
こんにちは。ステップペイントの現場担当 土橋 昭です。
外壁塗装の工事期間中、特に工事の前日に雨が降ると「明日の作業、本当に大丈夫なのかな…?」と、とても心配になりますよね。せっかく足場を組んで、いよいよ塗装が始まるというタイミングでの雨は、本当にやきもきするものです。
「このまま塗装を進めてしまったら、品質が落ちるんじゃないか」「雨が上がった後、どれくらい待てば作業を再開できるの?」など、次から次へと疑問が湧いてくるかと思います。
実際、私たちプロの塗装業者にも、お客様から以下のようなご質問を頻繁にいただきます。
- 前日に降った雨が, 塗装の仕上がりや耐久性に具体的にどう影響するの?
- 雨の次の日、作業をやるかやらないか、プロは何を基準に決めているの?
- 高圧洗浄の日に雨が降った場合はどうなるの?
- 雨で工事が中止になったら、その分工期が延びて追加料金がかかるんじゃないか…。
この記事では、こうした皆様の不安や疑問を解消するために、私たち現場のプロフェッショナルが日頃から実践している判断基準や、雨が塗装に与える影響について、専門的な視点から、どこよりも詳しく、そして分かりやすく解説していきます。
これを読めば、雨の日の対応について安心して業者に任せられるようになるはずです。
記事のポイント
- 雨による塗装の剥がれや白化のリスク
- 雨天時の高圧洗浄が推奨される理由
- 工期延長時の追加費用と保証の考え方
- プロが実践する作業再開の判断基準
- 1. 外壁塗装で工事前日の雨、品質への影響と判断基準
- 1.1. 塗装の剥がれや白化といった施工不良
- 1.1.1. 1. 塗膜の「膨れ」と「剥がれ」:逃げ場を失った水蒸気の反乱
- 1.1.2. 2. 白化(ブラッシング)現象:美観と耐久性の喪失
- 1.1.3. 3. 建材自体の腐食リスク:水分の「閉じ込め」
- 1.2. 塗装可能な含水率など施工の基準
- 1.2.1. プロがチェックする総合的な判断基準
- 1.3. 雨の日の高圧洗浄、実施のメリットと注意点
- 1.3.1. 1. 「汚れをふやかす」浸け置き効果で洗浄力がアップ
- 1.3.2. 2. 近隣トラブルを未然に防ぐ「飛散防止」のメリット
- 1.3.3. 3. 「雨音」がエンジン騒音を和らげるマスキング効果
- 1.3.4. 4. 晴れの日を「乾燥と塗装」に全振りできる工期戦略
- 1.3.5. 【重要】作業を中止する「雨の境界線」
- 1.4. 雨天で中止になりやすい塗装工程
- 1.5. 濡れた壁への養生が絶対NGな理由
- 1.6. 足場組立や解体への影響はあるか
- 2. 外壁塗装で工事の前日に雨、施主様が知るべき注意点
- 2.1. 業者から連絡がない場合の対処法
- 2.2. 工事が強行された際の注意点
- 2.3. 変色など塗装後の不具合と保証
- 2.4. 工期延長で費用は大丈夫か?
- 2.4.1. 補足情報:追加費用が発生するケースとは?
- 2.5. 塗装屋が雨の日に何してるか解説
- 2.5.1. 他の現場への応援
- 2.5.2. 倉庫での段取り・メンテナンス
- 2.5.3. 事務所での事務作業や勉強
- 2.6. まとめ: 外壁塗装で工事の前日に雨が降ったら
- 2.6.1. 【成功への3つの心得】雨の日こそ思い出してください
- 2.6.2. 横浜市・川崎市・東京都で外壁塗装や防水工事をお考えの方へ
外壁塗装で工事前日の雨、品質への影響と判断基準
それではまず、皆様が最も気にされている「前日の雨によって塗装の品質は本当に大丈夫なのか?」という核心部分からお話しします。
私たちは、単に天気を眺めて「晴れたからOK!」と安易に判断しているわけではありません。お客様の大切なお住まいを10年、15年と美しく守るために、品質を最優先に考え、絶対に譲れないいくつかの基準を持って作業の可否を判断しているんです。
塗装の剥がれや白化といった施工不良

「少しくらい湿っていても、上から塗ってしまえば分からないのでは?」もしそう思われているとしたら、それは非常に危険な誤解です。外壁の表面や内部に水分が残ったまま塗装を行うことは、お客様の大切な資産であるお住まいに、数年後に爆発する「不具合の時限爆弾」を仕掛けるようなものだからです。
塗料は単なる「色水」ではありません。乾燥・硬化の過程で化学反応を起こし、下地と一体化することで初めて、家を保護する強固な「塗膜(とまく)」へと進化します。この繊細なプロセスにおいて、余分な水分は百害あって一利なしの存在です。ここでは、水分が引き起こす具体的な施工不良のメカニズムを深掘りします。
1. 塗膜の「膨れ」と「剥がれ」:逃げ場を失った水蒸気の反乱
最も深刻で、かつ頻繁に起こるトラブルが塗装後の「膨れ」や「剥がれ」です。これは、塗料が下地に食いつく力を水分が物理的に邪魔することで起こります。
密着の阻害
通常、塗料は外壁材の微細な凹凸に入り込んで固まる「アンカー効果」によって密着します。しかし、壁が濡れていると水分がその凹凸を塞いでしまい、塗料が表面に浮いた状態になってしまいます。
水蒸気圧による破壊
塗装が完了した後、太陽の熱で外壁が温められると、内部に閉じ込められた水分が「水蒸気」へと変化します。水は、例えば100℃で水蒸気になると体積が約1700倍にも膨れ上がります。
この凄まじい圧力が、内側から塗膜を押し上げ、目玉のような「膨れ」を作ったり、耐えきれなくなった塗膜をペリペリと剥がしたりするのです。

2. 白化(ブラッシング)現象:美観と耐久性の喪失
特に湿度の高い雨上がり直後などに起こりやすいのが「白化(はっか)」と呼ばれる現象です。これは主に塗料が乾燥する際の温度変化が原因で発生します。
塗料に含まれる溶剤が蒸発する際、周囲の熱を奪う「気化熱」が発生します。このとき周りの湿度が高いと、塗装表面の温度が急激に下がることで空気中の水分が結露し、まだ柔らかい塗膜の中に入り込んでしまいます。
すると、本来の艶が失われて表面が白く濁ったようになり、見た目が悪くなるだけでなく、塗膜自体の強度が著しく低下し、本来の寿命を全うできなくなります。
(参考:白化(Blushing)|日本ペイント(技術資料PDF))
3. 建材自体の腐食リスク:水分の「閉じ込め」

実は目に見える塗装の不具合以上に恐ろしいのが、建材そのものへのダメージです。湿った壁の上に強固な防水塗料を塗るということは、外壁材の中に残った水分の「出口」を完全に塞いでしまうことを意味します。
逃げ場を失った水分は、長い時間をかけて建材の内部へと浸透し、サイディングの変形や反り、あるいは内部結露による構造体の腐食(シロアリやカビの発生)を招く二次被害の原因にもなりかねません。
【要注意】施工直後は「完璧に綺麗に見えてしまう」怖さ
これらの不具合の最も厄介な点は、「工事が終わった直後は、プロが見ても非の打ち所がないほど美しく仕上がっていることが多い」という点です。
水分による密着不良は、数ヶ月から1〜3年という時間をかけて、じわじわと症状として現れます。その時になって「あの雨の日の無理な作業が原因だった」と気づいても、保証期間や責任の所在でトラブルになるケースが後を絶ちません。
将来の莫大な手直し費用を防ぐためには、目先の数日の工期短縮よりも、「完全に乾くまで徹底的に待つ」という勇気ある判断ができる業者を選ぶことが、何よりも重要なのです。

塗装可能な含水率など施工の基準

「じゃあ、具体的にどれくらい乾いていれば安全だと言えるの?」という疑問が湧きますよね。私たちプロは、これを経験や勘だけに頼るのではなく、明確な数値基準に基づいて判断しています。
まず、多くの塗料メーカーの資料では、施工条件の目安として「気温が5℃未満、もしくは湿度85%以上の場合は塗装を避ける」といった基準が示されています。(参考:パーフェクトトップ(製品資料PDF)|日本ペイント)
こうした基準がなぜ設けられているのか、塗料の重ね塗りに必要な間隔や乾燥の重要性については、こちらの『外壁塗装の下塗りと中塗りの間隔は何時間が正解?最適な目安』の記事で具体的に解説しています。
これは、塗料が化学反応を起こして硬化する(乾く)過程で、空気中の水分が多すぎたり、気温が低すぎたりすると正常な塗膜を形成できないためです。この基準を守ることは、いわば最低限のルールと言えます。
(参考:施工上の注意事項【M】水系共通|菊水化学工業(PDF))
見た目がすっかり乾いているように見えても、内部に水分を保持していることがあるため、こうした数値を確認しながら慎重に判断を下します。
プロがチェックする総合的な判断基準
- 天候・気象条件
当日の天気が晴れであることはもちろん、前日からの風通しや日当たりの良さも考慮します。 - 湿度
専用の温湿度計を用いて、現場の湿度が基準値である85%を下回っているかを正確に測定します。 - 壁の状態(目視と計測)
職人が直接壁を触って湿り気を確認するだけでなく、必要に応じて含水率計で内部の乾燥状態を数値で確認します。 - 外壁材の種類
水を吸いやすく乾きにくいモルタル壁か、比較的乾燥が早いサイディングボードかなど、壁材の特性も判断材料に含めます。
私たちは、これらの複数の要素をパズルのように組み合わせ、総合的に「よし、最高の品質で塗装できるコンディションだ!」と確信を持ってから、初めて作業を再開するんですよ。
雨の日の高圧洗浄、実施のメリットと注意点

塗装工程において、雨は基本的に「大敵」です。ただし最初の工程である「高圧洗浄」に限っては、小雨程度で安全が確保できる条件なら実施することもあります。雨の日の洗浄には、実はいくつかの戦略的なメリットがあるんです。ここでは「条件が合うときに起こりやすい利点」として解説しますね。
また、洗浄当日の具体的な流れや注意すべき点について詳しく知りたい方は、『外壁塗装工事で行う高圧洗浄作業の所用時間や当日の注意点を解説』も併せてご覧いただくと、よりイメージが湧きやすいはずです。
1. 「汚れをふやかす」浸け置き効果で洗浄力がアップ
乾いた汚れを落とすよりも、濡れてふやけた汚れを落とす方が簡単なのは、食器洗いやお掃除と同じです。雨が降っていると、外壁にこびりついた古い塗膜、苔、藻、排気ガスなどの頑固な汚れが事前に水分を吸って柔らかくなっています。
いわば、雨が「天然の浸け置き洗い」の状態を作ってくれているのです。この状態で高圧洗浄をかけることで、無理な負荷をかけずとも汚れが根元からスルリと剥がれ落ち、晴天時以上にクリアな下地を作ることができます。これは、後の塗料の密着性を高める上で非常に大きなアドバンテージとなります。
2. 近隣トラブルを未然に防ぐ「飛散防止」のメリット
高圧洗浄で最も神経を使うのが、近隣への汚水の飛散です。高圧洗浄機から噴射された水は、壁に当たると細かなミスト状になって広範囲に舞い上がります。晴れて風がある日だと、この汚れたミストが数十メートル先まで飛び、お隣の洗濯物や洗いたての車、窓ガラスを汚してしまうリスクがあります。
しかし、雨の日は以下の理由でそのリスクが劇的に下がります。
- 雨粒による相殺
空から降る雨粒が、舞い上がろうとする細かな洗浄水を叩き落としてくれるため、飛散範囲が極端に狭くなります。 - 洗濯物の心配がない
雨の日はどのご家庭も洗濯物を外に干していないため、飛散によるクレームのリスクが最小限に抑えられます。 - 窓の養生
雨の日は近隣の方も窓を閉め切っていることが多いため、洗浄中のエンジン音や水しぶきに対するストレスを感じにくい環境が整っています。
3. 「雨音」がエンジン騒音を和らげるマスキング効果
高圧洗浄機はガソリンエンジンで駆動するため、作業中は「ブォーン」という独特の大きな音が発生し続けます。静かな住宅街では、この音が気になってしまうというお客様も少なくありません。
雨の日は、周囲に響くシトシト、ザァーザァーという雨音が「環境音(ホワイトノイズ)」となり、洗浄機のエンジン音をある程度かき消してくれる(マスキング効果)があります。これにより、晴天時に比べて騒音の角が取れ、近隣への心理的な負担を軽減することができるのです。
4. 晴れの日を「乾燥と塗装」に全振りできる工期戦略
塗装工事において最も貴重なのは「壁がしっかり乾いている晴天の日」です。もし雨の日に高圧洗浄を済ませておけば、天気が回復した直後から「乾燥期間」に入ることができ、翌日以降の晴れ間をフルに塗装作業へ充てることが可能になります。
これは、手抜きのために急いでいるのではなく、限られた工期の中で最も効率的に、かつ最高品質の仕上がりを実現するためのプロの「段取り」なのです。
【重要】作業を中止する「雨の境界線」
ただし、どんな雨でも良いわけではありません。現場の職人は以下の基準で中止を判断しています。
- 視界を遮るほどの豪雨
屋根の上など高所作業の安全が確保できない場合。 - 強風・雷
足場の上で煽られたり、洗浄ガンが風でコントロールできなくなったりする場合。 - 土砂崩れや冠水の恐れ
現場周辺の安全に支障が出る場合。
雨量や風、周辺環境によって判断は変わります。私たちはあくまで安全と品質が両立できる範囲内で判断していますので、安心してお見守りいただければと思います。
雨天で中止になりやすい塗装工程

それでは改めて、雨が降ったり、壁の乾燥が不十分だったりする場合に、中止せざるを得ない塗装工程を整理しておきましょう。主に以下の作業が該当します。
- 塗装作業全般(下塗り・中塗り・上塗り)
言うまでもなく、塗装品質そのものに直結するため、最も天候に左右される工程です。特に、壁と塗料を密着させる「下塗り」は、乾燥が不十分だと致命的な欠陥に繋がります。 - コーキング(シーリング)の充填・増し打ち
サイディングボードの目地などを埋めるコーキング材は、湿気がある状態で充填すると硬化不良を起こし、防水性能が著しく低下します。また、プライマー(接着剤)も湿った面には定着しません。 - 養生作業
塗装しない部分をビニールやテープで保護する作業です。これも壁が濡れているとテープが接着しないため、作業ができません。詳しくは次の項目で解説しますね。
これらの工程は、お住まいの耐久性と美観を決定づける非常に重要な作業です。そのため、ほんの少しでも品質低下のリスクがあれば、私たちは決して無理に作業を進めることはありません。
濡れた壁への養生が絶対NGな理由
「塗装やコーキングがダメなのはよく分かった。でも、テープを貼るだけの養生作業くらいは進められるんじゃないの?」と疑問に思う方にいらっしゃるかもしれませんね。実は、これも絶対にやってはいけないNG作業なんです。
養生とは、窓サッシや玄関ドア、給湯器といった、塗料が付いてはいけない部分を専用のビニールシートで覆い、その周りをマスキングテープでぴったりと固定していく作業です。このマスキングテープが、水分を含んで湿った壁には、驚くほどくっつかないのです。
どんなに粘着力の強いプロ用のテープを使ったとしても、濡れた面には全く歯が立ちません。貼ったそばから端が浮き上がってきたり、少し風が吹いただけでパタパタと剥がれてきてしまったりします。
仮に無理やり貼り付けて作業を進めたとしましょう。塗装をしている最中にテープが剥がれ、その隙間から塗料が侵入してしまったら…結果は悲惨です。窓のフチやサッシのゴム部分に塗料がはみ出し、せっかく壁が綺麗になっても、細部が汚い残念な仕上がりになってしまいます。
美しい塗装は、美しい養生から。この養生という地味に見える作業こそ、プロの丁寧な仕事ぶりが現れる重要な工程であり、そのためには養生する面が完全に乾いていることが大前提となるのです。
足場組立や解体への影響はあるか

塗装作業とは対照的に、足場の組立や解体作業は、天候による制約が比較的少ない工程です。小雨程度であれば、安全対策を講じた上で作業を進めることがほとんどです。
ただし、私たちがいかなる時も最優先するのは「安全」です。以下のような状況では、足場作業であっても中止の判断を下します。
- 豪雨・大雨
雨量が多くなると視界が悪くなり、高所での作業や部材の受け渡し時に危険が伴います。また、足元が滑りやすくなり、転落のリスクが高まります。 - 強風
強風時は足場材が煽られ、部材の落下や転落などのリスクが高まります。目安として「10分間の平均風速が毎秒10m以上」など、現場の基準に達する場合は、安全確保のために作業を中止します。 (参考:降雨及び強風等による労働災害防止の徹底について|神奈川労働局(PDF)) - 雷
金属でできた足場は、雷が鳴っている状況では非常に危険な避雷針となってしまいます。落雷のリスクがある場合は、直ちに作業を中断し、安全な場所へ避難します。 - 地面のぬかるみ
:雨によって足場を支える地面がひどくぬかるんでしまうと、足場の脚が沈み込み、構造全体の安定性が損なわれる恐れがあります。このような場合も、安全が確認できるまで作業を見合わせます。
このように、足場作業の可否は「品質」ではなく、純粋に「作業員の安全と周辺への配慮」という観点から判断されているんですね。
外壁塗装で工事の前日に雨、施主様が知るべき注意点
さて、ここまでは主に業者側の判断基準についてお話してきましたが、ここからはお客様、つまり施主様の立場で、前日に雨が降った際に知っておくべきこと、そしてどのように対応すれば良いのかについて解説していきます。事前にポイントを知っておくことで、余計な心配をせず、安心して工事期間を過ごせるようになりますよ。
業者から連絡がない場合の対処法
通常、信頼できる業者であれば、当日の朝(多くは作業開始前の午前8時〜9時頃)に、その日の作業を予定通り行うか、あるいは天候を理由に中止するかを電話やメッセージで連絡してくれます。私たちステップペイントでも、お客様を不安にさせないよう、日々の作業内容と予定を必ずご報告することを徹底しています。
しかし、もし予定の作業開始時間を過ぎても業者から何の連絡もない場合は、不安な気持ちで待ち続ける必要はありません。どうぞ、遠慮なく担当者の方へお電話で確認してみてください。
「職人さんは忙しいかもしれないから…」と気兼ねする必要は全くありませんよ。「今日の作業は予定通り行われますか?」と、一言聞いていただくだけで結構です。
もしかすると、業者はギリギリまで天候の回復を待って判断しようとしている最中かもしれませんし、単純に連絡が行き違ってしまっている可能性も考えられます。お客様の大切なお住まいの工事です。進捗状況を把握し、疑問点を確認するのは当然の権利ですから、いつでも気軽にコミュニケーションを取るようにしてください。
工事が強行された際の注意点
まず大前提として、ほとんどのまっとうな塗装業者は、品質が著しく低下すると分かっている状況で、無理に工事を強行することはありません。しかし、万が一「どう見てもまだ壁が濡れているのに、職人さんが作業を始めようとしている…」と不安に感じることがあった場合は、決して黙って見過ごさず、勇気を出して声をかけてみてください。
その際、相手を問い詰めるような口調ではなく、「すみません、素人なのでよく分からないのですが、この状態で塗装を始めても品質に影響はありませんか?」と、あくまで質問という形で聞いてみるのが良いでしょう。
プロの職人であれば、先ほど解説した数値等で既に安全であることを確認済みかもしれませんし、お客様の不安に対して、その根拠をきちんと説明する義務があります。
その説明に納得できれば、安心してお任せできますよね。逆に、もし職人が曖昧な返事をしたり、不機嫌な態度を取ったりするようであれば、少し注意が必要なサインかもしれません。その場合は、一度作業を止めてもらい、現場の責任者や会社の営業担当者に直接連絡して、状況の確認を求めるのが賢明です。
変色など塗装後の不具合と保証
もし、乾燥が不十分な状態での施工が原因で、工事完了から数年後に塗膜の剥がれや膨れ、あるいは著しい変色といった不具合が発生した場合、それは「施工不良」にあたります。このような万が一の事態に備えて、多くの塗装会社では工事内容を保証する「自社保証」や、第三者機関による「リフォーム瑕疵保険」といった制度を用意しています。
工事を契約する際には、必ず保証書の内容を細かく確認しておくことが非常に重要です。具体的には、
- どのような不具合が保証の対象となるのか(例:塗膜の剥離、膨れ)
- 保証期間は何年間か(塗料のグレードによって5年、7年、10年など異なります)
- 逆に、保証の対象外となるのはどのようなケースか(例:天災による損傷、経年による自然な色褪せ、物をぶつけた傷など)
これらの点を事前にしっかりと把握しておくことで、後々の「言った・言わない」のトラブルを防ぐことができます。保証制度は、その会社の施工品質に対する自信と責任の表れでもあります。
工期延長で費用は大丈夫か?

雨の日が続いて作業ができない日が増えてくると、「このままだと工事期間がどんどん延びて、その分、追加で費用を請求されたりしないだろうか…」と、金銭的な心配をされる方も少なくありません。ですが、どうぞご安心ください。
天候不順で工期が延びた場合の追加費用については、基本的にはお客様との契約内容によります。
万が一工期が大幅に遅れてしまった際の対応や、遅延による損害賠償の考え方などについては、『外壁塗装の工期遅れ!雨や職人不足の理由と対策・賠償の相場』の記事で詳しく解説していますので、あわせて参考にしてください。
ただ、多くの外壁塗装では、あらかじめ日本の天候(梅雨や秋の長雨など)を考慮し、数日間の「予備日」を含めた工程を組んでいます。そのため、天候による延長分を追加請求しない取り決めになっていることが一般的です。
念のため、お手元の契約書や見積書の条件(工期や中止時の扱い)を事前に確認しておくと、より安心して工事を見守っていただけると思います。
補足情報:追加費用が発生するケースとは?
ただし、これはあくまで天候のような不可抗力による工期延長の場合です。
例えば、工事が始まってからお客様のご要望で「やっぱりこの部分の色を変えたい」「ついでにベランダの防水工事もお願いしたい」といった追加の作業が発生した場合は、当然ながら別途お見積もりの上、追加費用と工期の延長が必要になりますので、その点はご注意ください。
塗装屋が雨の日に何してるか解説

「雨で現場作業がお休みなら、塗装屋さんは一体何をしているの?」これは、お客様から本当によく聞かれる素朴な疑問です(笑)。
もちろん、完全に休日になることもありますが、多くの職人は雨の日もただ休んでいるわけではないんですよ. 実は、次に最高の仕事をするための大切な準備期間として、時間を有効活用しているんです。
他の現場への応援
もし、内装リフォームやマンションの共用廊下など、天候に左右されない屋内の現場が同時に動いていれば、そちらの作業を手伝いに行きます。
倉庫での段取り・メンテナンス
会社の倉庫に戻り、次の工程で使う塗料の在庫確認や調色(色を混ぜ合わせる作業)を行ったり、使った刷毛やローラー、高圧洗浄機などの道具を丁寧に洗浄・メンテナンスしたりしています。こうした地道な準備が、晴れた日のスムーズで質の高い作業に繋がるんです。
事務所での事務作業や勉強
意外に思われるかもしれませんが、デスクワークもたくさんあります。施工写真の整理や日報の作成、お客様への進捗報告資料の作成、そして次以降の現場の工程会議などを行っています。
また、新しい塗料の性能を学ぶためのメーカー研修に参加したり、資格取得のための勉強をしたりと、スキルアップに励む職人も多いんですよ。
このように、雨の日は現場作業こそできませんが、お客様にご満足いただくための見えない努力を続けているんです。
まとめ: 外壁塗装で工事の前日に雨が降ったら
ここまで、外壁塗装における雨の影響や、私たちプロフェッショナルの判断基準について詳しく解説してきました。天候ばかりは自然のことですので、人間の力でコントロールすることはできません。しかし、「雨が降った後にどう対応するか」で、塗装工事の質、ひいては大切なお住まいの寿命は大きく変わります。
最後に、今回の記事の要点を整理しつつ、お客様にこれだけは心に留めておいていただきたい「成功のための3つの心得」をお伝えします。
【成功への3つの心得】雨の日こそ思い出してください
- 工期の遅れは「品質確保」のための必要な時間
予定通りに進まないことはストレスかもしれませんが、「乾くのを待つ時間」は「塗料の性能を100%引き出すための熟成期間」だと捉えてみてください。数日の遅れが、今後10年以上の安心を生み出します。 - 「中止」の決断ができる業者こそ信頼の証
職人にとって、現場を休むことはスケジュールの調整が必要となる大変な決断です。それでも「今日は塗らない」と判断するのは、目先の利益よりもお客様の建物を守る責任感を優先している証拠です。 - 不安や疑問は「その場」で解消を
「まだ濡れている気がするけど大丈夫?」「いつ再開するの?」といった疑問は、遠慮せず担当者に投げかけてください。納得できる説明があってこそ、安心してお任せいただけるはずです。
私たちステップペイントも含め、優良な塗装業者は常に「10年後、15年後のお客様の笑顔」を想像して作業にあたっています。無理に作業を進めて数年で剥がれてしまうような工事は、職人としてのプライドが許しません。
もし、雨続きで工期が延びてしまったとしても、それは決して無駄な時間ではありません。太陽が再び顔を出し、外壁がしっかりと乾燥したその瞬間こそが、最高品質の塗装をお届けできるスタートラインです。その「ベストなタイミング」を見極めるために、私たちは専門知識と経験をフル活用しています。
外壁塗装は、お客様と私たちが「お住まいを再生させる」という同じ目標に向かって進む共同プロジェクトです。天候による変更や調整も、より良い仕上がりのためのプロセスとして共有し、信頼関係を築きながら工事を進めていければ嬉しく思います。
天候への不安や、現場での判断について少しでも気になることがあれば、どんな小さなことでも構いません。いつでも私たちスタッフにお声がけください。お客様の不安を一つひとつ解消し、最後に「頼んでよかった」と言っていただけるよう、誠心誠意対応させていただきます。







