こんにちは。ステップペイントの現場担当 土橋 昭です。

ヘーベルハウスにお住まいの方で、築年数が経ちそろそろ外壁塗装の時期かなと考えている方も多いのではないでしょうか。

ハウスメーカーである旭化成リフォームで見積もりを取ってみたら、その価格が予想以上に高くて驚いたという話は、私のお客様からもよく耳にします。

やはり、築10年や30年という節目でメンテナンス費用が実際にどれくらいかかるのか、一般的な相場や内訳をしっかりと把握しておきたいですよね。

また、ヘーベルハウスは塗装が不要という噂や、実際の耐用年数、少しでも費用を安くする方法についても気になるところかなと思います。

この記事では、現場を知る私の視点から、防水シートの張り替えやALC外壁の欠け補修にかかる費用、汚れが目立たない人気色の選び方まで、詳しく解説していきます。

純正以外に依頼すると評判が悪いのか、それとも賢い選択なのか、その理由も含めて一緒に見ていきましょう。

ヘーベルハウスの外壁塗装費用の相場と内訳を徹底解説

ヘーベルハウスは非常に頑丈な作りで知られていますが、そのメンテナンス費用については「高い」というイメージを持たれている方が多いかもしれません。

ここでは、実際の現場感覚に基づいた費用の相場や、なぜその金額になるのかという内訳について、詳しく解説していきます。

築10年と30年でかかる費用の違い

ヘーベルハウスにお住まいのお客様から「メンテナンス費用はいつ、どれくらいかかるの？」と聞かれた際、私はいつも「築10年目はジャブ程度ですが、築30年目にはヘビー級のパンチが来ますよ」と正直にお伝えしています。

実は、同じ「メンテナンス」という言葉でも、築10年〜15年目に行う工事と、築30年目に行う工事では、その内容も規模も全く別物です。

それぞれの時期に何が必要で、なぜ費用にこれほどの差が出るのか、現場の実情を交えて詳しく解説します。

【築10年〜15年】仕様によって判断が分かれる「点検」の時期

新築から初めて迎えるこの時期は、まず「ご自宅の仕様」を確認することが最優先です。

2000年代以前に建てられた「標準仕様」のヘーベルハウスであれば、表面のガード機能（塗装やシーリング）が弱ってくるため、雨水が入らないように再コート（予防保全）が必要な時期となります。

一方、比較的新しい「高耐久仕様（ロングライフコートや高耐久シーリング採用）」の物件であれば、30年程度は塗装が不要とされるケースもあります。

ただし、立地環境によっては汚れや藻の発生、予期せぬひび割れが起きていることもあるため、塗装をする・しないに関わらず、プロによる「健康診断」だけは必ず受けておくべき時期です。

• 主な工事内容
  外壁塗装、シーリング（目地）の打ち替え、ベランダ防水のトップコート塗り替え
• 費用の目安
  約120万円 〜 180万円（30坪〜40坪の場合）

この段階では、屋上の防水シートなどはまだ寿命を迎えていないケースが多く、表面の保護塗装（トップコート）を塗り直すだけで済むことがほとんどです。

そのため、費用は主に「足場代」「外壁塗装費」「シーリング工事費」の3つで構成され、そこまで莫大な金額にはなりません。

【築30年】寿命を迎えた部材を交換する「大規模修繕」の時期

一方で、築30年目のメンテナンスは「手術」に近い大掛かりなものになります。これが、ヘーベルハウスのオーナー様が最も頭を悩ませるタイミングです。

30年という月日は、外壁の塗膜だけでなく、建物を雨から守っている「屋上防水シート」や、雨樋などの「付帯設備」が物理的な寿命を迎える時期です。

これらは塗装でごまかすことができず、新しいものに交換（張り替え）する必要があります。

• 主な工事内容
  外壁塗装、シーリング打ち替え、屋上防水シートの全面張り替え、手すりや笠木の交換、雨樋の交換など
• 費用の目安
  約300万円 〜 400万円以上（メーカー提示額の場合、500万円を超えることも）

特に費用を押し上げるのが「屋上防水工事」です。ヘーベルハウスは陸屋根（平らな屋根）が多いため施工面積が広くなるケースが多いです。

そのため、防水シートを全面的にやり直すと、それだけで100万円〜150万円近くかかってしまうことも珍しくありません。

時期別メンテナンス費用の比較一覧

築10年目と30年目で、具体的にどの項目が追加され、費用が変わるのかを表にまとめました。

工事項目	築10年〜15年目（目安）	築30年目（目安）
外壁塗装	必要	必要（下地補修が増える可能性あり）
シーリング	全面打ち替え推奨	全面打ち替え必須
屋上防水	トップコートのみ （数万円〜20万円程度）	シート全面張り替え （100万円〜150万円前後）
付帯部 （雨樋など）	塗装のみ	交換が必要になるケース増 （数十万円〜）
総額目安	120万 〜 180万円	300万 〜 400万円超

旭化成純正と専門業者の価格比較と内訳

外壁塗装の見積もりを取る際、最も頭を悩ませるのが「旭化成リフォーム（純正）」に頼むか、私たちのような「塗装専門業者」に頼むか、という選択ではないでしょうか。

正直に申し上げると、両者の提示金額には明確な開きがあります。場合によっては100万円近い差額が出ることも珍しくありません。

なぜ同じ家の塗装工事なのに、これほど金額が変わるのでしょうか？そのカラクリと、それぞれの費用内訳について、業界の裏側も交えて包み隠さず解説します。

費用の相場と比較表

一般的な30坪程度の2階建てヘーベルハウスを例に、費用の相場と特徴を比較してみましょう。

依頼先	費用相場（目安）	費用の内訳と特徴
旭化成リフォーム （純正）	おおよそ200万 〜 300万円前後	中間コスト：元請けとしての管理費や紹介料など、施工店への発注に伴う各種コスト ブランド維持費：広告宣伝費、モデルハウス維持費、研究開発費など 長期サポート費：最長60年の無料点検システムや長期保証など、アフターサービス体制を維持するためのコスト 専用部材：純正塗料や専用部品の使用料
塗装専門業者 （自社施工）	おおよそ100万 〜 160万円前後	純粋な工事費：足場代、材料費、職人の人件費が中心 マージンカット：自社職人や直接契約が中心のため、中間コストを抑えやすい 汎用塗料：日本ペイントや関西ペイントなど、国内トップメーカー品を使用（条件次第では同等以上のグレードも選択可）

「純正価格」が高い理由：安心料とブランド維持費

旭化成リフォームの見積もりが高額になる最大の理由は、構造上の「重層下請け構造」と、手厚い「サポート体制」にあります。

お客様が旭化成リフォームに発注しても、実際に工事を行うのは地域の塗装店（下請け）です。場合によっては、そこからさらに別の職人（孫請け）に仕事が流れることもあります。

この過程で、元請けであるメーカーの管理費や、将来の長期保証対応に備えるコストが見積もりに含まれていきます。さらに、「ヘーベルハウス」というブランド価値を維持するための研究開発費なども反映されています。

つまり、純正工事の費用には、「工事そのものの代金」にプラスして「安心とブランド、そして将来のサポートを買うための費用」が乗っているとお考えください。

「専門業者」が安い理由：中抜きなしの適正価格

一方で、私たちのような塗装専門業者が安い理由はシンプルです。「中間コストをカットできるから」です。

自社の職人や専属の職人が直接工事を行うため、お客様が支払う費用はダイレクトに「材料費」と「職人の技術料」に使われます。

「安いと品質が悪いのでは？」と心配される方もいますが、そうではありません。むしろ、中間コストがかからない分、同じ予算でもよりグレードの高い塗料（フッ素や無機など）を使えるケースも多いのです。

実際に私たち専門業者が提案する場合、ヘーベルハウス純正の高耐久塗料と同等、あるいはそれ以上の耐候性を持つ「オート化学工業」の高耐久シーリングや、「日本ペイント・関西ペイント」等のハイクラス無機塗料を選定します。

「純正ブランド」という名前こそ付きませんが、建物に求められる「防水・保護機能」のスペックにおいては、決して引けを取らない品質での施工が可能です。

結局、どちらを選ぶべき？

どちらが正解ということはありません。お客様が「何を最優先するか」によって選ぶべき相手は変わります。

判断の基準

旭化成リフォーム（純正）がおすすめの方

「とにかく安心をお金で買いたい」「メーカー保証（ロングライフプログラム）を絶対に継続させたい」「費用が高くても、全てメーカーに丸投げしたい」という方。

塗装専門業者がおすすめの方

「品質は落とさずに費用を100万円近く節約したい」「塗料の色や種類を自由に選びたい」「地元の職人と直接相談しながら工事を進めたい」という方。

ALC外壁の耐用年数と塗装が不要な説

なぜ「塗装不要」という誤解が生まれるのか？

「ヘーベルハウスは30年、60年メンテナンスフリーだから塗装は要らない」という話を、お客様から相談されることがよくあります。

この誤解が生まれる大きな原因は、ヘーベルハウスの頑丈な構造躯体（鉄骨や基礎）の耐用年数と、雨水を防ぐための「防水機能」の寿命をごっちゃにしてしまっている点にあります。

確かに、ヘーベルハウスが採用している「ロングライフプログラム」では、躯体そのものは60年以上の耐久性を目指して作られています。

しかし、メーカーのカタログや保証書をよく読み込んでみると、「外壁塗装」や「シーリング」といった防水に関する部分は、定期的なメンテナンス（有償補修）を行うことが前提となっているのです。

（参考：よくあるご質問｜へーベルパワーボード｜旭化成建材）

ALCパネルの正体は「超高性能なスポンジ」

外壁材であるALC（軽量気泡コンクリート）は、内部に無数の細かい気泡を含んでいます。この気泡が空気の層となり、夏は涼しく冬は暖かいという素晴らしい断熱性を発揮します。

しかし、この気泡構造には致命的な弱点があります。それは、「素材そのものには防水性が全くなく、水を強烈に吸い込む」という性質です。

例えるなら、ALCは「硬くて丈夫なスポンジ」のようなものです。スポンジを裸のまま雨の中に置いておけば、ぐしょぐしょに濡れてしまいますよね？

それを防いでいるのが、表面の「塗装（塗膜）」です。つまり、ヘーベルハウスの外壁において、塗装は単なる色付けや美観のためではなく、家を水から守る唯一のバリア（防水層）として機能しています。

（参考：ALCパネルの仕上げおよび防水｜一般社団法人ALC協会）

塗装が切れた時に起こる「爆裂」の恐怖

では、塗装が劣化してバリア機能が失われるとどうなるのでしょうか？ 水を吸い込んだALCパネルは、以下のような深刻な劣化プロセスをたどります。

1. 吸水
   雨水が気泡内部に浸透し、湿気が溜まる。
2. 鉄筋の腐食
   ALC内部に埋め込まれている補強用の鉄筋（ラス網）に水が届き、錆び始める。
3. 体積膨張
   鉄は錆びると体積が膨張するため、内側からコンクリートを押し広げようとする力が働く。
4. 爆裂（ばくれつ）
   耐えきれなくなったALC表面が、ボコッと弾け飛ぶように剥がれ落ちる。

ALC外壁そのものの特徴や、他の外壁材との耐用年数の比較については、『ALC外壁の後悔はメンテ次第！現場担当が解説』でも詳しく解説しています。

こうなってしまうと、単なる塗装工事では直せません。パネルの交換や大掛かりな左官補修が必要となり、費用も跳ね上がります。

ALCパネルを扱う業界団体も、塗装やシーリングなどの定期的なメンテナンスが必要であると公式に案内しており、防水性能を保つことの重要性が強調されています。

（出典：ALC協会『よくあるご質問 – ALCパネルのメンテナンスは行う必要がありますか？』）

塗料が長持ちしても「目地」が先に限界を迎える

仮に、メーカー純正の「30年高耐久塗料」を塗っていたとしても、メンテナンスを避けて通れない理由がもう一つあります。それは「目地（シーリング）」の寿命です。

ヘーベルハウスはパネルを貼り合わせる構造上、目地の総延長が非常に長くなります。

塗料が30年持ったとしても、ゴム状のシーリング材は環境にもよりますが10年〜20年程度で硬化し、ひび割れを起こします。塗膜が無事でも、目地が切れていればそこから雨水は侵入します。

坪単価の目安と見積もりのチェック点

ヘーベルハウス特有の坪単価事情

見積もりが適正かどうかを判断するために、坪単価を知っておくことは大切です。ヘーベルハウスの場合、一般的なサイディング住宅よりも坪単価は少し高くなる傾向があります。

その理由は、ALC外壁特有の「目地（シーリング）」の多さにあります。

見積書でチェックすべき項目

サイディング住宅に比べて継ぎ目が多く、このシーリング工事に手間と材料費がかかるため、以下の単価目安を参考にしてください。

• 外壁塗装の坪単価目安
  約2.5万円〜3.5万円（塗料グレードによる）
• シーリング工事（打ち替え）
  メーターあたり約900円〜1,200円
• シーリング工事（増し打ち）
  メーターあたり約600円〜900円

見積もりをチェックする際は、単に「外壁塗装一式」となっていないか確認してください。「塗装面積（㎡）」と「シーリングの長さ（ｍ）」がしっかり記載されているかが重要です。

特にヘーベルハウスはシーリングのメーター数が数百メートルにも及ぶため、ここが曖昧だと後でトラブルの元になりかねません。

防水シート張り替えや欠け補修の費用

防水シート張り替えの相場とタイミング

ヘーベルハウスの多くは陸屋根（平らな屋根）で、防水シートが敷かれています。

一般的な塩ビシート防水などの寿命は15年〜20年程度と言われており、従来の仕様であれば塗装のタイミングで張り替えや補修が必要になることがあります。

ただし、旭化成純正の「ロングライフプログラム」適用の高耐久防水システムが採用されている場合は、30年目まで大規模な張り替えが不要なケースもあります。

そのため、まずは新築時の保証書や仕様書を確認し、今回が「トップコート（表面保護）のみで良いのか」、それとも「シート自体の張り替え時期なのか」を慎重に見極める必要があります。

張り替えが必要な場合、費用はおおよそ80万円〜120万円程度（工法や面積による）が目安となります。

防水シートの張り替え費用は、工法（塩ビシート防水やウレタン防水など）や面積にもよりますが、おおよそ80万円〜120万円程度かかることが多いです。

これが外壁塗装と重なると総額が高くなる大きな要因です。まだ劣化が軽微であれば、トップコートの塗り替えだけで済む場合もあり、その場合は数万円〜十数万円で済みます。

ヘーベルハウス特有の防水シート張り替え費用や、30坪・40坪といった面積別のシミュレーション、依頼先ごとの㎡単価まで詳しく知りたい方は、『ヘーベルハウスの防水シート張り替え費用は？相場と業者選びを解説』もあわせてご覧いただくと、より具体的なイメージが掴みやすくなります。

ALCの欠け・爆裂補修費用

また、ALC外壁の一部が欠けてしまっている場合（爆裂やクラック）、その補修費用も必要です。小さな欠けであれば1箇所数千円〜数万円程度で、専用の補修材で埋めてから塗装します。

欠けを放置するとそこから水が入るため、見積もり段階でしっかり拾い出してもらうようにしましょう。

旭化成リフォームの評判と価格が高い理由

純正工事の品質と安心感

「旭化成リフォームは高いけど、やっぱり安心」という評判は根強いですね。

実際に私が現場を見ていても、純正のリフォーム工事は養生がしっかりしていたり、近隣への配慮が行き届いていたりと、品質管理の基準が高いことは間違いありません。

価格の高さは「専用部材」と「保証」の対価

価格が高い理由は、先ほどお話しした管理コストに加え、「ヘーベルハウスを知り尽くした専用部材と工法」を採用している点にあります。

例えば、純正の塗料やシーリング材は、ALCとの相性を研究し尽くされたものが使われていますし、何より「メーカー保証が継続する」という安心感は、他には代えがたい価値と言えるでしょう。

逆に、「評判が悪い」という声が聞かれる場合、その多くは「営業担当者の対応」や「予想以上の見積もり金額への不満」に起因していることが多いように感じます。

施工品質そのものが悪いというケースは、大手なだけあって少ない印象です。

外壁の汚れが目立たない人気色の選び方

ヘーベルハウスに合う人気カラー

塗装をするなら、せっかくだから色を変えてリフレッシュしたいという方も多いですよね。ヘーベルハウスのデザインは重厚感があるため、あまり奇抜な色よりも落ち着いた色が人気です。

汚れが目立たない色として、現場で圧倒的に選ばれているのは以下のカラーです。

• グレー系
  砂埃や排気ガスの汚れと同系色のため、最も汚れが目立ちにくい万能カラーです。ヘーベルハウスの都会的なイメージにもぴったりです。
• ベージュ・アイボリー系
  明るい印象を与えつつ、少し黄みが入っているため土埃などが目立ちにくいです。温かみのある雰囲気がお好きな方におすすめです。

注意すべき色と多彩模様

逆に、真っ白や真っ黒は汚れが非常に目立ちやすいため、選ぶ際は注意が必要です。

最近は、純正の「グランロック」のような、石材調の多彩模様を再現できる塗料も専門業者で扱えるようになっていますので、高級感を維持したい方は相談してみると良いでしょう。

実際の仕上がりで「サンプルと色が違う…」と後悔しないためのチェックポイントや、ツートン配色で失敗しないコツについては、『外壁塗装でサンプルと色が違う？原因と後悔しない対策を現場から解説』で、より具体的な事例と対策を紹介しています。

外壁塗装は何年もつか？劣化のサイン

塗料グレード別の耐用年数

一度塗装をした後、次の塗り替えまで何年もつのかは、使用する塗料のグレードによって大きく変わります。環境によって差は出ますが、一般的な目安は以下の通りです。

塗料の種類	耐用年数の目安	特徴
シリコン塗料	おおよそ10年 〜 15年	コストパフォーマンスが良い標準的な塗料。予算を抑えたい場合に選ばれることが多いです。
フッ素塗料	おおよそ12年 〜 20年	耐久性が高く、ビル外壁などでも使われます。長期的なコストパフォーマンスに優れています。
無機塗料	おおよそ18年 〜 25年	最高ランクの耐久性を持つとされる塗料。紫外線に非常に強く、メンテナンスサイクルを長くできるのが特長です。

絶対に見逃してはいけない劣化サイン

塗り替え時期のサインとしては、壁を触ると白い粉がつく「チョーキング現象」や、シーリング材の「ひび割れ・破断」が代表的です。

特にヘーベルハウスの場合、シーリングの劣化は雨漏り直結のリスクが高いため、塗膜がきれいでもシーリングが割れていたらメンテナンスの合図だと思ってください。

ALC外壁の具体的なメンテナンスリスクについては、『ALC外壁の後悔はメンテ次第！現場担当が解説』の記事でも詳しく紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

ヘーベルハウスの外壁塗装費用を安くする方法と業者選び

純正の見積もりが高額で悩んでいる方のために、品質を落とさずに費用を抑える具体的な方法と、失敗しない業者選びのポイントについて、プロの視点からアドバイスします。

専門業者への依頼で安くする方法

直接施工のメリット

費用を安くする最も確実な方法は、ハウスメーカーを通さずに、地元の塗装専門業者やリフォーム店に直接依頼することです。これだけで、中間コスト分である30%〜40%程度のコストダウンが見込めます。

技術力の不安を解消するには

「でも、専門業者だと技術的に大丈夫？」と不安になる方もいるかもしれませんが、実はハウスメーカーの工事を行っているのも、地元の塗装職人さんたちです。

ALCの施工実績が豊富な業者を選べば、技術的な面での心配はほとんどありません。

私たちのような専門店では、お客様の予算に合わせて塗料のグレードを調整したり、本当に必要な工事だけに絞ったりと、柔軟な提案ができるのも強みです。

外壁塗装に使える助成金と申請の条件

助成金活用のポイント

お住まいの地域によっては、外壁塗装工事に対して自治体から助成金や補助金が出ることがあります。もし条件に合致すれば、これを使わない手はありません。

ただし近年は、「単なる塗り替え」では対象とならず、「遮熱塗料による省エネ改修」や「子育て世帯のリフォーム」など、特定の条件を満たす場合のみ支給対象となるケースが増えています。

支給額の目安

金額は自治体によりますが、工事費の10%程度を補助（上限10万円〜20万円前後）といった制度が一例として挙げられます。制度によっては別の上限額や定額支給になっている場合もあるため、最新の募集要項を必ず確認しましょう。

助成金の有無や最新情報は、国土交通省のリフォーム支援ページや、住宅リフォーム推進協議会の支援制度検索サイトで確認しておくと安心です。（参考：リフォーム支援制度まるわかりガイド｜関連リンク｜国土交通省）

相見積もりで値引きを引き出すコツ

適正価格を知るための相見積もり

適正価格で工事をするためには、必ず2〜3社から相見積もりを取りましょう。1社だけだと、その金額が高いのか安いのか判断できません。比較することで、不要な工事が含まれていないか、単価が適正かが見えてきます。

上手な交渉術

値引きを引き出すコツは、「御社で契約したい気持ちがあるけれど、予算が少し合わなくて…」と正直に相談することです。無理な値引き強要は、手抜き工事につながるリスクがあるためおすすめしません。

また、閑散期（梅雨時期や冬場など）を狙って、「工期はお任せします」と伝えると、業者側も予定を組みやすくなるため、値引きに応じてもらいやすくなることがあります。

ヘーベルハウスも外壁塗装が必要ですか？放置するリスク

ALC外壁を放置する危険性

「費用も高いし、まだやらなくてもいいかな」と先延ばしにしたくなる気持ち、とてもよく分かります。

しかし、現場を見ている私からすると、ヘーベルハウス（ALC住宅）こそ、塗装を放置するリスクは高いと言わざるを得ません。

節約のつもりが大出費に

先ほどもお伝えしましたが、ALCは水を吸うと脆くなります。特に冬場、吸水した水分が凍結して膨張し、外壁を内側から破壊する「凍害」が起きると、塗装だけでは直せなくなり、外壁の張り替えという大工事になってしまいます。

数十万円を節約した結果、数百万円の修繕費がかかってしまったというケースも見てきました。塗装は家の「防水機能」を維持するための、必要経費だと割り切っていただくのが、長い目で見た時に一番お得かなと思います。

30年目の高額なメンテナンス費用対策

優先順位の付け方

30年目のメンテナンス費用は高額になりがちですが、これを乗り切る対策としては、「優先順位をつけること」が大切です。

例えば、雨漏りに直結する「屋上防水」と「シーリング工事」は最優先で行い、外壁塗装のグレードを少し下げてシリコン塗料にする、といった調整です。

あるいは、足場を組むついでに行う予定だった装飾的な工事は次回に回すという判断も必要かもしれません。

資金計画の工夫

また、築15年目くらいからコツコツと修繕積立をしておくのが理想ですが、急に直面した場合は、リフォームローンを活用するのも一つの手です。

低金利で借りられるものもありますので、資金計画を含めて業者に相談してみてください。

評判が悪い業者の特徴と回避する理由

ALC知識のない業者はNG

残念ながら、中には知識不足や悪質な業者も存在します。特に注意してほしいのが、「ALCの知識がない業者」です。

例えば、ALCの目地は「2面接着」という特殊な構造になっているのですが、これを知らずにサイディングと同じ感覚で3面接着などの不適切な処理をしてしまうと、すぐにシーリングが切れてしまいます。

避けるべき業者のサイン

また、「足場代を無料にします」といって契約を急かす業者や、訪問販売でいきなりやってくる業者も、基本的には避けた方が無難です。

評判が悪い業者を回避するためには、ホームページで「施工事例」を確認し、ヘーベルハウスやALC住宅の実績が豊富にあるかどうかをチェックするのが一番確実です。

ヘーベルハウスの外壁塗装費用まとめ

ここまで、ヘーベルハウスの外壁塗装にかかる費用や、築年数ごとのメンテナンスの注意点について、現場の視点から詳しく解説してきました。最後に、今回お伝えした内容の中で、特に重要なポイントを改めて整理しておきましょう。

ヘーベルハウスは「ロングライフ住宅」と呼ばれる通り、骨格が非常に頑丈で資産価値の高い建物です。

だからこそ、その寿命を全うさせるためには、外側のガード（塗装・防水）を定期的にメンテナンスしてあげることが何よりも大切です。

メンテナンス費用は決して安い買い物ではありません。

「もう少し先でもいいかな」と迷う気持ちもあるかと思いますが、雨漏りや外壁の爆裂といった深刻なダメージを受けてからでは、修理費用はさらに膨れ上がってしまいます。

早めの点検と計画的なメンテナンスこそが、結果的にトータルコストを抑える一番の近道です。

もし、「メーカーの見積もりが高すぎて手が出ない」「我が家のALCの状態をプロに見てほしい」といったお悩みがあれば、ぜひお近くの信頼できる塗装専門業者に相談してみてください。

セカンドオピニオンとして相見積もりを取るだけでも、選択肢は大きく広がるはずです。

もちろん、私たちステップペイントでも、ヘーベルハウスの施工経験豊富なスタッフがいつでもご相談をお待ちしています。

お客様の大切なお住まいを守るために、誠心誠意サポートさせていただきますので、お気軽にお声がけくださいね。