
こんにちは。ステップペイントの現場担当 土橋 昭です。
「ヘーベルハウス」といえば、あの重厚感あるALCコンクリートと、都会的で洗練された四角いデザインが本当にかっこいいですよね。
私自身、現場で塗装やメンテナンスに携わる中で、その構造の頑丈さにはいつも感心させられます。
「屋上でバーベキューをして家族団らんを楽しみたい」「そらのまで子供たちとプール遊びがしたい」と、夢いっぱいで契約される方も多いでしょう。
しかし一方で、インターネット上では「ヘーベルハウス 屋上 後悔」といったネガティブなキーワードで検索し、契約前に不安を募らせている方も少なくないのではないでしょうか。
実は、屋上や陸屋根(りくやね)という構造は、一般的な三角屋根の住宅に比べて、メンテナンスを少しでも怠ると、雨漏りや夏の猛烈な暑さといった深刻なトラブルに直結しやすい非常にデリケートな場所でもあるんです。
私はこれまで、数多くの建物を診断し、修繕してきましたが、「もっと早く知っておけばよかった」と嘆くお客様の声をたくさん聞いてきました。
だからこそ、現場を知るプロとして、良い面だけでなくリスクも含めた「後悔しないためのポイント」を本音でお話ししたいと思います。
記事のポイント
- 暑さや雨漏りなど、屋上特有の後悔ポイントとその原因
- 住んで初めてわかる「掃除の手間」や「騒音トラブル」の現実
- 30年目で数百万円?メンテナンス費用の内訳とコストダウン術
- 屋上を「無駄な出費」にしないための契約前・入居後の必須対策
- 1. ヘーベルハウスの屋上で後悔する理由とデメリット
- 1.1. ブログや知恵袋にあるやめたほうがいい口コミ
- 1.2. 夏は暑いし雨漏りリスクも?屋上の弱点とは
- 1.2.1. ここに注意:防水層の劣化サイン
- 1.3. 汚れやサビで掃除が大変になる失敗パターン
- 1.3.1. 1. 飛来する汚れと「ドレン詰まり」の恐怖
- 1.3.2. 2. 「水栓がない」ことによる掃除放棄の悪循環
- 1.3.3. 3. 「もらいサビ」が白い外壁を台無しにする
- 1.4. うるさい音や匂いでトラブルになる可能性
- 1.4.1. 特にクレームになりやすいシチュエーション
- 1.4.2. トラブルを避けて楽しむためのマナー
- 1.5. 結局使わない?屋上がいらない無駄な理由
- 2. ヘーベルハウスの屋上で後悔しないための対策と費用
- 2.1. 30年後のメンテナンス費用は高額になる?
- 2.2. 太陽光パネル設置や固定資産税への影響
- 2.2.1. 税金対策のヒント
- 2.3. ベランダとの違いや防水維持の対策方法
- 2.4. 成功のための活用計画とシミュレーション
- 2.5. ヘーベルハウスの屋上で後悔しないための結論
- 2.5.1. 屋上ライフを成功させるための最終チェック
- 2.5.2. 横浜市・川崎市・東京都で外壁塗装や防水工事をお考えの方へ
ヘーベルハウスの屋上で後悔する理由とデメリット
「空に近いリビング」として憧れの屋上を作ったものの、実際に住み始めて数年経ってから「こんなはずじゃなかった」「やっぱりやめておけばよかった」と頭を抱えてしまうケースは、残念ながら意外と少なくありません。
現場で建物の劣化状況を見ていると、そこには建物の構造的な弱点や、当初のイメージと実際の生活スタイルとの大きなミスマッチが原因であることが多いです。
まずは、多くの施主様が直面している「よくある後悔の理由」を、現場視点で具体的に深掘りして見ていきましょう。
ブログや知恵袋にあるやめたほうがいい口コミ
家づくりを検討中に、ブログやQ&Aサイトなどで「ヘーベルハウスで屋上を作るのはやめたほうがいい」「お金の無駄だ」といった意見を見て、不安になった方もいるかもしれません。
もちろん、口コミは住まい方や立地、予算、メンテナンス意識によって評価が大きく分かれます。大切なのは、具体的に「何が不満だったのか」「どうすれば回避できるのか」を整理して、自分の暮らしに当てはめて判断することです。
特に多いのは、「最初は張り切って使ったけれど、次第に利用頻度が下がり、物干し場のようになってしまった」という声です。
モデルルームで見ると魅力的でも、実生活ではキッチンから屋上まで重い食材や飲み物、炭などの荷物を運ぶ手間や、準備・片付けの負担が積み重なりやすいからです。
「今日は天気がいいから屋上でランチをしよう」と思っても、「準備と片付けの手間」を天秤にかけると、人間どうしても楽なリビングの方へと流れてしまうものです。
また、「オプション費用が高かった割に、満足度が低い」というコストパフォーマンスへの不満も非常に目立ちます。
屋上を安全に使用するためには、転落防止の手すりやフェンス、屋上に上がるための外階段や内階段、そしてペントハウス(塔屋)などの追加工事が必須となります。
これらを合計すると、数百万円単位で建築費用が跳ね上がることも珍しくありません。「その予算を、毎日の生活で使うキッチンのグレードアップや、断熱性能の向上に回せばよかった」と、後になって後悔するパターンは典型的な失敗例と言えます。

夏は暑いし雨漏りリスクも?屋上の弱点とは
現場のプロとして、ここは包み隠さず正直にお伝えしなければなりません。
屋上(陸屋根)のある家は、通常の勾配がある三角屋根の家に比べて、どうしても「熱」や「水」に対するリスクが高くなる構造上の宿命を背負っています。
まず「暑さ」についてですが、屋上(陸屋根)は勾配屋根に比べて日射を受ける面が広く、真夏は屋根面(防水層・下地)が高温になりやすい構造です。
その影響で、屋上直下の最上階の部屋では「夜になっても暑さが残る」と感じるケースがあります。
断熱や遮熱、換気計画で軽減できますが、窓からの熱の出入りや、構造体を通じて熱が伝わる“熱橋(ヒートブリッジ)”など、条件によっては暑さ対策が課題になりやすい点は押さえておきましょう。
そして、住宅にとって最大のリスクである「雨漏り」です。
通常の屋根であれば、雨水は傾斜に沿って速やかに地面へ流れ落ちますが、平らな屋上(陸屋根)は、わずかな勾配を利用して排水溝(ドレン)に向かってゆっくりと水を流す仕組みになっています。
もし、防水シートが経年劣化で破れたり、ドレンにゴミが詰まったりすると、屋上は逃げ場を失った水でプールのようになってしまいます。
ここに注意:防水層の劣化サイン
ヘーベルハウスの屋上では、高分子系の防水シート(シート防水)が採用されるケースが多いですが、当然ながら永久に持つわけではありません。特に以下の箇所は劣化が進みやすく、雨漏りの原因になりやすいポイントです。
- シートの継ぎ目(ジョイント)
熱収縮や振動で口が開きやすい。 - 立ち上がり部分の端部
シートがめくれたり、固定金具が浮いたりする。 - ドレン(排水口)周辺
泥やコケが溜まり、常に湿潤状態になることで劣化が早まる。
定期的な点検を怠ると、知らない間に防水の弱点部から雨水が回り、下地や取り合い部の劣化を進めたり、室内への雨漏りにつながったりすることがあります。

汚れやサビで掃除が大変になる失敗パターン
屋上は「誰にも見られないプライベート空間」ですが、裏を返せば「誰の目にも触れない場所で、ひっそりと汚れが蓄積していく場所」でもあります。
普段見えないからこそ、気づいたときには手遅れになりがちなのが、屋上の汚れ対策です。
現場で見かける屋上の汚れには、大きく分けて3つの厄介なパターンがあります。
1. 飛来する汚れと「ドレン詰まり」の恐怖
屋上は遮るものがないため、風に乗ってあらゆるものが飛んできます。砂埃(つちぼこり)、近隣の樹木の落ち葉、そして都市部特有の真っ黒な排気ガスの煤煙(ばいえん)です。
これらが雨水と混ざると、排水溝(ドレン)の周りにヘドロのように堆積します。
さらに厄介なのが「鳥のフン」です。鳥にとって安全な高所である屋上は、格好の休憩場所になりやすい傾向があります。鳥のフンは尿酸などを含み、放置すると汚れの固着や変色の原因になります。
素材や防水仕様によっては表面の保護層を傷めることもあるため、見つけたら早めに除去しましょう。
ドレン詰まりは家の寿命を縮める
これらの汚れが排水溝(ドレン)を塞いでしまうと、大雨の際に屋上がプール化し、立ち上がり部や取り合い部に負担がかかって雨漏りリスクが高まります。
「屋上を持つ」ということは、定期的なドレン清掃を生活習慣として組み込む必要があるという点を忘れないでください。
もし屋上やベランダの水はけが悪く、掃除をしても水たまりが残りやすい場合は、すでに勾配不良やドレンの不具合が起きている可能性があります。
水たまりの原因や対策については、以下の『ベランダ防水工事後の水たまりは大丈夫?原因と対策を解説』の記事も参考にしてみてください。
2. 「水栓がない」ことによる掃除放棄の悪循環
多くの施主様が後悔する決定的なポイントが、「コストダウンのために屋上の水道(水栓)を削ってしまった」というケースです。
屋上が汚れたとき、水栓がないとどうなるでしょうか?
- 1階や2階の洗面所から、重たいバケツに水を汲んで階段を往復する(こぼすリスク大)。
- 1階の散水栓から何十メートルもの長いホースを引っ張り上げる(準備と片付けが大変)。
- 高圧洗浄機を使いたくても、水源(と電源)が確保できず使えない。
この「物理的な面倒くささ」は、想像以上に人間のやる気を奪います。結果として、「掃除がおっくうになる」→「汚れを放置する」→「コケや雑草が生える」→「防水層が傷む」という悪循環に陥りやすくなります。
屋上を無理なくきれいに保つためには、水栓(できればシンク付き)と屋外用コンセントを新築時に計画しておくことを強くおすすめします。
3. 「もらいサビ」が白い外壁を台無しにする
意外と知られていないのが、金属製品からの「もらいサビ」による被害です。 ヘーベルハウスの屋上フェンスや手すりは、現在は錆びにくいアルミ製やステンレス製が主流ですが、以下の箇所からサビが発生することがあります。
- 固定ボルトやビス
施工時の傷や、経年劣化でメッキが剥がれた鉄製部品からサビが出る。 - 後付け設備
自分で設置したBSアンテナの架台、物干しスタンドのベース、スチール製の物置など。 - エアコン室外機の架台
亜鉛メッキ仕上げの架台が古くなり、赤サビが発生する。
これらの鉄部から流れ出た赤い「サビ汁」は、床の防水シートを茶色く変色させるだけでなく、雨に乗って自慢の白いALC外壁や軒天(のきてん)に垂れ落ち、茶色い筋汚れを作ってしまいます。
サビ汚れは一度素材に染み込むと、通常の洗浄ではほとんど落ちません。
屋上を計画する際は、自分たちが設置する家具や設備の素材(鉄製は避けるなど)にも十分な配慮が必要です。

うるさい音や匂いでトラブルになる可能性
「休日は青空の下、屋上で仲間を呼んでバーベキュー!」というのは、屋上のある家を建てる方なら誰もが抱く最高の憧れですよね。
しかし、現場で多くのお客様とお話ししていると、この「憧れの屋上ライフ」が、入居後の深刻なご近所トラブルの火種になってしまっているケースを耳にすることがあります。
特に注意が必要なのが、「音」と「匂い」の拡散力です。
地上(庭)で騒ぐのと違い、屋上には周囲に音を遮る壁や建物がありません。
そのため、屋上での話し声、笑い声、BGM、子供が走り回る足音などは、遮蔽物のない空中で拡散し、周囲の家に対して「上から音が降ってくる」という形でダイレクトに届いてしまいます。
人間は、頭上からの予期せぬ音に対して、本能的に強いストレスや不快感を感じやすいと言われています。
特にクレームになりやすいシチュエーション
- 夜間の宴会
お酒が入って声のボリュームが上がった状態で、夜9時以降も盛り上がってしまう。 - 子供の走り回る音
防水層の上を子供がドタドタ走ると、太鼓現象のように振動音が響き、隣接する家の構造によっては低周波音として伝わることがある。 - BBQの煙と匂い
風向きによっては、隣家のベランダに干してある布団や洗濯物を直撃したり、24時間換気の吸気口から隣家の室内に焼肉の匂いが充満したりする。
特に都市部の住宅密集地では、「自宅の屋上の高さ」が「隣の家の2階寝室の窓の高さ」と同じというケースが多々あります。
自分たちは楽しくて気にならなくても、静かに休みたい隣人にとっては、窓のすぐ外で騒がれているのと同じ状態になってしまうのです。
よく「うちは高い目隠しフェンスを設置するから大丈夫」とおっしゃる方がいますが、これは半分正解で半分間違いです。フェンスで視線は遮れても、音は回折(かいせつ)して壁を乗り越えますし、煙や匂いは風に乗って容易に広がります。
「せっかく高いお金を出して作った屋上なのに、近所の目が気になって全然使えない…」なんてことにならないよう、長くその土地で暮らしていくなら、以下のような配慮がマナーとして必須になります。
トラブルを避けて楽しむためのマナー
事前の挨拶
大人数で集まる際は、あらかじめ両隣や裏のお宅に「少し賑やかになるかもしれません」と一言挨拶をしておくだけで、相手の心象は劇的に変わります。
ご近所トラブルを未然に防ぐための挨拶マナーについては、以下の『外壁塗装でうるさい客と思われない!配慮と伝え方のコツ』の記事も参考にしてください。
無煙ロースターの活用
炭火焼きは煙がすごいので、電気式の無煙ロースターを使用するなど、煙対策を徹底する。
時間帯の配慮
夜の利用は静かな晩酌程度に留め、BBQやプール遊びは「昼間のランチタイム」に限定する。

結局使わない?屋上がいらない無駄な理由
少し厳しい言い方になりますが、明確な使用目的と覚悟がないなら、屋上は将来的に「いらない」「無駄」なスペースになる可能性が極めて高いです。
「なんとなく広くて気持ちよさそうだから」「せっかくヘーベルハウスにするなら屋上がないと損な気がして」という曖昧な理由だけで作ると、以下のような現実的な理由で徐々に使わなくなっていきます。
⒈準備と片付けがとにかく面倒
キッチンから遠く、料理、食器、ゴミを持って階段を往復するだけで疲れてしまい、数回で飽きてしまいます。
⒉日本には「快適な日」が少ない
日本には梅雨があり、夏は熱中症警戒アラートが出るほどの激暑、冬は凍える極寒です。
さらに春や秋は花粉や黄砂、強風の日も多く、実際に屋上で快適に過ごせる「天気の良い、暑すぎず寒すぎない、風のない休日」は、年間を通して数えるほどしかありません。
⒊維持費だけがかかり続ける
全く使っていない物干し場であっても、紫外線による防水層の劣化は止まりません。使っていないのに、メンテナンス費用がかかり続けることになります。
全く使わない場所にお金をかけ続けることほど、もったいないことはありません。
「週末は必ず家族全員でここで朝食を食べる」「家庭菜園を本格的に趣味にする」といった強い意志と習慣化、そしてそれを楽しむ余裕がない限り、屋上は高価なデッドスペースになりがちです。

ヘーベルハウスの屋上で後悔しないための対策と費用
ここまでデメリットばかりを強調してお話ししてしまいましたが、決して屋上そのものを否定しているわけではありません。
リスクを正しく理解し、適切な対策とメンテナンス計画をしっかり行えば、屋上は都市部では得難い、他では味わえない開放的な暮らしを実現できる素晴らしい空間になります。
ここからは、現場の視点から「後悔しないための具体的な対策」と、誰もが気になる「リアルなお金の話」をさらに深掘りして解説していきます。
30年後のメンテナンス費用は高額になる?
ヘーベルハウスを検討中の方が気にしやすいのが、「30年目などの節目に、メンテナンス費用がどれくらいかかるのか」という点ではないでしょうか。
屋上防水の改修に加えて、外壁・シーリングなども同時期に手を入れると、建物規模や仕様によっては数百万円規模になるケースもあります。
金額だけを先に決め打ちせず、「何を・どこまで・いつやるか」を分解して考えることが大切です。
30年スパンでの維持費シミュレーションや、外壁塗装にかかる費用の相場については、『ヘーベルハウスの外壁塗装費用は?相場や30年の維持費をプロが解説』の記事でさらに詳しく解説しています。将来の資金計画を立てる上で、ぜひ参考にしてみてください。
また、屋上の防水は、紫外線や熱、歩行や汚れの影響で負担が積み重なります。ヘーベルハウスの屋上防水については、公式のリフォーム情報で高分子系防水シートの耐用年数を30年と説明している例があります。
(参考:高い防水性能で雨風から住まいを守る|ヘーベルハウス)
さらに、ヘーベルハウスには60年無料点検システムや保証に関する仕組みが用意されており、30年目以降の保証継続は定期点検や必要な補修工事などの条件が設けられています。(参考:60年の無料点検と長期保証|ヘーベルハウス)
将来の費用を現実的に見積もるためにも、「点検・補修の条件」と「改修が必要になる部位」を事前に把握しておきましょう。
「じゃあ、数百万円払わないと家がダメになるの?」と不安になる必要はありません。必ずしもメーカー純正でなければ直せないわけではないからです。
私たちのような塗装・防水の専門業者であれば、建物の状態を正確に診断した上で、同じグレードの高品質な防水工事を、中間マージンを大幅にカットした「適正価格」で施工することが十分に可能です。
ヘーベルハウス特有の防水シートの張り替え費用や、業者選びのポイントについては、以下の『ヘーベルハウスの防水シート張り替え費用は?相場と業者選びを解説』の記事で詳しくシミュレーションしています。将来のコストが不安な方は、ぜひ一度チェックしてみてください。

太陽光パネル設置や固定資産税への影響
「せっかくの屋上スペース、使わないなら太陽光パネルを載せて電気代を浮かせよう」と考える方も多いですが、屋上利用(人が歩く用途)と太陽光発電との兼ね合いには、技術的な注意が必要です。
屋上に太陽光パネルを設置する場合、基礎架台を防水層の上に設置することになります。問題になるのは、将来的に防水シートを張り替えるメンテナンスの時です。
防水工事を行うためには、一度屋上のパネルを全て取り外し、防水工事が終わった後に再度設置するという大掛かりな工程が必要になります。
これにはパネルの「脱着費用」だけで数十万円の追加コストが発生する可能性があり、売電収入や電気代削減のメリットが吹き飛んでしまうこともあります。
最近では、防水層に穴を開けずに設置できる工法もありますが、メンテナンス時の手間は依然として課題です。
また、意外と見落としがちなのが「税金面」です。固定資産税(家屋)は、家屋全体を評価して算定されます。新築時の家屋調査では、各階の平面図(階段室・塔屋などを含む)を基に確認されることが一般的です。
塔屋についても、条件によっては床面積に算入される扱いがあります。詳しい取り扱いは自治体で異なるため、計画段階で確認しておくと安心です。
また太陽光発電は、設置方式によって固定資産税の扱いが分かれます。たとえば、個人が設置する10kW未満の住宅用太陽光発電設備は「償却資産」としては原則対象外と整理している自治体があります。
(参考:太陽光発電設備に係る償却資産(固定資産税)の申告|鳥取市)
一方で、屋根一体型のように家屋の一部として評価される方式では、家屋として課税され得ます。採用する方式がどちらに当たるかは、施工会社・メーカー資料とあわせて自治体に確認してください。
税金対策のヒント
固定資産税の評価基準は各自治体によって細かく異なります。
計画段階で「どのような設備が課税対象になるか」をハウスメーカーの担当者や自治体の税務課に確認しておくと安心です。「後から高額な税金の通知が来て驚いた」という失敗を防げます。

ベランダとの違いや防水維持の対策方法
「屋上までいかなくても、2階のリビングとつながった広いベランダ(そらのま)で十分では?」という考え方も、非常に現実的で賢い選択肢の一つです。
ベランダ(バルコニー)であれば、リビングの掃き出し窓から段差なくフラットにアクセスでき、キッチンや冷蔵庫も近いため、日常的に使いやすく、心理的なハードルも下がります。
ただし、屋上であってもベランダ(そらのま)であっても、「防水層を守る」というメンテナンスの重要性は全く変わりません。
むしろ、ベランダは洗濯物を干す際のスリッパでの歩行や、プランターの設置などで防水層が摩耗しやすい環境でもあります。現場でおすすめしている長持ち対策は以下の通りです。
- 排水溝の徹底掃除
最低でも月に1回、そして台風や大雨の後は必ず掃除してください。ここに泥が溜まることが劣化の始まりです。 - 保護塗装(トップコート)の塗り替え
ウレタン防水やFRP防水など、表面にトップコート(上塗り)がある仕様は、紫外線で劣化しやすいため3〜5年ごとの塗り替えが推奨されることがあります。一方、シート防水は仕様や状態によりメンテナンス方法が異なるため、点検のうえで適切な補修計画を立てましょう。 - 履物の工夫
防水シートは意外とデリケートです。底の硬い革靴や、ピンヒール、スパイクなどは避け、ゴム底のサンダルなど底の柔らかい履物を使用してください。
また、屋上やベランダの防水だけでなく、それを支える「ALC外壁」自体のメンテナンスも非常に重要です。外壁の目地(コーキング)が切れていれば、そこから雨水が入り、建物全体を傷めてしまいます。
ALC外壁の特性やメンテナンスについては、以下の『ALC外壁の後悔はメンテ次第!現場担当が解説』の記事でも詳しく解説しています。

成功のための活用計画とシミュレーション
屋上で後悔しないための最大の対策、それは契約前の「具体的すぎるほどのシミュレーション」です。
「あったらいいな」ではなく、「これがないと生活が成り立たない」というレベルまで落とし込んで考える必要があります。以下のチェックリストを使って、家族会議で徹底的に話し合ってみてください。
| 項目 | チェック内容 |
|---|---|
| 利用目的と頻度 | 「何をするか」だけでなく、「週に何回使うか」「誰が掃除するか」まで具体的に決まっていますか?「年に1回のBBQ」のためだけに数百万円払えますか? |
| 生活動線 | キッチンから屋上まで、重い荷物(お皿、食材、炭、飲み物)を持って階段を往復するシミュレーションをしましたか?水栓やコンセントの位置は使いやすい場所にありますか? |
| 予算計画 | 初期費用だけでなく、10年後、30年後に必ずやってくる数百万円規模の防水メンテナンス費用を、毎月の修繕積立金として確保できますか? |
| プライバシーと近隣環境 | 近隣の建物の窓の位置や高さを確認しましたか?目隠しフェンスの高さは十分ですか?将来隣に高いマンションが建つ可能性はありませんか? |
特に強調したいのが「水栓」と「コンセント」です。これがないと、掃除もプール遊びもBBQ後の片付けもできません。後付け工事で水道を引こうとすると、防水層を傷つけるリスクがあり、費用も高額になるため、必ず新築時に設置してください。

ヘーベルハウスの屋上で後悔しないための結論
ここまで、現場の担当者としてあえて厳しい現実や、耳の痛いデメリットを中心にお話ししてきました。「こんなに大変なら、やめておこうかな…」と心が折れそうになった方もいるかもしれませんね。
ですが、最後にお伝えしたいのは、「ヘーベルハウスの屋上は、覚悟を持って選ぶなら、人生を豊かにする最高の選択肢になる」ということです。
確かに、木造住宅にはないメンテナンスの手間やコストはかかります。
しかし、都市部の密集地において、誰の視線も気にせず空を独り占めできる空間、頑丈な鉄骨構造だからこそ実現できる安心感のある屋上庭園は、他のハウスメーカーではなかなか得られない代えがたい価値です。
私自身、屋上を上手に活用し、丁寧にメンテナンスしながら楽しまれている施主様の笑顔をたくさん見てきました。
後悔するか、満足するか。その分かれ道は、「家は建てて終わりではなく、手をかけて育てていくもの」というマインドセットを持てるかどうかにかかっています。
屋上ライフを成功させるための最終チェック
- 「メンテナンスフリー」という幻想を捨て、適切な時期の防水工事や日々の掃除を「家の維持管理の一環」として受け入れる覚悟がありますか?
- 30年後などの節目に提示される改修費用に驚かないよう、計画的に修繕費を積み立てる準備はできていますか?
- 「なんとなく」ではなく、「ここで家族とどんな時間を過ごしたいか」という明確なビジョンと、それを実行するバイタリティがありますか?
もし、これらの問いに「YES」と答えられるなら、あなたはきっと屋上のある暮らしを心から楽しめるはずです。どうぞ自信を持って、理想の家づくりを進めてください。







