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外壁のメンテナンスコラム

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外壁ガルバリウムはダサい?倉庫に見えない色選びと20年後の真実

外壁ガルバリウムはダサい?倉庫に見えない色選びと20年後の真実

こんにちは。ステップペイントの現場担当 土橋 昭です。

新築やリフォームで外壁を選ぶ際、「ガルバリウム鋼板」はそのスタイリッシュな見た目と高い耐久性から非常に人気のある選択肢です。

ちなみに、少し専門的なお話をすると、ガルバリウム鋼板は単なる鉄板ではありません。

「アルミニウム(55%)」の錆びにくさと、「亜鉛」の傷を修復する力を掛け合わせた、いわば金属のハイブリッド素材です(JIS規格でも定められた正式な建材です)。

昔のトタン屋根とは根本的に成分が違うため、非常に長持ちするのが特徴です。

しかし、いざ検討を始めてインターネットで情報を集めると、「ダサい」「安っぽい」「倉庫みたい」といったネガティブな言葉が目に入り、不安になってしまう方も多いのではないでしょうか。

私自身、現場でお客様から「ガルバリウムにしたいけれど、近所から浮かないか心配」「将来的にみすぼらしくならないか」といったご相談を頻繁に受けます。

確かに、ガルバリウムは選び方や施工方法を間違えると、意図せず「簡易的な建物」に見えてしまうリスクがある素材です。

しかし、その特徴を正しく理解し、色やデザイン、そして施工の細部にまでこだわれば、非常に洗練された、耐久性の高い住まいを実現できる優れた建材でもあります。

この記事では、現場で多くの外壁を見てきた私の経験から、なぜ「ダサい」と言われてしまうのかその原因と、後悔しないための具体的な対策について、プロの視点で分かりやすくお話しします。

記事のポイント

  • なぜガルバリウムが「倉庫」や「安っぽい」と言われるのか、その具体的な理由がわかります
  • 「ダサい」を回避するための、色選びや張り方(縦・横)のポイントがわかります
  • 汚れやサビ、経年劣化など、20年後にどのような状態になるかを知ることができます
  • 異素材との組み合わせなど、おしゃれで満足度の高い外観にするための対策をつかめます
目次

外壁のガルバリウムがダサいと言われる理由と評判

ガルバリウム鋼板は、シンプルでモダンな印象を与える一方で、そのシンプルさが裏目に出ると「ただの鉄板」に見えてしまうことがあります。

現場で見ていると、建物の形状や窓の配置、そして何より「素材の使いどころ」が評価を分ける大きな要因になっていると感じます。

ここでは、具体的にどのようなポイントがマイナスの評価につながっているのか、ネット上の声や実際の施工現場での事例を交えて、少し深掘りして解説していきますね。

倉庫のように見えてダメな理由はなぜ

ガルバリウムが「倉庫っぽい」「工場みたい」と言われる最大の理由は、その無機質な質感と凹凸(テクスチャ)の少なさにあります。

本来、工場や倉庫では、コストを抑えて広い面積を覆うために、装飾のないシンプルな金属板が多用されます。

住宅用のガルバリウムも基本的には同じ金属素材であるため、使い方が似てしまうと、どうしても商業・工業施設のイメージと重なってしまうのです。

特に、「軒(屋根の出っ張り)がなく、窓が少ない真四角の形状」の建物で、外壁全面に単色のシルバーやグレーのガルバリウムを使用すると、住宅としての温かみや表情が消え、「ただの箱」のような印象が強くなります。

これが「倉庫=住居らしくない=ダサい」という連想の根本的な原因です。

ここがポイント

素材自体が悪いのではなく、「デザインの工夫(窓の配置、凹凸、異素材の介在)」がないと、工業製品感が強く出すぎてしまうのが原因です。

倉庫のように見えてダメな理由はなぜ
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知恵袋やブログの口コミで見る安っぽいという評価

Yahoo!知恵袋や個人のブログなどを見ると、「トタン屋根のようで安っぽく見える」「ペラペラしていて重厚感がない」という意見が散見されます。

特に年配の方を中心に、金属外壁=古いトタン、というイメージを持たれている場合も少なくありません。

豆知識:トタンとは別物!ガルバリウムの実力

ガルバリウム鋼板は、1972年にアメリカのベツレヘム・スチール社で開発されました。

日本工業規格(JIS G 3321)にも規定されており、そのめっき組成はアルミニウム55%、亜鉛43.4%、シリコン1.6%で構成されています。

  • アルミニウム: 長期間、錆びを防ぐ「耐久性」
  • 亜鉛: 傷がついた部分を守る「犠牲防食作用」

(参考:JIS G 3321に規定された溶融55%アルミ亜鉛合金めっき鋼板の解説/神戸製鋼

また、サイディングのように石やレンガを模した「厚みのある質感(テクスチャ)」がないため、近くで見たときに平面的でチープな印象を持たれることもあります。

実際には、住宅用のガルバリウム鋼板は断熱材と一体化していたり、特殊な塗装が施されていたりと高機能な素材です。

しかし、見た目の「重厚感」という点だけで比較すると、厚みのある窯業系サイディングやタイルには及ばない側面があるのは事実かなと思います。

豆知識:サイディングとの違い

窯業系サイディングは厚みが14mm~16mmほどありますが、ガルバリウム鋼板自体は0.35mm~0.4mm程度と非常に薄いです。

そのため、断熱材と一体型になっている「金属サイディング」を選ぶことで、この「薄っぺらさ」や断熱性の不安はある程度解消できます。

つなぎ目を目立たせないサイディングの選び方については、こちらの記事でも詳しく解説していますので、質感を重視される方は、『つなぎ目が目立たないサイディングの選び方【決定版】』の記事をぜひ参考にしてみてください。

銀やシルバー色が与える印象とデザインの失敗

シルバー(素地色)やメタリックカラーは、金属素材であるガルバリウムの質感をストレートに表現できる色であり、建築家が設計するようなデザイナーズ住宅では好んで採用される色です。

しかし、一般住宅で安易に採用すると、最も難易度が高く、失敗のリスクが大きい「諸刃の剣」でもあります。

なぜ「工事現場」や「プレハブ」に見えてしまうのか

現場でお客様とお話ししていると、「シルバーはシンプルでかっこいい」という意見と、「安っぽい、工事中の仮設事務所みたい」という意見にはっきりと分かれます。

この「安っぽく見える」原因は、シルバー特有の「素地(そじ)感」にあります。塗装されていないトタン屋根や、工事現場の囲い、簡易的なプレハブ小屋などは、コストカットのために無塗装の銀色が使われることが多いです。

そのため、デザイン的な配慮(窓の配置や建物の形状)がなく、ただ四角い家の全面にシルバーのガルバリウムを張ってしまうと、どうしてもそれらのイメージと結びつき、「あそこはまだ工事中なのかな?」「倉庫兼住宅かな?」と思われてしまうのです。

プロが懸念する「光害(グレア)」のリスク

デザイン面だけでなく、現場担当として最も神経を使うのが、金属特有の強い反射光による「光害(グレア)」です。

これは単に「眩しい」というレベルを超え、各国で問題視されている建築課題の一つです。実際に、屋根材やパネルメーカーの技術資料でも、反射抑制や光沢選定についての注意喚起がなされています。

住宅密集地での正解:低光沢(マット)

特に隣家との距離が近い住宅密集地では、以下の対策が推奨されます。

  • 植栽でクッションを作る
    どうしても反射が気になる角度には、シンボルツリーなどの植栽を配置して、物理的に光を拡散・遮断するのも有効な手段です。
  • 「低光沢・マット仕上げ」を選ぶ
    最近のガルバリウムには、光の反射を抑えた「低光沢仕様」や、表面がザラザラした「マット仕上げ」の製品が増えています。これらを選ぶだけで、反射光は劇的に柔らかくなります。

失敗しないためのデザインの条件

では、シルバーは絶対に避けるべき色なのかというと、そうではありません。以下の条件を満たせば、他にはない洗練された外観を作ることができます。

サッシ(窓枠)で引き締める

外壁がシルバーでサッシもシルバー(または白)だと、全体がぼやけて安っぽくなります。サッシを「ブラック」にして輪郭をグッと引き締めると、一気にモダンな印象に変わります。

植栽や木材を必ず入れる

無機質な銀色には、有機的な「緑(植栽)」や「木(ウッドデッキや軒天)」が抜群に映えます。これらがないと冷たすぎる印象になりますが、組み合わせることで温かみがプラスされ、「あえてこの色を選んだ」というこだわりが伝わります。

質感(テクスチャ)を選ぶ

ギラギラした光沢のあるシルバーではなく、少しマットな質感の「いぶし銀」や、ヘアライン加工が施されたものを選ぶと、落ち着きが出て周囲にも馴染みやすくなります。

シルバーは、「なんとなく」で選ぶと失敗しますが、計算して使えば最高におしゃれになる色です。ご自身の計画している家が、周囲の環境やデザインの工夫で「浮かないか」どうか、慎重にシミュレーションすることをおすすめします。

銀やシルバー色が与える印象とデザインの失敗
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ビスの露出や模様の選び方がダサい原因に

「遠くから見るとかっこいいのに、近くで見ると…なんか安っぽい?」

現場でそう感じてしまう家の多くは、実は「ディテール(細部)」の処理に原因があります。外壁材そのものの色や素材だけでなく、それをどう固定し、どんな形状(模様)を選んでいるかが、建物の品格を大きく左右するのです。

倉庫感を加速させる「点」のノイズと隠し留め(コンシールド)の重要性

倉庫や工場でよく見る、ビスの頭が等間隔で並んでいる外壁。これはコストを抑えるための仕様ですが、住宅でこれをやると「機能一点張り」の印象を与え、いわゆる「ノイズ(視覚的な雑音)」となってしまいます。

住宅でおしゃれに見せるための正解は、「隠し留め(コンシールド・ファスナー)」と呼ばれる仕様です。

なぜ「隠し留め」が推奨されるのか

単にかっこいいからだけではありません。メーカーの技術資料でも、以下の理由から推奨されています。

  1. デザイン性(ノイズレス)
    ビスが見えないため、金属特有のフラットで美しい質感が最大限に活かされます。
  2. 止水性(防水性能)
    ここが重要です。露出ビスは、ビスに付いているゴムパッキンで雨の侵入を防ぎますが、このパッキンは経年劣化します。一方、隠し留めは表面に穴を開けない構造のため、雨水が侵入するリスクを構造的に減らすことができるのです。
コストとのバランス

もちろん、隠し留め仕様(金属サイディングや嵌合式)は、露出ビス仕様に比べて材料費・施工費ともに高くなる傾向があります。

しかし、「20年後の見た目」と「雨漏りリスクの低減」を考えれば、ここには予算を割く価値が十分にあると私は考えています。

予算重視の方へ:露出ビスでも「ダサい」を回避する一工夫

とはいえ、予算の都合でどうしてもコストを抑えた「ビスが見える工法(角波など)」を選ばざるを得ない場合もあると思います。 その場合は、「カラービス」が使われているか、必ず見積もりを確認してください。

  • NG: 銀色のステンレスビスそのまま(光でキラキラ目立ち、安っぽさが強調される)
  • OK: 外壁の色に合わせて塗装された頭のビス(壁と同化してノイズが減る)

この小さな「ビスの色」へのこだわりがあるかないかで、仕上がりの「倉庫っぽさ」は大きく変わります。現場担当として、ここだけは譲らないでほしいポイントです。

形状(プロファイル)の選び方で印象は激変する

一口にガルバリウムと言っても、表面の波打ち方(成型)にはいくつもの種類があり、これが「ダサい」か「おしゃれ」かの分かれ道になります。

形状の種類特徴と印象住宅への適正
スパンドレル
(金属サイディング)
表面がフラット、または微細なリブ(溝)が入った形状。
ビスが見えず、すっきりとして高級感がある。
◎(推奨)
モダン住宅の主流。
角波(かくなみ)カクカクとした大きな凹凸がある。
陰影が強く、頑丈だが「倉庫・工場」のイメージが最も強い。
△(要注意)
コストは安いが、住宅らしく見せるのは難しい。
丸波(まるなみ)トタンのような波打った形状。
レトロで可愛らしい雰囲気や、クラシックな演出には合う。
○(好みによる)
モダン狙いなら避けるべき。

「ダサい」と言われるケースの多くは、住宅のデザインに合わない「角波」を安易に採用してしまっているパターンです。

一方で、最近のモダンな住宅では、幅の広いフラットな金属サイディングや、細いリブが入ったスタイリッシュなスパンドレル形状が選ばれています。

「役物(やくもの)」の太さが野暮ったさを生む

もう一つ、プロが気にするのが、建物の四隅(コーナー)や窓枠の周りに取り付ける「役物(やくもの)」と呼ばれる部材の太さです。

この役物が太くてボテッとしていると、まるで家全体が太い枠線で縁取られたようになり、野暮ったい印象になります。

板金職人の技術が高い現場では、この役物を極限まで細く加工して目立たなくしたり、あえて外壁と同化させたりする工夫が施されています。

「神は細部に宿る」と言いますが、まさにこの数センチの差が、完成度の違いとして現れるのです。

縦張りと横張りの違いでおしゃれかどうか決まる

ガルバリウムの外壁には、板を縦方向に張る「縦張り」と、横方向に張る「横張り」があります。デザインの違いはもちろんですが、実は「雨水の流れ方」や「つなぎ目の処理」にも違いが出る傾向があります。

縦張り【排水有利】
雨水が重力に従って下に流れ落ちる構造のため、一般的に水はけが良い。
長尺製品を使えば、横のつなぎ目(シーリング)を減らしやすい傾向がある。
【モダン・スマート】
スタイリッシュ、都会的。
建物が高く見える視覚効果がある。
現在の主流スタイル。
横張り【防水施工が重要】
板の段差や目地部分に水が留まりやすいため、確実な防水施工(納まり)が重要。
製品によっては縦のつなぎ目が多くなる場合がある。
【伝統的・安らぎ】
洋風カントリー、アーリーアメリカン調。
落ち着いた安定感がある。
少しレトロで可愛らしい雰囲気。

現場からの補足:機能差について

一般的に「縦張りの方が雨水がスムーズに落ちるため、壁には優しい」と言われています。

横張りの場合、構造上どうしても板の重なり部分や目地に水が留まる時間が長くなるため、メーカーの施工要領書でも防水の処理(ディテール)について厳密な指示があります。

とはいえ、横張りがダメなわけではありません。適切な施工がなされていれば問題ありませんので、デザインの好みとメンテナンス性を天秤にかけて選んでみてください。

スタイルの相性:モダンの「縦」、クラシックの「横」

現在、「かっこいい」と評価される箱型(キューブ型)のモダン住宅では、シュッとした垂直ラインが強調される「縦張り」が主流です。

一方で、「横張り」がダメなわけではありません。 アーバンアウトドアや、西海岸風(カリフォルニアスタイル)、北欧風といったデザインを目指す場合は、横張りの方が相性が良く、温かみのある雰囲気に仕上がります。

横張りで失敗しないコツ ただし、横張りを選ぶ際は「板の幅(働き幅)」に注意してください。 幅が狭い波板を横に張ると、どうしても昔ながらのトタン塀や仮設住宅のイメージと重なりやすくなります。

横張りにする場合は、幅の広いタイプや、板を重ね合わせて張る「ラップサイディング調」のデザインを選ぶと、陰影が綺麗に出て、高級感のある仕上がりになりますよ。

縦張りと横張りの違いでおしゃれか決まるのか
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汚れやサビや傷が目立つと評判が下がる

「ガルバリウムはメンテナンスフリー」と誤解されがちですが、決して汚れやサビと無縁ではありません。

特に、最近流行の「軒ゼロ(屋根の出っ張りがない)」住宅の場合、雨だれが外壁に直接かかり、窓枠の下などに黒い筋状の汚れが目立つことがあります。

また、自転車を倒したり、子供がボールをぶつけたりしてついた「物理的な傷」からメッキ層が剥がれ、そこが起点となって赤サビが発生することもあります。

さらに、異種金属が接触することで起きる「電食(でんしょく)」という腐食現象にも注意が必要です。一度サビが出てしまうと、そこから見た目の劣化が一気に進み、「手入れされていない古い家」という印象を与えてしまいます。

経年劣化で剥がれや変色や歪みが出るリスク

20年という長いスパンで見たとき、避けられないのが経年劣化です。ガルバリウムは金属なので、紫外線による塗膜のチョーキング(白亜化)や変色は起こります。

さらに特有の現象として「熱歪み(ベコつき)」があります。金属は熱で膨張・収縮するため、夏場の強い日差しを受けると表面が波打ったように歪んで見えることがあるんです。

特に黒やダークネイビーなどの濃い色は熱を吸収しやすく、この歪みが目立ちやすい傾向にあります。光の当たり方によって表面がベコベコしていると、どうしても安っぽく見えてしまうのが難点ですね。

プロが教える「ベコつき(オイルキャニング)」の真実

もう一つ、金属外壁特有の現象として知っておいてほしいのが、表面が波打って見える「オイルキャニング(熱歪み)」です。

これは経年劣化(サビなど)とは異なり、金属が太陽熱で温められて膨張する際に、逃げ場がなくなって表面がポコポコと波打つ現象です。

「ダサい」と言われないための抑制策

金属である以上、熱膨張による歪み(波打ち)の発生を完全にゼロにすることは物理的に難しいですが、プロは以下のような対策で目立たなくしています。

  • 板厚を上げる
    先ほどお伝えした通り、ペラペラの薄い板(0.27mm〜0.35mm)よりも、厚みのある板(0.5mm前後)の方が歪みは出にくくなります。
  • フラット(平面)を避ける
    真っ平らな「フラットスパンドレル」は歪みが最も目立ちます。表面に細い溝(リブ)や凹凸が入ったデザインを選ぶと、歪みが分散されて気にならなくなります。
  • 色は「白・シルバー系」を選ぶ
    修正文の通り、黒や濃い茶色は熱を吸収しやすく、光の反射で歪みがくっきり見えてしまいます。気になる方は、熱を持ちにくい淡い色が安全です。
  • 「嵌合(かんごう)式」を選ぶ
    ビスで表面をガチガチに固定する工法よりも、板同士をはめ込む「嵌合式(隠し留め)」の方が、熱膨張の逃げを作れるため、歪みをある程度逃がすことができます。

現場からのワンポイント

厚みについて 実はガルバリウムには、0.35mmや0.4mm、0.5mmといった「厚みの違い」があります。 たった0.1mmの違いですが、金属の世界では大きな差です。

厚みがある(0.5mmに近い)方が、表面の歪み(ベコつき)が出にくく、高級感が出やすい傾向にあります。

予算が許すなら、担当の方に「板の厚みはどれくらいですか?少し厚めのものはありますか?」と聞いてみるのも、安っぽさを回避する裏ワザですよ。

経年劣化で剥がれや変色や歪みが出るリスク
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サイディングと比較して価格が安いのは本当か

「トタンみたいだから安く済むんでしょ?」と思われることがありますが、これには注意が必要です。 結論から言うと、「選ぶグレードと工法によって、どちらが高くなるかは逆転する」というのが真実です。

単価だけで判断できない理由

確かに、シンプルな形状のガルバリウム鋼板は安価な場合もあります。

しかし、断熱材一体型の高機能な金属サイディングや、先ほど推奨した「隠し留め」仕様を選ぶと、一般的な窯業系サイディングよりも高額になるケースは珍しくありません。

「総額」で見ないと失敗する 比較する際は、カタログに載っている「材料の平米単価」だけを見ても意味がありません。ガルバリウム外壁は、以下の要素で金額が大きく変動するからです。

  1. 役物(やくもの)の価格
    コーナーや窓周りを納める部材(役物)が、本体よりも割高になることがあります。
  2. 施工の手間賃
    板金職人の専門技術が必要なため、複雑な形状の家では施工費が上がります。
  3. 運搬・梱包費
    傷つきやすい金属建材は、養生や運搬にコストがかかる場合があります。

「金属だから安い」と決めつけず、必ず「役物や施工費を含めた最終的な見積もり総額」で、窯業系サイディングと比較検討することを強くおすすめします。

比較すべきは「初期費用」ではなく「20年間のトータルコスト」

見積もりの時点では少し高く感じても、そこで諦めるのは早計です。

一般的な窯業系サイディングは、約10年ごとに目地(シーリング)の打ち替えが必要になります。

しかし、長尺のガルバリウム(特に縦張り)や金属サイディングは、露出するシーリング箇所が圧倒的に少ないという構造上のメリットがあります。

そのため、将来発生する「シーリング交換費用」や、それに伴う「足場代」を大幅に節約できる可能性があります。

「今の安さ」だけでなく、「20年住んだ時の総支払額」で比較すれば、ガルバリウムは非常に賢い投資になることが多いですよ。

サイディングと比較して価格が安いのは本当か
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外壁がガルバリウムでダサいと後悔しない対策

ここまでデメリットを中心にお話ししましたが、ガルバリウムは対策次第で本当におしゃれで長持ちする、素晴らしい外壁材になります。現場を知る私だからこそお伝えできる、具体的な「勝ちパターン」と対策をご紹介します。

2025年最新のかっこいい色の組み合わせ実例

最近のトレンドは、単色でのっぺりと仕上げるのではなく、色味に深みを持たせることです。「ダサい」を脱却するための鉄板の組み合わせをいくつか紹介します。

  • ダークグレー × 木目調
    最も失敗が少ない鉄板の組み合わせ。玄関周りや軒天(屋根の裏側)に本物の木や木目調サイディングを入れることで、金属の冷たさを中和し、高級感が出ます。
  • ネイビーブルー × 白サッシ
    爽やかで西海岸風(カリフォルニアスタイル)のテイストに。若々しく個性的ですが、白を差し色にすることで品が生まれます。
  • モスグリーン × ブラック
    アウトドアライクな住宅に人気の配色。自然に溶け込みつつ、サッシや雨樋を黒で統一することで、重厚感も演出できます
2025年最新のかっこいい色の組み合わせ実例
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黒・グレー・ベージュ…汚れが目立ちにくい色の「傾向」

色選びで一番悩むのが「汚れ」ですよね。 汚れの目立ちやすさは、「色(色相)」だけでなく「明るさ(明度)」や「ツヤ(光沢)」によっても変わりますが、一般論としては以下の傾向があります。

中間色が有利、黒は要注意

グレー・シルバー・ベージュ系

外壁に付着する砂埃や排気ガスは、中間的な明るさ(グレーに近い色)をしていることが多いです。そのため、背景となる外壁も同系色の中間色を選ぶと、汚れとのコントラスト(色の差)が小さくなり、結果として目立ちにくくなります。

ブラック(黒)系

デザイン的に人気ですが、黒い背景の上では、乾燥した砂埃や鳥の糞などの「白い汚れ(白化)」とのコントラストが強くなり、汚れが浮き上がって見えやすい傾向があります。

最終判断は「屋外」でサンプル確認を

ただし、これらはあくまで理論上の一般論です。 実際には、ツヤの有無(マット仕上げかどうか)によっても汚れの見え方は変わります。

ネットの情報だけで「グレーなら大丈夫」と決めつけず、必ず大きめのカットサンプルを屋外(建設予定地)に持って行き、太陽光の下でどう見えるかをご自身の目で確認することを強くおすすめします。

色選びで失敗しないためのポイントや、面積効果による見え方の違いについては、『外壁塗装でサンプルと色が違う?原因と後悔しない対策を現場から解説』の記事でも詳しく現場から解説しています。

白や茶色の外壁でおしゃれに見せるコツ

白いガルバリウムは清潔感があり、膨張色なので建物を大きく見せる効果がありますが、雨だれの黒い汚れが大敵です。

これをおしゃれに維持するには、「軒を深く出して雨がかからないようにする」か、窓の下に伝い水防止の水切りを設置して、汚れが壁を伝わないようにする工夫が必須です。

茶色は、一歩間違えると「錆びた鉄板」に見えてしまう難しい色です。おしゃれに見せるコツは、赤みの強い茶色ではなく、焦げ茶(ダークブラウン)や、マットな質感(つや消し)のものを選ぶことです。

落ち着いたシックな印象になり、和モダンな住宅などでは高級感が出ます。

白や茶色の外壁でおしゃれに見せるコツ
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異素材との組み合わせでデザイン性を高める

「倉庫感」を消すための最強のテクニックが、異素材ミックスです。外壁全てをガルバリウムにするのではなく、一部に違う素材を取り入れるだけで、グッと住宅らしさが増します。

おすすめの異素材ミックス

  • ガルバリウム × 塗り壁(ジョリパットなど)
    無機質な金属と、コテ跡の手仕事感がある塗り壁のコントラストが美しいです。
  • ガルバリウム × 天然木(レッドシダーなど)
    玄関ドア周りやベランダ部分の壁だけ木を使うと、視線が集まりやすく、一気に「注文住宅らしさ」が増します。
  • ガルバリウム × タイル
    足元の基礎に近い部分やアクセントウォールに石目調のタイルを使うと、重心が低くなり、建物全体の重厚感がプラスされ、安っぽさを払拭できます。

20年後も美しい状態を保つメンテナンス対策

「ガルバリウムはメンテナンスフリー」というのは大きな誤解です。 メーカーも公式に「定期的な洗浄」を推奨しており、これをサボると保証の対象外になることもあるほど重要な工程です。

1. 日頃のケア:基本は「水洗い」

特に雨が当たらない軒下やベランダの裏側は、塩分や酸性雨の成分が溜まりやすく、そこからサビが発生します(メーカー推奨の重点洗浄ポイントです)。 年に1~2回はホースで水をかけ、汚れを洗い流してください。

  • どこを洗う?
    ポイントは「雨が当たらない場所(軒下やベランダ裏)」です。 雨が当たる場所は自然に汚れが落ちますが、当たらない場所には塩分や酸性成分を含んだ「堆積物」が残り続け、そこから腐食(サビ)が始まります。
  • どうやって?
    ホースで水をかけ、堆積物を洗い流すイメージです。汚れがひどい場合は、中性洗剤(1〜2%希釈)を使って優しく洗ってください。

(参考:金属サイディングのメンテナンスについて – 日鉄鋼板株式会社

2. 塗り替えの目安:概ね「10年~15年」

「20年何もしなくていい」と思われている方もいますが、塗装鋼板のメーカー案内では、再塗装の目安を「概ね10年~15年」としています。

  • 標準的な環境: 10〜15年で色あせ(チョーキング)の点検・補修。
  • 厳しい環境: 海沿い(塩害地域)や工業地帯では劣化が早まるため、これより短いスパンでの点検が必要です。

現場を知る身としては、「サビてから」ではなく「色があせてきたら」早めにプロに相談するのが、結果的に長持ちさせる秘訣です。

外壁と同じくガルバリウムが採用されることの多い「屋根」ですが、実は外壁以上に過酷な紫外線を浴び続けています。

屋根のメンテナンス時期や、20年経過後の状態については、『ガルバリウム鋼板屋根の20年後の状態と対策【完全版】』の記事で解説しています。

最新の標準は「次世代ガルバリウム(SGL)」

これから家を建てる方にぜひ知っておいていただきたいのが、従来のガルバリウム鋼板(GL)にマグネシウム(Mg)を新たに添加した、次世代の「SGL(エスジーエル)鋼板」です。

2025年現在、多くの主要メーカーがこのSGLを標準仕様として採用し始めています。

  • なぜ凄いのか
    マグネシウムの働きで、防錆性能がさらに強化されました。
  • その実力
    開発元である日鉄鋼板の公表データによると、メーカー独自の厳しい試験(複合サイクル試験など)において、「従来のガルバリウム鋼板の3倍超の耐食性」という結果が確認されています。

もちろん、これはあくまでメーカーの試験条件に基づく数値であり、実際の寿命は建物の立地や環境に左右されます。

しかし、塩水噴霧試験や屋外暴露試験といった様々なテストでも従来品(GL)を上回る結果が出ており、その実力は現場レベルでも評価されています。

(参考:参考:エスジーエル/日鉄鋼板 公式

20年後も美しい状態を保つメンテナンス対策
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ダサいのか不安なら施工事例で評価を確認

ここまで色選びやデザインの話をしてきましたが、それでも「いざ完成して、自分の家がダサく見えたらどうしよう」という不安は完全には消えないかもしれません。

そんな時、私が現場で必ずアドバイスしているのが「カタログの小さなカットサンプルだけで決めず、必ず実物を見る」ということです。

A4サイズ程度のサンプルと、実際に外壁一面に張られた状態とでは、色の見え方が全く異なります(これを「面積効果」と言います)。

一般的に、面積が大きくなると、明るい色はより明るく鮮やかに、暗い色はより暗く重く見える傾向があります。「思っていた色と違う」という後悔を防ぐ第一歩はここからです。

さらに、失敗を防ぐために、施工会社やハウスメーカーには以下のリクエストを投げてみてください。

施工事例見学のチェックリスト

  • 築浅と築古の両方を見る
    新築が綺麗なのは当たり前です。可能であれば築5年、できれば築10年以上経過した家を見せてもらいましょう。
  • 雨だれのリアルな付き方を確認する
    特に白い壁や軒の短い家で、窓の下や換気扇フードの下にどのような汚れ(雨だれ跡)が付いているか、それはご自身にとって許容範囲かを確認します。
  • 「ベコつき」を自分の目で感じる
    晴れた日の南面などで、太陽光が当たった時に金属特有の波打ち(熱歪み)がどの程度出るのか、それが気にならないレベルか確かめてください。
  • 近景と遠景の両方を見る
    近くで見た時の素材感(ビスの納まりや質感)と、遠くから街並みとして見た時の馴染み具合(周囲から浮いていないか)の両方を確認します。

特に重要なのは、経年変化した状態を「ヴィンテージのような味」と捉えられるか、それとも単なる「みすぼらしい劣化」と感じるかです。

こればかりは個人の感性によるところが大きいので、ネット上の「ダサい」「かっこいい」という他人の口コミよりも、ご自身の感覚こそが正解です。

もし施工会社がOB様宅の案内を渋る場合でも、施工例の住所だけ教えてもらって外から見学させてもらう(もちろんマナーは守って)など、可能な限り「生活感のあるリアルな状態」を確認することをおすすめします。

「10年経ってもかっこいいな」と思える事例に出会えれば、その迷いは確信に変わるはずですよ。

外壁のガルバリウムがダサいという悩みを解決するまとめ

結局のところ、ネット上で見かける「ダサい」という評判の正体は、素材そのものの欠陥ではなく、「周囲の環境との不調和」や「コストのみを優先した安易な採用」によって生じた結果にすぎません。

ガルバリウムは、そのシンプルさゆえに、設計者のセンスや施工の丁寧さがダイレクトに現れる、ある意味で「ごまかしのきかない素材」だと言えます。

最後に、後悔しない家づくりのために、これだけは覚えておいていただきたいポイントを整理します。

成功への3つのカギ

  • 意図のある選択をする
    「安いから」ではなく、「このデザインを実現したいから」という明確な理由を持って選ぶこと。
  • トータルコーディネートを重視する
    外壁単体で考えず、サッシの色、軒の深さ、玄関周りの異素材など、建物全体のバランスで「脱・倉庫感」を目指すこと。
  • 未来の姿を想像する
    新築時の輝きだけでなく、20年後に汚れや経年変化がどう出るかを知り、メンテナンス計画を含めて愛せるかどうかを判断すること。

「シンプルモダンなデザインにしたい」「スタイリッシュで耐久性の高い家に住みたい」という想いがあるなら、ガルバリウムは間違いなく有力な選択肢です。ネット上のネガティブな口コミに過度に不安を感じる必要はありません。

もし、まだ色選びやデザインで迷いがあるなら、ぜひ私たちのような現場を知る専門家に相談してください。

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外壁のガルバリウムがダサい悩みを解決するまとめ
AIによるイメージ画像

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