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外壁のメンテナンスコラム

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ミサワホームの外壁サイディングの種類と特徴を現場のプロが解説

プロが教える!ミサワホーム外壁メンテナンスの鉄則

こんにちは。ステップペイントの現場担当 土橋 昭です。

ミサワホームで建てられた素敵なお住まい、その外壁について「うちの外壁材って正確には何ていう種類なんだろう?」「サイディングのカタログを見ても、ニチハやケイミューなどメーカー名がたくさんあって違いがよく分からない」といった疑問をお持ちではないでしょうか。

また、築年数が経ってきて「そろそろ塗り替えやメンテナンスの時期かな」と心配されている方も多いかもしれませんね。

ミサワホームの外壁は、一般的な住宅とは少し違う独自の呼び名や仕様があるので、メンテナンスの際にも少し注意が必要です。

この記事では、現場で多くの建物を見てきた私の経験をもとに、ミサワホームの外壁に関する種類の見分け方や、長く大切に住み続けるためのポイントについて、分かりやすくお話ししていきたいと思います。

記事のポイント

  • ミサワホーム特有の外壁材の種類や名前の違い
  • 標準仕様である窯業系サイディングの特徴や見分け方
  • 40年耐久と言われる外壁のメンテナンスの真実
  • 外壁リフォームで失敗しないための費用の目安や選び方
目次

ミサワホームの外壁サイディングの種類と特徴

ミサワホームのお住まいはデザイン性が高く、外壁の種類もいくつかパターンがあります。ここでは、現場でよく見かける代表的な外壁材の種類や、それぞれの特徴について詳しく解説していきますね。

ちなみに、基礎知識として一般的にサイディングは「窯業系・金属系・木質系・樹脂系」の4種類に分けられることが多いですが、ミサワホームではその中でも特にデザイン性と耐火性に優れた素材を厳選して採用しています。

外壁材は何?名前やグレードの一覧と見分け方

(参考:外壁リフォームを徹底解説!サイディングの種類や工事方法の違い

まず、ミサワホームの外壁材についてですが、カタログや図面を見ていると「クラスティング」という言葉が出てくると思います。

これは建築用語で「被覆材」などを意味し、ミサワホームの資料でも外壁の仕上げとして「塗装仕上(クラスティング)」と表記されることがあります。

実際の外壁材は、年代や商品・グレードによって異なりますが、現場では窯業系サイディング(厚型で金具留めの仕様など)が該当するケースが多い印象です。

正確に知るには、仕様書(外装仕様)や品番の記載を確認するのがいちばん確実です。現場でお客様から「うちの外壁は何ですか?」と聞かれたとき、私はまず建物の構造を確認します。

ミサワホームの住宅は、代表的には「木質パネル系」と「鉄骨系(ハイブリッド等)」があり、構造や商品・年代によって外壁仕様が異なるためです。

外壁材の特定は、まず「ご自宅の構造と外装仕様(仕様書・図面)」を押さえることが第一歩になります。

構造・工法主な外壁材の名前特徴と見分け方
木質パネル工法クラスティング (窯業系サイディング)ミサワホームで最も一般的な外壁材です。石目調や木目調などデザインが豊富で、板と板の継ぎ目にシーリング(ゴム状の目地)が縦に入っています。15mm以上の厚みがあるものが多く、高級感があります。
木質パネル工法タイル高級グレードの仕様です。表面が硬く、焼き物特有の風合いがあります。タイルそのものは塗装が不要なケースが多い一方で、目地材・シーリング・下地まわりは点検と補修が必要です。汚れが気になる場合は洗浄で美観を整えることもあります。
鉄骨造(ハイブリッド)PALC (パルク)正式には「Precastable Autoclaved Lightweight Ceramics」の略で、工場生産されたALC(軽量気泡コンクリート)の一種です。一般的なALCよりもセラミック質で高強度なのが特徴。80mmもの厚みがあり、内部はダブルメッシュ配筋(二重鉄筋)で守られています。多孔質で断熱・耐火性に優れています。 ※現在、PALCを採用した「ハイブリッド住宅」は販売終了しています。

このように、まずはご自宅が「クラスティング(サイディング)」なのか、「タイル」なのか、あるいは鉄骨造特有の「PALC」なのかを見分けることがスタートラインになります。

特にサイディングの場合は、板と板の継ぎ目(目地)が必ず存在します。この目地をどう見せるか、あるいは目立たせないようにするかは、美観維持の大きなポイントになります。

継ぎ目が目立ってしまうと、どうしても「作り物感」が出てしまいがちです。逆に言えば、この継ぎ目をうまく処理できれば、本物の素材のような高級感を演出できるということです。

失敗しないための選び方のポイントをまとめましたので、『つなぎ目が目立たないサイディングの選び方【決定版】』の記事もぜひ参考にしてみてください。

外壁材は何?名前やグレードの一覧と見分け方
画像はAI生成によるイメージであり実際のものとは異なります。

標準仕様はニチハやケイミューの窯業系が多い

ミサワホーム独自の呼び名である「クラスティング」ですが、仕様例として、外壁材に「ニチハ」「ケイミュー(KMEW)」などの製品が採用されているケースが多く確認できます。

そもそも窯業系サイディングとは、セメントと繊維質を主な原料として板状に成型されたもので、耐火性や遮音性に優れています。

その品質はJIS規格(JIS A 5422)によっても厳格に定義されており、日本の住宅で最も普及している信頼性の高い外壁材です。

(参考:製品概要|窯業系サイディングとは|一般社団法人 日本窯業外装材協会[NYG]

ただし、採用メーカーや品番は年代・商品・地域で異なります。最終的には、仕様書の記載や、外壁材の表示・刻印などで確認するのが確実です。

私たち現場の人間がリフォームのために既存のサイディングを調査すると、板の裏側や梱包材にこれらのメーカーの刻印が見つかることがよくあります。

これは「自社製じゃないからダメ」ということでは全くなく、むしろ「日本の過酷な気候風土を知り尽くしたトップメーカーの技術が使われている」という、非常に大きな安心材料と言えます。

国内トップ技術が支える「美しさ」と「強さ」

ミサワホームの外壁が、築年数が経っても汚れにくく美しい状態を保っていることが多いのは、これら供給元メーカーの持つ「先端技術」が惜しみなく投入されているからです。

供給元メーカー(推定)ベースとなっている代表的な技術現場で感じる特徴
ニチハ (NICHIHA)マイクロガード (セルフクリーニング機能) プラチナコート (超高耐候塗装)親水性などの仕組みにより、雨水で汚れを洗い流しやすくする「セルフクリーニング機能」として説明されています。汚れが付きにくい外壁を目指す方にとって、選定時のポイントになります。
ケイミュー (KMEW)光セラ / 親水コート (光触媒・親水性技術) スーパーKMEWシール (高耐久シーリング)太陽光(紫外線)で汚れを分解し、雨で流す技術が有名です。色あせに対する抵抗力が強く、マットで上品な質感のデザインが多い印象です。

標準仕様でも「ハイグレード」な理由

一般的な建売住宅などで使われる「標準仕様」のサイディングと、ミサワホームの「標準仕様」は、同じ窯業系でもグレードが異なります。

ミサワホーム向けの外壁仕様(クラスティング)は、一般的に厚さ15mm程度のものが多く採用されています。

市場で安価に出回っている汎用品のサイディング(14mm厚など)と比べるとしっかりと厚みがあり、その分、強度や高級感に優れた「良い外壁材」と言えます。

  • 塗装の膜厚
    紫外線から基材を守るクリアー塗装や着色層が厚く、緻密に塗られています。
  • デザインの深み
    多色刷りの印刷技術や、型押しの精度が高く、近くで見ても「作り物感」が少ないリアルな質感が特徴です。

豆知識:OEM供給(相手先ブランド製造)とは?

ミサワホームの商品名で販売されていますが、中身は専門メーカーが製造している製品のことです。

【重要な注意点】 中身がニチハやケイミュー製の仕様であっても、採用時期や仕様によっては「ハウスメーカー向けの専用仕様(専用品番)」として扱われることがあります。

その場合、破損時にホームセンター等の一般流通ルートでは同柄の特定・手配が難しいことがあります。

補修材の手配も含めて、仕様の確認ができる窓口(メーカー・ハウスメーカー・外装に強い専門業者)に相談するのが安全です。

【プロからのアドバイス】廃盤リスクに注意!

サイディングのデザインは流行の移り変わりが早く、柄やシリーズが生産終了(廃盤)になることがあります。

もし1枚だけ割れてしまった時、在庫がなければ「部分張り替え」ができず、「全面張り替え」や「金属サイディングの重ね張り」といった大掛かりな工事が必要になることもあります。

だからこそ、今ある外壁を割らない・腐らせないために、早めの塗装メンテナンスで「今の外壁を長く使い続ける」ことが、最も経済的な選択になるのです。

標準仕様はニチハやケイミューの窯業系が多い
画像はAI生成によるイメージであり実際のものとは異なります。

人気の木目調や色の実例をカタログで確認

ミサワホームの外観といえば、無駄を削ぎ落とした「シンプル・モダン」なデザインが特徴的ですよね。

その洗練されたフォルムに温かみをプラスする要素として、最近の現場で圧倒的な人気を誇っているのが「木目調サイディング」です。

新築時のカタログ選びはもちろん、リフォームでイメージチェンジを考える際にも参考になる、プロ視点での人気の組み合わせや実例、そして「カタログを見る時の落とし穴」について詳しく解説します。

1. 現場で見る「木目調」の成功パターン

本物の天然木は魅力的ですが、雨ざらしの環境では数年で腐食や色あせ、シロアリのリスクが付きまといます。

その点、ミサワホームで採用されている高グレードな木目調サイディングは、リアルな質感を持ちながら耐久性も抜群です。特によく採用されているのが、以下のような「異素材ミックス」のコーディネートです。

  • 玄関・バルコニーのアクセント
    建物のベースはホワイトやライトグレーでシンプルにまとめ、玄関周りやインナーバルコニーの奥まった壁面だけに濃いブラウンの木目調を使う手法です。奥行き感が強調され、一気に高級感が出ます。
  • 軒天(のきてん)とのリンク
    屋根の裏側である「軒天」に木目調の素材を使い、外壁の一部も同系色の木目調で合わせるスタイル。上を見上げた時の統一感が素晴らしく、非常に人気の高い組み合わせです。

2. 「割石調」や「レンガ調」を塗り替えで殺さないために

木目調以外にも、ミサワホームでは「割石調」「レンガ調」といった、彫りが深く陰影の美しいデザインが長く愛されています。

これらのデザインは、太陽の光が当たった時のできる「影」が建物の表情を豊かにしてくれます。しかし、リフォーム(塗り替え)の際には大きな注意点があります。

【重要】デザインサイディングの塗り替えリスク

これらの意匠性の高いサイディングを、一般的な塗料で普通に塗ってしまうと、「単色(一色)でのっぺりした仕上がり」になってしまい、せっかくの石やレンガの風合いが消えてしまいます。

新築時のデザインを維持したい場合は、以下のいずれかの工法を選ぶ必要があります。

  • クリヤー塗装(透明)
    現在の色柄をそのまま残し、透明な保護膜を作る方法。※劣化が進みすぎると施工できません。
  • ダブルトーン塗装(2色塗り)
    目地部分と表面部分を異なる色で塗り分け、立体感を再現する高度な塗装技術。

3. カタログと実物のギャップ「面積効果」に注意

色選びに関しては、カタログや小さな色見本だけで決めてしまうのは非常に危険です。特に最近人気の「グレー系」や「ネイビー系」の外壁は、光の当たり方や面積によって見え方が劇的に変わります。

これを「面積効果(めんせきこうか)」と言います。

  • 明るい色(白・ベージュ)
    広い面積に塗ると、見本よりも「より明るく、白っぽく」見えます。
  • 暗い色(黒・グレー)
    広い面積に塗ると、見本よりも「より暗く、黒っぽく」見えます。

「落ち着いたグレーにしたかったのに、仕上がったら意外と白っぽくてコンクリートみたいに見えてしまった」という失敗は現場でもよく聞く話です。

失敗しないためには、A4サイズ以上の大きな板見本を実際に外に持ち出し、晴れの日や曇りの日にどう見えるかを確認することが大切です。

特にグレー外壁の色選びについては、失敗例や具体的な対策をまとめた詳しい記事がありますので、色選びで迷われている方は『グレー外壁の色選びで失敗しない!ブログの口コミと対策を徹底解説』の記事もぜひ参考にしてみてください。

人気の木目調や色の実例をカタログで確認
画像はAI生成によるイメージであり実際のものとは異なります。

特徴的な厚みや採用している工法は何かを解説

住宅展示場やカタログでミサワホームの家を見ると、「なんだか普通の家より外壁に高級感があるな」と感じたことはありませんか?

その理由の大部分は、採用されているサイディングの「厚み」と、それを取り付ける「工法」の違いにあります。

ここでは、ミサワホームの外壁(クラスティング)がなぜ高品質に見えるのか、そして私たち現場の職人がリフォームの際にどこに注目しているのか、その裏側を詳しく解説します。

1. 「たった数ミリ」が決定的な差を生む厚みの秘密

窯業系サイディングは、厚みによって施工方式が分かれることがあり、たとえば14mmは釘打ち15mm以上は金具留めといった整理で説明されることがあります。

ミサワホームの外壁(クラスティング)でも、厚型サイディングが採用されている例があります。ただし、実際の厚みや仕様は年代・商品で異なるため、仕様書や品番で確認するのが確実です。

「たった1〜2mmの違いでしょ?」と思われるかもしれませんが、外壁においてこの差は決定的です。

  • 彫りの深さ(陰影)
    厚みがある分、表面の凹凸を深く刻むことができます。太陽光が当たった時の「影」がくっきりと出るため、本物の石やレンガに近い重厚感が生まれます。
  • 反りへの強さ
    厚みがあることで板自体の剛性が高まり、経年劣化による「反り」や「波打ち」が起きにくくなります。

2. 地震に強く美観を損なわない「金具留め工法」

厚みの違いは、施工方法(留め方)の違いにも直結します。ここが非常に重要なポイントです。

項目金具留め工法(15mm以上の厚型で一般的)釘打ち工法(一般的な14mm厚)
固定方法サイディングの裏側に専用の金具を引っ掛けて固定する。サイディングの表面から直接釘を打ち込んで固定する。
見た目表面に釘頭が出ないため、デザインが途切れず美しい。近くで見ると釘の頭が見え、タッチアップ補修跡が目立つ場合がある。
耐震性金具と板の間にわずかな「あそび」があるため、地震の揺れを逃がす(ロッキング機能)。ガッチリ固定されるため、大きな揺れで釘穴付近からひび割れしやすい。

窯業系サイディングでは、厚型(15mm以上)の仕様で金具留め工法が採用されることが多く、ミサワホームの外壁(クラスティング)でもその仕様が該当するケースがあります。

地震の多い日本において、建物と一緒に外壁が無理に動かず、力を上手く逃がすことができるこの構造は、ひび割れ(クラック)のリスクを大幅に低減させています。

3. 家の寿命を決める「通気構法」と塗装時の絶対ルール

そして、私たちが現場で最も神経を使うのが「通気構法(つうきこうほう)」です。

これは、外壁材と建物の骨組み(防水シート)の間に15mm程度の隙間(通気層)を空け、空気の通り道を作る仕組みです。家の中から出た湿気や、万が一入ってしまった雨水を、この通り道を使って外部へ排出します。

このように、厚みのある窯業系サイディングは、デザインの美しさだけでなく、耐火性・耐震性・通気構法による建物の保護など、多くのメリットを兼ね備えた優れた外壁材と言えます。

(参考:窯業系サイディングのメリット|ニチハ株式会社

【重要】塗装職人の腕が問われる「通気口」の処理

この通気構法には、空気が入る「入口」と出る「出口」があります。具体的には、「土台水切り(基礎の上)」「軒天(屋根の裏側)との取り合い部分」です。

知識のない塗装業者が、良かれと思ってこの隙間を塗料やシーリング材で埋めてしまう事例が後を絶ちません。ここを塞ぐと、家は呼吸ができなくなり、壁体内で結露が発生。最悪の場合、柱や土台を腐らせてしまいます。

また、こうした隙間とは別に、サイディングの接合部(あいじゃくり)などに予期せぬ隙間が生じると、そこから雨水が侵入し、サイディング自体の劣化を早める原因になります。

隙間に関する正しい知識を持っておくことはとても重要です。「埋めてはいけない隙間」と「埋めなければならない隙間」の違いは、プロでも判断に迷うことがあるほど繊細な問題です。

特に、サイディングの繋ぎ目にある『あいじゃくり』と呼ばれる部分は、放置すると雨漏りの原因にもなりかねません。

その見分け方やリスクについては、『サイディングの隙間「あいじゃくり」とは?危険性と補修方法』の記事で詳しく解説していますので、ぜひ一度目を通しておいてください。

「埋めるべき隙間(ひび割れ)」と「埋めてはいけない隙間(通気口)」を正しく判断できるかどうかが、ミサワホームの外壁塗装を成功させる最大の鍵と言っても過言ではありません。

特徴的な厚みや採用している工法は何かを解説

外壁タイルとサイディングのおすすめや評判

これからマイホームを建てる方や、大規模なリフォームを検討されている方から、現場で必ずと言っていいほど聞かれるのが「結局、タイルとサイディング、どっちが良いんですか?」という質問です。

正直なところ、予算が許すのであれば、私は「タイル外壁」を強くおすすめします。その理由は、現場で経年劣化した建物を見比べてきた経験に基づいています。

タイルの評判と現場での実感

タイル外壁の最大の魅力は、なんといっても「経年劣化を感じさせない美しさ」です。築20年、30年経ったミサワホームのお住まいでも、タイル張りの家は高圧洗浄をするだけで、新築時のような輝きを取り戻すことがよくあります。

タイルが選ばれる理由(メリット)
  • 圧倒的な耐久性
    土や石を高温で焼き固めたタイルは、紫外線で色あせることがほとんどありません。「塗装」というメンテナンスの概念が基本的には不要です。
  • 資産価値の維持
    重厚感や焼き物特有の色ムラは、時間が経っても「古臭さ」にならず、むしろ「味わい」として建物の格を上げてくれます。
  • オーナー様の声
    「初期費用は高かったけれど、周りの家が塗り替えで足場を組んでいるのを見て、タイルにしておいて良かったと実感した」というお声をよく耳にします。

サイディング(クラスティング)の進化とコストパフォーマンス

一方で、現在のミサワホームで標準採用されている「クラスティング(窯業系サイディング)」も、昔のものとは比べ物にならないほど進化しています。

初期費用(イニシャルコスト)はタイルに比べて圧倒的に安く済みます。延床面積にもよりますが、サイディングからタイルに変更するだけで100万円〜200万円単位の増額になることも珍しくありません。

この差額をどう考えるかがポイントです。

  • デザインの自由度
    「モダン」「北欧風」「和モダン」など、トレンドに合わせたデザインが豊富です。
  • 塗り替えの楽しみ
    タイルは色が変えられませんが、サイディングなら15年後の塗り替えで、ガラッとイメージチェンジを楽しむことができます。
  • 高機能化
    最近のものは「親水コーティング(雨で汚れを落とす機能)」や「高耐候塗装」が施されており、コストパフォーマンスは非常に高いです。
比較項目タイル外壁サイディング(クラスティング)
初期費用高い(+100万円〜)安い(標準仕様)
メンテナンス費安い(洗浄・目地補修のみ)中〜高(10〜15年毎に塗装・シーリング)
質感・デザイン重厚・高級・不変豊富・流行・可変
現場プロの結論「一生モノの資産」 長く住むならトータルでお得。「賢い選択」 初期投資を抑え、将来の変化に対応。

「初期費用をかけてランニングコストを抑え、重厚感を求めるならタイル」、「今の予算を抑えて内装や設備にお金をかけ、将来的に塗り替えで家の変化も楽しみたいならサイディング」といった選び方が良いかもしれませんね。

外壁タイルとサイディングのおすすめや評判
画像はAI生成によるイメージであり実際のものとは異なります。

ミサワホームの外壁サイディングの種類と維持管理

どんなに良い外壁材を使っていても、メンテナンスフリーというわけにはいきません。家は建てて終わりではなく、そこから何十年と住み続ける場所です。

ここでは、長く安心してお住まいいただくための維持管理について、プロの視点でお話しします。

40年耐久性能の評価と保証内容の仕組み

ミサワホームのカタログなどで「高耐久」「40年耐久」といった言葉を目にすることがあるかもしれません。

これを見ると「えっ、40年間何もしなくていいの?」と思ってしまう方もいらっしゃいますが、これは「メンテナンスを一切しなくていい」という意味ではありません。

あくまで「適切なメンテナンス(点検や補修)を行えば、張り替えなどの大規模な工事なしで構造体や外壁材そのものを40年程度維持できるポテンシャルがある」と解釈するのが正解です。

どんなに高耐久な外壁材であっても、パネルとパネルをつなぐシーリング(目地)や、表面を守る塗膜は、紫外線や雨風の影響で必ず劣化します。

特にシーリングは環境にもよりますが、10年〜15年程度で硬化やひび割れが始まることが多いです。

また、ミサワホームには業界でもトップクラスの手厚い保証制度がありますが、これは「メーカーが指定する定期点検を受け、必要な有償メンテナンス工事を行うこと」が保証延長の条件になっているケースがほとんどです。

「保証が切れるのが心配だからメーカーで工事をする」か、「コストを抑えて信頼できる専門業者に依頼するか」、ここは多くのオーナー様が悩まれるポイントですね。

メーカー保証の継続と、リフォーム費用のバランスをどう考えるかが重要になってきます。

40年耐久性能の評価と保証内容の仕組み
画像はAI生成によるイメージであり実際のものとは異なります。

塗り替えやメンテナンスにかかるリフォーム価格

「そろそろ塗り替え時期だけど、一体いくら用意すればいいの?」というのは、皆様が一番気にされるポイントだと思います。

外壁塗装は決して安い買い物ではありませんし、定価がない工事だからこそ、事前の予算計画が非常に大切です。

ここでは、ミサワホームの一般的な30坪程度の2階建て住宅をモデルに、私たちのような塗装専門店に依頼した場合のリアルな費用感をお伝えします。

あくまで目安ですが、見積もりを見る際の「ものさし」として活用してください。

一般的な費用相場(30坪・専門店価格)

工事項目費用の目安プロの視点・備考
外壁塗装工事 (シリコン〜ラジカル)80万円 〜 120万円足場代、高圧洗浄、飛散防止ネット、養生費を含みます。 ※フッ素や無機などの高耐久塗料を選ぶと、さらに10〜20万円ほど上がります。
シーリング工事 (打ち替え)20万円 〜 40万円ここがミサワホームの特徴です。 デザイン性の高いパネルは目地が多いため、一般的な住宅よりもメーター数が長く、費用がやや高くなる傾向があります。
屋根塗装工事 (遮熱シリコン等)20万円 〜 40万円足場がある時に一緒にやると、別工事で足場を組む回数を減らせるため、結果的に費用を抑えやすくなります。 ただし足場費用は建物形状や立地で変動するため、金額は見積もりで確認してください。
合計目安120万円 〜 200万円劣化状況や選択するプランによって変動します。

ちなみに、シーリング工事には「増し打ち(上から被せる)」と「打ち替え(撤去して新しく打つ)」の2種類がありますが、ミサワホームの厚型サイディングや耐久性を考えると、基本的には古いゴムを撤去する「打ち替え」が推奨されます。

DIYでの増し打ちなど、間違った補修方法のリスクについては『外壁のコーキングをDIYで!増し打ちのやり方とできない条件』の記事でも解説しています。

価格が変動する「3つの要因」

上記はあくまで目安であり、実際のお見積もりは建物の状態によって変わります。特にミサワホームの場合、以下の要素が価格に大きく影響します。

  • 外壁の種類(PALCかクラスティングか)
    PALC(気泡コンクリート)の場合、表面に無数の巣穴があり、塗料をぐんぐん吸い込みます。そのため、吸い込みを止めるための下塗り材(フィラーなど)が通常より多く必要になり、材料費が少し上がる傾向があります。
  • シーリングのメーター数
    ミサワホームの建物は、サッシ周りや入隅(壁のへこんだ角)だけでなく、デザイン上のアクセント目地が入っていることもあります。全ての目地を打ち替えるとなると、それなりのボリュームになります。
  • 付帯部の劣化状況
    破風板、軒天、雨樋、シャッターボックスなどの「付帯部」も塗装が必要です。これらが木製で腐食していたりすると、補修費用が追加でかかる場合があります。

メーカー(ミサワリフォーム)と専門店の価格差について

よくご相談いただくのが、「メーカーの見積もりが高くて驚いた」というお話です。一般的に、ハウスメーカーの純正リフォームは、専門店の価格に比べて高くなる傾向があると言われます。

【メーカーが高い理由】

  • 安心料と保証延長
    「メーカー保証」を継続するための費用が含まれています。
  • 中間マージン
    実際の施工は協力会社(下請け)が行うため、管理費などが上乗せされます。
  • 広告宣伝費・研究開発費
    大手企業としての運営コストが反映されています。

金額差は工事範囲・保証条件・管理費の有無などで変わるため、同条件(仕様・工程・材料)で比較することが大切です。

「多少高くても保証と純正の安心感を買いたい」という方はメーカーへ、「品質は落とさずに適正価格で施工したい」という方は、実績のある地元の塗装専門店を選ぶのが賢い選択かなと思います。

なお、住宅のリフォーム費用に関しては、公的な機関も市場の実態調査を行っています。リフォームの相場観を養う上でも、国土交通省の資料などは客観的なデータとして参考になりますので、詳しく知りたい方は確認してみてください。

(参考:政府統計e-Stat:住生活総合調査「リフォーム費用(23区分)」

塗り替えやメンテナンスにかかるリフォーム価格
画像はAI生成によるイメージであり実際のものとは異なります。

耐久性を高めるための施工例と注意点

私たち現場の職人がミサワホームのお住まいを施工する際、単に「色を塗ってきれいにする」こと以上に神経を使うのが、建物の寿命に直結する「防水性」と「通気性」の確保です。

ミサワホームの高性能な外壁材も、間違った施工をしてしまうと、その性能を発揮できないばかりか、雨漏りや内部腐食の原因を作ってしまいかねません。

ここでは、私が現場で実際に徹底している施工のポイントと、特に注意が必要な外壁ごとのケアについて、少し踏み込んで解説します。

1. クラスティング(サイディング)は「シーリングの2面接着」が命

ミサワホームのサイディングは厚みがあり、地震などの揺れに対して建物全体で力を受け止める構造になっています。

このとき、サイディングの板同士をつなぐ「シーリング(目地)」には、建物の動きに合わせて伸縮するクッションの役割が求められます。

ここで最も重要なのが「2面接着」という施工ルールです。

  • 2面接着(正解)
    目地の「底」には接着させず、左右のサイディングの断面(2面)だけにくっつける工法です。こうすることで、ゴムが自由に伸び縮みでき、ひび割れを防ぎます。
  • 3面接着(失敗例)
    目地の底にもべったりくっついてしまう状態です。これだとゴムが固定されて動けなくなり、建物の揺れですぐに断裂してしまいます。

これを防ぐために、私たちは目地の底に「ボンドブレーカー」という絶縁テープや、バックアップ材が入っているかを必ず確認してからシーリングを充填します。

また、古いシーリングを撤去した後のサイディング断面(小口)には、たっぷりとプライマー(接着剤)を塗布します。ここをケチると、どんなに高級なシーリング材を使っても数年で剥がれてきてしまうからです。

2. PALC外壁は「呼吸」と「防水」の両立が必要

鉄骨造で使われる「PALC(パルク)」は、通常のALCよりも緻密で頑丈な高性能素材ですが、誤解を恐れずに現場の感覚でお伝えすると、「塗装が劣化すると水を吸いやすくなる」という弱点があります。

塗装が劣化してPALCが水を吸うようになると、以下のような深刻な症状を引き起こします。

  • 爆裂(ポップアウト)
    吸い込んだ水分が冬場の凍結で膨張し、コンクリート表面を内側から弾き飛ばしてしまう現象です。
  • 鉄筋の腐食
    パネル内部の鉄筋が錆びて膨張し、外壁を破壊します。

PALCの塗装では、単に防水するだけでなく、コンクリート内部の湿気を外に逃がす「透湿性」を持った塗料を選ぶことが重要です。

また、表面に無数にある小さな穴(巣穴)を、「微弾性フィラー」などの厚膜下地材でしっかり埋めてあげる下地調整が、耐久性を決める鍵となります。

3. 通気層を塞がない「水切り」周りの処理

ミサワホームの住宅は「通気構法」によって壁の中の湿気を逃がしています。

しかし、知識のない職人が良かれと思って、土台水切り(基礎と外壁の間の金属部分)の隙間をシーリングで埋めてしまうケースを見かけることがあります。

ここを埋めてしまうと、壁の中の湿気の出口がなくなり、内部結露やカビ、木部の腐食に直結します。「埋めるべき隙間」と「空けておくべき隙間」を正しく見極めることができるかどうかが、プロと素人の決定的な違いです。

【注意】DIYでの補修は「シリコン」に要注意!

ご自身で外壁のひび割れを補修しようとして、ホームセンターで売っている「シリコンシーラント(お風呂場用など)」を使ってしまう方がいらっしゃいますが、これは外壁にはおすすめできません

一般的なシリコン材には「シリコンオイル」が含まれており、これが染み出すと、その上からプロ用の塗料を塗っても弾いてしまい、一切密着しなくなります(シリコン汚染)。

リカバリーするには特殊な下地処理が必要で余計な費用がかかるため、見よう見まねでのDIY補修は避け、必ず専門家に相談してください。

耐久性を高めるための施工例と注意点
画像はAI生成によるイメージであり実際のものとは異なります。

外壁リフォームを成功させる業者の選び方

外壁リフォームを成功させるための最大の鍵、それは間違いなく「業者選び」です。

特にミサワホームの建物は、独自の「木質パネル接着工法」や鉄骨ハイブリッド構造など、非常に高度な技術で作られています。

そのため、一般的な木造住宅の知識しかない業者が、「普通の家と同じように塗ればいいだろう」と安易な施工をしてしまうと、通気層を塞いでしまったり、専用部材を傷つけてしまったりと、せっかくの建物の性能を台無しにしてしまうリスクさえあるのです。

私たちプロの視点から見て、「この業者なら安心して任せられる」と判断できる具体的なチェックポイントを3つに絞って解説します。これから見積もりを取る際は、ぜひこの基準で業者を見極めてみてください。

1. ミサワホーム特有の「構造」と「部材」への理解度

単に「塗装の実績」が多いだけでなく、「ミサワホームの施工実績」が豊富にあるかが重要です。ミサワホームの外壁には、他メーカーにはない特徴的な部材や仕様が存在するからです。

例えば、業者に質問する際に、以下のような点を確認してみてください。

チェック項目業者の回答や対応のポイント
PALCの下地処理PALC(気泡コンクリート)は吸水性が高いため、普通の下塗り材では吸い込まれて機能しません。「カチオン系シーラー」や「微弾性フィラー」など、PALCに適した下地材を選定し、吸い込み止めの工程をしっかり見積もりに入れているかを確認しましょう。
ガスケット(定型目地)の扱いミサワホームの一部では、シーリングの代わりに「ガスケット」という乾式の目地材が使われています。これを無理に撤去するのか、専用のプライマーを塗って塗装するのか、あるいは「逆プライマー(可塑剤移行防止)」処理をするのか、適切な判断ができるかが問われます。
通気層の確保サイディングの通気構法を理解し、土台水切りや軒天周りの通気口を塗料で塗りつぶさないよう、養生や施工に配慮できるかどうかも重要な技術力の一つです。

2. 現地調査(診断)の「時間」と「視点」

信頼できる業者は、見積もりを作る前の現地調査(建物診断)にしっかりと時間をかけます。建物の周りをさらっと見て「30坪ですね」と測るだけでは、正確な診断はできません。

  • 所要時間
    最低でも30分〜1時間程度かけ、丁寧に見て回るか。
  • 高所の確認
    普段見えない2階の屋根や外壁の上部を、高所カメラやドローンを使って確認してくれるか。
  • 診断報告書
    口頭での説明だけでなく、ひび割れやシーリングの劣化状況を撮影し、「写真付きの診断報告書」として提出してくれるか。

この診断が雑だと、工事が始まってから「ここも直さないといけません」と追加費用を請求されたり、劣化を見落としたまま塗装してすぐに剥がれたりする原因になります。

3. 見積書における「根拠」の明示

提出された見積書を見て、「外壁塗装一式:〇〇万円」という記載があったら要注意です。

これではどんな塗料をどれくらい使うのか全く分かりません。ミサワホームの外壁、特にクラスティングやPALCは表面の凹凸が深いため、平らな壁よりも多くの塗料を必要とします。

良い見積もりの条件
  • 塗料の商品名とメーカー名
    「シリコン塗料」ではなく「日本ペイント 〇〇シリコン」など具体的に記載されているか。
  • 塗装面積と缶数の規定
    塗装面積(㎡)だけでなく、メーカーの規定塗布量に基づいた「必要缶数」が計算されているか。(ここが曖昧だと、塗料を薄めて使われてしまうリスクがあります)
  • 工程ごとの単価
    足場、高圧洗浄、養生、下塗り、中塗り、上塗り、それぞれの単価が明確か。

「安ければいい」という基準だけで選んでしまうと、必要な工程(特に下地処理)を省かれたり、質の低い塗料を使われたりして、数年で色あせや剥がれが起きる「安物買いの銭失い」になりかねません。

ミサワホームという素晴らしい資産を守るパートナーとして、こちらの質問に真摯に答え、メリットだけでなくデメリットやリスクも正直に説明してくれる業者を選ぶことが、結果的に一番の節約であり、成功への近道になります。

外壁リフォームを成功させる業者の選び方

ミサワホームの外壁サイディングの種類まとめ

ここまで、ミサワホームの外壁サイディングの種類や特徴、そして長く住み続けるためのメンテナンスについて、現場の視点から詳しく解説してきました。

最後に、今回の記事の要点を改めて整理し、これから皆様が取るべきアクションについてお伝えしたいと思います。

ミサワホームの住宅は、独自のデザイン思想と高い技術力で建てられた素晴らしい資産です。

しかし、その性能を維持し続けるためには、「自宅の外壁の種類を正しく理解し、その特性に合ったケアを行うこと」が何よりも重要です。

単に「外壁塗装をすればいい」と安易に考えるのではなく、以下のポイントを心に留めておいていただければと思います。

記事の重要ポイント振り返り

種類の特定が第一歩

ご自宅の外壁が「クラスティング(窯業系サイディング)」なのか、鉄骨造特有の「PALC」なのか、あるいは「タイル」なのかを仕様書やプロの目利きで明確にしましょう。それによって選ぶべき塗料やメンテナンス時期がガラリと変わります。

「40年耐久」の真意を理解する

カタログのスペックは「何もしなくて良い期間」ではありません。シーリングや塗膜といった防水の最前線は10年〜15年で必ずメンテナンスが必要です。これを怠らないことが、構造体を守る最短ルートです。

PALCは特に防水が命

もしPALC外壁のお住まいであれば、他の外壁材以上に「防水切れ」に敏感になってください。早期の塗り替えが、爆裂などの深刻なトラブルを防ぎます。

パートナー選びは慎重に

「ミサワホーム純正の安心感」と「塗装専門店のコストパフォーマンスと直接施工」。どちらが現在のライフプランに合っているか、じっくり比較検討してください。

もし、ご自宅の外壁を見て「このひび割れは大丈夫かな?」「シーリングが少し硬くなっているかも」と不安に思うことがあれば、自己判断せず、ぜひお近くの専門業者に相談してみてください。

プロによる点検は、いわばお住まいの「健康診断」です。早めに不調のサインを見つけることができれば、大掛かりな工事を避け、補修費用を最小限に抑えることができます。

私たち現場の人間にとって、お客様が大切にされているお住まいが、メンテナンスによって美しく生まれ変わり、「これでまた安心して暮らせるよ」と喜んでいただけることが何よりのやりがいです。

この記事が、皆様の大切なお住まいを守るための第一歩となり、最適なメンテナンス計画の助けになれば、これほど嬉しいことはありません。

横浜市・川崎市・東京都で外壁塗装や防水工事をお考えの方へ

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「ハウスメーカーに見積もりを取ったら高額で驚いた」というご相談をよくいただきます。

ステップペイントなら、中間マージンをカットした直接施工で、メーカー品質の工事をよりリーズナブルに提供することが可能です。もちろん、安かろう悪かろうではありません。

ミサワホーム特有の仕様を熟知した職人が、純正リフォームに引けを取らない丁寧な施工を行います。

他社様との相見積もりも歓迎ですので、ぜひその「価格」と「提案内容」を比べてみてください。


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