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外壁のメンテナンスコラム

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ベランダ防水工事の日数は?工法別の目安と流れを解説

ベランダ防水工事の日数は?工法別の目安と流れを解説

ベランダの床が色褪せたり、ひび割れが見え始めたりすると、「ベランダの防水工事が必要かもしれない」と考え始めますよね。

その際、多くの方が気になるのが、「ベランダの防水工事にどれくらい日数がかかるのか?」ではないでしょうか。

「工事中はずっとベランダを使えないのか」「どのくらいの頻度ですればいいのか」「ウレタン防水の工程日数や、FRP防水の施工日数はどれくらい違うのか」など、疑問は尽きません。

また、一戸建てとマンションでの費用の違いや、工事の手順、防水層の耐用年数も知っておきたいポイントです。

さらに、工事後の雨の影響や、工事中の臭い、トップコートの乾燥時間といった現実的な問題も気になります。

中には、費用を抑えるためにDIYで自分で防水塗料を塗ることを検討される方もいるかもしれません。

この記事では、ベランダの防水工事にかかる日数や具体的な流れ、工法ごとの違いについて、専門的な視点から分かりやすく解説します。

ヘーベルハウス、三井ホーム、ダイワハウス、住友林業といった大手ハウスメーカーの防水メンテナンスに関する情報にも触れながら、皆様の疑問に徹底的にお答えします。

この記事で分かること

記事のポイント

  • 工法別(ウレタン・FRP)の具体的な工事日数
  • 防水工事が必要になる頻度と耐用年数の目安
  • 工事の手順とトップコートの役割
  • DIYのリスクとハウスメーカー独自の仕様について
目次

ベランダ防水工事の日数と工法の選び方

  • どのくらいの頻度ですればいいか
  • 防水層の耐用年数と劣化サイン
  • ウレタン防水 工程日数の目安
  • FRP防水 施工日数の目安
  • 一戸建て マンション 費用の相場

どのくらいの頻度ですればいいか

ベランダの防水工事を行うべき頻度は、一般的に10年~15年に一度が目安とされています。

これは、防水層の素材(ウレタンやFRPなど)が、紫外線や雨風、温度変化によって経年劣化し、弾力性を失ったり硬化してひび割れやすくなったりするためです。

この耐用年数がおおよそ10年~15年と言われています。

ただし、これはあくまで目安であり、建物の立地条件やベランダの使用状況によって劣化の速度は大きく異なります。

例えば、日当たりが非常に強い南向きのベランダや、雨風に常にさらされる沿岸部、寒暖差の激しい地域では、防水層の劣化が早まる可能性があります。

また、防水層全体をやり直す「防水工事」とは別に、表面の保護塗装である「トップコート」の塗り替えは、5年ごとに行うことが強く推奨されます。

トップコートは防水層を紫外線や摩耗から守る「日焼け止め」のような役割を担っています。

このトップコートが劣化すると、その下にある防水層が直接ダメージを受け始め、寿命が一気に縮まってしまいます。

メンテナンスサイクルの目安

  • トップコートの塗り替え:約5年ごと(防水層の保護と美観維持のため)
  • 防水層の改修工事:約10年~15年ごと(防水機能の回復のため)

「まだ雨漏りしていないから大丈夫」と考えるのは危険です。

劣化のサインが見られなくても、推奨される周期で専門家による点検を受け、適切なメンテナンス計画を立てましょう。

それが、結果的に建物の寿命を延ばし将来的な大規模修繕費用を抑えることに繋がります。

どのくらいの頻度ですればいいか
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防水層の耐用年数と劣化サイン

ベランダ防水にはいくつかの工法があり、それぞれ耐用年数や特徴、費用が異なります。

ご自宅のベランダがどの工法で施工されているかを知ることも重要です。代表的な工法と耐用年数の目安は以下の通りです。

防水工法耐用年数の目安特徴
ウレタン防水約10年~13年液体状のウレタン樹脂を塗り重ねるため、継ぎ目がなく複雑な形状にも対応しやすい。国内での施工実績が最も多い工法です。
FRP防水約10年~12年ガラス繊維で補強したプラスチック(FRP)防水。軽量で非常に硬く、耐摩耗性・耐荷重性に優れます。新築戸建てに多い工法です。
シート防水約10年~15年(塩ビシート) 約10年~13年(ゴムシート)塩化ビニルやゴム製のシートを貼り付ける工法。均一な厚みを確保しやすく、広い面積に向いています。紫外線に強い特徴があります。

これらの耐用年数を待たずに工事が必要になるケースもあります。以下のような「劣化サイン」を見つけたら、防水機能が低下している証拠です。早めに専門業者に相談しましょう。

主な劣化サインと危険度

ひび割れ(クラック)

防水層やトップコートに亀裂が入っている状態。ここから水が浸入する可能性があります。軽微なものはトップコートの劣化ですが、深いひび割れは防水層に達している危険性があります。

膨れ

防水層の下に水や空気が入り込み、水ぶくれのように膨らんでいる状態。これは、下地と防水層が剥離(はくり)している証拠です。

下地から蒸発した水分が原因の場合も多く、放置すると膨れが破れて雨漏りに直結します。

剥がれ・めくれ

防水層が下地から完全に浮き上がり、剥がれている状態。非常に危険な状態で、防水機能はほぼ失われています。早急な対応が必要です。

色あせ・摩耗

トップコートが紫外線で劣化し、色が薄くなったり、歩行部分が擦り減って下の防水層が見えたりしている状態

防水層がむき出しになる一歩手前(あるいは、むき出しになっている状態)です。

水たまり

雨が降った後、排水がうまくいかず、長時間水が溜まったままになる状態。

排水溝(ドレン)の詰まりが原因の場合もありますが、床面の勾配不良や防水層の変形が原因のこともあります。常に水に浸かっている場所は劣化が著しく早まります。

コケや雑草の発生

表面の劣化が進み、水分が常に留まりやすくなるとコケなどが発生します。コケの根が防水層をさらに傷める悪循環につながります。

特に「膨れ」「剥がれ」「深いひび割れ」は、防水層の内部に水が浸入している可能性が非常に高い危険なサインです。

これを放置すると、ベランダの下の部屋への雨漏りだけでなく、建物の構造体である木材や鉄骨の腐食につながり、修繕費用が莫大になる恐れがあります。

小さなサインでも見逃さず、早期に対応することが建物を守るために最も重要です。

防水層の耐用年数と劣化サイン
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ウレタン防水の工程日数と目安

ウレタン防水は、日本のベランダ防水において最も一般的に採用されている工法の一つです。

液体状のウレタン樹脂をローラーやコテで塗布するため、複雑な形状のベランダや障害物が多い場所でも、継ぎ目のないシームレスな防水層を形成できるのが最大の強みです。

ウレタン防水の工程日数は、天候に大きく左右されますが、一般的に3日~5日程度かかります。

FRP防水などに比べて日数がかかるのは、塗料を塗り重ねる工程が多く、各工程でしっかりとした「乾燥時間」を確保する必要があるためです。

工法の違いで日数も変わる

ウレタン防水には主に2つの工法があり、どちらを選ぶかで日数や費用が変わります。

密着工法

下地にプライマー(接着剤)を塗り、直接ウレタン防水材を塗り重ねる工法。比較的安価で短工期(3日~)ですが、下地の水分が多いと「膨れ」が発生しやすいデメリットがあります。

通気緩衝工法(絶縁工法)

下地に穴の開いたシート(通気緩衝シート)を貼り、その上からウレタンを塗る工法。

下地からの水分をシート下の通気層から逃がす「脱気筒」を設置するため、膨れのリスクを大幅に軽減できます。

既存の防水層が劣化している場合や、下地の水分が多い場合に推奨されます。シートを貼る工程が増えるため、日数は4日~6日程度と長めになります。

どの工法であっても、ウレタン防水は「塗って乾かす」作業の繰り返しです。

気温が低い(一般的に5℃以下)場合や、湿度が高い(一般的に85%以上)場合は、塗料が正常に硬化しにくいため施工が推奨されません。

Information

具体的な施工可能条件は使用する塗料メーカーの仕様により異なります。

そのため、梅雨時期や冬場は、予定よりも日数が延びる可能性を考慮しておく必要があります。

ウレタン防水の工程日数と目安
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FRP防水の施工日数と目安

FRP防水は、ガラス繊維で強化したプラスチック(Fiber Reinforced Plastics)で防水層を作る工法です。

軽量でありながら非常に硬く、高い強度と耐久性を持つのが特徴で、新築の戸建て住宅のベランダやバルコニーに多く採用されています。

FRP防水の最大のメリットは、その施工日数の短さにあります。

工程日数の目安は、わずか1日~3日程度です。これは、使用するポリエステル樹脂の硬化速度が非常に速いためです。

気温にもよりますが、塗布してから数時間で硬化し、場合によってはその日のうちに歩行が可能になることもあります。

とにかく早く工事を終わらせたい、ベランダを使えない期間を最短にしたいという方には最適な工法です。

ただし、FRP防水には注意点もあります。硬化が早い分、施工時の気温や湿度の管理がシビアであり、職人の高い技術力が求められる工法です。

また、ウレタン防水に比べて材料が硬いため、地震などの建物の揺れに対して追従しきれず、ひび割れ(クラック)が発生しやすいというデメリットも指摘されます。

そのため、木造住宅の広いベランダなど、揺れが大きい場所には不向きな場合もあります。

FRP防水は硬化時に強い「臭い」が発生しやすい特徴もあります。施工日数は短いですが、その1~2日間は臭い対策が必要になるかもしれません。

メリットとデメリットを理解して工法を選ぶことが大切です。

FRP防水の施工日数と目安
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一戸建てとマンションの費用相場

防水工事の費用は、施工面積、選択する工法、そして何より「下地の状態」によって大きく変動します。

一戸建ての場合、一般的なベランダ(約10平方メートル)の防水工事費用は、10万円~30万円程度が相場となります。この価格差は、以下のような要因で生まれます。

工法の違い

工法の違い 水」、「ウレタン防水(通気緩衝工法)」はそれよりも高価になる傾向があります。

下地の状態

既存の防水層の劣化が少なく、上から重ね塗りできる「かぶせ工法」であれば安価に済みます。

しかし、劣化が激しく既存の防水層を一度すべて撤去する必要がある「撤去工法」になると、撤去費用と廃材処分費が追加され高額になります。

一方、マンションの場合、ベランダやバルコニーは「専用使用権が認められた共用部分」にあたることが一般的です。

(参考:専用使用権とは何ですか。 | マンション管理・再生ポータルサイト

そのため、居住者が個人の判断で防水工事を行うことは原則としてできません。

マンションの防水工事は、通常12年~15年に一度行われる「大規模修繕工事」の一環として、管理組合が主体となって全戸一斉に実施されます。

費用も個別に支払うのではなく、住民が毎月支払っている「修繕積立金」から賄われます。

(参考:長期修繕計画作成ガイドライン(国土交通省)

見落としがちな「足場代」に注意

一戸建ての場合、ベランダが2階以上にあると、安全確保や作業品質向上のために足場の設置が必要になるケースが多々あります。

足場代は工事費用とは別に、15万円~25万円程度の追加費用が発生することが一般的です。

「ベランダ防水だけで足場を組むのはもったいない」と感じる方も多いでしょう。

そのため、外壁塗装や屋根のメンテナンスといった、同じく足場が必要な他の工事と同時に行うことで、足場代を一度で済ませることができ、トータルの工事費用を大幅に節約できます。

防水のメンテナンスサイクル(10年~15年)は外壁塗装のサイクルとも近いため、同時に検討するのが最も賢明な方法です。

一戸建てとマンションの費用相場
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ベランダ防水工事の日数と具体的な流れ

  • 防水工事の基本的な手順
  • トップコートの役割と乾燥時間
  • 工事後に降る雨の影響と臭いの対策
  • DIY 自分で防水塗料を塗る場合
  • ヘーベルハウス 三井ホーム ダイワハウス 住友林業
  • ベランダ 防水 工事 日数の総括

防水工事の基本的な手順

ベランダ防水工事の日数は、単に塗料を塗る時間だけではありません。その前後の準備や乾燥に多くの時間が割かれます。

ここでは、施工事例の多いウレタン防水(密着工法)を例に、基本的な手順とそれぞれの日数を解説します。

防水工事の一般的な流れ(ウレタン防水・4日間工程の例)

【1日目】高圧洗浄・下地処理

工事の成否を決めると言っても過言ではない、最も重要な工程です。

まず、高圧洗浄機を使い、ベランダ表面の汚れ、コケ、チョーキング(粉状になった古い塗膜)などを徹底的に洗い流します。

洗浄後は、下地を完全に乾燥させるため、この日はここで作業終了となることも多いです。
洗浄が不十分だと、新しい防水層がうまく密着せず、数年で剥がれてくる原因となります。

【2日目】下地調整・プライマー塗布・補強布

下地が完全に乾いたことを確認したら、ひび割れがあればシーリング材で補修し、凹凸があればサンダー(研磨機)で削って平滑にします。

その後、防水層と下地を強力に接着させるための「プライマー(接着剤)」を全体にムラなく塗布します。

プライマーが乾いたら、排水口周りや壁との境目(入隅)など、水が浸入しやすく切れやすい箇所に、補強用のメッシュシート(補強クロス)を貼り付け、強度を高めます。

【3日目】ウレタン防水層 塗布(1層目・2層目)

いよいよ防水層の本体であるウレタン樹脂を塗布します。ウレタン防水は、規定の厚み(例:2mm厚)を確保しなければ防水性能を発揮できません。

この厚みを一度に塗ろうとすると、硬化不良やムラの原因になるため、通常「2回」に分けて塗り重ねます。

1層目を塗布した後、規定の乾燥時間(数時間~半日)を置いてから2層目を塗布し、均一な厚みの防水層を形成します。

【4日目】トップコート塗布(仕上げ)

ウレタン防水層が完全に硬化したことを確認し、最後に「トップコート」を塗布して仕上げます。

トップコートも防水層をしっかり保護するため、仕様によって1回または2回塗りを行います。トップコートが乾燥すれば、全ての工程が完了となります。

このように、各工程で「洗浄→乾燥」「塗布→乾燥」を繰り返すため、最低でも3日~4日は必要になります。

FRP防水の場合は、各層の硬化が非常に速いため、これらの工程が1日~2日に短縮されますが、基本的な手順(下地処理→防水層→トップコート)は同じです。

防水工事の基本的な手順
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トップコートの役割と乾燥時間

防水工事の工程で最後に出てくる「トップコート」ですが、その役割を正しく理解しておくことが、ベランダを長持ちさせる上で非常に重要です。

結論から言うと、トップコートは、防水層を保護するための「仕上げ用保護塗料」です。

ウレタン防水やFRP防水の主役である「防水層」自体は、実は紫外線に非常に弱いという致命的な弱点を持っています。

もし防水層がむき出しのままだと、太陽光によってわずか数年で弾力性を失い、劣化してひび割れてしまいます。

そこで、トップコートを表面に塗ることで、紫外線や雨、人が歩くことによる摩耗から、デリケートな防水層を守っているのです。

重要な点として、トップコート自体に防水機能はほとんどありません。

あくまで「保護膜」です。そのため、トップコートが色褪せたり、少し剥げてきたりしても、すぐに雨漏りするわけではありません。

しかし、その状態を放置するということは、防水層が「日焼け止め」なしで紫外線を浴び続けているのと同じです。

防水層の劣化が急速に進み、本来10年~15年持つはずだった寿命が半分以下になることもあります。

だからこそ、「5年ごとのトップコート塗り替え」が推奨されるのです。

乾燥時間とベランダの使用再開

トップコートの乾燥時間は、塗料の種類(アクリル、ウレタン、フッ素など)や気候によります。 一般的に、工事完了後、以下の時間が経過すればベランダの使用が可能です。

  • 指触乾燥(触っても付かない):数時間
  • 軽歩行可能(歩ける):半日~1日(24時間)後
  • 通常使用(洗濯物干しなど):業者からOKが出てから。通常、翌日以降。
  • 完全硬化(塗膜が完全に固まる):数日~1週間

工事完了直後は、まだ塗膜が柔らかい状態です。重いものを置いたり、引きずったりすると傷の原因になるため、いつから通常通り使って良いか、必ず業者の指示に従ってください。

トップコートの役割と乾燥時間
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工事後に降る雨の影響と臭いの対策

防水工事は「乾燥」が命です。そのため、工事期間中の天候は、日数に直結する最も大きな要因となります。

工事後に降る雨の影響

当然ながら、塗料を塗布する工程(プライマー、防水層、トップコート)の最中や、塗料が乾燥する前に雨が降ると、施工不良の最大の原因となります。

雨が降ると塗料が流れたり、水分を含んで白濁したり、硬化不良を起こしたりします。

優良な業者は、天気予報を綿密にチェックし、雨が予想される日は無理に作業を進めず、作業を中断・延期します。

また、気温5℃以下湿度85%以上といった環境も、塗料の正常な硬化を妨げるため施工不可とされています。

Information

具体的な施工可能条件は使用する塗料メーカーの仕様により異なります。

これが、「工事日数3日~5日」と幅がある最大の理由であり、梅雨や冬場の工事が避けられる理由です。

工事完了後、トップコートがしっかり乾燥してしまえば、雨の影響はまったく問題ありません。

臭いへの対策

特にウレタン防水(溶剤系)やFRP防水は、施工中にシンナーのような特有の強い臭いが発生します。これは塗料に含まれる溶剤が揮発するためです。

臭い対策と近隣への配慮

換気とエアコン

工事中は窓を閉め切り、換気扇も止めることが推奨されます。臭いが室内に入らないよう注意が必要です。

エアコンの使用も、室外機がベランダにある場合、作業中は停止を求められることがあります。

近隣挨拶

優良な業者は、工事前に必ず近隣住民へ工事の案内(日程、臭いの発生など)を行いますが、可能であれば施主からも一言伝えておくと、後のトラブルを未然に防げます。

低臭タイプの選択

最近は、臭いを大幅に抑えた「水性」のウレタン防水材も普及しています。ただし、溶剤系に比べて乾燥時間が長い、耐久性がやや劣る場合があるなど、特性が異なります。

臭いに敏感な方やペットがいるご家庭は、業者に水性タイプでの施工が可能か相談してみましょう。

臭いは塗料が硬化すれば、数日~1週間程度で徐々におさまっていきます。

工事後に降る雨の影響と臭いの対策
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DIYは可能?自分で防水塗料を塗る場合

ホームセンターなどでも「ベランダ用防水塗料」といった商品が販売されているため、「DIYで自分で費用を抑えたい」と考える方もいらっしゃるかもしれません。

結論から言うと、専門知識のない方が防水層からDIYを行うことは絶対に推奨されません。

もしDIYで行うのであれば、既存の防水層がまだ機能しており、表面のトップコートが色褪せてきた程度の状態で行う「トップコートの塗り替え」のみに留めるべきです。

しかし、そのトップコートの塗り替えですら、プロの作業とは決定的な違いがあります。

防水DIYが危険な理由とデメリット

決定的な下地処理の不足

プロは高圧洗浄機で汚れを徹底的に除去し、サンダーなどで古い塗膜を削る「ケレン作業」を行います。

これが不十分だと、新しい塗料を塗っても、古い塗膜や汚れの上から塗っているだけなので、数ヶ月~1年でパリパリと剥がれてしまいます。

施工不良のリスク(塗料の性能不足)

防水塗料は主剤と硬化剤を正確な比率で撹拌(かくはん)する必要があります。これが不十分だと硬化不良を起こします。

また、適切な厚みを均一に塗る技術も必要で、ムラがあると薄い部分から劣化します。

FRP防水の危険性

FRP防水で使用する硬化剤は、混合比を間違えたり、他の薬品と混ぜたりすると発火する危険性がある化学物質です。素人が扱うのは非常に危険です。

失敗した場合の追加費用

DIYで失敗し、結局業者にやり直しを依頼すると、中途半端に塗られた塗膜をすべて剥がす作業(全撤去)が追加で発生します。

この撤去費用が非常に高額になるため、最初から業者に依頼するよりもトータルで何倍もの費用がかかるケースがほとんどです。

防水工事は、単なる塗装ではなく、建物の資産価値を守る重要な工事です。

「安く済ませようとした結果、かえって高くついた」という事態を避けるためにも、確実な防水性能と長期的な保証(通常5年~10年)を得られる専門の業者に依頼するのが賢明です。

DIYは可能?自分で防水塗料を塗る場合
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ヘーベルハウス・三井ホーム・ダイワハウス・住友林業

ヘーベルハウス、三井ホーム、ダイワハウス、住友林業といった大手ハウスメーカーで建てた住宅の場合、ベランダの防水工事には一般の住宅とは異なる特有の注意点があります。

最大の理由は、これらのハウスメーカーが独自の防水仕様や工法を採用しており、さらに長期保証プログラムとメンテナンスをセットにしていることが多いためです。

1. ハウスメーカー独自の防水仕様

例えば、ヘーベルハウスのベランダは、ALCパネル(軽量気泡コンクリート)の上に「塩ビシート防水」や、独自の高耐久シートが標準仕様となっているケースが多く見られます。

ダイワハウスの「Xevo(ジーヴォ)」シリーズでは、外壁と一体化した独自の防水仕様を採用している場合もあります。

これらの特殊な仕様は、一般的なウレタン防水やFRP防水とはメンテナンス方法が異なるため、その構造を熟知していない業者が施工すると、かえって不具合を起こす可能性があります。

2. 長期保証プログラムとの関係

大手ハウスメーカーは、「30年保証」「60年点検」といった手厚い長期保証を強みとしています。ベランダ防水もその保証対象に含まれていることが一般的です。

ただし、保証維持には「10年ごと」「15年ごと」などメーカー指定時期に有償メンテナンス(点検や塗り替えなど)を受けることが条件の場合がほとんどです。

もし、保証期間中にハウスメーカー指定以外の一般業者で修理や塗装を行ってしまうと、その時点で「保証対象外」とみなされ、長期保証が切れてしまう可能性が非常に高いです。

ベランダの劣化が気になった場合は、まず建築元のハウスメーカーや指定メンテナンス会社(例:ヘーベルハウスリフォーム、ダイワハウスリフォームなど)に点検を依頼することが確実です。

ハウスメーカー系の業者は、費用が一般の防水業者に比べて割高になる傾向はありますが、自社の建物の仕様を完全に把握している安心感と、保証を継続できるメリットがあります。

費用と保証を天秤にかけ、慎重に判断する必要があります。

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ベランダの防水工事にかかる日数のまとめ

最後に、ベランダ防水工事の日数に関する重要なポイントをまとめます。

  • ベランダ防水工事の日数は工法により大きく異なる
  • ウレタン防水の工程日数の目安は3日から5日程度
  • FRP防水の施工日数の目安は1日から3日程度
  • 日数が変動する最大の要因は天候であり、雨・低温・高湿度はNG
  • 工事日数の多くは「乾燥時間」が占めている
  • 防水工事の手順は「高圧洗浄」「下地処理」「プライマー」「防水層」「トップコート」が基本
  • 工事の頻度は10年から15年に一度が総合的な目安
  • 防水層を保護するため、トップコートの塗り替えは5年ごとが強く推奨される
  • トップコート自体に防水機能はほとんどないが、防水層の寿命を左右する
  • 劣化サインは「ひび割れ」「膨れ」「剥がれ」「水たまり」
  • 一戸建ての費用相場は10万円から30万円程度だが、足場代が別途かかる場合がある
  • マンションのベランダは共用部分であり、個人での工事はできず大規模修繕で対応する
  • 工事中は溶剤系の臭いが発生する場合があり、換気や近隣への配慮が必要
  • 工事後、トップコートが完全に乾燥してしまえば雨の影響は心配ない
  • DIYで自分で防水塗料を塗るのは、失敗時のリスクが非常に高く推奨されない
  • ヘーベルハウスやダイワハウスなどのハウスメーカーは独自仕様や長期保証がある
  • ハウスメーカーの家は、保証失効のリスクを避けるため、まず指定業者に相談する

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