外壁塗装で横浜の住まいを20年先まで安心に!

0120-441-550

外壁のメンテナンスコラム

  1. 外壁のメンテナンスコラム
  2. 屋根塗装がパリパリ剥がれる!原因と正しい対処法をプロが徹底解説

屋根塗装がパリパリ剥がれる!原因と正しい対処法をプロが徹底解説

屋根塗装の「パリパリ剥がれ」完全ガイド:原因・リスク・正しい対処法

こんにちは。ステップペイントの現場担当 土橋 昭です。

私たちプロが外壁塗装や屋根塗装の現場に立っていると、お客様から「うちの屋根、塗装がパリパリ剥がれてきちゃったんだけど、これって大丈夫?」という切実なご相談をいただくことがよくあります。

塗装してからまだ5年や7年しか経っていないのに、まるで日焼けした肌がめくれるように塗膜が剥がれてくると、「もしかして手抜き工事だったのでは…」「このまま放置したら雨漏りしないか…」と、不安な気持ちになりますよね。

また、DIYでの簡単な補修は可能なのか、もし専門業者に頼むとしたら修理には一体どのくらいの費用がかかるのか、気になることも山積みかと思います。

特に、日本の住宅で最も多いスレート屋根(コロニアル)や、近年人気のガルバリウム鋼板などの金属屋根では、剥がれの原因や適切な対処法も異なってきます。

この記事では、そんな屋根塗装の「パリパリ剥がれ」に関する皆様のあらゆる疑問や不安を解消できるよう、長年現場を見てきたプロの視点から、その根本原因から本当に正しい対処法まで、どこよりも詳しく、そして分かりやすく解説していきますね。

記事のポイント

  • 屋根塗装がパリパリと剥がれてしまう根本的な原因
  • 経年劣化と施工不良を剥がれ方で見分けるためのサイン
  • ご自宅の屋根に合った正しい対処法と自分で補修する危険性
  • 剥がれを放置した場合の深刻なリスクと修理にかかるリアルな費用目安

屋根の塗装がパリパリ剥がれる原因と時期

築5〜7年の剥がれは施工不良、10年以上は経年劣化の可能性が高いことを示す年数別診断チャート
画像はAI生成によるイメージであり実際のものとは異なります。

大切なお住まいを守るはずの屋根塗装が、なぜパリパリと無残な姿で剥がれてしまうのでしょうか。その背景には、必ず何らかの理由が隠されています。特に重要なのが「塗装してからどれくらいの期間が経っているか」という点です。

期間によって考えられる原因は大きく異なり、それが経年による寿命なのか、それとも人為的な問題なのかを判断する大きなヒントになります。ここでは、剥がれが起こる主な原因と、特に注意していただきたい危険なサインについて、時期や状況ごとに深く掘り下げて見ていきましょう。

塗装後5年や7年で剥がれる主な原因

まず大前提として、塗料にはグレードに応じた耐久年数の目安があります。

例えば、塗料グレード別の耐久年数は、一般的な目安としてアクリル系で5~8年程度、ウレタン系で7~10年程度、シリコン系で10~15年程度、フッ素系で15~20年程度といった整理が紹介されています。

ただし、屋根は日射や熱の影響を強く受けやすく、下地の状態や施工条件によって実際の耐久年数は上下します。

(参考:外壁及び屋根防水の補修・改修部分の耐久性評価手法|国土技術政策総合研究所(NILIM)

そのため、塗装後まもない期間(5~7年程度)でパリパリとした剥がれが目立つ場合は、経年劣化だけでなく、下地処理・乾燥時間・塗料選定など施工条件に起因する要因も含めて点検し、原因を切り分けることが大切です。

私がこれまで現場で見てきた早期剥離のケースでは、その原因のほとんどが、塗装の基本とも言える「下準備」の工程に集約されていました。具体的には、以下の4つの原因が非常に多いですね。

早期剥離を引き起こす4大原因

塗装工事の80%は準備で決まる。高圧洗浄不足、ケレン不足、希釈率ミス、乾燥時間無視が剥がれの主な原因であることを示す図解
画像はAI生成によるイメージであり実際のものとは異なります。
高圧洗浄の不足・手抜き

塗装前の高圧洗浄は、単に屋根を綺麗にするためだけのものではありません。

長年蓄積されたホコリや排気ガスの汚れ、しつこいコケやカビ、そして古い塗膜が粉状になったチョーキングの粉などを徹底的に洗い流し、新しい塗料が屋根材にしっかりと食いつくための「真っさらな状態」を作る重要な工程です。

この洗浄が不十分だと、汚れや古い塗膜の層の上から塗装することになり、新しい塗料は屋根材ではなく「汚れ」に付着しているだけ。結果、数年で汚れと一緒に塗膜ごとパリパリと剥がれてしまうのです。

下地処理(ケレン作業)の不足

特にトタンやガルバリウム鋼板といった金属屋根で絶対に欠かせないのが、サビや浮き上がった古い塗膜をワイヤーブラシやディスクサンダーといった工具で物理的に削り落とす「ケレン」という作業です。

この作業が甘く、少しでもサビが残ったまま塗装してしまうと、塗膜の下でサビがどんどん進行し、内側から塗膜を押し上げるようにして剥がしてしまいます。ケレンは地味で時間のかかる作業ですが、塗装の寿命を決定づける心臓部とも言える工程です。

塗料の選定ミスや不適切な使用方法

屋根材と塗料には「相性」があります。例えば、非常に傷んだスレート屋根に、下地を固める効果のない下塗り材を使っても意味がありません。

また、塗料はメーカーが性能を最大限に発揮できるよう、主剤と硬化剤の比率や、希釈剤(シンナーなど)で薄める割合(希釈率)を厳密に定めています。

コストを削減するために規定以上に薄めすぎると、塗料本来の密着力や耐久性が著しく損なわれ、剥がれの原因に直結します。

乾燥時間の不足(インターバル無視)

屋根塗装は基本的に「下塗り・中塗り・上塗り」と3回に分けて塗料を塗り重ねていきますが、各塗料が完全に乾燥してから次の工程に進むことが鉄則です。この乾燥時間を「インターバル」と呼びます。

天候や気温にもよりますが、メーカーが指定した乾燥時間を守らず、生乾きの状態で次の塗料を塗り重ねてしまうと、塗膜の内部で水分や溶剤が蒸発する際に「膨れ」や「縮み(ちぢみ)」が発生し、層と層の間の密着(層間密着)が極端に悪化します。これが後々の大規模な剥離に繋がるのです。

悲しいことに、これらの重要な工程は、最終的に上塗り塗料で覆われてしまうため、工事が終わってしまえばお客様の目からは見えなくなってしまいます。

だからこそ、見積書の工程説明が丁寧で、施工中の写真報告などをしっかり行ってくれる、誠実な業者を選ぶことが、10年後も美しい屋根を保つための最大の秘訣かなと思います。

手抜き工事や施工不良を見抜くための具体的なチェックポイントについては、以下の『外壁塗装が下手な業者の特徴とは?プロが教える見分け方と回避術』の記事もぜひ参考にしてください。

施工不良が疑われる剥がれ方のサイン

シート状のめくれは密着不良、水ぶくれは乾燥不足による水分の閉じ込めが原因であることを解説した写真付き診断図
画像はAI生成によるイメージであり実際のものとは異なります。

「うちの屋根の剥がれ、もしかして施工不良なのかな…?」とご不安に思われたら、ぜひ屋根の剥がれ方をじっくりと観察してみてください。実は、経年劣化による剥がれと、施工不良による剥がれとでは、その「症状」に特徴的な違いが現れることが多いんです。

特に注意したいサインの一つが、塗膜が1枚のシートのように広範囲で「ベロン」「デロン」とめくれ上がっている状態です。このような剥がれ方は、下塗りの密着不良(下地の汚れ残り・下塗り不足・不適切な下塗り材の選定など)や、旧塗膜との相性問題が関与している可能性が高く、原因の切り分けが必要になります。

見た目の剥がれ方だけで断定はせず、下地側に粉化層やサビ、旧塗膜の浮きがないかも含めて総合的に診断することが重要です。

また、塗膜の表面がプクッと風船のように、大小さまざまな水ぶくれ状になっている「塗膜の膨れ」も非常に危険なサインです。

これは塗膜と下地の間に水分や空気が入り込んでしまっている状態で、高圧洗浄後の乾燥不足や、下塗り・上塗り時の乾燥時間不足(インターバル無視)が主な原因として考えられます。最初は小さな膨れでも、太陽熱で内部の空気が膨張し、やがて破裂して、そこからパリパリとした剥がれが広がっていくケースが非常に多いです。

重要な下塗り工程と剥がれへの影響

屋根塗装の工程は、よく「お化粧」に例えられます。上塗り塗料がファンデーションだとすれば、中塗り塗料はコンシーラー、そして最も剥がれに直結するのが、化粧下地にあたる「下塗り」工程です。

下塗り塗料(専門用語でプライマーやシーラーと呼びます)には、大きく分けて3つの重要な役割があります。

下塗り塗料の3つの役割

下塗り・中塗り・上塗りの層構造図解。下塗りが接着剤や吸い込み防止の役割を果たす最重要プロセスであることを説明
画像はAI生成によるイメージであり実際のものとは異なります。
  1. 密着性の向上(接着剤の役割)
    屋根材(下地)と、その上に塗る中塗り・上塗り塗料とを、強力な接着剤のように繋ぎ合わせる役割です。これがなければ、どんなに高価な上塗り塗料を使っても、すぐに剥がれてしまいます。
  2. 下地の吸い込み防止
    長年の紫外線や雨風で劣化したスレート屋根などは、塗料をスポンジのように吸い込んでしまいます。下塗り材を先に塗って吸い込みを止めることで、上塗り塗料がムラなく均一な厚みで仕上がり、本来の性能を発揮できます。
  3. 特殊機能の付与
    金属屋根にはサビの発生を抑える「防錆プライマー」を、劣化が激しい屋根には表面を固めて補強する「浸透性シーラー」を選ぶなど、下地の状態に合わせた機能を持たせる役割もあります。

このように、下塗り工程は塗装の耐久性を根底から支える、まさに縁の下の力持ちです。この下塗り工程を省略したり、コストの安い不適切な下塗り材を選んだりすることは、家の土台を作らずに柱を立てるようなもの。いくら立派な上塗り塗料という柱を立てても、長持ちするはずがないんですね。

2回目の塗装で起こりがちな失敗例

初めての塗装ではなく、2回目、3回目となる塗り替え工事で特に注意が必要なのが、以前に塗装された古い塗膜との相性問題です。これはプロでも慎重な判断が求められる難しいポイントですね。

前に塗られた塗料の種類によっては、その上から新しい塗料を重ねた際に「リフティング」と呼ばれる深刻な不具合を起こすことがあります。これは、新しい塗料に含まれる溶剤(シンナーなど)が古い塗膜を攻撃し、まるで火であぶったフィルムのように縮んだり、溶けたりしてしまう現象です。

一度リフティングが起きると、その部分は全て剥がして一からやり直すしかなく、大変な手間と追加費用がかかってしまいます。これを防ぐためには、まず前回の塗装工事の記録(契約書や仕様書)を確認し、どのメーカーの何という塗料(特に下塗り材)が使われたかを正確に把握することが理想です。

もし情報が全く残っていない場合は、目立たない場所で実際に塗料を塗ってみて反応を確かめる「密着性テスト(パッチテスト)」を行ってから本格的な塗装に入るなど、専門的な知識と慎重な手順が求められます。こうした知識や経験のないまま安易に施工してしまうと、数年でパリパリと剥がれてくるという典型的な失敗に繋がりがちです。

屋根の内側からの膨れは何が原因?

室内の湿気や結露が野地板を通して塗膜を裏側から押し上げる「内部犯行説」のメカニズム図解
画像はAI生成によるイメージであり実際のものとは異なります。

これまで解説してきた塗膜の膨れや剥がれは、主に塗装工事そのものに起因するものでした。しかし、中には塗装業者には非がなく、建物側の問題が原因で発生するケースも存在します。特に、屋根の内側、つまり屋根裏にある野地板や断熱材からの湿気が原因で塗膜が膨れてしまうことがあるんです。

これは、屋根材のひび割れや板金の隙間からの軽微な雨漏り、あるいは室内で発生した湿気が屋根裏で結露することによって、屋根材の下地(野地板)に水分が溜まってしまうことが引き金となります。その溜まった水分が、日中の太陽の熱で温められて水蒸気となり、逃げ場を失って塗膜を内側から風船のように押し上げてしまう現象です。

この場合、原因は塗装ではなく「水分」そのものなので、いくら表面の塗装をやり直しても、根本的な雨漏りや結露の原因を特定し、解決しない限り、また必ず同じ症状を繰り返してしまいます。塗装の知識だけでなく、建物の構造や雨仕舞いにも精通した、総合的な診断ができる業者に点検を依頼することが非常に重要ですね。

雨の日に悪化するなら要注意

雨が降るたびに水が侵入し、晴れると蒸発・膨張して塗膜を破壊する「負のスパイラル」のプロセス図
画像はAI生成によるイメージであり実際のものとは異なります。

「晴れている日はそれほど気にならないけど、雨が降った後や、雨が続くと剥がれがひどくなる気がする…」もし、お客様が日々の生活の中でこのように感じていらっしゃったら、それはお住まいからの「緊急のレスキューサイン」であり、かなり危険な状態が進行している可能性が高いと言わざるを得ません。

なぜ雨の日に悪化するのか、そのメカニズムは非常に深刻です。塗装が剥がれたりひび割れたりした箇所から侵入した雨水は、重力や毛細管現象によって塗膜と屋根材のわずかな隙間に深く浸透し、そこに長時間滞留します。

厄介なのは、この水分が閉じ込められた状態で、日中の気温上昇や次に来る晴天によって温められ、水蒸気となって体積を膨張させる点です。

屋根材は「雨による吸水(膨張)」と「晴天による乾燥(収縮)」という動きを繰り返しますが、すでに密着力を失いかけている塗膜はその動きに追従できません。

この「濡れる・乾く」の繰り返しが、まるでアコーディオンのように接着面(下塗り層)を揺さぶり、破壊し続けることで、正常だった周囲の塗膜まで道連れにして剥がれを拡大させてしまうのです。つまり、雨が降るたびに、屋根のダメージは確実に、そして加速的に深くなっているのです。

さらに恐ろしいのは、これが単なる塗装の問題に留まらないことです。防御壁である塗膜を失った屋根材は、直接水を吸い込んでスポンジのように脆くなり、最終的にはボロボロに崩れてしまいます。

そして、その下にある防水シートや野地板(屋根の土台となる木材)までもが湿気を帯び続ければ、腐朽菌が繁殖し、深刻な雨漏りや構造体の腐食へと直結します。

「まだ雨漏りしていないから大丈夫」という油断は禁物です。屋根材の交換や野地板の張り替えが必要となる段階まで放置してしまうと、修理費用は塗装メンテナンスの数倍に跳ね上がってしまいます。雨の後の変化に気づいたその時こそが、被害を最小限に食い止めるラストチャンスだとお考えください。

屋根の塗装がパリパリ剥がれる時の対処法

もしご自宅の屋根に、パリパリとした塗装の剥がれを見つけてしまったら、具体的にどう行動すればよいのでしょうか。原因がある程度推測できたところで、次は実践的な対処法について解説します。

特に、屋根材の種類によって剥がれの原因や注意すべきポイントが大きく異なりますので、ご自宅の屋根材と照らし合わせながら、じっくりと読み進めてみてください。

スレート屋根の剥がれと縁切り不足

縁切りなしで毛細管現象により水を吸い上げる悪い例と、タスペーサー等で通気を確保した良い例の断面比較図
画像はAI生成によるイメージであり実際のものとは異なります。

日本の多くの戸建て住宅で採用されているスレート屋根(商品名でコロニアルやカラーベストとも呼ばれます)で、非常によく見られる剥がれの原因の一つに、「縁切り(えんきり)」という、あるべき工程が実施されていないケースがあります。

スレート屋根は、ご存知の通り、薄い板状の屋根材が上下左右に何枚も重なり合って構成されています。塗装を行うと、この屋根材と屋根材の重なり部分がベッタリと塗料でくっついてしまい、本来あるべき雨水の通り道を塞いでしまうことがあるんですね。

すると、屋根材の表面を流れてきた雨水が行き場を失い、毛細管現象によって屋根材の裏側へと吸い上げられてしまいます。この水が屋根材の裏側に滞留し、内側から塗膜を膨らませたり、湿気によって密着力を弱め、剥がれを誘発したりする原因になるのです。

この深刻な不具合を防ぐために、塗装が完了し乾燥した後に、皮スキやカッターなどを使って屋根材の重なり部分に詰まった塗料を一枚一枚切って、水の通り道を確保する作業が「縁切り」です。

しかし、この作業は非常に手間がかかるため、残念ながら省略してしまう業者もいるのが実情です。もし前回の塗装工事の見積書や仕様書に「縁切り」の項目がない場合、それが剥がれの原因となっている可能性を疑ってみる必要があります。

金属屋根のサビと熱膨張による剥離

夏場の高温で金属屋根が伸縮し、硬い塗料が追従できずにひび割れを起こす様子を示したイラスト
画像はAI生成によるイメージであり実際のものとは異なります。

トタン屋根や、近年で最も普及しているガルバリウム鋼板などの「金属屋根」において、塗装が剥がれる主な原因は、他の屋根材とは異なる「金属特有の性質」に深く関係しています。その二大要因が「進行性のサビ」「激しい熱膨張」です。

まず、最も警戒すべきは目に見えない場所で広がるサビです。前述した「ケレン作業(下地処理)」が不十分で、古い塗膜の下にわずかでもサビの種が残っていると、新しく塗装をした後にその内部でサビが再発します。

このサビは金属を腐食させながら徐々に体積を増し、まるでカサブタが浮き上がるように、塗膜を内側から押し上げて剥がしてしまうのです。これは専門用語で「塗膜下腐食(とまくかふしょく)」と呼ばれ、塗装から数年でボロボロと剥がれ落ちる典型的なパターンです。

(参考:Ⅲ.3 外壁及び屋根防水の補修・改修部分の耐久性評価手法|国土技術政策総合研究所(NILIM)

また、金属屋根(ガルバリウム鋼板など)が経年劣化でどのような状態になるのか、実際の事例や対策について詳しく知りたい方は、以下の『ガルバリウム鋼板屋根の20年後の状態と対策【完全ガイド】』もあわせてご覧ください。

さらに、金属屋根ならではの宿命とも言えるのが、温度変化による「熱膨張・収縮」です。金属は熱伝導率が高く、夏場の直射日光下では屋根表面温度が70〜80℃以上に達することもあり、日中は膨張し、夜間は冷えて収縮します。

屋根はこの「伸び縮み」を日々繰り返しているため、塗膜の柔軟性や下塗りの適合性が剥がれ防止の重要ポイントになります。(参考:アレスクールシリーズ|関西ペイント

なぜ熱膨張で剥がれるのか?

金属の屋根材が伸び縮み(呼吸)をしているのに対し、その上に塗られた塗膜が硬く柔軟性のないものだと、屋根材の動きに追従できず、耐え切れなくなってひび割れ(クラック)を起こします。

その亀裂から雨水が侵入し、裏側へ回ることで広範囲の剥がれとサビを一気に加速させてしまうのです。そのため、金属屋根の塗り替えにおいては、単に高耐久な塗料を選ぶだけでは不十分です。

「徹底的なサビの除去(ケレン)」を前提とし、下塗りには強力な「防錆プライマー」を、そして上塗りには金属の動きに合わせて柔軟に伸縮する「弾性塗料」や、表面温度の上昇そのものを抑える「遮熱塗料」を選定することが、長期的な剥がれ防止の絶対条件となります。

塗装不可?パミール屋根の見分け方

これは、屋根の専門家として、この記事で最も強くお伝えしたい重要なポイントの一つです。もし、ご自宅の屋根がニチハ株式会社の屋根材「パミール」(1996年〜2008年に製造・販売)に該当する場合、劣化症状の性質上、塗装でのメンテナンスは推奨されません。

(参考:傷みのひどい“セキスイかわらU”及び“ニチハパミール”には塗装しないで下さい|大同塗料(技術資料)

パミールは、アスベスト(石綿)を含まない初期のノンアスベスト屋根材で、残念ながら素材自体の問題で、経年とともに屋根材がミルフィーユのように薄く何層にも剥がれてしまう「層間剥離(そうかんはくり)」という特有の劣化症状を起こします。

(参考:波板スレートは抄造で積層され、層状に剥離することがある|日本建築学会論文(2014)

この上にどんなに高級な塗料を丁寧に塗装したとしても、塗料が密着している屋根材の表面自体が剥がれてしまうため、塗装も一緒に剥がれ落ちてしまうのです。塗装しても数年で同じ状態に戻るため、全く意味がありません。

ご自宅がパミールかも?見分け方のポイント

  • 屋根の先端部分(軒先)が、まるで濡れたダンボールのようにボロボロと崩れたり、ささくれたりしている。
  • 屋根材の表面が、薄い紙を重ねたパイ生地のように何層にもなってめくれ上がっている。
  • 釘が打たれている部分の周辺に、ひび割れが多く見られる。

もしご自宅の屋根にこのような特徴が見られた場合、選ぶべきメンテナンス方法は塗装ではありません。既存の屋根材の上から新しい軽い金属屋根材などを被せる「カバー工法」や、既存の屋根材をすべて撤去して新しい屋根材に交換する「葺き替え」といった、より根本的な修理方法が必要になります。

この事実を知らない業者に塗装を勧められても、絶対に応じないよう、くれぐれもご注意ください。

放置するリスクと修理費用相場

早期の塗り替えなら40〜80万円だが、放置して葺き替えになると200万円以上かかることを示す費用推移チャート

屋根塗装の剥がれは、単に「見た目が古びてきた」という美観上の問題だけでは決してありません。塗装が担っている最も重要な役割は、屋根材を紫外線や厳しい雨風から守る「保護膜」としての機能です。その保護膜が剥がれるということは、屋根材がいわば”素肌”を剥き出しにした状態で、自然の猛威に直接さらされ続けることを意味します。

剥がれを放置することで、屋根材そのものの劣化が急速に進行し、ひび割れや欠け、金属屋根であればサビの発生に繋がります。そして、そのダメージが屋根材の防水性能を突破すると、いよいよ雨漏りを引き起こし、お住まいの柱や梁といった最も重要な構造部分まで腐食させてしまう危険性も否定できません。

そうなってしまうと、修理費用は当初の塗装費用とは比較にならないほど、何倍にも膨れ上がってしまいます。

修理にかかる費用は、剥がれの範囲や劣化の進行度合い、屋根面積や形状(片流れ・寄棟・切妻など)、足場の必要性によって大きく変動します。以下は、一般的な戸建て住宅を想定した概算の目安としてご覧ください。

修理内容費用相場(30坪程度の一般的な戸建て)備考
部分的なタッチアップ補修5万円 ~ 20万円程度ごく小規模な剥がれを部分補修する場合。状況によっては足場を組まずに対応できるケースもありますが、転落防止などの安全確保の観点から、少量でも足場が必要になることは少なくありません。原因が施工条件に起因する可能性が高い場合は、部分補修だけで終わらせず、原因の切り分けと適切な再施工の可否を検討します。
屋根全体の再塗装40万円 ~ 80万円程度足場設置、高圧洗浄、適切な下地処理、シリコン塗料での3回塗りを含む標準的な工事の場合です。
カバー工法(重ね葺き)80万円 ~ 150万円程度既存の屋根の上に防水シートと新しい屋根材(ガルバリウム鋼板など)を被せる工法。廃材処分費が抑えられます。
葺き替え工法100万円 ~ 200万円以上既存の屋根をすべて撤去し、下地の野地板から新しくする工法。最も確実ですが、費用も高額になります。

【重要】

上記の費用は、あくまで一般的な形状の屋根を想定した目安です。使用する塗料のグレード(シリコンかフッ素かなど)や屋根の形状の複雑さ、劣化状況、下地の補修の有無によって価格は大きく変動します。

正確な費用を知るためには、必ず複数の信頼できる専門業者に見積もりを依頼し、その内容を比較検討することが不可欠です。

自分で補修するDIYが危険な理由

転落事故のリスク、コーキングによる雨漏り悪化、化学反応による塗膜溶解など、DIYで失敗する3つの理由

ホームセンターなどに行くと、様々な補修材が手軽に購入できるため、「このくらいの小さな剥がれなら、自分で補修できないかな?」と考えるお気持ちは、とてもよく分かります。しかし、屋根の専門家としては、屋根に関するいかなるDIY補修も絶対におすすめすることはできません。その理由は、大きく分けて3つあります。

命に関わる転落事故の危険性

言うまでもないことかもしれませんが、屋根の上は想像以上に危険な場所です。プロの職人でさえ、ヘルメットや安全帯を装着し、滑りにくい靴を履くなど、万全の安全対策のもとで作業を行います。特に勾配のある屋根は、少しの油断や突風でバランスを崩しやすく、転落すれば命に関わる重大な事故に直結します。

(参考:思わぬ大けがに!脚立・はしごからの転落|独立行政法人国民生活センター

原因の特定と正しい処置ができない

ここまで解説してきたように、塗装が剥がれる原因は実に様々です。

施工不良なのか、屋根材の寿命なのか、はたまた内部からの湿気なのか、その根本的な原因を突き止めずに、ただ表面の剥がれた部分をコーキング剤などで埋めても、それは単なる一時しのぎにしかなりません。むしろ、水分の出口を塞いでしまい、内部で劣化をさらに進行させてしまう可能性があります。

かえって状態を悪化させるリスク

屋根材や既存の塗膜との相性を考えずに、不適切な補修材を使用してしまった場合、化学反応を起こしてさらに広範囲の剥離を招いたり、将来的に専門業者が本格的な修理を行う際に、そのDIY補修を撤去する余計な手間と費用が発生したりする原因になります。

「良かれと思ってやったことが、結果的に修理費用を高くしてしまった」というケースは、実は少なくないのです。

お客様ご自身の安全を守るためにも、そしてお住まいの資産価値を維持するためにも、結果的なコストパフォーマンスを考えても、屋根の補修は、どんなに小さな症状に見えても必ず専門の業者に診断と修理を依頼するようにしてください。

屋根の塗装がパリパリ剥がれる問題の総括

5〜7年以内の剥がれ、水ぶくれ、パミールなど、専門家の診断が必要な症状をまとめたチェックリスト

ここまで、多くの施主様を悩ませる屋根塗装の「パリパリ剥がれ」について、そのメカニズムから具体的な対処法まで、現場の最前線に立つプロの視点で徹底解説してきました。

改めて強調したいのは、塗装工事完了からわずか数年で発生する剥がれは、決して「運が悪かった」で済ませてはいけないということです。その背景には、高圧洗浄の不足、乾燥時間の無視、あるいは塗料の選定ミスといった、施工業者による人為的なミス(施工不良)が潜んでいる可能性が極めて高いからです。

「見た目が少し悪いだけだし、もう少し様子を見よう」そう思ってしまうお気持ちはよく分かります。

しかし、剥がれた塗膜を放置することは、お住まいという大切な資産を、裸の状態で過酷な自然環境に晒し続けるのと同じことです。そこから浸入した雨水は、確実に屋根の内部を蝕み、気づいた時には数百万円規模の修繕費用がかかる事態にもなりかねません。

解決のための3つの重要ポイント

  • 塗装の剥がれは「家のSOSサイン」。美観の問題と捉えず、構造に関わる問題として早急に向き合うこと。
  • 自己判断でのDIY補修は厳禁。一時しのぎは状況を悪化させるだけでなく、後の修理費用を増大させるリスクがある。
  • 「なぜ剥がれたのか」という根本原因を特定できる、知識と経験を持った専門業者に調査を依頼すること。

横浜市・川崎市・東京都で外壁塗装や防水工事をお考えの方へ

『屋根の状態、大丈夫かな?』そんなふとした不安も、私たちステップペイントにお任せください。

弊社では、経験豊富な専門家による「無料屋根診断」を随時承っております。まずは現状を正しく把握するだけでも、解決への大きな一歩になります。

「診断を頼んだら契約しないといけないのでは…」というご心配は無用です。

無理な営業は一切いたしませんし、他社様との比較やセカンドオピニオンとしてのご利用も大歓迎です。

お客様が安心して長く住み続けられるよう、私たちが全力でサポートさせていただきます。大切なお住まいの未来を守るために、ぜひお気軽にお声がけください。


PAGE TOP