外壁塗装で横浜の住まいを20年先まで安心に!

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外壁のメンテナンスコラム

  1. 外壁のメンテナンスコラム
  2. 外壁塗装20年してない?知恵袋でよく見る疑問をプロが全解説

外壁塗装20年してない?知恵袋でよく見る疑問をプロが全解説

外壁塗装20年してない?知恵袋でよく見る疑問をプロが全解説

「外壁塗装を20年してないけど、本当に大丈夫?」そのように不安に思い、解決策を求めて知恵袋で情報を探していませんか。

インターネット上では、外壁塗装は10年や15年でやるのは嘘であり、意味ないは本当か、といった真偽不明の情報が飛び交っています。

しかし、適切な時期のメンテナンスを怠った結果、深刻な事態を招き後悔している方がいるのもまた事実です。

特に、現在の日本の木造の一戸建てで主流となっているサイディング外壁の場合、塗装しないとどうなるのか、そのリスクは計り知れません。

この記事では、外壁塗装が本当に必要かという根本的な疑問から、ご自身で簡単に確認できる劣化しているサイン、信頼できる業者の費用相場、建物の寿命を延ばす塗料の種類、さらにはデザインで失敗しないためにやめた方がいい色の選び方まで、専門家の視点で網羅的に、そして深く掘り下げて解説します。

結局、大切なマイホームの塗装は何年ごとに行うべきなのか、その明確な答えがここにあります。

記事のポイント

  • 20年間メンテナンスを怠った外壁に起こる具体的な劣化のサイン
  • 外壁塗装が絶対に必要なケースと必ずしも必要でないケースの明確な見分け方
  • 信頼できる業者の適正な費用相場と建物の寿命を延ばす塗料の選び方
  • 外壁塗装の満足度を左右する後悔しないための色選びの重要ポイント
目次

外壁塗装を20年してない?知恵袋で見かける劣化を放置するリスク

  • そもそも外壁塗装は本当に必要か?
  • 10年での塗装は意味ないは本当か嘘か
  • 放置は危険!劣化しているサイン
  • 塗装しないとどうなる?家の寿命への影響
  • 木造一戸建てのサイディングは要注意

そもそも外壁塗装は本当に必要か?

タイル・レンガなど塗装不要の外装材もありますが、窯業系サイディングやモルタル外壁は塗膜で防水性を補う設計のため、定期的な塗装メンテナンスが必要です。(参考:窯業系サイディングと標準施工 第4版

タイル・レンガでも目地(シーリング)は10〜15年程度を目安に点検・補修が必要です。(参考:住宅外壁改修のためのシーリング材ガイド

多くの方が外壁塗装の目的を「古くなった家の見た目をきれいにするため」とお考えですが、それはあくまで副次的な効果に過ぎません。

最大の目的は、日々の過酷な自然環境、すなわち強烈な紫外線や厳しい風雨から建物の構造体を保護し、その寿命を可能な限り延ばすことにあります。

現在の住宅で広く採用されている外壁材、特に窯業系サイディングやモルタル壁は、素材そのものには十分な防水機能が備わっていません。

そのため、塗料を塗布して表面に強固な膜(塗膜)を形成することで、初めて水の浸入を防ぐことが可能になります。

この塗膜が経年で劣化すると、外壁材が直接ダメージを受け始め、最終的には建物の構造自体を深刻に傷める原因となるのです。

つまり、外壁塗装は家にとっての「防水性能を持つ高性能な衣服」のような役割を果たしています。

外壁塗装が担う3つの極めて重要な役割

  1. 建物の保護機能
    紫外線や酸性雨、塩害などの外的要因によるダメージをブロックし、外壁材そのものの劣化を抑制します。これにより、建物の耐久性が維持されます。
  2. 美観の維持・向上機能
    新築時の美しい外観は、時間の経過と共に色あせや汚れで損なわれます。再塗装することで、外観をリフレッシュし、住まいの印象を大きく向上させます。
  3. 資産価値の維持機能
    定期的なメンテナンスが施されている住宅は、中古市場において高く評価されます。将来的な売却などを考えた場合、適切な外壁塗装は資産価値を保つ上で非常に重要です。

一方で、前述の通り塗装が原則として不要な外壁材も存在します。それは、タイルレンガといった、素材自体が半永久的ともいえる高い耐久性と防水性を有する外壁です。

これらの素材は塗装による保護を必要としませんが、パネルの継ぎ目や窓周りに充填されている目地部分のシーリング(コーキング)は、紫外線などの影響で確実に劣化します。

このシーリング材は10年~15年を目安にひび割れや剥離が発生するため、定期的な点検と補修が必要になる点は必ず覚えておくべきです。

「うちはタイル張りだからメンテナンスフリー」と安心していると、劣化したシーリングの隙間から雨水が浸入し、内部構造を傷めてしまうケースがあります。

外壁材の種類に関わらず、定期的なプロの診断を受けることが家を長持ちさせる秘訣です。

そもそも外壁塗装は本当に必要か?
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10年での塗装は意味ないは本当か嘘か

「外壁塗装の塗り替え目安は10年」という定説に対し、知恵袋などのQ&Aサイトでは「10年でやるのは早すぎる」「悪質な業者の営業トークに過ぎない」といった懐疑的な意見も少なくありません。

この「10年説」は、ある側面では正しく、また別の側面では誤解を招く可能性がある、非常にデリケートな情報です。

ず、「10年が目安」と言われる大きな根拠は2つあります。

1つは、多くの新築住宅で標準的に採用される「シリコン塗料」の耐用年数が10年~15年であること。そしてもう1つ、より重要なのが「シーリング材」の寿命です。

サイディング外壁の継ぎ目や窓周りに使われるシーリング材は、紫外線に弱く、一般的なグレードのものは7年~10年で硬化やひび割れが始まります。

このシーリングの劣化が、雨漏りの主要な原因となるのです。

つまり、塗膜の機能がまだ残っていても、防水の要であるシーリングが先に寿命を迎えるため、「10年」という時期がメンテナンスを検討すべき重要な節目とされています。

ここで絶対に誤解してはいけないのは、「10年経ったから問答無用で塗装が必要」というわけではないということです。

本当に重要なのは、経過年数という画一的な基準で判断するのではなく、ご自宅の外壁が実際にどのような状態にあるのか、その現状を正確に把握することです。

一方で、建物の置かれた環境によっては10年を待たずに塗装が必要となるケースもあれば、逆に15年以上経過しても大きな問題が見られないケースも存在します。

これは、建物の立地条件や方角によって、外壁が受けるダメージの度合いが全く異なるためです。

要注意!外壁の劣化を加速させる過酷な環境条件

  • 日当たりが良い(南面・西面)
    紫外線は塗膜を劣化させる最大の原因です。日照時間が長い壁面は、他の面に比べて色あせやチョーキングが早く進行します。
  • 交通量の多い幹線道路沿い
    車の排気ガスに含まれる化学物質が塗膜に付着し、酸性雨などと反応して塗膜の劣化を促進させます。
  • 沿岸部・潮風が当たる地域
    風に含まれる塩分が外壁に付着し、金属部分のサビを誘発したり、塗膜の浸透圧を変化させて早期の剥離を引き起こす「塩害」が発生しやすくなります。
  • 湿気が多く、日陰になりやすい場所
    森林の近くや、隣家との距離が近く日陰になりやすい北側の壁面は、湿気がこもりやすくカビや苔の温床となります。

このように、「10年」という数字はあくまでも、ご自宅の健康状態を一度専門家に見てもらうための「定期健診」のタイミングと捉えるのが賢明です。

情報に惑わされることなく、次にご紹介する具体的な「劣化のサイン」が見られるかどうかで、ご自宅にとって最適な塗り替え時期を見極めることが何よりも大切になります。

(参考:塗膜の劣化|塗料の基礎知識|日本ペイント株式会社

Information

期待耐用年数は日射面(南西面)・沿岸・交通量・日陰湿潤などで大きく短縮・延長します。定期点検の“きっかけ年”として10年前後を目安にしましょう。

10年での塗装は意味ないは本当か嘘か
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放置は危険!劣化しているサイン

外壁塗装を20年間一度も行っていない場合、これからご紹介するような劣化のサインが、一つだけでなく複数同時に現れている可能性が極めて高いです。

ご自宅の周りをゆっくりと一周しながら、特に日当たりの良い南面や、逆に湿気のこもりやすい北面を注意深くセルフチェックしてみてください。

もし一つでも当てはまる項目があれば、それは建物が発しているSOSサインです。専門家による早急な詳しい診断を受けることを強くおすすめします。

チョーキング現象(白亜化現象)

外壁の表面を手でそっと撫でたときに、チョークの粉のようなものが手のひらに付着する現象です。

これは、太陽の紫外線や雨風の影響で塗膜の主成分である合成樹脂が分解され、中に含まれていた顔料が粉状になって表面に現れた状態を指します。

これは、塗膜が防水性能を失い始めていることを示す、最も分かりやすく、そして重要な初期の劣化サインと言えます。

(参考:白亜化(チョーキング) | 日本ペイント株式会社

ひび割れ(クラック)

ひび割れは、その幅によって危険度が大きく異なります。髪の毛ほどの細さで、爪を立てても引っかからない程度のひび割れは「ヘアクラック」と呼ばれます。

緊急性はそこまで高くありませんが、放置すれば雨水が毛細管現象で浸入する原因となります。

特に注意が必要なのは、幅0.3mm以上(名刺やクレジットカードの厚みが目安)のひび割れです。

これは塗膜だけでなく外壁材自体が割れており、雨水が内部に直接浸入するリスクが非常に高い状態です。

このようなひび割れは、建物の動きが原因で発生する「構造クラック」の可能性もあり、放置すると雨漏りや構造体の腐食に直結するため、早急な専門家の診断が不可欠です。

塗膜の剥がれ・膨れ

塗膜が劣化の末期症状に達すると、まるで古いポスターのようにペラペラと剥がれてきたり、塗膜と外壁材の間に水分が入り込んで水ぶくれのように膨れてきたりします。

この状態は、その部分の外壁材が完全に無防備な状態で外部環境に晒されていることを意味します。

剥がれた箇所から雨水が直接外壁材に浸入し、内部の劣化を爆発的に進行させるため、一刻も早い対処が求められます。

シーリング(コーキング)の劣化

サイディングボードの継ぎ目や窓サッシ周りを埋めているゴム状のシーリング材は、外壁材そのものよりも寿命が短い消耗品です。

紫外線に非常に弱く、長くても10年程度で劣化が始まります。

ひび割れ(破断)、痩せて隙間ができる(肉痩せ)、壁から剥がれる(剥離)といった症状が見られる場合、そこは雨水にとって格好の浸入口となります。

雨漏りの原因調査を行うと、このシーリングの劣化が原因であるケースが非常に多いです。

カビ・苔・藻の発生

日当たりの悪い北側の壁面や、植木鉢の周りなどに、緑色の苔や黒ずんだカビが発生している状態です。

これは、塗膜の防水性が切れ、壁面が常に湿気を含んでジメジメしている証拠に他なりません。

美観を損なうだけでなく、これらの微生物が根を張ることで外壁材そのものを傷めたり、胞子が室内に入り込むことでアレルギーなど健康被害の原因になる可能性も指摘されています。

放置は危険!劣化しているサイン
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塗装しないとどうなる?家の寿命への影響

「まだ雨漏りしているわけではないから大丈夫だろう」と安易に考え、前述した外壁の劣化サインを放置してしまうと、後々取り返しのつかない深刻な事態に発展する可能性があります。

外壁塗装をしない場合に起こるリスクは、一つ一つが連鎖し、まるでドミノ倒しのように建物の健全性を蝕んでいきます。

放置が招く恐怖の劣化ドミノ

  1. 第1段階:塗膜の機能不全
    チョーキングや微細なひび割れが発生し、外壁の表面を覆っていた「防水服」としての機能が完全に失われます。
  2. 第2段階:外壁材への水分浸透
    防水機能を失った外壁材が、降雨のたびに雨水をスポンジのように吸収し始めます。水分の吸収と乾燥を繰り返すことで、外壁材に反りや浮き、さらなるひび割れを引き起こします。
  3. 第3段階:壁の内部(壁体内)への雨水浸入
    拡大した外壁材の隙間や、完全に断裂したシーリング部分から、雨水が本格的に壁の内部へと浸入を開始します。
  4. 第4段階:構造躯体の腐食とシロアリ被害
    壁の内部にまで達した水分は、建物の骨格である柱や梁といった重要な木材を湿らせ、腐食を引き起こします。さらに、湿った木材はシロアリの大好物であり、シロアリ被害を誘発する重大なリスクとなります。
  5. 第5段階:断熱性能の著しい低下
    壁内部に充填されているグラスウールなどの断熱材は、水分を含むとその性能が著しく低下します。これにより、夏は暑く冬は寒い、光熱費のかさむ家になってしまいます。
  6. 最終段階:建物の寿命短縮と資産価値の暴落
    最終的には、構造躯体の腐食により建物の耐震性が大きく損なわれるなど、居住者の安全性に関わる重大な問題に発展します。当然のことながら、そのような状態の家の資産価値はゼロに近いレベルまで下落します。

もし劣化が第4段階以降まで進行してしまった場合、もはや表面的な塗装工事だけでは対応不可能です。

劣化した外壁材を一度すべて剥がして交換する「張り替え工事」や、内部の腐食した構造材を交換・補修する工事といった、極めて大規模な修繕が必要になります。

その結果、費用は本来の塗装工事の2倍、3倍、場合によっては5倍以上にまで膨れ上がってしまうのです。

本来100万円前後で済んだはずの予防的なメンテナンス費用が、気づいた時には300万円、500万円といった莫大な出費に変わってしまうことも決して珍しくありません。

このことからも、定期的な外壁塗装は単なる出費ではなく、将来の莫大な損失を防ぐための、最も賢明で効果的な「投資」であると言えるでしょう。

塗装しないとどうなる?家の寿命への影響
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木造一戸建てのサイディングは要注意

現在の日本の木造一戸建てにおいて、圧倒的なシェアを誇る外壁材が「窯業(ようぎょう)系サイディング」です。

その普及率は戸建て住宅市場の約8割を占めるとも言われており、日本の標準的な外壁材と言えます。(参考:統計データ|データ・施工例|一般社団法人 日本窯業外装材協会[NYG]

工場生産による品質の安定性、デザインやカラーバリエーションの豊富さ、そして比較的リーズナブルな価格から非常に人気があります。

しかし、その一方でメンテナンスの観点からは特に注意を払うべき弱点を持つ外壁材でもあります。

その最大の理由は、窯業系サイディングの主成分がセメントと繊維質であるという点にあります。

セメントはご存知の通り、素材自体に防水性はなく、水を非常に吸い込みやすい性質を持っています。

そのため、新築時に施された表面の塗装による防水機能が失われると、外壁材が直接雨水を吸い込み、様々な不具合を内部から引き起こすのです。

水分が原因で発生する窯業系サイディング特有の劣化症状

  • 反り・浮き
    外壁材が水分の吸収と乾燥を繰り返すことで、材が膨張と収縮を起こし、ボード自体が弓なりに反ったり、固定している釘が浮き上がったりします。
  • 凍害(とうがい)
    内部に染み込んだ水分が、冬場の低温で凍結し、体積が膨張することで内側から外壁材を破壊する現象です。表面がボロボロと剥がれ落ちるため、特に寒冷地では深刻なダメージにつながります。
  • 層間剥離(そうかんはくり)
    劣化が末期まで進行し、サイディングを構成している層が、ミルフィーユのように剥がれてしまう状態です。こうなると補修は不可能です。

そして、この窯業系サイディング外壁において、もう一つの致命的な弱点となるのが、ボードとボードの継ぎ目を埋めるために充填されているシーリング(コーキング)です。

シーリング材は柔軟なゴム状の素材ですが、主成分が有機物であるため紫外線に非常に弱く、10年程度で弾力性を失って硬化し、ひび割れや剥がれが生じ始めます。

このシーリングに生じた隙間が、雨水の主要な浸入口となってしまうのです。

ご自宅がサイディング外壁の場合、外壁の塗装メンテナンスと同時に、このシーリングを一度すべて撤去して新しく充填し直す「打ち替え」工事が絶対に必須となります。

古いシーリングの上から新しいシーリングを薄く重ねる「増し打ち」という安価な工法を提案する業者もいますが、十分な耐久性が得られないため推奨できません。

塗装だけきれいにしても、建物の防水の要であるシーリングが劣化していては全く意味がないのです。

見積もりを取る際は、必ず「シーリング打ち替え」の項目が含まれているか、そしてその単価が適正かを厳しくチェックしてください。

このように、窯業系サイディングは塗装による防水保護とシーリングの定期的なメンテナンスがその寿命を左右する、非常にデリケートな外壁材です。

20年間メンテナンスをしていない場合は、すでに内部で深刻なダメージが進行している可能性も否定できないため、一刻も早い専門家による診断をおすすめします。

木造一戸建てのサイディングは要注意
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外壁塗装20年してない?知恵袋で学ぶ費用と対策

  • 塗装業者の費用相場と見積もりの見方
  • 耐久性が変わる塗料の種類と選び方
  • 結局、外壁塗装は何年ごとにすべきか
  • 失敗しない!やめた方がいい色の特徴
  • 外壁塗装でよくある後悔のパターン
  • 外壁塗装20年してない知恵袋で悩む前の結論

塗装業者の費用相場と見積もりの見方

20年ぶりとなる大規模な外壁塗装を具体的に検討する上で、誰もが最も気になるのが「一体いくらかかるのか」という費用面ではないでしょうか。

建物の大きさや形状、そして劣化の度合いによって金額は大きく異なりますが、一般的な30坪程度の2階建て住宅を例にすると、外壁塗装にかかる費用総額の相場は約80万円~150万円が目安となります。

この価格に幅があるのは、主に使用する塗料のグレードによる違いが大きいですが、それ以上に20年間蓄積された劣化に対する下地処理の内容によって費用が大きく変動するためです。

例えば、ひび割れが多ければその補修費用がかさみますし、シーリングをすべて打ち替えるとなれば、その長さ(m)に応じて費用が加算されます。

つまり、メンテナンスを先延ばしにすればするほど、塗装以外の補修費用が増えていく構造になっています。

【塗料グレード別】30坪の住宅における外壁塗装の費用相場

塗料の種類耐用年数(目安)費用相場(税込)こんな方におすすめ
シリコン塗料10~15年80万円 ~ 110万円コストパフォーマンスを重視し、標準的な性能を求める方。
ラジカル制御型塗料12~16年90万円 ~ 120万円シリコンよりワンランク上の耐久性を、比較的安価に実現したい方。
フッ素塗料15~20年100万円 ~ 140万円初期費用はかかっても、塗り替え回数を減らして長期的なコストを抑えたい方。
無機塗料20~25年120万円 ~ 150万円最高の耐久性を求め、今後長期間にわたって安心して暮らしたい方。
Information

上記の費用相場には、足場代、高圧洗浄、養生、下地処理、シーリング工事、付帯部(雨樋など)の塗装などが一般的に含まれますが、業者によって内訳は異なります。

業者から見積もりを取得した際は、総額だけで判断せず、「何の作業にいくらかかるか」という内訳が詳細かつ明確に記載されているかを厳しく確認してください。

信頼できる優良業者の見積書には、通常以下のような項目が具体的に記載されています。

ここをチェック!信頼できる見積書の必須項目

  • 仮設工事費(足場代、メッシュシート代など): 費用全体の約20%を占める重要な項目です。単価(㎡)と面積が明記されているかを確認しましょう。「足場代無料キャンペーン」などを謳う業者には、その分が他の項目に上乗せされている可能性が高いため注意が必要です。
  • 高圧洗浄費: 新しい塗料の密着性を最大限に高めるための重要な下準備です。バイオ洗浄など、オプションの有無も確認しましょう。
  • 下地処理・補修費: ひび割れ補修(クラック補修)、シーリング打ち替え、鉄部のサビ落とし(ケレン作業)など、塗装の寿命を決定づける最も重要な工程です。数量や単価が「一式」とまとめられていないかを確認します。
  • 塗装工事費(外壁・屋根・付帯部など): 「下塗り・中塗り・上塗り」という3回塗りの工程が明確に記載されているか。そして、使用する塗料のメーカー名と正確な製品名(例:「日本ペイント パーフェクトトップ」など)が具体的に記載されているかが最重要ポイントです。
  • その他(現場管理費、廃材処理費など): 全体の5~10%程度の諸経費です。内訳が不明瞭な場合は、具体的に何を含む費用なのかを質問しましょう。

最低でも3社以上の業者から相見積もりを取り、これらの項目を一つ一つ丁寧に比較検討することが、適正価格で質の高い工事を実現するための唯一にして最善の方法です。

塗装業者の費用相場と見積もりの見方
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耐久性で変わる塗料の種類と選び方

外壁塗装の費用と、その効果がどれだけ長持ちするかという耐久性を大きく左右するのが、工事で使用される「塗料の種類(グレード)」です。

どの塗料を選ぶかによって、次のメンテナンスまでの期間が5年、場合によっては10年以上変わることもあります。

ご自身の予算はもちろんのこと、今後その家に何年住み続けるのかといったライフプランも考慮して、最適な塗料を選択することが重要です。

【完全版】主な外壁塗料のグレード別特徴と選び方

グレード塗料の種類耐用年数メリットデメリット
標準グレードシリコン塗料10~15年・現在最も普及しており、コストと性能のバランスが非常に良い。
・防汚性や防カビ性など、基本的な機能を十分に備えている。
・より上位のフッ素や無機塗料に比べると、光沢の維持率や耐久性で劣る。
高機能グレードラジカル制御型塗料12~16年・塗膜の劣化原因となる「ラジカル」の発生を抑制する技術が用いられている。
・シリコン塗料と同等の価格帯で、より高い耐久性を発揮する。
・比較的新しい技術であるため、長期的な実績はフッ素塗料などに及ばない。
・製品によっては色の選択肢が少ない場合がある。
高耐久グレードフッ素塗料15~20年・紫外線に対する抵抗力が非常に強く、長期間にわたり美しい光沢を維持できる。
東京スカイツリー外部鉄骨フッ素樹脂“LUMIFLON”系塗料が採用事例として公表されています。
・シリコン塗料に比べて初期費用が高価になる。
・従来は塗膜が硬く、ひび割れしやすいという弱点がありましたが、近年ではその点を改良した「弾性フッ素塗料」も登場しており、製品の選択肢が広がっています。
最高級グレード無機塗料20~25年・紫外線で劣化しないガラスなどの無機物を主成分とするため、最高の耐久性を誇る。
・親水性が高く、雨水で汚れを洗い流すセルフクリーニング効果を持つ。
・非常に高価であり、予算が限られる場合には選択しにくい。
・塗膜が非常に硬く、施工が難しいため、経験豊富な業者に依頼する必要がある。

20年間という長期間メンテナンスをしてこなかったという方には、次回の塗り替えまでの期間を可能な限り長くすることができる、フッ素や無機といった高耐久な塗料を強くおすすめします。

確かに初期費用は高額になりますが、例えば30年間で考えると、シリコン塗料なら2回の塗り替えが必要なところを、無機塗料なら1回で済む可能性があります。

足場代を含めたトータルのメンテナンスコストを考えれば、結果的に高耐久塗料の方がお得になるケースは非常に多いのです。

塗料は単純に価格だけで選ぶのではなく、それぞれのメリット・デメリットを深く理解した上で、ご自宅の環境や将来の居住計画に最も合ったものを選ぶことです。

それが、長期的に見て満足のいく外壁塗装を実現する鍵となります。

耐久性で変わる塗料の種類と選び方
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結局、外壁塗装は何年ごとにすべきか

これまで繰り返し解説してきた通り、外壁塗装の適切なタイミングを「〇年ごと」と一概に断定することはできません。

なぜなら、最適な塗り替え時期は、前回使用した塗料の耐用年数建物の立地環境、そして施工品質という3つの要素が複雑に絡み合って決まるからです。

最も重要なのは、これらの要素を考慮して設定した耐用年数を一つの目安としつつ、実際に現れるご自宅の劣化サインを見逃さないことです。

現実的なメンテナンス計画を立てる上では、以下のようなステップで考えるのがおすすめです。

失敗しないためのメンテナンスサイクル計画

  1. ステップ1:現状把握(新築・前回の塗装から7~8年)
    まずはご自身で外壁のセルフチェックを始める時期です。特に、日当たりの良い南面や西面を中心に、チョーキング現象やシーリングの細かなひび割れといった初期の劣化サインが出ていないかを、年に1~2回程度確認する習慣をつけましょう。
  2. ステップ2:専門家による診断(10年経過)
    多くの住宅で何らかの劣化が出始める時期です。このタイミングで一度、塗装業者や診断士といった専門家による無料の劣化診断を受けることを強く推奨します。人の健康診断と同じで、専門家の目による客観的な評価を受けることで、現状を正確に把握し、適切なメンテナンス計画の土台を作ることができます。
  3. ステップ3:具体的な計画立案(12年~15年経過)
    一般的なシリコン塗料などで塗装した場合、具体的な塗り替え工事の検討を始める時期です。劣化が深刻化して雨漏りなどが発生する前に予防的なメンテナンスを行うことで、外壁の張り替えといった高額な追加工事の発生を防ぎ、結果的に総費用を抑えることにつながります。

新築時にフッ素や無機といった高耐久塗料で塗装した場合や、前回のメンテナンスでこれらの塗料を選択した場合は、上記のサイクルを5年~10年ほど後ろ倒しで考えられます。

いずれのケースにおいても、「年数」はあくまで計画を立てるための目安であり、最終的な判断は「実際の建物の状態」で行うという大原則を忘れないでください。

【重要】保証期間と耐用年数は全くの別物です

塗装業者が発行する「工事保証書」に記載されている保証期間と、塗料メーカーが公表している「耐用年数」を混同しないように注意が必要です。

工事保証は、あくまで施工に不備があった場合(例:施工後すぐに剥がれてきたなど)に適応されるものです。

塗料本来の経年による自然な劣化(例:10年後の色あせなど)は保証の対象外となることがほとんどです。

「10年保証だから10年間は安心」というわけではないことを、正しく理解しておく必要があります。

結局、外壁塗装は何年ごとにすべきか
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失敗しない!やめた方がいい色の特徴

外壁の色選びは、塗装工事の満足度を大きく左右する非常に楽しい工程ですが、その反面、知識がないまま進めると後悔に繋がりやすい、最も難しい選択の一つでもあります。

その最大の理由は、家の外壁という巨大な面積に塗られた色は、カタログやA4サイズ程度の小さな色見本で見た印象とは全く異なって見える「面積効果」という現象が働くためです。

一般的に、明るい色はより明るく鮮やかに、暗い色はより暗く重く感じられる傾向があります。

そのため、A4以上の大きな塗り板を用意して、実際の外壁に当てながら屋外で時間帯を変えて確認するのが確実です。

この失敗を避けるためにも、外壁塗装で「避けた方がよい」とされる色の特徴を事前に把握しておくことが大切です。

汚れが非常に目立ちやすい色(真っ白・真っ黒)

真っ白は、清潔感があり建物を大きく見せる効果があります。

しかし、雨筋に沿って付着する黒ずんだ汚れ(雨だれ)や、排気ガスによるスス汚れ、日陰部分に発生するカビなどが他のどの色よりも目立ちやすくなります。

頻繁に洗浄する覚悟がない限り、避けた方が無難です。

同様に、真っ黒はシャープでモダンな印象を与えますが、黄砂や土埃、鳥のフンといった白っぽい汚れが非常に目立ちやすいという大きなデメリットを抱えています。

経年による色あせが早い色(彩度の高い原色系)

特に赤、黄色、紫といった、鮮やかな原色に近い色は、塗料に含まれる顔料が紫外線のエネルギーに弱く、他の色に比べて色あせ(褪色)が早く進行する傾向があります。

せっかく美しい色に塗装しても、数年で古びた印象になってしまう可能性が高く、長期的な美観を維持するのが難しい色と言えます。

熱を吸収しやすく、室温や塗膜に悪影響を与える色(濃色系)

黒や濃紺、ダークブラウンなどの濃い色は、太陽光の熱エネルギーを吸収しやすいため、外壁の表面温度が非常に高くなります。

真夏の日差しを受けた濃色の外壁は、表面温度が60℃以上に達することも珍しくありません。

(参考:遮熱性能の検証 | 遮熱塗料でCOOLリフォーム | エスケー化研株式会社 – 建築用塗料・建築仕上材の総合メーカー

これにより、夏場の室内温度が上昇し、冷房効率を下げてしまうだけでなく、塗膜自体も熱によるダメージで劣化を早めてしまう可能性が指摘されています。

色選びで失敗しないための最も確実な方法は、グレー、ベージュ、アイボリー、あるいは彩度を抑えたブラウンといった、汚れや色あせが目立ちにくい「中間色(ニュートラルカラー)」をベースに考えることです。

その上で、A4サイズ以上の塗り板サンプルを業者から取り寄せ、実際の外壁にあて、朝・昼・夕方、晴れの日と曇りの日でどう見えるか確認することをおすすめします。

この一手間が、10年後も満足できる色選びにつながります。

失敗しない!やめた方がいい色の特徴
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外壁塗装でよくある後悔のパターン

最後に、残念ながら外壁塗装工事を終えた後に、多くの方が経験する「後悔」の典型的なパターンをご紹介します。

これらのリアルな失敗例を事前に知っておくことで、ご自身の工事で同じ轍を踏むことを確実に避けられます。

パターン1:「安物買いの銭失い」の後悔

費用は誰もが気になる最重要ポイントですが、複数の業者から見積もりを取った際に、他社より明らかに安すぎる業者に安易に飛びついてしまうのは最も危険です。

異常な安さには必ず理由があります。

本来3回塗るべきを2回で済ませたり、塗料を規定以上に薄めて材料費を浮かしたり、重要な下地処理を省略するなど、見えない部分で手抜き工事が行われるリスクが非常に高くなります。

その結果、数年で塗膜が剥がれるなどの重大な不具合が発生し、結局は高額な再工事費用がかかってしまう「安物買いの銭失い」に陥ります。

価格だけでなく、工事内容の質を厳しく見極めることが重要です。

パターン2:「色のイメージが全然違った」という後悔

前述の通り、色選びの失敗は非常に多い後悔の一つです。

小さな色見本だけで決めたら、実物は想像以上に明るく派手で近所から浮いてしまい恥ずかしい」「汚れが目立つ色を選び、いつも汚れて見えてストレス」といった声は後を絶ちません。

大きなサンプルでの確認や、可能であればカラーシミュレーションを活用しましょう。

パターン3:「言った・言わない」のトラブルによる後悔

「てっきり雨樋も塗ってくれると思っていたのに、見積もりに入っていなかった」「この小さなひび割れも当然直してくれると口頭で言われたのに、追加料金を請求された」といった、業者との認識の齟齬から生じるトラブルは非常に多いです。

工事の範囲や仕様、サービス内容は、必ず契約書や見積書、仕様書といった「書面」で明確に残しておきましょう。

少しでも曖昧な点や疑問があれば、契約前に必ず担当者に質問し、納得のいく回答を得ることが鉄則です。

これらの後悔を避けるためには、決して焦って契約せず、じっくりと時間をかけて情報収集を行い、複数の業者を比較検討しましょう。

最終的に心から信頼できるパートナー業者を慎重に選ぶことが何よりも大切になります。

外壁塗装でよくある後悔のパターン
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外壁塗装20年してない?知恵袋を見て悩む前の結論

この記事では、外壁塗装を20年間していないという大きな不安を抱える方へ向けて、知恵袋でよく見られる様々な疑問に、専門家の視点から一つ一つ丁寧にお答えしました。

最後に、これからの行動指針となる重要なポイントを、結論としてまとめます。

  • 外壁塗装の最大の目的は美観の回復ではなく建物の保護である
  • タイルやレンガなどを除きほとんどの一般的な住宅で塗装は絶対に必要
  • 「10年説」はあくまで目安であり年数ではなく実際の劣化状態で判断する
  • 壁を触って白い粉がつくチョーキング現象は防水機能低下の危険なサイン
  • 幅0.3mm以上のひび割れは雨漏りに直結するリスクが高い
  • サイディングの継ぎ目にあるシーリングのひび割れや剥がれは特に危険
  • 劣化の放置は雨漏りや家の骨格である構造躯体の腐食につながる
  • 大規模な修繕工事になると塗装の2倍から5倍以上の費用がかかる
  • 普及率の高い窯業系サイディングは塗装による防水が不可欠な外壁材
  • 30坪住宅の費用相場は塗料や劣化状況により80万円から150万円が目安
  • 費用は総額だけでなく詳細な見積もりの内訳を厳しくチェックする
  • 長期的なコストを考えるとフッ素や無機などの高耐久な塗料も有力な選択肢
  • 真っ白や真っ黒、赤や黄色などの原色系の色は後悔しやすい傾向がある
  • 業者選びは必ず3社以上の相見積もりで工事内容と価格を比較検討する
  • 最終的な判断を下す前に専門家による無料の建物診断を受けることが最善の一手

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