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外壁のメンテナンスコラム

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ヘーベルハウスの防水シート張り替え費用は?相場と業者選びを解説

ヘーベルハウスの防水シートを張り替える費用は?相場と業者選びを全解説

ヘーベルハウスにお住まいで、「そろそろ屋根やベランダのメンテナンスが必要かな?」と感じている方にとって、防水シートの張り替え費用は大きな関心事ではないでしょうか。

陸屋根の防水工事は建物の耐久性や雨漏り対策に直結する重要なメンテナンスですが、費用相場が明確になりにくいため、不安を感じる方は多くいらっしゃいます。

特に、30坪、40坪、50坪といった具体的な広さでの価格感や、主流である塩ビシートの特徴、張り替え時期が何年ごとなのかは知っておきたいポイントです。

また、交換と補修のどちらが良いのか、DIYは可能なのか、信頼できる業者の選び方、さらにはリコール情報や、費用負担を軽減する助成金や保険の活用方法まで、疑問は尽きません。

この記事では、ヘーベルハウスの防水シート張り替え費用に関するあらゆる疑問に答え、後悔しないメンテナンス計画を立てるための情報を網羅的に解説します。

記事のポイント

  • ヘーベルハウス防水シート張り替え費用の詳しい内訳と相場
  • 30坪、40坪、50坪など面積別の費用シミュレーション
  • 信頼できる専門業者の選び方と注意点
  • 費用を抑えるための助成金や保険の活用法
目次

ヘーベルハウスの防水シートを張り替える費用の内訳と相場

  • まずは全体の費用相場を把握
  • 30坪・40坪・50坪の費用例
  • 主流の塩ビシート防水の価格
  • 屋根とベランダの防水費用
  • 助成金や保険は利用できるか
  • 防水工事での交換と補修の違い

まずは全体の費用相場を把握

ヘーベルハウスの防水シート張り替え費用を検討する上で最も重要なのは、「ヘーベルハウス(旭化成リフォーム)に依頼するか」「ヘーベルハウスの施工に精通した専門の防水業者に依頼するか」で費用が大きく変わるという点です。

一般的に、ハウスメーカーに依頼すると、建物の細部まで知り尽くした安心感や、純正部材による施工、そして手厚い保証が得られますが、その分費用は高くなる傾向があります。

この価格差が生まれる主な理由は、ハウスメーカーが実際の工事を下請け業者に発注する際に発生する中間マージンや、ブランドとしての品質を保証するための管理コスト、さらには長期的なアフターサービスを維持するための費用などが価格に含まれているためです。

一方で、優良な専門防水業者に直接依頼すれば、これらの中間マTージンや管理コストを大幅に削減できるため、高品質な工事をより適正な価格で実現することが可能になります。

具体的な単価の目安は以下の通りです。この価格差が、最終的な総額に大きく影響します。

依頼先平米あたりの費用相場特徴・メリット・デメリット
ヘーベルハウス約16,000円~25,000円/㎡【メリット】純正部材を使用し、建物の構造を完全に熟知しているため、施工品質の安心感が非常に高いです。保証も手厚く、長期的なサポートが期待できます。
【デメリット】費用が最も高額になります。
専門の防水業者約8,000円~18,000円/㎡【メリット】中間マージンが発生しないため、ヘーベルハウスに依頼するよりも費用を大幅に抑えられます。
【デメリット】業者によって技術力やヘーベルハウスに関する知識に大きな差があるため、慎重な業者選びが不可欠です。
Information

ただし、この単価は2025年10月現在の一般的な目安であり、地域、建物形状、付帯工事の有無、既存撤去費用、足場費用などを含むかどうかによって大きく変動します。また、近年の資材価格や人件費の動向によっても相場は変わるため、必ず最新の見積もりでご確認ください。見積もり時には「材料費・既存撤去・下地補修・足場・諸経費」をすべて含んだ内訳を確認することが重要です。

費用のポイント

ヘーベルハウスの施工実績が豊富な専門業者に依頼することで、工事費用をヘーベルハウスに依頼する場合の半分近くに抑えられる可能性があります。

ただし、安さだけで選んでしまうと、ヘーベルハウス独自の構造を理解していない業者による施工不良で、後に大きなトラブルに発展するリスクもあります。

価格と品質のバランスを見極めることが非常に重要です。

まずは全体の費用相場を把握
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30坪・40坪・50坪の費用例

ご自宅の建物の坪数からおおよその費用を把握しておくと、具体的な予算計画が立てやすくなります。

ここでは、一般的な戸建てで多い30坪、40坪、50坪の建物を想定し、屋上(陸屋根)の防水面積を仮定して費用の概算をシミュレーションします。

屋上防水工事の費用シミュレーション

屋上の面積は、一概には言えませんが、建坪(1階の床面積)のおおよそ60%~80%程度で計算されることが一般的です。ここでは、中間的な70%として、防水工事の費用を算出してみます。

建物の坪数想定される屋上面積(目安)ヘーベルハウス依頼時の費用(概算)専門業者依頼時の費用(概算)
30坪(約99㎡)約70㎡約112万円~175万円約56万円~126万円
40坪(約132㎡)約92㎡約147万円~230万円約74万円~166万円
50坪(約165㎡)約115㎡約184万円~287万円約92万円~207万円
Information

※上記のシミュレーションは、あくまで一般的な目安です。建物の形状、屋上の利用状況(太陽光パネルの有無など)、劣化の度合いによって費用は大きく変動するため、正確な金額は必ず専門家による現地調査の上で見積もりを取得してください。

このように、同じ面積の工事であっても、依頼先によって数十万円から、場合によっては百万円以上の大きな価格差が生まれる可能性があります。

もちろん、この費用は防水工事本体の概算であり、既存防水シートの撤去・処分費用(張り替え工法の場合)、下地補修費用、足場設置費用などが別途加算される場合があります。

Information

足場や墜落防止設備の計画は安全管理上の必須項目です(厚生労働省:墜落防止ガイド)。

また、立ち上がり部の処理、ドレン交換、脱気筒設置といった付帯工事が必要になることもあります。見積もりでは、これらの付加項目の有無と金額を必ず確認してください。

総額については、見積書の内訳を詳細に確認することが不可欠です。

30坪・40坪・50坪の費用例
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主流の塩ビシート防水の価格

ヘーベルハウスの陸屋根やベランダでは、「塩ビシート防水」が標準仕様として多く採用されています。

これは、高い耐久性と安定した品質を誇る塩化ビニル樹脂を主成分としたシート状の防水材で、現代の建築物において非常に信頼性の高い防水工法の一つです。

工場で厳密な品質管理のもと生産されるため、厚みが均一で、現場での施工ムラが出にくいのが大きな特徴です。

紫外線や熱、オゾンなどに対する耐候性に優れており、過酷な屋外環境に長期間さらされても劣化しにくく、高い防水性能を維持します。

多くの資料では、塩ビシート防水の耐用年数は一般に 10年〜20年程度 とされています(施工条件・環境・維持管理によって上下)。

ヘーベルハウスが「ロングライフ住宅」を標榜する中で、防水層の長寿命化・定期メンテナンスは重要な課題になります。

ただし、塩ビシート防水はその優れた性能を発揮するために、いくつかの注意点も存在します。

シート状の材料であるため、室外機の架台や配管、トップライト(天窓)など、複雑な形状や障害物が多い場所への施工は難易度が高くなります。

なぜなら、シート同士の継ぎ目を熱や溶剤で溶かして一体化させる処理には、職人の高い技術力と経験が求められるためです。

この施工品質が防水層全体の寿命を大きく左右するため、業者選びが非常に重要になるのです。

塩ビシート防水のメリット

  • 優れた耐久性
    紫外線や温度変化に強く、長期間にわたって安定した性能を保ちます。
  • 安定した品質
    工場生産のためシートの厚みが均一で、高い防水信頼性を誇ります。
  • メンテナンス性
    鳥害や飛来物による穴あきなど、部分的な補修が比較的容易です。
  • デザイン性
    カラーバリエーションがあり、建物の外観に合わせて選ぶことができます。

塩ビシート防水のデメリット

  • 施工技術への依存
    シートの継ぎ目や端部の処理は職人の腕に左右され、施工不良は雨漏りに直結します。
  • 複雑な形状への対応
    凹凸が多い場所では施工の手間が増え、コストが上昇する可能性があります。
  • 初期費用
    ウレタン塗膜防水など他の工法と比較して、初期費用がやや高めになることがあります。
主流の塩ビシート防水の価格
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屋根とベランダの防水費用

防水工事の費用を見積もる際は、同じ防水工事であっても、屋根(陸屋根)とベランダでは工事の規模や内容が異なるため、それぞれ分けて考える必要があります。

一般的に、面積が広い屋根は工事の総額が高くなりますが、ベランダは面積が小さくても、平米あたりの単価で計算すると費用が割高になるケースがあります。

屋根(陸屋根)の防水工事

屋上の防水工事は、単に平らな「平場(ひらば)」にシートを張るだけではありません。

壁際にシートを立ち上げる「立上り(たちあがり)」部分の施工や、排水口である「ドレン」の交換、下地内部の湿気を外部に排出するための「脱気筒(だっきとう)」の設置など、建物を雨漏りから守るための多くの付帯工事が発生します。

これらの専門的な作業の一つ一つが費用に含まれるため、面積の広さと相まって工事総額が大きくなるのです。

特に、排水の要であるドレン周りは雨漏りの原因となりやすい箇所であり、防水層を更新する際には「改修用ドレン」と呼ばれる新しい部品を取り付けて、排水機能を確実にリフレッシュすることが一般的です。

ベランダの防水工事

ベランダは屋上に比べて面積こそ小さいものの、室外機の移動や一時的な撤去、物干し竿受けや手すりの脱着など、防水工事を行うための準備に手間のかかる工程が多くなります。

また、限られたスペースでの作業となるため、作業効率の面から平米あたりの単価で計算すると、広々とした屋根よりも割高になることがあります。

特に、2階と3階に複数のベランダがある場合、それぞれの場所で同様の手間と準備が必要になるため、合計すると予想以上の費用になることも少なくありません。

「小さいベランダだから安いはず」と安易に考えていると、見積もりを見て驚くかもしれませんね。

工事の内訳に「室外機脱着費用」や「手すり脱着費用」といった項目が含まれているかなど、何にどれくらいの費用がかかっているのかをしっかりと確認し、納得した上で契約することが大切です。

屋根とベランダの防水費用
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助成金や保険は利用できるか

高額になりがちな防水工事の費用負担を少しでも軽くするため、公的な補助や加入している保険の活用を検討したいと考えるのは当然のことです。

ここでは、助成金と火災保険の利用可能性について、その実情を詳しく解説します。

助成金・補助金について

結論からお伝えすると、経年劣化による屋根やベランダの防水工事そのものを対象とした助成金や補助金は、多くの自治体で用意されていない場合が多いです。

自治体が設けている住宅リフォームに関する補助金の多くは、主に耐震補強、省エネルギー化(断熱改修や高効率給湯器の設置など)、バリアフリー化といった、より公共性の高い目的を持つ工事を対象としているためです。

ただし、可能性が全くないわけではありません。

例えば、屋上防水と同時に、遮熱効果の高いトップコートを塗布したり、屋上緑化を行ったりする場合、それが「ヒートアイランド対策」や「省エネ改修」の一環と見なされ、一部が補助対象となるケースも考えられます。

お住まいの自治体のホームページで「住宅リフォーム 助成金」などのキーワードで検索し、ご自身の工事が該当する制度がないか、一度確認してみることをお勧めします。

火災保険の適用について

多くの方が「火災」の時しか使えないと思いがちな火災保険ですが、実は風災・雹災・雪災といった自然災害による損害も補償の対象となっている場合がほとんどです。

例えば、強風・雹・落下物など 突発的な外的災害 によって防水層が損傷した場合には、火災保険(または風災補償付きの住宅保険)が適用される可能性があります。

ただし、「自然災害であること」「破損が突発的であること」を保険会社に証明する必要があります。また、多くの場合、経年劣化・劣化の進行/摩耗 は保険適用外となるため注意が必要です。

保険を利用する際は、保険契約内容(風災・雹災の補償範囲・免責金額など)を事前に確認し被災当時の写真記録や工事見積もり等を保存しておくとよいでしょう。

(参考:風水雪災等による損害を補償する損害保険 |日本損害保険協会

注意:経年劣化は保険の対象外です

最も重要な点は、保険が適用されるのはあくまで「自然災害による突発的な損害」に限られるという点です。

長年の雨風や紫外線による経年劣化(シートのひび割れ、色あせ、膨れなど)は、補償の対象外となります。

また、「火災保険を使えば自己負担ゼロで工事ができる」と巧みに勧誘してくる業者には十分注意してください。

被災していないにも関わらず虚偽の理由で保険申請を行うと、保険金詐欺と見なされ、思わぬトラブルに巻き込まれる可能性があります。

助成金や保険は利用できるか
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防水工事での交換と補修の違い

建物の防水層をメンテナンスするには、大きく分けて「交換(全面張り替え)」「補修(カバー工法)」の2つの方法が存在します。

どちらの工法を選択するかは、既存の防水層の劣化状況によって決まり、工事費用や将来的な耐久性に大きく影響します。

それぞれのメリット・デメリットを正しく理解し、ご自宅の状態に最適な方法を選ぶことが、長期的な視点で見て最も賢明な選択となります。

工法概要メリットデメリット
交換(張り替え工法)既存の防水シートを全て撤去し、下地を露出させた上で、新しい防水層を一から作り直す工法です。下地の状態を直接確認し、劣化があれば補修できる雨漏りの根本原因を解決できる建物の防水性能を新築時に近い状態にリセットできる既存シートの撤去費用や産業廃棄物としての処分費がかかる工期が長くなる傾向がある工事費用が最も高額になる
補修(カバー工法)既存の防水シートはそのままに、その上から新しい防水シートを重ねて張る工法です。増し張りとも呼ばれます。撤去費用や処分費がかからないため安価工期が短く、居住者への負担が少ない騒音や廃材の発生を最小限に抑えられる下地の劣化は確認・補修ができない既存の劣化が激しいと施工できない屋根全体の重量がわずかに増す
Information

工法の最終判断は、既存防水層の劣化度合いや下地条件を踏まえ、標準仕様に準拠して行うことが重要です(日本建築学会『JASS 8 防水工事(抜粋)』)。

カバー工法が選択できないケースに注意

費用が安く工期も短いカバー工法は魅力的ですが、以下のような場合は選択することができず、費用が高くなる「交換(張り替え工法)」が必須となります。

既に雨漏りが発生している場合

下地コンクリートなどに水分が含まれている可能性が高いです。その上からシートで蓋をしてしまうと、水分の逃げ場がなくなり、内部結露やさらなる躯体の劣化を招く恐れがあります。

既存防水層の劣化が激しい場合

膨れや剥がれが広範囲にわたって発生していると、新しいシートをしっかりと接着させることができず、早期の不具合に繋がります。

下地の強度が不足している場合

下地自体が腐食していたり、強度が低下していたりする場合、その上に防水層を作っても意味がありません。下地の補修からやり直す必要があります。

どの工法が適しているかは、専門家による正確な診断が必要です。安易に「安いから」という理由でカバー工法を選ぶのではなく、建物の将来を考えた最適な選択をすることが重要です。

防水工事での交換と補修の違い
防水工事での交換と補修の違い

ヘーベルハウスの防水シートを張り替える費用を抑える業者選び

  • 防水シート張り替え時期は何年?
  • 防水シート張り替えはDIY可能か
  • リコール情報と無償補強について
  • 信頼できる業者の見つけ方
  • ヘーベルハウス防水シート張り替え費用まとめ

防水シート張り替え時期は何年?

大切なご自宅であるヘーベルハウスの防水性能を長持ちさせ、結果的に生涯のメンテナンス費用を抑えるためには、適切なタイミングで防水シートの張り替えを行うことが不可欠です。

一般的に、張り替えを検討すべき時期には「年数」「劣化サイン」という2つの重要な目安があります。

1. 年数での目安

ヘーベルハウスの防水メンテナンスを考える上で最も重要なのは、メーカーの長期保証プログラムを理解することです。

新築時に「30年間の防水保証」などが付帯している場合、その保証を維持するためには、メーカーが定めた時期に指定の点検とメンテナンスを受ける必要があります。

例えば、以下のような長期的なサイクルが一般的です。

15年~20年目

メーカーによる点検と、防水シートの保護層であるトップコートの再塗装(有償)が推奨される時期です。

これにより、防水層本体の劣化を防ぎ、保証を継続させます。塩ビシート防水の一般的な物理的耐用年数が15年~20年と言われるのは、この時期のメンテナンスが重要になるためです。

30年目

防水保証の節目となり、防水シート自体の全面的な交換(張り替え)が推奨される時期です。これを「大規模な防水シートの更新」と位置づけています。

つまり、「15年~20年」は最初のメンテナンスを検討する目安、「30年」は保証を維持するための最終的な更新時期と捉えると分かりやすいでしょう。

もちろん、日当たりや雨量といった立地環境によって劣化の進行度は変わるため、15年を過ぎたら専門家による点検を受け、ご自宅の状態を正確に把握しておくことが、計画的なメンテナンスの第一歩となります。

2. 劣化サインでの目安

年数以上に重要なのが、ご自身の目で確認できる劣化のサインです。

以下のような症状が屋上やベランダに見られたら、それは防水層が限界に近づいているサインであり、専門家への相談を検討すべきタイミングです。

シートの膨れ・浮き

シートの下に雨水や湿気が入り込み、太陽熱で気化して水ぶくれのように膨らんでいる状態です。見た目だけの問題ではなく、膨れた部分は物理的に破れやすくなります。

ひび割れ・亀裂(クラック)

長年の紫外線や温度変化の影響でシートの柔軟性が失われ、硬化してひびが入っている状態です。これは防水層の破断を意味し、直接的な雨漏りの原因となります。

シートのめくれ・剥がれ

主にシート同士の継ぎ目や、壁際に立ち上がっている端部の接着が弱まり、剥がれている状態です。一度剥がれ始めると、強風などであっという間に被害が拡大する危険があります。

水たまりができる

以前は問題なく排水されていた場所に、雨の後にいつまでも水たまりが残るようになった場合、シートの浮きや建物の微妙な歪みによって排水勾配が狂っている可能性があります。

常に水に浸っている部分は劣化が著しく早まります。

雑草が生えている

排水口周りなどに土砂が溜まり、そこから雑草が生えている場合、その根が防水層を突き破っている危険性があります。これは、その場所に常に水分が存在している証拠でもあります。

これらの劣化サインを「まだ雨漏りしていないから大丈夫」と放置してしまうと、雨水が建物の構造体(躯体)にまで浸透し、コンクリートの劣化や鉄骨の錆を誘発する可能性があります。

そうなると、単なる防水工事だけでは済まなくなり、内部の修繕費用も加わって、総額が大幅に跳ね上がってしまいます。

早期発見・早期対応が、結果的に最もコストを抑え、建物を守るための最善の方法なのです。

防水シート張り替え時期は何年?
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防水シート張り替えはDIY可能か

昨今はDIYブームで、ご自身で家のメンテナンスを行う方も増えています。

しかし結論から申し上げますと、ヘーベルハウスの防水シート張り替えをDIYで行うことは、一般には推奨されません。

その理由は、一時的な費用の節約というメリットを、はるかに上回る深刻なリスクが伴うためです。

最大の理由は、ヘーベルハウスがALCパネル(軽量気泡コンクリート)や陸屋根といった特殊な構造を持っており、その防水工事には高い専門知識と技術が要求される点にあります。(参考:ヘーベル 複合性能素材 | ヘーベル【旭化成のALC】

特に、標準仕様である塩ビシート防水は、シートの継ぎ目を熱風や専用の溶剤で溶かして完全に一体化させる「溶着」という工程が不可欠です。

この作業は、専門の道具と、ミリ単位の精度が求められる熟練の技術がなければ、完全な防水層を作ることは不可能です。

仮にホームセンターで防水塗料などを購入して上から塗ったとしても、それは一時的な気休めにしかならず、劣化したシートの上から塗装しても根本的な解決にはなりません。

むしろ、中途半端な補修が原因で、本来の劣化状況が分かりにくくなり、専門家による診断を遅らせてしまう可能性すらあります。

DIYがもたらす深刻なリスク

安易なDIYは、以下のような取り返しのつかない事態を招く可能性があります。

  • 雨漏りの悪化
    施工不良箇所から雨水が浸入し、これまで以上に深刻な雨漏りを引き起こす可能性があります。
  • メーカー保証の失効
    自身で手を入れたり、指定外の業者で不適切な工事を行ったりした場合、ヘーベルハウス本体の長期保証が受けられなくなることがあります。
  • 高所作業の危険
    防水工事は屋根の上など高所での作業が必須です。専門的な安全対策なしでの作業は、転落などの重大な人身事故に繋がる危険が常に伴います。

一時的な費用を惜しんだ結果、より高額な再工事費用が必要になったり、大切な家の保証を失ったり、最悪の場合はご自身の安全を損なったりしては本末転倒です。

防水工事は、単なる修繕ではなく、建物の資産価値を守るための専門的な「投資」と捉え、必ず信頼できるプロの業者に依頼しましょう。

防水シート張り替えはDIY可能か
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リコール情報と無償補強について

ヘーベルハウスは、その堅牢な作りと長期的なサポート体制で知られていますが、過去には、特定の時期に建てられた住宅において、無償での補強作業を実施した事例があります。

これは、いわゆるリコールに類するメーカーとしての誠実な対応です。

具体的には、一部の住宅のベランダや屋上の防水シートの排水溝(ドレン)周辺部において、長期的に見て防水性に不具合が発生する可能性があるとして、対象となるオーナーにヘーベルハウスから直接案内が送付され、予防的な補強工事が無償で行われました。

この対応は、新築時のオーナーだけでなく、中古で購入した次のオーナーに対しても同様に適用されるなど、ヘーベルハウスのアフターサービスの質の高さを示す良い事例と言えます。

無償対応は「経年劣化」とは全くの別物です

ただし、ここで非常に重要なのは、こうした無償対応は、あくまで特定の設計や使用された部材に起因する、メーカーが認めた不具合に対するものであるという点です。

前述したような、長年の使用に伴う雨風や紫外線による経年劣化によるメンテナンスが無料になるわけでは決してありません。

「うちも無償でやってもらえるかもしれない」と期待するのではなく、ご自宅の築年数や劣化状況に応じた計画的な有償メンテナンスは、建物の資産価値を維持するために別途必要だと理解しておくことが重要です。

ご自身の家が過去の無償補強の対象だったかなど、不明な点があれば、一度ヘーベルハウスのアフターサービス窓口に問い合わせてみるのも良いでしょう。

リコール情報と無償補強について
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信頼できる業者の見つけ方

ヘーベルハウスの防水シート張り替えという重要なメンテナンスを成功させるためには、業者選びが最も重要なポイントと言っても過言ではありません。

依頼先の選択肢は、大きく「ヘーベルハウス(メーカー系)」と「専門防水業者(独立系)」の2つに分かれます。

それぞれのメリット・デメリットを正しく理解した上で、ご自身の価値観や予算に合った判断をすることが大切です。

依頼先メリットデメリット
ヘーベルハウス建物の構造や仕様を完全に把握している絶対的な安心感純正の防水部材を使用し、新築時と同等の品質を再現可能メーカーとしての長期保証が継続・延長される費用が最も高額になる傾向がある提案される工法が自社の仕様に限定されることがある
専門防水業者中間マージンがなく、費用を大幅に抑えられる可能性があるウレタン防水など、塩ビシート以外の工法も柔軟に提案可能施主と業者が直接やり取りできるため、話がスムーズに進みやすい業者によって技術力やヘーLベルハウスに関する知識に大きな差がある悪質な業者を選んでしまうと、トラブルのリスクがあるメーカーの保証が失効する可能性がある

費用を抑えつつ品質も確保したい場合、「ヘーベルハウスの施工実績が豊富な優良な専門業者」への依頼が有力な選択肢となります。

しかし、その選定は慎重に行う必要があります。以下のチェックリストを参考に、信頼できるパートナーを見つけてください。

失敗しない!専門業者選びのチェックリスト

ヘーベルハウスの施工実績は豊富か?

最も重要なポイントです。ALCパネルや陸屋根の特性、特殊な納まりなどを熟知している業者でなければ、適切な施工はできません。

「ヘーベルハウスの防水工事を〇〇件以上やりました」といった具体的な実績や、実際の施工事例の写真を必ず見せてもらいましょう。

見積書の内容は詳細で明確か?

「工事一式 〇〇円」のような曖昧な表記ではなく、「塩ビシート(メーカー・製品名)〇〇㎡ 単価〇〇円」のように、使用する材料、数量、単価などが誰にでも分かるように細かく記載されているか確認します。

不明な点を質問した際に、専門用語を使わずに丁寧に答えてくれる業者は信頼できます。

建設業許可や関連資格を保有しているか?

建設業許可はもちろんのこと、「防水施工技能士」といった国家資格を持つ職人が在籍しているかどうかも、技術力を測る上での一つの指標になります。

保証やアフターサービスは書面で提示されるか?

施工後の保証内容(保証期間や対象範囲)を、口約束ではなく「保証書」という書面で明確に提示してくれるか確認しましょう。

万が一の際に、業者が倒産しても保証が継続される「リフォーム瑕疵保険」に加入できる業者であれば、さらに安心です。

一番のおすすめの方法は、まずヘーベルハウスから見積もりを取り、それを基準として、次に実績のある専門業者2~3社から相見積もりを取ることです。

そうすることで、ご自宅の工事の適正な価格帯が見えてきます。

費用だけでなく、提案内容の専門性や、担当者の対応の誠実さなどを総合的に比較することで、ご自身が心から納得できる最適なパートナーがきっと見つかります。

また、業者選定では、業界団体の情報も参考になります(一般社団法人 全国防水工事業協会(JRCA))。

信頼できる業者の見つけ方
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ヘーベルハウスの防水シートを張り替える費用まとめ

この記事では、ヘーベルハウスの防水シート張り替え費用について、相場から業者選びの具体的なポイントまで詳しく解説しました。

最後に、後悔しないメンテナンス計画を立てるための重要なポイントをリスト形式でまとめます。

  • 防水シート張り替え費用は依頼先で大きく異なり、専門業者なら費用を大幅に抑えられる可能性がある
  • 全体の費用相場はヘーベルハウス依頼で平米16,000円から、専門業者で平米8,000円からが目安
  • 30坪、40坪、50坪など面積が大きくなると、依頼先による総額の差は100万円以上になることも
  • ヘーベルハウスの屋根やベランダには、耐久性の高い塩ビシート防水が主流となっている
  • 張り替え時期の目安は15年~20年で、膨れやひび割れなどの劣化サインを見逃さないことが重要
  • 防水工事の交換(張り替え)と補修(カバー工法)は、雨漏りの有無や劣化状況によって慎重に判断する
  • 専門知識と技術が必要なため、防水シートの張り替えDIYはリスクが大きく推奨されない
  • 過去にはリコールに類する無償補強もあったが、経年劣化は有償メンテナンスが基本と心得る
  • 助成金の活用は難しいが、台風などの自然災害による損傷なら火災保険が適用される場合がある
  • 業者選びは最も重要で、ヘーベルハウスの施工実績が豊富な業者を必ず選ぶべき
  • 信頼できる業者を見つけるには、ヘーベルハウスを含む複数の業者から相見積もりを取ることが不可欠
  • 見積もりでは総額だけでなく、工事内容の詳細、使用材料、保証内容をしっかり比較検討する
  • 早期の点検と適切な時期のメンテナンスが、建物の寿命を延ばし、結果的に生涯の総費用を抑えることに繋がる


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