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外壁のメンテナンスコラム

  1. 外壁のメンテナンスコラム
  2. モルタル外壁のサッシ廻りはコーキングが必要?雨漏り防ぐDIY術

モルタル外壁のサッシ廻りはコーキングが必要?雨漏り防ぐDIY術

モルタル外壁サッシ廻りコーキング:雨漏りを防ぐ運命の分岐点!

こんにちは。ステップペイントの現場担当 土橋 昭です。

ご自宅のサッシ廻り(窓枠の周り)をふと見上げたとき、「あれ?うちの窓枠にはゴムみたいなパッキン(コーキング)が見当たらないけど、これって施工忘れじゃないの?」と不安になったことはありませんか。

あるいは、築年数が経って窓の周りにひび割れを見つけ、「ここから雨が入ってきたらどうしよう」と焦って検索された方もいらっしゃるかもしれません。

特にモルタル外壁の場合、サイディング外壁のように目地がはっきりとしていないため、本当に補修が必要なのか、それともそのままで良いのか、判断に迷うことが非常に多い場所です。

インターネットで調べても「増し打ちが良い」「いや、打ち替えだ」と意見が割れていたり、専門用語が多くて何が正解なのか分からなくなってしまいますよね。

実は、モルタル外壁のサッシ廻りは、サイディングとは全く異なる「特殊な構造」をしています。

そのため、一般的な知識で安易に手を出すと、かえって雨漏りを引き起こしてしまうリスクさえある、非常にデリケートな箇所なのです。

記事のポイント

  • モルタル外壁のサッシ廻りにコーキングが必要なケースと手を出してはいけないケースの見極め方
  • 「絶対にシリコン系を使ってはいけない」と言われる理由と正しい材料選び
  • プロの職人が現場で行っている「三角打ち」や「増し打ち」の具体的な施工技術
  • 業者に依頼した場合の適正な費用相場と、DIYで補修する際の手順やリスク管理
目次

モルタル外壁のサッシ廻りコーキングの必要性と劣化原因

「そもそも、なぜモルタルの窓周りにはコーキングがあったりなかったりするの?」

ここでは、そんな素朴な疑問から、放置してはいけない危険な劣化サイン、そして構造的な雨漏りのメカニズムまで、現場の視点で徹底的に深掘りして解説していきます。

窓枠にコーキングしてない?サッシ周りの必要性を解説

現場でお客様とお話ししていると、「うちのモルタル外壁、窓の周りにコーキングが見当たらないんですが、これって大丈夫なんですか?」と心配そうに尋ねられることがよくあります。

新築時のモルタル外壁は、納まり(工法・仕上げ)によってサッシ廻りにコーキングが見えない仕様もあり、必ずしも施工不良とは限りません。まずは「隙間」「ひび割れ」「雨染み」などの症状があるかどうかで判断してください。

これは決して手抜き工事ではありません。モルタル外壁の施工工程では、ラス網などの下地の上に、左官職人がモルタルをサッシのツバ(フィンと呼ばれる出っ張り部分)の際(きわ)まで直接塗り込んで仕上げていきます。

つまり、モルタルそのものがサッシと密着し、防水壁としての役割を果たしているため、新築の時点ではあえてコーキング(シーリング)を打つ必要がないケースも多いのです。

しかし、これが「築10年」「築15年」となってくると話は全く変わってきます。ここで問題になるのが、「異素材の宿命」です。

窓枠(サッシ)は、アルミや樹脂といった工業製品です。これらは気温の変化によって伸び縮みします。

一方、外壁のモルタルはセメントの塊ですから、乾燥して硬化した後はほとんど動きませんし、動きに追従する柔軟性もありません。

この「動くもの(サッシ)」と「動かないもの(モルタル)」が接している境界線には、年数が経つにつれて徐々にストレスが蓄積されていきます。

さらに地震の揺れや、車の振動なども加わり、やがて限界を迎えると、モルタルとサッシの間に「剥離」や「隙間」が生じてしまうのです。

【結論】最初は不要でも、隙間ができたらコーキングが必要

新築時は不要でも、経年劣化によって隙間ができた時点で、その隙間を埋めるためのコーキング補修が「必須」となります。特に以下のような状態であれば、雨水の侵入リスクが高いため、メンテナンスを検討すべきタイミングです。

  • サッシとモルタルの間に、名刺1枚が入るほどの隙間がある
  • 窓枠の四隅(角)から、放射状にひび割れが伸びている
  • 過去に台風の時だけ窓枠から水が滲んだことがある

「うちはまだ雨漏りしていないから」と安心される方も多いですが、目に見える雨漏りが起きた時には、すでに壁の中の木材が腐食しているケースも少なくありません。

隙間は小さくても、そこは確実に「水の入り口」になっているという認識を持つことが大切です。

外壁塗装20年してない?知恵袋でよく見る疑問をプロが全解説』の記事では、外壁の劣化サインについてより詳しく解説していますので、ご自宅の状態チェックに役立ててみてください。

窓枠にコーキングしてない?サッシ周りの必要性を解説
画像はAI生成によるイメージであり実際のものとは異なります。

外壁にシリコンはダメ?シーリングの違いと適切な種類

もし、ご自身でホームセンターに行って補修材を買おうとしているなら、ここで一度立ち止まってください。この材料選びを間違えると、後で取り返しのつかないことになります。

ホームセンターの売り場には、300円〜400円程度で買える安価な「シリコンシーラント(シリコン系)」が大量に並んでいます。

お風呂場やキッチン用として非常に優秀な材料なのですが、将来塗装する可能性がある外壁の補修(サッシ廻りなど)には、原則としてシリコンシーラントの使用は避けてください。

塗料が密着しにくく、はじき・付着不良などの原因になりやすいからです。

私たち現場の人間にとって、外壁にシリコンが打たれているのを見つけた時ほど頭を抱える瞬間はありません。それほどまでに、シリコン系コーキングは外壁にとって「要注意な存在」なのです。

(参考:FAQ詳細 -シリコーンシーラントの上に塗装できますか?|Q&A 家庭用|セメダイン株式会社

なぜ外壁にシリコン系を使ってはいけないのか?

理由1

塗装トラブルや汚れの原因になりやすいシリコン系は、表面に付着したシリコン成分の影響で塗装時に「はじき(フィッシュアイ等)」が出たり、塗膜が安定しにくいことがあります。

また、汚れが付きやすく見た目のムラにつながるケースもあるため、外装の補修用途では選定に注意が必要です。

理由2

ブリード汚染は「可塑剤」が原因 なお、一般に「ブリード汚染」と呼ばれる周囲の黒ずみは、シーリング材に含まれる可塑剤などの成分が移行することで起こる場合があります。

外壁で使う場合は「ノンブリード(NB)」表記のある塗装可能タイプを選ぶと安心です。

パッケージの「変成」の2文字を必ず確認して!

では、何を使えば良いのでしょうか。外壁のサッシ廻りに適しているのは、「変成シリコン系コーキング材」です。

ホームセンターの棚の前に行くと混乱するかもしれませんが、とにかくパッケージに「変成(へんせい)」という漢字2文字が入っているか、これを指差し確認してください。

ただの「シリコン」と「変成シリコン」は、名前は似ていますが中身は別物です。

変成シリコンは、紫外線に強く、屋外での使用に適しているだけでなく、硬化した後に上から塗装ができるのが最大の特徴です(※製品によっては、塗装できるまで数日の養生期間が必要な場合もあります)。

さらに、製品のパッケージに「NB」や「ノンブリードタイプ」と記載されているものを選んでください。

(参考:ボンド MSコーク ノンブリードLM ) | コニシ株式会社

専用の下地処理材(接着促進剤・プライマー等)を用いてシリコンの上から塗装できる場合もありますが、状態によっては塗膜不良のリスクが残るため、基本的には外装用途でのシリコン系使用は避けるのが安全です。

プロの業者が使用するのも、この「変成シリコン・ノンブリード」がスタンダードです。価格はシリコン系の2倍〜3倍(1本700円〜1,000円前後)しますが、家の寿命を考えれば決して高い投資ではありません。

外壁にシリコンはダメ?シーリングの違いと適切な種類
画像はAI生成によるイメージであり実際のものとは異なります。

ひび割れや剥がれの原因と隙間からの雨漏りリスク

「たかが数ミリのひび割れでしょ?水なんてそんなに入らないんじゃない?」 そう思われるかもしれませんが、実はこの「数ミリの微細な隙間」こそが、雨漏りにとって最も危険な入り口になります。

この「微細な隙間」のリスクは、モルタル外壁に限った話ではありません。例えばサイディング外壁においても、構造上の継ぎ目や隙間が雨漏りの原因となることがあります。

外壁の隙間構造についてより深く知りたい方は、『サイディングの隙間「あいじゃくり」とは?危険性と補修方法を徹底解説』の記事もあわせて参考にしてみてください。

大きな穴であれば、入った水がそのまま外へ抜け出ることもありますが、幅0.1mm〜0.5mm程度の狭い隙間の場合、物理学で言うところの「毛細管現象(もうさいかんげんしょう)」が働きます。

毛細管現象とは、細い管の中を液体が表面張力によって勝手に移動していく現象です。これにより、雨水は重力に逆らって隙間の奥深くへ、あるいは上方へと吸い上げられていきます。

この力は非常に強力で、台風のような強風時でなくても、しとしと降る雨が長時間続くだけで、大量の水が壁の中に供給され続けることになります。

壁の中に入った水は、以下のような経路を辿って被害を拡大させます。

  1. サッシを固定している「アングル(金物)」や「ビス(ねじ)」を伝う。
  2. 二次防水である防水紙(湿式モルタル仕上げではアスファルトフェルト等)や防水テープの不連続部、施工不良箇所から浸入する。
  3. 断熱材の含水・カビ
    壁内で断熱材が濡れると、断熱性能が低下したり、周辺の木材・紙類などにカビが発生しやすくなります。
  4. 最終的に、窓台(まどだい)や柱といった構造木材を腐朽させる。

サッシ廻りの剥がれやひび割れは、単なる外壁の傷ではなく、「建物の内部へ直通するトンネル」が開通してしまった状態だと認識してください。

特に、窓枠の下側よりも上側や横側の隙間は、上から流れてきた雨水をダイレクトに受け止めてしまうため、緊急性が高いと言えます。

ひび割れや剥がれの原因と隙間からの雨漏りリスク
画像はAI生成によるイメージであり実際のものとは異なります。

ジョリパットや掃き出し窓の目地における注意点

モルタル外壁の中でも、意匠性(デザイン性)の高い「ジョリパット」や「リシン吹き付け」などの仕上げ材が使われている場合、コーキング補修の難易度はさらに上がります。

これらの外壁は表面がザラザラとしており、細かい凹凸が無数にあります。そのため、養生用のマスキングテープを貼っても、テープと壁の間にミクロの隙間ができてしまいがちです。

その隙間からコーキング材やプライマーがはみ出すと、ラインがガタガタになり、美観を大きく損ねてしまいます。 DIYで挑む場合は、テープを貼った後に指の腹で強く擦って圧着させるなど、通常以上に丁寧な作業が求められます。

掃き出し窓の足元には「水抜き穴」があるかも?

ベランダや庭に出入りできる大きな窓を「掃き出し窓」と言いますが、このサッシの下端(水切り部分)をコーキングする際は細心の注意が必要です。

サッシの構造によっては、レール内に溜まった水を外に排出するための「水抜き穴」や、意図的な隙間が設けられている場合があります。

ここを「隙間があるから埋めなきゃ!」とコーキングで塞いでしまうと、水の逃げ場がなくなり、サッシの内側に水が溜まって室内へオーバーフロー(逆流)してしまうという本末転倒な事態になりかねません。

(参考:強風雨時などに、サッシのレール(下枠)に水が溜まるのですが、どうすればよいですか。(YKK AP よくあるご質問)

確認ポイント

サッシの下側を補修する際は、そこが本当に埋めて良い隙間なのか、水抜きのための隙間なのかをよく確認してください。判断がつかない場合は、下端だけはあえて触らないでおくのも一つの安全策です。

ジョリパットや掃き出し窓の目地における注意点
画像はAI生成によるイメージであり実際のものとは異なります。

三角打ちが基本!モルタル外壁の隙間コーキング構造

ここまで「埋めることの重要性」をお伝えしてきましたが、では具体的にどのような形でコーキングを打つのが正解なのでしょうか。

私たちプロが現場で採用している標準的な工法、それが「三角打ち(三角シーリング/ブリッジ工法)」です。

通常のサイディング目地などは平らに仕上げますが、モルタル外壁のサッシ廻りにおいては、サッシの立ち上がり面と外壁面をまたぐように、断面が三角形になるよう盛り付けて仕上げます。

三角打ちのメリット

  • 十分な「厚み」を確保できる
    コーキング材は、ある程度の厚み(肉厚)がないと、紫外線や動きですぐに切れてしまいます。三角に盛ることで、最も負荷がかかる角の部分に十分な厚みを持たせることができます。
  • 接触面積(接着面積)が増える
    サッシ面と外壁面、それぞれの接着幅を広く取れるため、剥がれにくくなります。
  • 水切れが良い
    なだらかな傾斜(スロープ)を作ることで、サッシの縁に水が溜まるのを防ぎ、スムーズに排水させることができます。

この工法は、見た目のラインが1cm〜1.5cmほどの太さになるため、「もっと目立たなくしてほしい」と言われることもありますが、防水性能と耐久性を最優先に考えると、この形がベストなのです。

外壁塗装と同時に行えば、色も壁と同じになるので、それほど違和感はなくなります。

モルタル外壁のサッシ廻りをコーキング補修する際の費用とDIY

「じゃあ、実際に工事を頼むといくらかかるの?」「自分でやるならどうすればいい?」 ここでは、費用の相場や、プロに任せるべきかDIYで挑戦すべきかの判断基準、そして具体的な作業手順について詳しく解説します。

打ち替えと増し打ちの違いとは?既存除去のリスク

コーキング補修には、大きく分けて「打ち替え」と「増し打ち」の2つの工法があります。

サイディング目地では「打ち替え」が基本ですが、モルタル外壁のサッシ廻りは納まりが複雑なため、無理な撤去は防水紙・防水テープを傷つけるリスクがあります。

そのため、既存の防水層を傷つけないよう、上から肉厚にコーキングを被せる「増し打ち(三角打ち)」が、建物にとって最も安全で確実な工法となることが多いのです。

ただし、例外もあります

基本は「増し打ち」推奨ですが、既存のコーキングやモルタル自体がボロボロに崩れて粉を吹いていたり、手で触るとグラグラ動くような状態の場合は、上から被せてもすぐに一緒に剥がれてしまいます。

そうした「下地不良」が見られる場合に限り、プロの職人はナイフの角度に細心の注意を払いながら、慎重に悪い部分だけを撤去する判断をします。

詳しい工法の違いや手順については、『 外壁のコーキングをDIYで!増し打ちのやり方とできない条件をプロが解説』の記事でも詳しく解説していますので参考にしてください。

業者見積もりの費用相場と外壁塗装との同時施工

「専門業者に頼むと、結局いくらかかるの?」 これは皆様が最も気にされるポイントですよね。

サッシ廻りのコーキング補修は、単価だけで計算するとそれほど高額には見えませんが、実際に見積もりを取ると「えっ、こんなにするの?」と驚かれることがよくあります。

その最大の要因は、建設業界ならではの「足場」の存在です。ここでは、具体的な数字を使ったシミュレーションと、損をしないための工事のタイミングについて、現場の裏事情を交えて詳しく解説します。

1. コーキング補修単体の費用相場(メーター単価)

まずは、足場代を除いた純粋な工事費用の相場を見てみましょう。 モルタル外壁のサッシ廻りで行う「増し打ち(三角打ち)」の場合、適正価格は以下の通りです。

増し打ち単価(目安)

1メートルあたり 500円〜1,200円前後(※施工条件・下地状態・地域差で変動)

例えば、一般的な2階建て住宅(延床面積30坪前後)の場合、窓の数は大小合わせて15箇所〜20箇所ほどあります。

これらすべてのサッシ廻りと、換気フードなどの開口部を合わせると、施工延長は約100m〜150mになります。

計算すると、工事費自体は「5万円〜15万円」程度で収まるケースが大半です。これだけ見れば、家の修繕費としては比較的リーズナブルに感じるかもしれません。

一式見積もり」には要注意

見積書に「サッシ廻りコーキング補修 一式 10万円」とだけ書かれている場合は注意が必要です。

優良な業者は必ず現地調査で長さを測り、「◯◯メートル × 単価」と明記します。 一式(いっしき)という表記は、どんぶり勘定である可能性が高く、手抜き工事のリスクや、逆に追加料金を請求されるトラブルの元になります。

2. 「足場代」がコストパフォーマンスを悪化させる

しかし、ここで大きな壁となるのが「仮設足場代」です。

2階の窓枠を補修する場合、脚立やハシゴでの作業は非常に危険であり、かつ不安定な体勢では精密なコーキング打ち(きれいな三角打ち)が不可能です。そのため、原則として足場の設置が必須となります。

足場の設置費用

一般的な2階建て住宅で15万円〜25万円前後が目安(※足場面積(㎡)や敷地条件で増減)

つまり、「5万円の修理をするために、20万円の足場をかける」という、非常に効率の悪い見積もりになってしまうのです。総額で30万円近くかけてコーキングだけを直しても、数年後に外壁塗装をする際には、また同じ足場代がかかってしまいます。

3. 外壁塗装とセットにするだけで「20万円」お得になる?

この「足場の二重払い」を防ぐ唯一の方法が、外壁塗装工事との同時施工です。 以下の比較表をご覧ください。コーキング単体で工事した場合と、塗装とセットにした場合のトータルコストのイメージです。

項目A:今回コーキングのみ (数年後に塗装)B:今回まとめて施工 (推奨)
コーキング工事費約10万円約10万円
足場代(今回)約20万円約20万円
外壁塗装費無し(数年後に別途発生)約80万円〜
足場代(数年後)約20万円(再発生)0円(今回に含む)
生涯コストへの影響足場代が無駄になる足場代1回分(約20万円)がお得!

このように、足場代を一度で済ませることは大きなコストカットにつながり、タイミングを合わせるだけで実質的に20万円近い節約効果が生まれます。 さらに、塗装とセットにするメリットは費用だけではありません。

塗装同時施工の「技術的メリット」

コーキングの寿命が倍増する(先打ち施工)

コーキングを打った上から塗装の膜(塗膜)でパックすることで、コーキング材が紫外線や雨に直接さらされなくなります。むき出しの状態に比べて劣化スピードが圧倒的に遅くなるため、長持ちさせたいなら「塗装とセット」が最強の選択肢です。

美観が向上する

コーキングの色と外壁の色が完全に同化するため、補修跡が全く目立たなくなります。

同時施工のメリットについてさらに詳しく知りたい方は、『外壁塗装と同時にシーリング補修を行うべき理由』の記事もぜひ参考にしてください。

どうしても「今すぐ」直したい場合の選択肢

「塗装はまだ早いけれど、雨漏りが心配な窓だけはどうしても直したい」 そのような緊急性の高い場合は、家全体に足場を組むのではなく、補修が必要な面のサッシ周辺だけに「部分足場」を設置することも可能です。

部分足場であれば、設置費用を数万円〜10万円程度に抑えられる場合があります。

また、立地条件によっては高所作業車を使用したり、梯子(ハシゴ)で対応できるケースもあります(ただし、安全性確保のため梯子作業を受けていない業者も多いです)。

いずれにせよ、「足場代がかかるから」といって雨漏りを放置するのが一番の損失です。まずはご予算に合わせて、どのようなプランが最適か、見積もり担当者に正直に相談してみることをおすすめします。

私たちステップペイントでも、無駄な足場を組まずに済む方法がないか、現場の状況を見て柔軟にご提案させていただきます。

業者見積もりの費用相場と外壁塗装との同時施工

DIYのやり方手順とプライマーなど必須道具の準備

「2階は無理でも、1階の掃き出し窓くらいなら自分で直したい」 そう考える方のために、DIYでの補修手順を解説します。ただし、高所作業は危険ですので、脚立を使わずに地面に立って作業できる範囲に留めてください。

必須道具リスト

  • 変成シリコン系コーキング材(ノンブリードタイプ)
    必ず「NB」表記のあるものを。
  • コーキングガン
    材料を押し出すための専用器具。
  • プライマー(下塗り材)
    接着剤の役割。これがないとすぐに剥がれます。
  • 刷毛(ハケ)
    プライマー塗布用(プライマーに付属している場合も多いです)。
  • マスキングテープ
    幅18mm〜24mm程度が使いやすいです。
  • ヘラ(仕上げ用)
    サッシ廻りには「金ベラ」や先端が柔らかいゴム付きのものが適しています。
  • カッター、ウエス(雑巾)
    清掃や調整用。

施工ステップ

清掃・乾燥(最重要)

施工する場所の汚れ、コケ、古くなった塗膜をブラシで徹底的に落とします。また、雨上がりなどで湿っている場合は絶対に施工しないでください。水分は接着不良の最大の敵です。

マスキング(養生)

コーキングを打ちたいラインに沿ってテープを貼ります。サッシ側と壁側、少し広めに貼るのがコツです。壁の凹凸に合わせて指でしっかり圧着してください。

プライマー塗布

テープの内側にプライマーを塗ります。塗り残しがあるとそこから剥がれるので、均一に塗ってください。プライマーはコーキング材との相性があるため、必ずメーカーの指定品(またはセット品)を使用してください。

Information

乾燥時間について 説明書には「30分」などと書かれていますが、気温や湿度で大きく変わります。特に冬場は乾きにくいので注意してください。指で触れてみて、液体っぽさがなくなり、ペタペタする程度になればOKのサインです。

コーキング充填

ガンのトリガーを引いて、材料をたっぷりと充填します。空気が入らないよう、ノズルの先端を目地に押し付けるようにして打っていきます。後でならすので、少し盛り上がるくらい多めに出すのがポイントです。

ヘラ仕上げ(三角打ち)

充填したらすぐにヘラで表面をならします。この時、ただ平らにするのではなく、サッシの縁から壁に向かってなだらかな傾斜ができるように「三角形」を意識して成形します。

ヘラを45度くらいの角度で当て、一方向にスッと引くのがコツです。何度も往復させると表面が汚くなるので注意してください。

養生剥がし(タイミングが命)

ヘラならしが終わったら、コーキングが乾き始める前に直ちにマスキングテープを剥がします。

これが最大のポイントです。表面が少しでも乾いてから剥がすと、コーキングがテープと一緒にビローンと伸びてついてきてしまい、せっかくのきれいなラインが台無しになります。

壁から離す方向へ、斜めにゆっくりと引っ張って剥がしてください。

DIYのやり方手順とプライマーなど必須道具の準備
画像はAI生成によるイメージであり実際のものとは異なります。

養生のコツや汚れの落とし方と補修後の色合わせ

「DIYでやってみたけど、なんだか汚い仕上がりになってしまった…」 失敗の原因の9割は、実は「養生(テープ貼り)」と「下地処理」にあります。

養生は「指で押し込む」のが鉄則

モルタル外壁やジョリパット外壁は、表面がデコボコしています。ここにただテープをふわりと乗せただけでは、凹みの部分に隙間が空いたままになります。

その状態でコーキングを打つと、隙間から材料がはみ出して、剥がした後にギザギザのラインになってしまいます。

テープを貼った後は、必ず親指の腹を使って、壁の凹凸にテープを食い込ませるように強く擦って密着させてください。指が痛くなるくらいの強さでちょうど良いです。

汚れや油分は徹底的に落とす

施工箇所に油分(換気扇からの油汚れなど)や、コケ、カビが残っていると、どんなに良いプライマーを使っても接着しません。

汚れがひどい場合は、中性洗剤で洗って完全に乾かすか、ホームセンターで売っている「パーツクリーナー(脱脂スプレー)」をウエスに染み込ませて拭き取ると、油分をきれいに除去できます。

色の選び方で仕上がりが激変

補修した跡を目立たせたくない場合は、コーキング材の色選びにこだわりましょう。 変成シリコン系には、ホワイトだけでなく、「グレー」「ベージュ」「アイボリー」「アンバー(茶色)」など、豊富なカラーバリエーションがあります。

グレー系のモルタル壁に真っ白なコーキングを打つと、そこだけ浮いて見えてしまいます。

壁の色に近いものを選ぶか、もしピッタリの色がない場合は、補修した後にその部分だけ少量の塗料で「タッチアップ(部分塗装)」をしてあげると、プロ並みの自然な仕上がりになります。

養生のコツや汚れの落とし方と補修後の色合わせ
画像はAI生成によるイメージであり実際のものとは異なります。

モルタル外壁のサッシ廻りコーキングで雨漏りを防ぐ

サッシ廻りは、屋根の取り合い部やベランダ防水と同様に、木造住宅で雨水が入りやすい代表的な部位のひとつです。

特にモルタル外壁の住宅においては、サイディングのように目地が規則正しく並んでいないため、一見すると壁全体が一体化して頑丈そうに見えます。

しかし、その「継ぎ目のなさ」こそが落とし穴であり、サッシ周辺に生じたわずかな隙間やひび割れが見過ごされやすい原因となっています。

「室内に水が出ていない=大丈夫」は大きな間違い

現場で最も恐ろしいのは、「雨漏り=天井からポタポタ水が落ちてくる」というイメージを持たれていることです。

実は、サッシ廻りからの雨漏りの多くは、室内に水滴が落ちてくるずっと手前の段階で、壁の中で静かに進行しています。これを私たちは「隠れ雨漏り」と呼んでいます。

壁の中に入り込んだ水分は、室内に出てこなくても、外側へ逃げようとして外壁の塗膜を押し上げることがあります。もし外壁の表面が水ぶくれのように膨らんでいる場合、それは内部に水が回っている証拠かもしれません。

こうした症状のメカニズムについては、『外壁塗装の膨れ補修方法(雨水侵入が原因になるケース)』の記事で詳しく解説しています。

隠れ雨漏りが引き起こす二次被害

  • 断熱材の含水・カビ
    壁内で断熱材が濡れると、断熱性能が低下したり、周辺の木材・紙類などにカビが発生しやすくなります。
  • 構造材の腐朽
    湿気を含んだ木材は「腐朽菌」の温床となり、柱や窓台がボロボロになります。
  • シロアリの誘引
    湿った木材は大好物です。雨漏りを放置した結果、シロアリ被害に遭うケースは後を絶ちません。

サッシ廻りのコーキングが切れているということは、建物が「口を開けて水を待っている状態」と同じです。室内のクロスにシミが出てきたり、カビ臭さを感じたりした時には、すでに壁の中は重症化している可能性が高いのです。

早期発見がメンテナンスコストを劇的に下げる

脅かすわけではありませんが、雨漏りを放置して構造材まで腐らせてしまうと、外壁を剥がして柱を入れ替えるような大掛かりな修繕工事が必要になり、費用も数百万円規模に膨れ上がることがあります。

一方で、隙間を見つけた段階ですぐにコーキング補修を行えば、費用は数万円〜十数万円程度で済みます。

「異常を見つけたら即・塞ぐ」 このシンプルな鉄則を守ることが、結果としてトータルのメンテナンス費用を大幅に抑え、家の寿命を延ばすことにつながります。

プロの目はここを見る!無料点検の活用

ご自身でのチェックも大切ですが、私たちプロは「散水調査(水をかけて侵入経路を特定する)」や専用機器を用いて、目に見えない水分まで感知します。

「このひび割れは表面だけなのか、奥まで貫通しているのか」「この隙間は埋めていい場所なのか」といった判断は、やはり経験豊富な専門家に任せるのが安心です。

もし、窓枠周辺を見て少しでも不安を感じたら、迷わずプロの診断を受けてください。

詳しくは、『外壁・屋根の無料点検!お住まいの状態をプロが丁寧にチェック』のページをご覧ください。

モルタル外壁のサッシ廻りコーキングで雨漏りを防ぐ

まとめ:モルタル外壁のサッシ廻りコーキング

最後までお読みいただき、ありがとうございます。今回は、少し専門的な内容になりましたが、家の寿命を左右する「モルタル外壁のサッシ廻りコーキング」について、現場の裏側まで包み隠さず解説させていただきました。

サッシ廻りは、外壁の広い面と比べると目立たない場所かもしれません。しかし、私たちプロから見れば、そこは雨水と最前線で戦っている「防水の要(かなめ)」です。

ここを適切にメンテナンスできるかどうかが、10年後、20年後の建物の健康状態を大きく変えると言っても過言ではありません。

これだけは覚えておきたい!重要ポイント

  • 劣化のサインを見逃さない
    新築時はコーキングが見えなくても正常な場合がありますが、経年で「隙間」や「ひび割れ」ができたら、それはメンテナンスの合図です。
  • 材料選びで失敗しない
    DIYでもプロへの依頼でも、使用する材料は必ず「変成シリコン系・ノンブリードタイプ」を選んでください。安易なシリコン系の使用は、将来の塗装工事を困難にします。
  • 工法は「増し打ち」が有効
    モルタル外壁の場合、既存の防水紙を傷つけないために、既存を無理に撤去しない「三角打ち(増し打ち)」が安全かつ確実な工法となることが多いです。
  • トータルコストを考える
    2階以上の補修には足場が必須です。費用対効果を最大化するために、コーキング補修は外壁塗装工事とセットで計画するのが賢い選択です。

「自分でやってみようかな」と思われた方も、「やはりプロに任せよう」と思われた方も、最も大切なのは「放置しないこと」です。小さな隙間への意識が、雨漏りという大きなトラブルを未然に防ぎます。

横浜市・神奈川県・東京都で外壁塗装や防水工事をお考えの方へ

窓枠の隙間やひび割れ、少しでも気になったらプロにご相談ください

モルタル外壁のサッシ廻りは、建物の中でも特に雨漏りリスクが高い「急所」です。

「まだ大丈夫だろう」という自己判断が、結果的に内部の木材を腐らせ、高額な修繕費用を招いてしまうケースを現場で数多く見てきました。

「うちの窓枠は補修が必要な状態?」「増し打ちで済むのか、それとも別の工事が必要?」

そんな疑問をお持ちの方は、ぜひ一度ステップペイントの無料診断をご活用ください。


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