
こんにちは。ステップペイントの現場担当 土橋 昭です。
築10年を過ぎたあたりから、ベランダやバルコニーの床にひび割れや色あせが目立ってきませんか。
「このまま放置して雨漏りでもしたら大変だ」「でも、工事にいくらかかるのか見当もつかない」と、不安を感じて検索されたことと思います。特に一戸建ての維持費は大きな出費ですから、失敗したくない、適正価格でしっかり直したいと考えるのは当然のことです。
実は、ベランダ防水は工法や下地の状態によって金額が大きく変わるため、正しい知識がないと損をしてしまうことが多い工事の一つです。私自身、現場で数多くのベランダを見てきましたが、「もっと早く相談してくれれば、塗装だけで済んだのに…」と悔しい思いをすることも少なくありません。
この記事では、プロの視点から、費用相場だけでなく、見積もりの見極め方や、長持ちさせるための秘訣までを包み隠さずお話しします。
記事のポイント
- 一戸建てベランダ防水のリアルな費用相場と工法別の単価
- 見積もりを見る時に絶対にチェックすべき「下地補修」の項目
- ハウスメーカーではなく専門業者に依頼するメリットと注意点
- 雨漏りを防ぎ家を長持ちさせるための最適なメンテナンス時期
- 1. 一戸建てのベランダ防水工事費用の相場と適正価格
- 1.1. 施工面積や工法で変わる金額の目安
- 1.2. 追加費用が発生する下地補修や足場の条件
- 1.2.1. 追加費用がかかる可能性があるサイン
- 1.3. ウレタンとFRP防水の価格と特徴を比較
- 1.4. ハウスメーカーと専門業者の見積もり差
- 1.4.1. 【要注意】メーカー独自の「特殊部材」の罠
- 1.5. 火災保険や補助金が使える条件
- 2. 失敗しない一戸建てのベランダ防水工事のステップ
- 2.1. 劣化症状から見る防水工事のタイミング
- 2.1.1. 【セルフ診断】ベランダのSOSサインを見逃すな!
- 2.2. 費用を抑える方法と安く済ませるコツ
- 2.3. 悪徳業者を避ける選び方のポイント
- 2.3.1. 契約を急がせる業者はNO!
- 2.4. 密着工法より通気緩衝工法を推奨する理由
- 2.4.1. 恐怖の「膨れ(ふくれ)」現象とは?
- 2.4.2. 解決策:湿気の逃げ道を作る「通気緩衝工法」
- 2.5. 雨漏り防止に必須のドレン改修とは
- 2.5.1. 解決策:改修用ドレン(鉛ドレン)によるバイパス手術
- 2.6. DIYでできる範囲とプロに頼む境界線
- 2.6.1. 命運を分けるセルフチェック
- 2.7. 防水工事に最適な季節と乾燥時間の重要性
- 2.7.1. 一番大切なのは「インターバル(乾燥時間)」
- 2.8. 一戸建てのベランダ防水工事費用のまとめ
- 2.8.1. ベランダ防水工事を成功させる3つの鉄則
- 2.8.2. 横浜市・川崎市・東京都で外壁塗装や防水工事をお考えの方へ
一戸建てのベランダ防水工事費用の相場と適正価格
まずは、皆さんが一番気になっている「お金」の話から始めましょう。「うちのベランダを直すといくらになるの?」という疑問に、現場の経験からズバリお答えします。
ただし、防水工事は「1平米いくら」という単純な計算だけでは総額が出ないのが難しいところです。家の形状や現在の劣化状況によって、必要な工程が全く異なるからです。
施工面積や工法で変わる金額の目安
一般的な一戸建てのベランダ(約10平米・3坪程度)を想定した場合、防水工事単体の費用相場は「10万円〜30万円」が目安となります。金額に幅があるのは、採用する「工法」によって単価が異なるためです。
| 工法 | 平米単価(材工共) | 10㎡施工時の目安 | 特徴と選び方 |
|---|---|---|---|
| FRP防水 | 4,000円〜9,000円 | 4〜9万円 | 新築で採用例が多い工法。硬くて丈夫ですが、施工中の臭いが強めです。塗膜が硬めなため、下地の動きが出やすい木造住宅などでは、条件によってひび割れが起きることがあります。 |
| ウレタン防水 | 3,000円〜8,000円 | 3〜8万円 | リフォームで人気の工法。液体を塗るので複雑な形状でも施工可能です。既存の防水層の上から重ね塗りができるケースもあるため、撤去廃材を抑えられる場合があります。 |
| シート防水 | 2,500円〜8,000円 | 2.5〜8万円 | 鉄骨造や陸屋根・屋上で採用されることが多い工法。シートを貼るため広い床に向いていますが、複雑な形状のベランダには不向きな場合があります。 |
(参考:公共建築改修工事標準仕様書(建築工事編)|国土交通省)
これらはあくまで「防水層を作る費用」です。ここに追加で「下地処理費」や「諸経費」、場合によっては「足場代」がかかることを覚えておいてください。
特に、激安チラシなどで「3万円〜」と書かれている場合は、トップコート(表面の保護塗装)だけの価格であることがほとんどですので注意が必要です。

追加費用が発生する下地補修や足場の条件

見積もりを受け取った時、「えっ、思ったより高い…」と感じる原因のほとんどが、この「追加費用」です。しかし、これらは手抜き工事を防ぎ、家を長く守るためには削ってはいけない費用でもあります。
追加費用がかかる可能性があるサイン
- 床の上を歩くと「ブカブカ」沈む感覚がある
これは重症サインです。防水層の下にあるベニヤ板や根太(木材)が腐っている可能性が高く、大工工事による下地の作り直しが必要です。(+10万円〜30万円) - 2階・3階で資材の搬入経路がない
室内を通っての搬入ができない場合や、近隣への飛散防止ネットが必要な場合は、足場の設置が必須になります。(+15万円〜20万円) - 既存の防水層がボロボロに剥がれている
状態があまりに悪いと、上からの重ね塗りができません。一度全ての防水層を機械で削り取る「撤去・廃材処分費」が発生します。(+3万円〜10万円)
【節約の裏技】外壁塗装とセットで
もし足場が必要な場合、防水工事だけのために足場を組むのは非常にもったいないです。
外壁塗装も同じように足場が必要な工事ですので、この2つを同時に行えば、足場代(約20万円分)を一回分節約できます。
築10年を超えているなら、防水単体ではなく、外壁塗装とのセット見積もりを取ることを強くおすすめします。
ウレタンとFRP防水の価格と特徴を比較

「私の家にはどの防水がいいの?」という質問への答えは、ズバリ「家の構造と揺れやすさ」で決まります。一戸建てで主に使われる2大工法を比較しました。
| 工法名 | FRP(エフアールピー)防水 | ウレタン防水 |
|---|---|---|
| 特徴 | 「硬くて強い」 ガラス繊維強化プラスチックの層を作ります。船底や浴槽と同じ素材です。 | 「柔らかくて伸びる」 液体のゴムを塗って固めます。下地の動きに追従します。 |
| メリット | 耐久性が高い・乾きが早い(1日で終わることも)・歩行に強い | ひび割れに強い・どんな形状でも施工可・重ね塗りが容易 |
| デメリット | 揺れで割れやすい・独特の臭いがある | 乾くのが遅い(3〜5日かかる)・膜厚を均一にする技術が必要 |
| 向いている家 | 新築・鉄骨造・RC造 揺れが少なく、下地がしっかりしている家 | 木造・リフォーム全般 地震や風で揺れやすい木造住宅の塗り替えに最適 |
| 費用相場 | 4,000〜7,000円/㎡ | 3,000〜7,500円/㎡ |
【必読】木造住宅のリフォームなら「ウレタン」が無難
日本の木造住宅は、地震や風で「わざと揺れて力を逃す」構造になっています。そのため、硬すぎるFRP防水を後から施工すると、その動きについていけず、バリッと割れてしまうリスクがあります。
新築時はFRPでも、10年後のリフォーム時には、建物の動きに合わせて伸び縮みする「ウレタン防水」に切り替えるのが、雨漏りを防ぐためのセオリーです。
ハウスメーカーと専門業者の見積もり差

大手ハウスメーカーの10年点検や15年点検で提示される防水工事の見積もり。「200万円」「300万円」といった金額を見て、驚愕される施主様は非常に多いです。地元の専門業者に聞けば、同じような工事が「80万円〜100万円」で済むこともあります。
なぜ、これほどの倍率(2倍〜3倍)の差が生まれるのでしょうか?そのメカニズムと、選び方の基準を包み隠さずお伝えします。
| 比較項目 | ハウスメーカー(HM) | 地元の専門業者 |
|---|---|---|
| 費用の目安 | 高くなりやすい(ケースによる) 点検体制や窓口対応の費用、管理費用、発注ルートなどの「工事以外のコスト」が上乗せされるため、地元の専門業者と比べて見積もりが高くなるケースがあります。 | 適正価格 自社施工または直接発注のため、中間マージンがありません。「支払ったお金=工事の品質」になりやすいのが特徴です。 |
| 施工品質 | 標準的 実際に工事をするのは、メーカーの認定を受けた地元の塗装店(下請け)です。管理はしっかりしています。 | 高い(業者による) ハウスメーカーの仕事を請け負っているような実力ある店に直接頼めば、同じ職人が来て半額で済むこともあります。 |
| 保証 | 「家の延長保証」が付く これが最大のメリットです。構造体全体の長期保証を継続したいならメーカー一択です。 | 「工事単体の保証」が付く 防水工事に対して5年〜10年の保証書が出ますが、家の構造保証は切れる可能性があります。 |
【要注意】メーカー独自の「特殊部材」の罠
価格だけで専門業者に飛びつくのは危険です。ヘーベルハウスや積水ハウス、セキスイハイムなどは、一般には流通していない「特殊なドレン(排水口)」や「ガスケット(目地)」、「勾配のない塩ビシート防水」を採用していることがあります。
知識のない業者がこれを無理やり扱おうとすると、専用パーツが手に入らずにコーキングで誤魔化され、後で雨漏りにつながります。
火災保険や補助金が使える条件
「ベランダ修理に火災保険が使える」という話を聞いたことはありませんか?これは事実ですが、条件は厳格です。
火災保険が適用されるかどうかは契約内容によりますが、台風による飛来物での破損などの風災、雹(ひょう)による破損などの雹災、大雪や落雪などの雪災が原因の損害は、補償対象となる場合があります。なお、単なる「経年劣化(古くなったこと)」は、原則として対象外です。
(参考:風水雪災等による損害を補償する損害保険|日本損害保険協会)
また、自治体の「リフォーム補助金」や、国の「長期優良住宅化リフォーム推進事業」などが使える場合もあります。これらは、住宅の長寿命化や省エネ化を目的とした工事に対して助成されるものです。
「保険で無料で直せますよ」と甘い言葉で近づいてくる業者は、保険詐欺に加担させられるリスクがあるため、絶対に避けてください。
失敗しない一戸建てのベランダ防水工事のステップ
費用相場がわかったところで、次は「いつ、どこに、どうやって」頼めばいいのか、失敗しないための具体的なステップを解説します。
劣化症状から見る防水工事のタイミング

「雨漏りしてから直せばいい」と考えていませんか?それは、虫歯が神経に達してから歯医者に行くのと同じで、最も治療費が高くつくパターンです。防水工事は、雨漏りする「前」に行うのが鉄則。あなたの家のベランダがどの危険度にあるか、今すぐチェックしてください。
【セルフ診断】ベランダのSOSサインを見逃すな!
- Lv.1 要注意 手で触ると白い粉がつく(チョーキング)
防水層を守るトップコートが寿命を迎えています。この段階なら、数万円のトップコート塗り替えだけで、防水層を新品同様に蘇らせることができます。 - Lv.2 警告 ひび割れ・コケや藻の発生
表面の防水機能が失われ、素材自体が傷み始めています。ひび割れ(クラック)から水が少しずつ侵入し始めています。そろそろ本格的な防水工事の検討時期です。 - Lv.3 危険 床の膨れ(ふくれ)・剥がれ
これは明らかな異常です。「膨れ」は、侵入した水が内部で蒸発して防水層を押し上げている証拠です。いつ雨漏りしてもおかしくない状態ですので、すぐに専門業者に見てもらいましょう。 - Lv.4 緊急 雨漏り・天井のシミ
すでに建物内部に水が回り、柱や梁(はり)が腐食し始めています。シロアリ被害のリスクも極大です。一刻も早い修繕が必要です。
特にLv.1の「白い粉」の段階で手を打てば、費用はLv.3〜4の「10分の1」で済むこともあります。週末に一度、ベランダに出て床を触ってみてください。その行動が、数百万円の節約に繋がるかもしれません。
費用を抑える方法と安く済ませるコツ
「工事が必要なのはわかったけど、できるだけ安く済ませたい…」それは切実な願いですよね。費用を抑えるための最大の秘訣は、相見積もりを取ることでも、安い材料を探すことでもありません。間違いなく「雨漏りする前のトップコート塗り替え」です。
防水工事は「虫歯の治療」と全く同じです。放置すればするほど、工事は大掛かりになり、費用は桁違いに跳ね上がります。以下の「放置期間と費用の推移」をご覧ください。
| 段階 | 時期の目安 | 工事内容 | 費用の目安 |
|---|---|---|---|
| 第1段階 (予防) | 新築・前回工事から 5年〜7年 | トップコート塗り替え 表面の保護塗料を塗り直すだけ。防水層はそのまま使えます。 | 3〜5万円 (圧倒的に安い!) |
| 第2段階 (治療) | 10年〜15年 | 防水層のやり直し ゴムやFRPの防水層を新しく作り直します。一般的な防水工事です。 | 10〜30万円 |
| 第3段階 (手術) | 雨漏り発生後 | 下地木工事+防水改修 腐った床を剥がして大工が骨組みから直します。 | 50〜150万円以上 (第1段階の約20倍!) |
このように、5年おきにトップコート(表面保護)をメンテナンスしていれば、高額な防水層のやり直しを15年、20年先延ばしにすることが可能です。「壊れてから直す」のではなく「壊れないように手入れする」ことが、結果的に数百万円の節約につながります。
悪徳業者を避ける選び方のポイント
残念ながら、防水工事には手抜きをする悪徳業者も存在します。彼らを見抜くポイントをお教えします。
対策
専門業者に依頼する際は、「〇〇ハウスの施工実績はありますか?」と必ず聞き、過去の施工写真を見せてもらいましょう。即答できない業者は避けるべきです。
一番のチェックポイントは「現地調査の丁寧さ」です。ベランダにも上がらず、下から見ただけで「一式〇〇万円です」と見積もりを出す業者は、内容の妥当性を判断しにくいので注意が必要です。
プロの業者であれば、ドレン(排水口)の蓋を開けて詰まりを確認したり、ビー玉を転がして床の勾配(傾き)をチェックしたり、打診棒でタイルの浮きを確認したりと、徹底的に現状を診断します。
契約を急がせる業者はNO!
「今日契約してくれたら足場代を無料にします」「このままだと家が倒れますよ」などと不安を煽り、その場で契約を迫る業者は注意が必要です。
いったん持ち帰って家族で検討し、相見積もりで比較できる余地を残しておきましょう。優良な業者は、お客様が納得するまで待ちますし、他社との比較も歓迎します。
密着工法より通気緩衝工法を推奨する理由

もし、現場調査で「ウレタン防水で見積もりを作りますね」と言われたら、必ず聞き返してほしい質問があります。それは「密着工法ですか?それとも通気緩衝工法(つうきかんしょうこうほう)ですか?」という質問です。
この2つは、仕上がりの見た目は同じでも、中身と耐久性が全く異なります。特に、築10年以上経過している場合や、すでに雨漏りの疑いがある場合は、迷わず「通気緩衝工法」を選ぶべきです。その理由を解説します。
恐怖の「膨れ(ふくれ)」現象とは?
コンクリートやモルタルの下地は、目に見えなくても水分を含んでいます。特に雨漏りしている床は水分たっぷりです。
ここに、直接フタをする「密着工法」を行うとどうなるでしょうか?
晴れて気温が上がった時、内部の水分が水蒸気になって大きく膨張し、その圧力で防水層を下から持ち上げ、ボコボコとした「膨れ」を作ってしまうことがあります。これが破裂すると、防水層は一巻の終わりです。
解決策:湿気の逃げ道を作る「通気緩衝工法」
通気緩衝工法では、下地に直接塗らず、裏側に通気溝がある「通気マット」を一枚挟みます。下地から出た水蒸気はこのマットの中を通り、「脱気筒(だっきとう)」というステンレス製の小さな煙突から外部へ排出されます。
この「脱気筒」がどのような仕組みで建物を守っているのか、なぜ必要なのかについては、『防水工事の脱気装置とは?役割や必要性を現場のプロが解説』でさらに詳しく紹介しています。
| 比較項目 | 密着工法 | 通気緩衝工法 (推奨) |
|---|---|---|
| 特徴 | 下地に直接塗る | 通気マットを挟んで塗る |
| メリット | 費用が安い | 膨れが起きない・ひび割れに強い |
| デメリット | 水分で膨れやすい | 工程が増えるため少し高い |
| 費用差 | 基準価格 | +2,000円〜3,000円/㎡ |
平米あたり数千円の差ですが、数年後に「膨れてやり直し」になるリスクを考えれば、保険として決して高くはありません。「長持ちさせるならこちらです」と、最初から通気緩衝工法を提案してくれる業者は、目先の安さよりも品質を重視している証拠です。
雨漏り防止に必須のドレン改修とは

「ベランダの床はピカピカに直したのに、台風が来たらまた雨漏りした…」という悲劇が後を絶ちません。実は、ベランダ雨漏りは床の平らな部分だけでなく、「ドレン(排水口)」まわりの不具合が原因になっているケースも多いです。
ドレンは、コンクリートの床と金属製の配管が接合している場所です。この「異素材の境目」こそが、防水の最大のアキレス腱です。コンクリートと金属は、気温変化による膨張・収縮の率が違うため、長い年月の中で必ずズレが生じ、そこに隙間が生まれて水が吸い込まれていくのです。
解決策:改修用ドレン(鉛ドレン)によるバイパス手術
この弱点に対して有効な対策の一つが、「改修用ドレン(通称:鉛ドレン)」などの改修部材を使って、ドレンまわりをつくり直す工法です。これは、既存の排水口の中に、新しい一回り細いホースを差し込み、配管の中で繋ぐ工法です。
- 仕組み
血管の中にカテーテルを通すようなイメージです。古い穴を使わず、新しい水の通り道を確保することで、接合部の隙間を物理的に「またいで」排水します。 - なぜ「鉛」なのか?
鉛(なまり)は手で自由に曲げられるほど柔らかい金属です。どんなに歪んだ形状の排水溝にもハンマー一本で叩き込んで密着させられるため、隙間を完璧に塞ぐことができます。
見積もりの「ドレン」項目を必ず見てください
もし見積書に「ドレン清掃」や「ストレーナー(網)交換」しか書かれていなかったら、その業者は危険です。それは単なる「掃除」であり、雨漏り対策ではありません。
築年数が経っている改修工事では、ドレンまわりが雨漏りの弱点になりやすいため、「改修ドレンの設置」などの対策が見積もりに入っているかは、必ず確認したいポイントです。
DIYでできる範囲とプロに頼む境界線

ホームセンターやネット通販でプロ仕様の塗料が買える時代になりましたが、防水工事のDIYは「ハイリスク・ローリターン」の典型です。失敗すると、家の寿命を縮めるだけでなく、将来の補修費用を跳ね上がらせる原因になります。
命運を分けるセルフチェック
- × 雨漏りしている
絶対に触らないでください。内部の柱や梁が腐っている可能性が高く、表面を塗ると湿気を閉じ込めて腐食を加速させます。 - × 床がブカブカする
下地のコンパネ(合板)が腐っています。塗装ではなく大工工事の領域です。上から何かを塗っても無意味です。 - × ひび割れ(クラック)がある
ひび割れ注入はプロでも難しい作業です。素人が表面だけ埋めても、奥まで届かず再発します。 - ○ 表面の色あせ・汚れのみ
唯一DIY可能なのがこの状態です。防水層を守る「トップコート(保護塗料)」の塗り替えなら、日曜大工感覚で挑戦してもOKです。
「表面の色あせ・汚れのみ」で、ご自身でのトップコート塗り替えを検討されている場合は、『DIYで失敗しない!FRP防水のトップコートを塗り替える手順』の記事を参考に、正しい手順で行ってください。
【警告】お風呂場用の「シリコンコーキング」は絶対禁止!
ホームセンターで数百円で売っているチューブ入りの「シリコンコーキング」。これでひび割れを埋めてしまう方が後を絶ちませんが、これは最悪の行為です。
シリコンの上には塗装(防水材)が一切密着しません(弾いてしまいます)。そのため、後になってプロに頼んだ時に、埋めたシリコンを完全に削り取る除去作業が必要になり、工事費が倍増してしまうのです。「ひび割れを見つけたら、何もせずにそのままプロを呼ぶ」のが、結果的に一番安く済みます。
防水工事に最適な季節と乾燥時間の重要性

防水工事は「工場で作った製品を取り付ける」ものではなく、「現場で化学反応させて防水層を作る」ものです。そのため、気温や湿度が品質にダイレクトに影響します。失敗しないための季節選びと、工事中の重要ポイントを解説します。
また、工事にかかる具体的な日数や、工程ごとの詳しい流れについて知りたい方は、以下の記事『ベランダ防水工事の日数は?工法別の目安と流れを解説』も合わせてご確認ください。季節ごとの工期の変動についても詳しく解説しています。
| 季節 | 適正 | メリット・デメリット |
|---|---|---|
| 春・秋 (3月〜5月、9月〜11月) | 最適 | 気候が安定しており、塗料が理想的に硬化します。ただし、人気の季節なので予約が取りにくく、1〜2ヶ月待ちになることもあります。 |
| 夏 (6月後半〜8月) | 注意 | 乾きは早いですが、塗膜表面だけ急激に乾いて内部に気泡(発泡)ができやすいリスクがあります。夕立(ゲリラ豪雨)のリスクも高いです。 |
| 冬 (12月〜2月) | 注意 | 気温が低い日や湿度が高い日は、材料メーカーの仕様で施工を避けるよう求められることが多く、硬化にも時間がかかります。そのため、冬場は工期が通常より数日延びる傾向があります。 |
| 梅雨 (6月頃〜7月頃) | 不向き | 雨で工事がストップしやすく、工期が読めません。下地が湿ったまま工事すると「膨れ」の原因になるため、無理な施工は禁物です。 |
一番大切なのは「インターバル(乾燥時間)」
どの季節に工事をするとしても、最も重要なのは「塗料を塗った後の乾燥時間をしっかり守る」ことです。
特にウレタン防水は、1層目を塗ってから2層目を塗るまでに、適切なインターバルが必要です。
工期を短縮するために、半乾きの状態で次を塗ってしまう業者がいますが、これは手抜き工事の典型です。「今日塗って、明日塗る」というように、余裕を持った工程を組んでくれる業者なら、夏や冬でも品質は保てます。
一戸建てのベランダ防水工事費用のまとめ

ここまで、ベランダ防水の費用相場や業者の選び方について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。一戸建ての維持管理において、防水工事は決して安い出費ではありません。しかし、家の寿命を延ばすためには避けて通れない重要な投資です。
ベランダ防水工事を成功させる3つの鉄則
- 表面的な価格に惑わされない
「一式〇〇万円」という安すぎる見積もりは危険信号です。下地処理やドレン改修が含まれているか、必ず内訳を確認しましょう。 - 家の構造に合った工法を選ぶ
木造には揺れに強いウレタン防水、鉄骨造にはシート防水など、適材適所の工法を選ぶことが長持ちの秘訣です。 - 最大の節約は「予防」にあり
雨漏りしてから直すと、費用は数倍に跳ね上がります。5年おきのトップコート塗り替えが、結果的に一番のコストカットになります。
適切な時期に、適切な工法でメンテナンスを行えば、その後10年以上、雨漏りの心配なく安心して暮らすことができます。この記事が、皆さんの大切な家を守るための賢い選択の助けになれば幸いです。もし不安なことや不明点があれば、一人で悩まず、お近くの優良な専門業者に診断を依頼してみてください。







