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積水ハウスの屋根をガルバリウムへ!費用や後悔しない選び方

積水ハウスの屋根をガルバリウムへ!失敗しない選び方と重要ポイント

こんにちは。ステップペイントの現場担当 土橋 昭です。

積水ハウスにお住まいの皆様から、屋根リフォームに関するご相談をいただく機会が非常に増えています。

特に築20年から30年が経過すると、新築時に採用されたスレート系屋根材や、年代によっては「セキスイかわらU」といった屋根材の寿命が気になり始める頃ではないでしょうか。

メーカーから提案されたメンテナンスの見積もりが予想以上に高額で驚いたという話や、ガルバリウム鋼板によるカバー工法や葺き替えを検討しているが、どんな種類を選べば良いか迷っているという声をよく耳にします。

耐久性の高い材質への変更は魅力的ですが、一方で金属屋根特有の錆や雨音、夏場の暑さといった欠点を心配される方も少なくありません。

また、施工における単価や価格の相場、上張り工事のメリットやデメリット、色見本を見ながら黒やシルバーでおしゃれに仕上げたいといったご要望も多岐にわたります。

この記事では、積水ハウス特有の屋根構造や勾配に適した縦葺き施工の必要性、断熱対策、耐用年数、そして実際に工事をされた方の口コミや評判も含めて、現場の視点から詳しく解説していきます。

後悔のない選択をするために、ぜひ参考にしてください。

記事のポイント

  • 積水ハウス標準屋根材の特徴と適切なメンテナンス時期
  • ガルバリウム鋼板のメリットだけでなく錆や音などの欠点対策
  • 屋根カバー工法と葺き替えの費用相場や賢い見積もりの見方
  • 緩勾配にも対応できる雨漏りに強い施工方法と断熱性の確保
目次

積水ハウスの屋根をガルバリウムへリフォームする基礎知識

積水ハウスの建物は、一般的な在来工法の木造住宅とは異なる独自の構造設計や部材規格を持っています。

軽量鉄骨造(イズ・シリーズ等)や木造(シャーウッド)など、それぞれの構造に適した屋根材が採用されていますが、リフォーム時期を迎える築20年以上の物件では、特有の課題を抱えているケースが少なくありません。

ここでは、積水ハウスで多く採用されている屋根材の劣化特性や、リフォームの最適解として注目されるガルバリウム鋼板の基礎知識、そして快適な住環境を守るためのデザインや機能性について、現場の経験を交えて詳細に解説していきます。

「築20年、その積水ハウスの屋根は本当に大丈夫ですか?」という問いかけ。メーカーの高額見積もりやリフォーム選びに悩む人へ向けた、セキスイかわらUの寿命や業者選びの基準を解説する表紙スライド。
画像はAI生成によるイメージであり実際のものとは異なります。

標準屋根材の種類とスレートの寿命目安

積水ハウスの屋根材には、建築された年代やモデルによっていくつかの種類が存在しますが、現在リフォームを検討されている多くの施主様が直面しているのが、「セキスイかわらU」や「グリシェイドNEO」といった特定のスレート系屋根材の問題です。

これらは新築当時は先進的な素材として採用されましたが、経年劣化の進行とともに、単なる塗装では対処できない深刻な症状が現れることがわかってきました。

塗装不可の代表格「セキスイかわらU」

特に注意が必要なのが、「セキスイかわらU」です。瓦のような波型をした屋根材で、かつては屋根カバー工法用の資材としても広く普及しました。

しかし、「セキスイかわらU」は製造時期によって性質が大きく異なり、一般に1990年8月以降から2007年までに製造・販売されたノンアスベスト品では、耐久性面の課題(塗膜剥がれ・層間剥離など)が報告されています。

アスベストを含まない代わりに採用された基材の強度が不十分で、経年により表面の塗膜が剥がれるだけでなく、屋根材そのものが層状にめくれ上がる「層間剥離(ピーリング)」という現象が発生します。

(参考:当社グループのアスベスト(石綿)関連の状況について|積水化学工業株式会社

この状態になった「かわらU」は非常に脆く、屋根点検のために梯子をかけて乗っただけで、パリパリと音を立てて割れてしまうこともあります。

「塗装をすれば直りますか?」というご質問をよくいただきますが、残念ながら、ノンアスベストのセキスイかわらUで層間剥離などが進行している場合、塗装での回復は期待しにくく、短期間で塗膜が再び剥がれるリスクが高いです。

表面に塗料を塗っても、塗膜ごとボロボロと剥がれ落ちてしまい、費用の無駄になってしまう恐れがあるのです。

積水ハウスの屋根に潜む「時限爆弾」の解説。セキスイかわらUの表面がめくれる層間剥離と、グリシェイドNEOの無数のひび割れの写真。1990年以降のノンアスベスト屋根材は基材が劣化するため塗装は無駄になるという警告。
画像はAI生成によるイメージであり実際のものとは異なります。

平板スレート「グリシェイドNEO」のひび割れリスク

また、平板スレートの「グリシェイドNEO」なども、ノンアスベスト移行期の製品に見られる特徴として、築15年から20年程度で微細なひび割れや欠けが多数発生する傾向があります。

一般的なスレート屋根の寿命は20年から30年と言われていますが、積水ハウスの屋根の場合、こうした材質的な特性に加え、独自の緩勾配設計などが相まって、雨水の滞留時間が長くなり、劣化が早まることがあります。

現場からの重要アドバイス

積水ハウスの屋根リフォームにおいて、「塗装」はあくまで下地や屋根材が健全な場合にのみ有効な延命措置です。

「かわらU」や劣化の進んだスレートに対しては、根本的な解決策である「カバー工法」か「葺き替え」を選択することが、長期的には最も経済的で安心な選択となります。

メリット・デメリットと錆や音の欠点

現在、積水ハウスの屋根リフォームにおいて、最も推奨され、実際に選ばれているのが「ガルバリウム鋼板」です。特に積水ハウスの構造体への負担を考慮すると、軽量で高耐久な金属屋根は非常に理にかなった選択肢と言えます。

しかし、金属屋根には特有の性質があり、メリットだけでなくデメリットもしっかりと理解した上で採用することが、後悔しないためのポイントです。

軽量化による耐震性の向上

ガルバリウム鋼板の大きなメリットは、その「軽さ」です。屋根葺材の設計荷重の目安では、粘土瓦(桟瓦葺き)が約50〜60kg/㎡、屋根化粧スレート(化粧スレート)が約20kg/㎡とされています。

一方、断熱材一体型の金属屋根材は製品によって本体重量が軽く(例:スーパーガルテクトは断熱材込みで約5kg/㎡)、屋根の軽量化に非常に有利です。

屋根を軽くすることは、建物の重心を低くすることに直結し、地震時の揺れを軽減する大きな効果があります。特に軽量鉄骨造の積水ハウスにおいて、屋根の軽量化は構造的な余裕を生み出し、耐震安全性を高めることに寄与します。

屋根材の重さ比較図。和瓦(50-60kg/㎡)、スレート(20kg/㎡)に対し、断熱材一体型SGL鋼板は約5kg/㎡と非常に軽量。屋根を軽くすることで重心が下がり、地震時の揺れを軽減できることを示す図解。
画像はAI生成によるイメージであり実際のものとは異なります。

錆と耐久性への懸念と「SGL鋼板」

「金属だから錆びるのでは?」という心配はもっともです。

確かに初期のトタン屋根などは錆びやすいものでしたが、ガルバリウム鋼板はアルミニウムと亜鉛の合金めっきにより、非常に高い防錆性能を持っています。

さらに近年は、従来のガルバリウム鋼板をベースにマグネシウム(Mg)を最適バランスの「2%」で添加し、ガルバリウム鋼板の「3倍超」の耐食性(※メーカーの複合サイクル試験等の結果から推定)をうたう「SGL(エスジーエル)」を採用する製品も増えています。

SGL鋼板について

日鉄鋼板株式会社などのデータによれば、SGL鋼板は厳しい腐食環境下でも優れた耐久性を発揮することが実証されており、採用しやすくなりました。(参考:次世代ガルバリウム鋼板 エスジーエル|日鉄鋼板株式会社

SGL鋼板は強みが多い一方で、実際の耐久性は立地環境(塩害・積雪・日射)や納まり、メンテナンスの有無でも差が出ます。

ガルバリウム屋根の劣化パターンや点検の目安を、もう少し噛み砕いて知りたい方は、『ガルバリウム鋼板屋根の20年後の状態と対策(耐久性・錆・メンテの考え方)』も参考にしてください。

ただし、塩害地域ではメーカー保証の対象外となる条件が設定されている場合があります。採用時は、製品ごとの保証条件(例:海岸からの距離など)を必ず確認した上で判断しましょう。

(参考:アイジールーフ 塗膜15年保証(保証対象外:海岸線より500m以内、塩害地域 等)|アイジー工業

雨音と遮音対策

もう一つの欠点として挙げられるのが「雨音」です。金属板に雨が当たる音は、対策のないトタン屋根では室内に大きく響きます。

しかし、最新のリフォーム用断熱材一体型屋根材は、鋼板の裏面に断熱材や制振材が一体化されており、雨音の振動を吸収する構造になっています。

裏打ち材によって雨音が軽減されやすい一方、下地構成や小屋裏の条件によって体感差が出ることもあります。製品仕様と併せて、下地・換気計画も含めて対策するのが安心です。

金属屋根の不安解消。SGL鋼板は従来の3倍超の耐食性、断熱材が雨音を吸収、遮熱塗料と断熱層の二重対策で夏の暑さを抑制できることを説明するアイコン付きの解説
メリットデメリット(欠点)と対策
軽量性: 建物への負担減、耐震性アップ。 音: 裏面断熱材付き製品を選べば解決可能。
高耐久: 製品によっては、赤さび・穴あき等の長期保証が設定されています(例:スーパーガルテクトは穴あき25年保証など)。 熱: 遮熱塗料と断熱材一体型でカバー。
防水性: 金属屋根材は素材自体が吸水しないため、スレート等で問題になりやすい凍害由来の割れは起こりにくい。錆: もらい錆に注意し、SGL鋼板を採用する。

暑さ対策に断熱材一体型SHメタルーフ等を比較

「金属屋根にすると夏場、2階が灼熱地獄になりませんか?」というご質問も現場で頻繁にいただきます。金属は熱伝導率が高いため、直射日光の熱をそのまま小屋裏へ伝えてしまいがちです。

積水ハウスの鉄骨住宅は気密性が高い分、一度熱がこもると逃げにくいという側面もあるため、熱対策は必須です。

断熱材一体型屋根材の威力

そこで私が現場で強くおすすめしているのが、「断熱材一体型」のガルバリウム鋼板です。代表的な製品には、アイジー工業の「スーパーガルテクト」やニチハの「横暖ルーフ」などがあります。

これらは、表面の鋼板と裏面のアルミライナー紙の間に、断熱性能に優れた「ポリイソシアヌレートフォーム」などの断熱材をサンドイッチした構造になっています。

この断熱層が熱の伝わりをブロックし、夏場の小屋裏温度の上昇を効果的に抑えてくれます。

純正品「SHメタルーフ」との比較

積水ハウスには、純正の金属屋根材として「SHメタルーフ」などのラインナップがあります。これらも断熱材が裏打ちされた高品質な屋根材であり、建物との適合性は抜群です。

ただし、リフォームで純正品を採用する場合、積水ハウスリフォーム経由での発注となることが一般的で、中間マージンや管理費が含まれる分、費用が割高になる傾向があります。

機能面(断熱性、耐久性、遮音性)で比較した場合、市販されている「スーパーガルテクト(フッ素モデル等)」などの高グレード品は、純正品と同等かそれ以上のスペックを持っています。

コストパフォーマンスを重視しつつ、高性能な屋根を実現したい場合は、専門業者による汎用製品の採用を比較検討する価値は十分にあります。

純正品以外の採用とメーカー保証について

ただし、一点だけご注意いただきたいのが「保証の継続」についてです。

もし現在、積水ハウスの長期保証制度(いえまもり・ユメの家など)の保証期間内にある場合、指定工事店以外の業者が純正品以外の部材でリフォームを行うと、構造躯体等のメーカー保証が打ち切られる可能性があります。

築20〜30年を超えている場合は保証が満了しているケースが多いですが、念のため現在の保証契約内容をご確認の上、ご判断いただくことを強く推奨します。

現場からのアドバイス:換気棟の重要性

屋根材での断熱対策に加え、ぜひ検討していただきたいのが「換気棟(かんきむね)」の設置です。これは屋根の頂上部分に排気口を設け、小屋裏にこもった熱気や湿気を自然換気で排出するシステムです。

断熱材で「熱を入れない」対策と、換気棟で「熱を逃がす」対策を組み合わせることで、夏の快適さは劇的に向上します。

大きな色見本を使用して失敗しない色選び!黒やシルバーでおしゃれに

屋根リフォームは、家の外観イメージを一新する絶好の機会です。積水ハウスの重厚な佇まいに似合う色選びは、失敗したくないポイントですよね。

色見本帳の小さなチップだけで決めてしまうと、「完成したら思っていた色と違った」という後悔につながりかねません。

人気のカラーとその理由

最近の現場で圧倒的に人気があるのは、「ブラック(黒)」「ダークブラウン(焦げ茶)」です。

これらの濃色は、どんな外壁の色や素材(ダインコンクリートやベルバーンなど)とも調和しやすく、建物全体を引き締めて高級感を演出してくれます。汚れが目立ちにくいという実用的なメリットもあります。

機能性を重視したシルバーの選択

一方で、あえて「シルバー」や明るめのグレーを選ぶ方も増えています。

これには「遮熱効果」という明確な理由があります。淡い色は日射反射率が高く、太陽光を効率よく反射するため、濃色に比べて屋根表面温度の上昇を抑えることができます。

「とにかく夏の暑さを少しでも和らげたい」というご希望がある場合は、シルバー系が有力な選択肢となります。

ただし、最近の屋根材用塗料は、黒や濃い茶色であっても赤外線を反射する特殊な「遮熱顔料」を配合しているものが標準的になっています。

そのため、「黒を選ぶとすごく暑くなる」というほどの極端な差はなくなってきています。「おしゃれさ・重厚感」をとるか、数パーセントでも「遮熱性能」をとるか。

迷った際は、A4サイズ以上の大きなサンプルを取り寄せ、実際に屋外で太陽光に当てて確認することをお勧めします。

後悔を防ぐ口コミや評判とメンテナンスの重要性

インターネット上には、積水ハウスの屋根リフォームに関する様々な口コミや評判が溢れています。「やってよかった」という声がある一方で、「後悔した」「失敗した」という声も散見されます。

現場を知る人間として分析すると、失敗の原因の多くは「業者選びのミスマッチ」「積水ハウス特有の構造理解不足」に起因しています。

失敗事例から学ぶ

よくある失敗例として、「近所の工務店に安く頼んだら、積水ハウス特有の雨樋やケラバの納まりに対応できず、無理やり汎用品を取り付けられて雨漏りした」というケースや、「スレートの劣化診断が甘く、塗装で済ませた結果、数年で塗膜が剥がれて再工事になった」というケースがあります。

積水ハウスの屋根は、一般的な住宅とは部材の規格が異なるため、専用の板金加工技術や知識が必要です。

後悔しないためのパートナー選び

後悔しないためには、単に価格の安さだけで業者を選ばないことが鉄則です。

「積水ハウスの施工実績が具体的であるか」「かわらUの撤去やカバー工法のリスクを説明できるか」「純正部材と汎用部材の違いを理解しているか」といった点を、見積もり段階でしっかりと確認しましょう。

誠実な業者は、メリットだけでなく、施工に伴うリスクやデメリットも隠さずに説明してくれるはずです。また、工事完了後の定期点検や保証体制など、長期的なメンテナンスパートナーとして信頼できるかどうかも重要な判断基準です。

積水ハウスの屋根をガルバリウムで施工する際にかかる費用と工法

基礎知識を押さえたところで、次は具体的な工事の内容と費用について、より実践的な情報をお話しします。

積水ハウスの屋根リフォームでは、大きく分けて「カバー工法」と「葺き替え」の2つの選択肢がありますが、既存屋根の劣化状況、アスベストの有無、そして予算によって最適な方法は異なります。

ここでは、それぞれの工法の特徴、メリット・デメリット、そして見積書を見る際に注意すべきポイントを、現場のリアルな単価感とともに掘り下げていきます。

屋根カバー工法と葺き替えの違いや耐用年数を比較

屋根のリフォーム方法を決定する際、まずは「カバー工法」と「葺き替え」のどちらが自宅に適しているかを判断する必要があります。

屋根カバー工法(重ね葺き)

既存の屋根材を撤去せず、その上から新しい防水シート(ルーフィング)と屋根材を被せる工法です。

メリット
  • 既存屋根の解体
  • 処分費がかからないため、費用を大幅に抑えられる。
  • 廃材が出ず、工期が短い(実質5〜7日程度)。
  • 屋根が二重になることで、断熱性や遮音性が若干向上する。
デメリット
  • 屋根の重量が増える(ただしガルバリウムなら軽量なため影響は軽微)。
  • 下地(野地板)の腐食が激しい場合は施工できない。
  • 「かわらU」のような波型屋根材は、劣化状況や下地条件によっては上からのカバー工法が難しい場合があります。そのため、現地調査で屋根材の脆さ・下地状況を確認した上で、葺き替え(撤去)を含めて工法を判断します。

屋根葺き替え(ふきかえ)

既存の屋根材を全て撤去し、下地から新しく作り直す工法です。

メリット
  • 下地(野地板)の補強や交換ができるため、屋根の寿命をリセットできる。
  • 軽量な屋根材へ交換することで、建物の総重量を減らし耐震性を高められる。
  • 古いアスベスト含有屋根材を完全に除去できるため、将来の不動産価値などの不安がなくなる。
デメリット
  • 撤去費、処分費がかさむため、費用が高額になる。
  • 工期が長くなり、工事中の雨養生などに注意が必要。
1.雨漏り、2.踏むと沈むか、3.既存屋根が平らか、の3ステップで判断するフロー。雨漏りや下地腐食がある場合は葺き替え、平らなスレートで問題がなければ費用を抑えられるカバー工法を推奨する流れ図。

現場の判断基準

「かわらU」で層間剥離が起きている場合や、屋根の上を歩いた時にブカブカと沈む感覚がある場合は、下地が腐食している可能性が高いため、カバー工法はリスクが高すぎます。

この場合は、コストがかかっても必ず「葺き替え」を選択してください。

雨漏りを防ぐ縦葺き施工と勾配に適した材質選び

私が積水ハウスの屋根リフォーム現場で、最も神経を使うポイントの一つが「屋根勾配(やねこうばい)」です。

積水ハウスの建物、特に陸屋根に近いフラットルーフや緩勾配の屋根では、一般的な住宅よりも傾斜が非常に緩く設定されているケース(1.5寸〜2.5寸など)が多々あります。

緩勾配屋根のリスクと対策

屋根材には製品ごとに「施工可能勾配」の基準があります。例えば、スーパーガルテクトは製品資料上、標準的な施工は2.5寸以上が目安とされています。

勾配がより緩い場合は、製品仕様に適合する工法を選ぶことが重要です。これより緩い屋根に無理やり施工すると、強風時や大雨の際に、雨水が屋根材の継ぎ目から逆流する「毛細管現象」が発生し、雨漏りの直接的な原因となります。

(参考:スーパーガルテクト|アイジールーフ 商品ラインナップ|商品情報|アイジー工業株式会社

緩勾配屋根の雨漏り防止策。横葺きは強風・大雨で雨水が逆流するリスクがあるが、縦葺きはスムーズに排水できる。積水ハウス特有の2.5寸未満の緩勾配には縦葺きが唯一の正解であることを示すイラスト。

もし、お宅の屋根が緩勾配(2.5寸未満)である場合は、水はけを最優先にした「縦葺き(たてぶき)」の屋根材を選ぶ必要があります。

また、縦葺きの立平葺きは、製品仕様によって最小勾配の目安が0.5寸(5/100)程度とされる例もあり、緩勾配で検討されやすい工法の一つです。

ただし、この最小勾配での施工は設計・施工ミスが許されないため、住宅屋根では安全を考慮し2.5寸以上が推奨されることが多いです。

(参考:スカイスカイルーフ立平 330 施工説明書|山内金属株式会社

「デザイン的に横葺きがおしゃれだから」という理由で、勾配基準を無視して横葺きを勧める業者も中にはいますが、これは絶対に避けるべきです。

私たち専門業者は、必ず現地調査で勾配を計測し、その屋根に物理的に適した工法のみをご提案します。

リフォーム費用の単価相場と見積もりのチェック点

費用の透明性は、安心なリフォームの第一歩です。ここでは、積水ハウスの一般的な戸建て住宅(屋根面積80〜100㎡程度)を想定した、リアルな費用相場と内訳の目安をお伝えします。

施工方法費用相場(目安)内訳の詳細と注意点
屋根カバー工法100万円 〜 150万円・足場仮設費:15〜25万円 ・防水シート(ルーフィング):5〜10万円 ・屋根材本体施工費:60〜90万円 ・役物(棟・ケラバ等)交換費:15〜25万円 ・※既存スレートのアスベスト対策費は不要。
屋根葺き替え180万円 〜 250万円・足場仮設費:15〜25万円 ・既存屋根撤去・処分費:25〜50万円(※) ・下地合板(野地板)増し張り:10〜15万円 ・屋根材本体施工費:60〜90万円 ・役物交換費:15〜25万円 ※アスベスト含有の場合、近年の処分規制強化により費用が高騰傾向にあります。
カバー工法(100〜150万円)と葺き替え(180〜250万円)の費用相場。SGL鋼板の商品名記載、高耐久ルーフィングの指定、積水ハウス特有の役物加工費が含まれているかのチェックリスト。

見積もりで必ずチェックすべき項目

見積書を受け取ったら、総額だけでなく以下の項目が具体的に記載されているかを確認してください。

  • ルーフィングの種類
    「改質アスファルトルーフィング(ゴムアス)」など、高耐久な防水シートが指定されているか。安い防水紙では耐久性が著しく落ちます。
  • 屋根材の製品名
    単に「ガルバリウム鋼板」ではなく、「スーパーガルテクト」「立平ロック」など具体的な商品名とメーカー名が書かれているか。
  • 役物工事の内訳
    積水ハウス特有のケラバや水切り板金の加工費が含まれているか。

「屋根工事一式」という大雑把な見積もりは、後から追加費用を請求されたり、手抜き工事の温床になりやすいため要注意です。

上張りか撤去か?施工費用を抑える施工ポイント

「できるだけ費用を抑えたいけれど、安かろう悪かろうでは困る…」 これは、屋根リフォームを検討される全てのお客様の本音だと思います。

積水ハウスの屋根リフォームにおいて、「上張り(カバー工法)」を選ぶか、「撤去(葺き替え)」を選ぶかは、費用の総額を左右する最大の分岐点です。

ここでは、プロが現場で実際に用いている判断基準と、品質を落とさずに賢くコストダウンするための具体的なテクニックを公開します。

失敗しない工法選択の判断基準

価格の安さだけで「上張り」を選んでしまうと、後々大きなトラブルになることがあります。以下のチェックリストを使って、ご自宅の屋根に適した工法を見極めてください。

判断項目推奨工法理由
下地の状態健全(沈まない) ⇒ 上張りOK 腐食(ブカブカする) ⇒ 撤去必須腐った野地板の上に新しい屋根をビス留めしても、強風で屋根ごと剥がれ飛ぶ危険があるため。
既存屋根の形状平ら(スレート等) ⇒ 上張りOK 波型(かわらU等) ⇒ 撤去推奨波型の屋根材の上には、新しい屋根材を安定して固定できないことが多いため。
雨漏りの有無なし ⇒ 上張りOK あり ⇒ 撤去推奨雨漏りしている場合、下地の腐食や断熱材のカビが発生している可能性が高く、根本治療が必要なため。

このように、「下地が腐っていないこと」「屋根面がフラットであること」が、上張りを選択できる絶対条件です。

もし、「かわらU」で「雨漏りがある」場合は、費用がかかっても「撤去(葺き替え)」を選ぶことが、結果的に家を長持ちさせる最短ルートになります。

賢く費用を抑える3つの施工ポイント

工法が決まったら、次は無駄な出費を削る工夫です。私たち業者がお客様にこっそり教える、効果的なコストダウン術をご紹介します。

1. 外壁塗装とセットで「足場代」を節約

屋根工事には必ず足場が必要です。一般的な戸建て住宅で15万円〜25万円程度かかります。

もし数年以内に外壁塗装も考えているなら、別々に工事をするのは非常にもったいないです。 屋根と外壁をまとめて工事すれば、足場代は1回分で済みます。これだけで実質20万円近くの節約になります。

2. 「火災保険」の風災補償を確認

もし、屋根の棟板金が浮いていたり、スレートが割れていたりする原因が「台風」や「強風」によるものであれば、ご加入の火災保険(風災補償)が適用される可能性があります。

経年劣化は対象外ですが、自然災害による破損と認定されれば、修理費用の一部または全額が保険金で賄えるケースがあります。申請には「被害写真」や「見積書」が必要ですので、調査に慣れている業者に相談することをお勧めします。

ワンポイント

「保険金を使って自己負担ゼロでリフォームできます」と強引に勧誘する悪徳業者には注意してください。保険の適用可否を決めるのは保険会社です。

誠実な業者は「申請のサポート」はしますが、結果を保証するような無責任なことは言いません。

3. 自治体の「補助金・助成金」を活用

お住まいの地域によっては、省エネリフォーム(遮熱塗料の使用や断熱改修)や耐震改修(屋根の軽量化)に対して、補助金が出る場合があります。

特にガルバリウム鋼板への葺き替えは「屋根の軽量化」として認められることが多いです。 予算枠や申請期間に限りがあるため、工事契約を結ぶ前に、必ず自治体のホームページや窓口で最新情報を確認してください。

1.外壁塗装と同時施工で足場代節約、2.自然災害時の火災保険活用、3.自治体の補助金・助成金の確認という3つのコストダウン術をアイコンで示した図解。

積水ハウスの屋根をガルバリウムにする際のまとめ

最後までお読みいただき、ありがとうございます。今回は、積水ハウスの屋根リフォームにおける「ガルバリウム鋼板」の選び方や費用、注意点について、現場の視点から詳しく解説させていただきました。

積水ハウスは非常に高品質な住宅ですが、リフォームに関しては「独自構造への理解」と「適切な部材選定」が成功の鍵を握っています。この記事の要点を改めて整理します。

1.根本解決(カバーか葺き替え)、2.最適な素材(SGL・断熱材一体型)、3.正しい工法(緩勾配には縦葺き)、4.専門知識(独自構造の理解)をまとめた最終確認画像。

記事のまとめ

  • 劣化のサインを見逃さない
    「かわらU」の層間剥離やスレートのひび割れは、塗装ではなく「カバー工法」か「葺き替え」で根本解決を。
  • SGL鋼板と断熱材一体型を選ぶ
    錆に強い「SGL鋼板」と、暑さを防ぐ「断熱材一体型」の屋根材を選ぶことで、長く快適な住まいを実現できます。
  • 勾配に合った工法を厳守
    積水ハウス特有の緩勾配屋根には、雨漏りリスクの低い「縦葺き(立平ロック等)」が正解です。デザインだけで横葺きを選ばないようにしましょう。
  • 賢くコストダウン
    下地を見極めて工法を選び、足場のセット工事や火災保険、補助金を有効活用しましょう。

屋根は普段見えない場所だからこそ、いざ雨漏りなどのトラブルが起きると、生活への影響も精神的な不安も大きくなってしまいます。

「そろそろリフォームの時期かな?」「メーカーの見積もりが高くて迷っている」という方は、ぜひ一度、私たちのような専門業者にご相談ください。

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