言われていますね。
対して、窯業系サイディングの最大の強みは、なんといっても木目調やタイル調、石積調など、デザイン(柄)のバリエーションが圧倒的に豊富なことです。

どちらがよいか
これは永遠のテーマかもしれませんが…。私、土橋としての見解は「何を一番重視するかによります」という、ちょっと優等生な答えになってしまいますね。でも、本当にそうなんです。
ALCがおすすめな人
- 初期費用はかかってもOK
- 耐火性、断熱性、遮音性など、壁本体の「基本性能」を最重要視する人
- 大通り沿いや線路沿いなどで、外からの音をシャットアウトして、静かな室内環境を求める人
- 重厚感のある、シンプルな外観が好みの人
サイディングがおすすめな人
- 初期費用をなるべく抑えたい人
- 性能も大事だけど、それ以上に外観の「デザイン性」を重視する人
- 木目調やレンガ調、モダンな柄など、多彩なデザインから選びたい人
サイディングの目地を目立たせない配色や工法については、別記事『つなぎ目が目立たないサイディングの選び方【決定版】』で詳しく解説しています。
どちらを選んでも「メンテナンス」は必須!
ここで本当に知っておいてほしいのは、ALCとサイディングのどちらを選んだとしても、10年〜15年に一度は「塗装」と「コーキング(シーリング)」のメンテナンスが絶対に必要だということです。
そして、コスト面で言うと、ALCはサイディングよりもパネルが小さい分、壁全体の「目地の総延長(メートル数)」が長くなる傾向があります。
シーリング工事はメートル単位で費用が決まることが多いので、同じ面積の家でも、ALCの方がシーリング工事の費用が少し高くなる可能性はありますね。
この「維持費」のことも考えて選ぶのが大事です。

ALCの外壁で後悔しないための対策
さて、ALCの「後悔ポイント」とその理由が分かってきたところで、ここからは「じゃあ、どうすれば後悔しないのか?」という具体的な対策をお話しします。
ALCは本当に良い素材ですから、その素晴らしい性能を長く維持させてあげたいですよね。その鍵は、やっぱり「メンテナンス」と「ちょっとした知識」にあるんです。
必須のメンテナンスと補修
ALC外壁の命綱は、もう何度も繰り返してしつこいかもしれませんが(笑)、それだけ大事な「塗装」と「シーリング(コーキング)」です。
これが劣化したら、ALCの高い性能も台無しになってしまいますからね。
塗装メンテナンス
時期の目安は、だいたい10年〜15年ごとですね。ただ、これはあくまで目安。紫外線をガンガン浴びる南面や西面、逆に湿気がこもりやすい北面などは、劣化が早いこともあります。
一番大事なのは、塗料選びです。ALCは湿気を含みやすいスポンジ状の素材だとお話ししましたよね。
だから、「透湿性(とうしつせい)」つまり、内部の湿気を外に逃がす(呼吸できる)機能を持った塗料を選ぶのが鉄則です。
これを間違えて、安価でも透湿性の低い塗料でベッタリとフタをしてしまうと、壁の内部の湿気が逃げ場を失って、太陽熱で温められた時に水蒸気になり、塗膜を内側からプクッと押し上げて膨れさせてしまう…これが「塗膜の膨れ」の原因になります。
私たちプロは、必ずALCの特性に合った塗料を選定します。
シーリング(コーキング)補修
ALCは目地が多いので、ここが劣化するとそこから一気に水が浸入します。
塗装と同じタイミング(10年〜15年)での補修が基本ですが、場所によってはシーリング材の方が先に痩せたり切れたりすることもあるので、7年〜10年くらいで一度プロに点検してもらうと安心ですね。
補修方法は、既存の古いコーキングをカッターなどでキレイに撤去して、新しいコーキング材を奥までしっかり充填する「打ち替え」が基本です。
たまに費用を抑えるために、古いコーキングの上から薄く重ねる「増し打ち」を提案されるかもしれませんが、ALCの防水性を考えると「打ち替え」一択だと私は思います。
コーキングの増し打ちと打ち替えの違いは、こちらの記事も参考にしてみてください。
増し打ちだと、古いコーキングとの密着が悪かったり、すぐに薄い部分から切れたりして、結局また数年でやり直し…なんてことになりかねませんから。
コーキングの「打ち替え」については、費用感なども含めてこちらの記事で詳しく解説しています。
DIYでの穴あけは可能か
エアコンのダクトを通したり、防犯カメラや表札、あとは最近だと電気自動車(EV)の充電器を取り付けるために「穴あけ」をしたい、というご相談も時々ありますね。
結論から言うと、DIYでも可能ですが、細心の注意が必要です。
さらに、作業の前にまず確認してほしいことがあります。
特に耐火構造の指定がある外壁や、構造上重要な部分に近い場所への大きな穴あけは、建物の性能やメーカーさんの長期保証に関わることがあるんです。
必ず事前に、家を建てたハウスメーカーさんや施工会社さんに「ここにこういう理由で穴を開けたいんだけど、大丈夫?」と確認するようにしてくださいね。
その上で、ご自身で作業する場合の注意点ですが、ALCは内部が気泡なので、意外と脆い(もろい)一面もあります。
普通の鉄工用ドリルで雑にやってしまうと、穴の周りがボコッと大きく欠けたり、最悪の場合ひび割れたりすることがあります。
ALC専用のキリ(ビット)を使うのが理想ですね。特に振動ドリルは厳禁です。
それに、気泡構造のせいで、開けた穴にビスを打ってもスカスカで効かない(空回りする)こともよくあります。
専用のアンカー(ネジを固定するための部材)が必要になるケースがほとんどですね。
そして、何よりも大事なのは、穴を開けた後の「防水処理」です。穴を開けっぱなしにしたら、そこはもう雨水の入り口、高速道路の入り口みたいなものです(笑)。
必ず穴の周りや、取り付けた部材と壁の隙間、ビスの頭の上からでも、変性シリコンなどのコーキング材でしっかり防水処理をしてください。
これを怠ると、数年後に壁の内部がボロボロ…なんていう、一番後悔するパターンになりかねません。正直、自信がなければ、無理せずプロに任せるのが一番安心ですよ。

ゴキブリ発生の噂は本当か
「ALCは虫、特にゴキブリが多い」という噂、聞いたことありますか?これも不安になりますよね。私も虫は苦手です(笑)。
これはですね、ハッキリ言いますが、ALCだからゴキブリが「湧いてくる」わけでは、もちろんありません。ALC自体に虫を寄せ付ける成分は入っていませんからね。
ただ、理屈として考えられるのは…
- ALCは断熱性が高い
- → 冬でも室内からの熱で壁の内部がほんのり暖かい
- → もし、コーキングが劣化して痩せていたり、ひび割れがあったりすると…
- → その「隙間」が、虫たちにとって絶好の侵入経路や、冬越しのための快適な隠れ家になってしまう
結局のところ、これも原因は「隙間」なんです。
対策はやっぱり「メンテナンス」です。
ひび割れやコーキングの隙間をしっかり補修して、家の気密性を保つことが、一番の虫対策になります。
これはALCに限らず、サイディングでもモルタルでも、どの外壁材でも同じことが言えますね。
断熱性が高いのに「寒い」と感じる理由
導入部分で「寒い」という不安に触れましたが、「ALCは断熱性が高いはずなのに、なぜ?」と疑問に思いますよね。
これはALCパネル自体の性能が低いわけではなく、主に2つの原因が考えられます。
⒈シーリング(目地)の劣化による「隙間風」
ALCはパネル同士をつなぐ目地が多いのが特徴です。
このシーリングが経年劣化で痩せたり、切れたりすると、そこから冷たい外気が「隙間風」として侵入し、お部屋の中で寒さを感じることがあります。
⒉窓や換気口まわりの施工
ALCパネル自体の断熱性は高くても、窓ガラスやアルミサッシ、換気口のダクト周りは、どうしても熱が逃げやすい部分になります。
特に窓周りの防水処理や断熱施工が不十分だと、そこから冷気が伝わって「寒い」と感じやすくなるんです。
結局のところ、これもALC本体の問題というよりは、シーリングのメンテナンス状態や、窓や換気口といった開口部まわりの施工品質による影響が大きいんですね。
外壁の耐用年数で一番長持ちするのは
ALCパネル自体の「耐用年数」は、なんと50年〜60年と言われています。これは他の外壁材と比べても非常に長いです。
…ただし、これはもう耳にタコかもしれませんが、「適切なメンテナンスを続けた場合」の話です。
パネル本体(構造体)が60年もっても、それを守る表面の「お化粧(塗装)」や「目地のゴム(コーキング)」は10年〜15年で寿命が来てしまう、ということです。
じゃあ、「外壁で一番長持ちするのは何?」というと、これも難しい質問ですね…。素材の「本体」と「メンテナンスフリー」かどうかは別問題ですから。
【素材別】長持ち比較
※あくまで一般的な目安で、立地環境やメンテナンス状況で大きく変わりますよ!
| ALC | 50〜60年(適切なメンテナンスを行った場合) | 10〜15年ごと(塗装・シーリング) |
| 窯業系サイディング | 20〜40年 | 10〜15年ごと(塗装・シーリング) |
| 金属系サイディング (ガルバリウム鋼板など) | 20〜30年(※錆びによる穴あき) | 10〜15年ごと(塗装推奨) ※目地が少ない製品もある |
| タイル | 半永久的(非常に強い) | 10〜15年ごと(目地や下地の点検・補修) ※タイル自体はほぼメンテフリー |
結論として、「ノーメンテナンスで半永久的に長持ちする夢の外壁材は、今のところ無い」ということです。タイルが近いですけど、やっぱり目地などは劣化しますからね。
その中でもALCは、「しっかりとお金をかけて定期的にケア(メンテナンス)してあげれば、家の性能を一番長く保ってくれる可能性を秘めた素材」、と言えるかなと思います。

ALC外壁で後悔しないための総括
最後に、私からお伝えしたいことをまとめますね。
ALCは、断熱性、遮音性、耐火性に優れた、本当に優秀な外壁材です。これは間違いありません。
後悔するケースのほとんどは、その「吸水性の高さ(水に弱い)」という最大の弱点と、「定期メンテナンスが必須であること」を、建てる時や住み始めてから知った、という「そんなはずじゃなかった…」というミスマッチから生まれています。
ALCは、高性能なスポーツカーみたいなものかもしれません。
素晴らしい性能を発揮するけど、その性能を維持するためには、定期的なオイル交換や点検(メンテナンス)が欠かせない。そんなイメージです。
その性能を維持するためには、10年〜15年ごとに塗装とシーリング(コーキング)の費用が必ずかかるんだ、と最初から「将来の支出」として予算に組み込んでおくことが、後悔しない最大のコツです。
ちゃんと手をかけてあげれば、ALCは60年でも応えてくれる、皆さんの暮らしを守る「良い相棒」になってくれる素材ですよ。
外壁塗装全般で後悔しないコツは、こちらの『外壁塗装やらなきゃ良かった?後悔しないための全知識』も参考になりますよ。
メンテナンスの際に業者選を選ぶコツ
最後に、ALCのメンテナンスを業者に頼む際は、以下の点を確認してみてくださいね。
- 「ALCの施工経験が豊富か?」(施工事例の写真などを見せてもらう)
- 「ALCの弱点(吸水性)を理解しているか?」(シーリングの「打ち替え」をちゃんと提案しているか)
- 「透湿性のある塗料をちゃんと提案してくれるか?」(見積書に塗料名が明記されているか)
もちろん、私たちステップペイントはALCの塗装も大得意です!
ご自宅のALC外壁のことで「うちの壁、大丈夫かな?」「そろそろメンテナンス時期かも?」と心配なことがあれば、いつでもお気軽にご相談ください。
私たちがしっかり点検して、お住まいに合った最適なメンテナンスプランをご提案させていただきます。








