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外壁のメンテナンスコラム

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外壁塗装の下塗り・中塗り・上塗りの間隔は?乾燥時間の目安をプロが解説

外壁塗装の下塗り・中塗り・上塗りの間隔は?乾燥時間の目安をプロが解説

こんにちは、ステップペイントの現場担当、土橋 昭です。

外壁塗装や屋根塗装の工事がいざ始まると、職人さんが毎日どんなペースで作業を進めているのか、どうしても気になりますよね。

「今日は塗ってすぐに帰ってしまったけど、手抜きじゃない?」「下塗りから中塗り、上塗りとどんどん進んでいるけど、こんなに早くて本当に乾いているの?」といった疑問や、逆に「雨で工事が止まってばかりだけど大丈夫かな」と工期への不安を感じる方も多いかもしれません。

実は、私たちプロの塗装業者にとって、塗料を「塗る」作業と同じくらい、あるいはそれ以上に神経を使うのが「塗らない時間」、つまり乾燥させるための待機時間(インターバル)なんです。

この時間を適切に管理できるかどうかが、塗装の寿命を10年持たせるか、数年でダメにしてしまうかの分かれ道になると言っても過言ではありません。

今回は、現場で施工管理を行っている私の視点から、外壁塗装における下塗り、中塗り、上塗りの適切な間隔や乾燥時間の目安、そしてなぜその時間が重要なのかについて、専門的な話をできるだけわかりやすくお話しします。

記事のポイント

  • 外壁塗装の各工程における適切な乾燥時間の目安とプロの判断基準
  • 乾燥時間を守らずに工事を進めた場合に発生する具体的なリスク
  • 季節や天候によって変化する塗装間隔の現場ルール
  • 見積もりや工程表で確認すべき適正な工期の見極め方

外壁塗装の下塗り・中塗り・上塗りの間隔の重要性とは

塗装工事の工程表を見ると、「下塗り」「中塗り」「上塗り」と段階が分かれていることに気づくと思います。これらは単に色を濃くするために重ねているわけではなく、それぞれが建物を守るための重要な役割を持っています。

そして、その役割を最大限に発揮させるために絶対に必要なのが、工程間の「乾燥時間(インターバル)」です。塗料は塗った瞬間ではなく、乾燥して硬化することで初めて「塗膜」という保護バリアになります。

このバリアが未完成のまま次の工程に進んでしまうと、様々なトラブルの引き金になってしまうのです。

下塗りと中塗りの間隔目安

まず、最初に行う「下塗り」と、その次に行う「中塗り」の間隔について解説します。下塗りは、外壁材と新しい塗料を密着させる「接着剤」のような役割を持っています。

一般的に、下塗り材(シーラー、プライマー、フィラーなど)を塗った後、中塗りに進むまでにはメーカー規定の乾燥時間を空ける必要があります。

塗料の種類や気温にもよりますが、戸建て住宅の現場でよく採用される水性塗料や弱溶剤塗料では、メーカー規定で以下の時間が設定されているケースが多いですね。

一般的な乾燥時間の目安(気温23℃の場合)

  • 水性シーラーなど:3時間〜4時間以上
  • 微弾性フィラー(厚塗り):4時間〜6時間以上

(参考: パワーオーデフレッシュF|日本ペイント株式会社

ご覧の通り、最低でも3時間〜4時間程度の間隔が推奨されています。

Information

ただ、これらはあくまで代表的な目安です。 実際の製品によっては「2時間以上」で次の工程に進めるものもあれば、逆に「24時間以上」空けなければならない特殊な塗料も存在します。

そのため、職人の感覚だけでなく、必ず使用する塗料のカタログに記載された「塗り重ね乾燥時間」の数値を優先し、遵守することが絶対のルールです。

特に厚みをつける「フィラー」などの下塗り材を使う場合は、表面が乾いているように見えても内部がまだ湿っていることがあるため、より慎重な判断が求められます。

また、冬場などの気温が低い時期(5℃〜10℃前後)には、この時間はさらに長くなり、6時間以上、あるいは丸1日空けることも現場では珍しくありません。

「触ってみて乾いているからOK」という職人の勘だけに頼るのではなく、カタログや仕様書に記載された数値(工程間隔時間)を遵守することが、絶対に剥がれない塗装を実現する第一歩ですね。

下塗りと中塗りの間隔目安
AIによるイメージ画像

中塗りと上塗りは1日で完了できるか

お客様から「早く工事を終わらせたいから、中塗りと上塗りを1日でやってほしい」というご要望をいただくことがありますが、これには非常に慎重な判断が必要です。

中塗りと上塗りは、基本的に同じ仕上げ用塗料(トップコート)を使用することが多いですが、中塗りの層がしっかりと硬化してからでないと、上塗りの塗料を重ねることはできません。

もし中塗りが半乾きの状態で上塗りを重ねてしまうと、塗膜が混ざり合って本来の厚みが確保できなかったり、ツヤにムラが出たりする原因になります。

夏場と冬場の違い

季節によって「1日でできるかどうか」の判断は大きく変わります。

夏場(好天時)

気温が高く湿度が低い日であれば、塗料の乾燥が非常に早いため、朝一番(8時〜9時)に中塗りを行い、十分な乾燥時間を経てから夕方(15時〜16時)に上塗りを行うことで、同日に2工程を進めることが物理的に可能な場合もあります。

冬場や曇天時

乾燥が遅いため、1日に2工程進めることはほぼ不可能です。無理に進めると夜露の影響を受けて白化(ブラッシング)するリスクもあります。

私たちステップペイントでは、品質を最優先にするため、基本的には「1日1工程」を原則としています。中塗りと上塗りの間にも十分な養生期間を設けることで、確実な塗膜形成を心がけています。

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3工程を同じ日に行うリスク

では、下塗りから上塗りまでの3工程を、すべて同じ日に行うことはできるのでしょうか?

結論から言いますと、一般的な戸建て外壁を標準的な人数で施工する場合、3工程すべてを同じ日に行うのは現実的ではなく、品質面からも基本的には避けるべき施工です。

3つの工程をすべて1日で終わらせるということは、それぞれの乾燥時間が極端に短縮されることを意味します。どんなに乾燥が早い「速乾型」の塗料を使ったとしても、以下の計算になります。

  1. 朝8時開始:下塗り(約2〜3時間作業)
  2. 乾燥待ち:(最低3時間)→ この時点で14時
  3. 中塗り:(約2〜3時間作業)→ この時点で17時

このように、下塗りと中塗りだけで1日が終わってしまいます。ここに上塗りまでねじ込もうとすると、乾燥時間を無視して塗り重ねるしかありません。

もし「1日で全部塗り終わりました!早かったでしょう?」と自慢げに報告する業者がいたら、乾燥時間を十分に取れていないか、あるいは中塗りなどの工程を省いている可能性が高いので要注意です。

手抜き工事を見抜く一つの基準として覚えておいてください。

3工程を同じ日に行うリスク

塗装間隔が長い場合に起こる問題

逆に、「乾燥時間は長ければ長いほど良い」というわけでもありません。例えば、中塗りが終わった状態で1週間、2週間と放置してしまうと、別の問題が発生します。

塗装面が長時間雨風にさらされると、表面にホコリや排気ガスなどの汚れが付着します。

また、塗料の種類(特に反応硬化型の塗料)によっては、完全に硬化しすぎて表面がガラスのようにツルツルになり、次の塗料が食いつくための「足がかり」がなくなってしまいます。

多くの塗料には「塗装間隔の上限(リコートリミット)」が設定されています。

例えば日本ペイントの屋根用塗料「ファインパーフェクトベスト」などでは「3時間以上乾燥させてから7日以内に次の重ね塗り」といったように、数日〜7日程度の範囲で上限が決められているケースが一般的です。

もし天候不良などでどうしても期間が空きすぎてしまった場合は、そのまま塗るのではなく、表面を目荒らし(サンドペーパーなどで細かい傷をつける)してから塗装するなどの対策が必要になります。

気温や湿度による塗装間隔の基準

塗装の間隔は、その日の天気によって大きく左右されます。私たち現場監督が、朝一番に空を見上げて判断している基準には、明確なルールがあります。

塗装を中止・中断すべき気象条件

  • 気温5℃以下:塗料が正常に造膜(乾燥・硬化)しないためNG。
  • 湿度85%以上:水分が蒸発しないためNG。雨の日や濃霧の日など。

これらの基準は、塗料メーカーの仕様書だけでなく、国土交通省の『公共建築工事標準仕様書(建築工事編)』や、日本建築学会のJASS 18(塗装工事)などにも「気温5℃以下」「相対湿度85%以上のときは塗装作業を行わない」旨が明記されている、建築業界全体の共通ルールです。

(参考:国土交通省『公共建築工事標準仕様書(建築工事編)』

特に注意が必要なのが、高圧洗浄の直後や、雨が降った翌日です。表面が乾いているように見えても、サイディングの継ぎ目やモルタルの内部には水分が残留している可能性があります。

内部の湿気が残ったまま塗装すると「膨れ」の直接的な原因になるため、雨上がりには丸1日以上の十分な乾燥時間を設けることが重要です。

高圧洗浄にかかる時間や、洗浄後どのくらい乾燥させればよいかをもう少し具体的に知りたい方は、『外壁塗装工事で行う高圧洗浄作業の所用時間や当日の注意点を解説』もあわせてご覧いただくとイメージしやすいと思います。

気温や湿度による塗装間隔の基準
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乾燥時間がおかしいと感じた際の対処法

もし、ご自宅の工事中に「朝塗ったばかりなのに、もう次の工程を塗っている気がする」「雨上がりですぐに塗り始めたけど大丈夫?」など、間隔がおかしいと感じた場合は、遠慮せずに現場の責任者や担当者に質問してみてください。

聞き方のポイントとして、「まだ乾いてないんじゃないですか?」と詰問するのではなく、「使用している塗料の乾燥時間は、今の時期だとどれくらいが目安ですか?」と聞いてみるのがおすすめです。

しっかりとした知識を持つ業者であれば、塗料の仕様書(カタログ)に基づいて、「今の気温は〇℃なので、メーカー規定で〇時間は空けるようにしています」と明確に答えてくれるはずです。

ここで曖昧な返答しかできない業者は、管理がずさんな可能性があります。不安を抱えたまま工事を進めないことが、納得のいくリフォームにつながります。

外壁塗装の下塗り・中塗り・上塗りの間隔と施工ルール

ここまで乾燥時間の基本についてお話ししましたが、実際の現場ではさらに細かいルールや注意点が存在します。塗る回数や部位、使用する材料によっても「待つべき時間」は変わってくるのです。

3回塗りと4回塗りの工程の違い

基本は「下塗り・中塗り・上塗り」の3回塗りですが、外壁の劣化が激しい場合や、特定の機能性塗料を使用する場合には「4回塗り」を行うことがあります。

4回塗りのパターンとしては、以下のようなケースがあります。

  • 劣化が激しい場合:下塗り材の吸い込みが止まらないため、下塗りを2回行う(計4回)。
  • クリア塗装などの場合:仕上げの美観や耐久性を高めるために、上塗りをさらに重ねる(計4回)。

当然ながら工程が増えるぶん、必要な乾燥間隔も増えます。工期もその分長くなりますが、これは建物を守るために必要な「待ち時間」です。

「回数が多いから良い」だけでなく、「それぞれの層をしっかり乾かして、丁寧に積み上げているか」が品質の分かれ目になります。

3回塗りと4回塗りの工程の違い
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屋根塗装の中塗りと上塗りの時間管理

屋根は外壁以上に過酷な環境にあります。直射日光を浴びて高温になるため、夏場は塗料の乾燥が驚くほど速い一方、冬場の朝晩は放射冷却による夜露(よつゆ)や結露の影響をダイレクトに受けます。

特に屋根用塗料(遮熱塗料など)は、適切な膜厚(塗膜の厚み)を確保しないと遮熱効果が発揮されません。乾燥時間を誤ると、塗装後に職人の足跡がついてしまったり、塗膜がめくれたりするトラブルに直結します。

冬場の屋根塗装の注意点

冬場は15時頃までには塗装作業を終えるのが鉄則です。

夕方遅くまで作業をしていると、乾燥する前に日が落ちて気温が急降下し、夜露が降りて塗装面が白くボケてしまう「白化現象」が起きるからです。屋根塗装こそ、時間管理がシビアな工程と言えます。

モルタルや鉄部塗装の推奨間隔

塗装する下地の素材によっても、乾燥のメカニズムや注意すべきポイントは異なります。

素材乾燥に関する注意点と特徴
モルタル外壁塗料の吸い込みが激しい素材です。下塗り(シーラーや微弾性フィラー)をたっぷりと浸透させ、内部まで十分に乾燥させる必要があります。乾燥不足だと、上塗りの吸い込みムラ(色ムラ)が起きやすくなります。
鉄部(雨戸など)サビ止め塗料(下塗り)を使用します。溶剤系の塗料が多いため、独特のシンナー臭が消える=溶剤が揮発して乾燥した目安になります。乾燥が不十分なまま重ねると、後で表面にシワが寄る「縮み」が発生しやすい箇所です。
サイディング目地(コーキング)の上の塗装に注意が必要です。コーキング材が完全に乾ききっていない状態で塗装すると、塗膜が割れたり汚染されたりするリスクがあります。
モルタルや鉄部塗装の推奨間隔
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1回塗りや2回塗りとの違いを解説

最近では技術の進歩により、「下塗り不要」や「2回塗りで完了」と謳う高機能な塗料も一部存在しますが、基本的には3回塗りが外壁塗装のスタンダードです。

しかし、本来3回塗るべき塗料を勝手に手抜きして「シーラーを省いていきなり中塗りをした(2回塗り)」、「中塗りを省いて一度に厚塗りした(2回塗り)」といった施工は論外です。

工程を減らせば工期は短縮でき、人件費も材料費も浮きますが、耐久性は半分以下にまで低下することもあります。

見積もり段階で「2回塗り」などの記載があった場合は、それが「メーカー公認の仕様」なのか、単なる「業者の手抜き」なのかを必ず確認しましょう。

不明な場合は「使用する塗料のカタログを見せてください」と言えば、標準工程が書いてありますので一発で分かります。

図面指示や塗装仕様書の英語表記を確認

プロが使用する塗料の仕様書や建築図面の特記仕様書(TDS:テクニカルデータシート)には、乾燥時間について専門用語や英語で書かれていることがあります。これらを知っておくと、より専門的に業者と会話ができます。

  • Set to touch(指触乾燥)
    指先で軽く触れても塗料が付着しない状態です。「半乾き」を脱した初期段階ですが、内部はまだ乾いていないことが多いため、この段階で次の工程に進むのは厳禁です。
  • Dry hard(硬化乾燥)
    指先で強く押しても指紋がつかず、軽くこすっても跡がつかない状態です。一般的に足場解体などを行っても問題ないレベルの乾燥状態を指します。
  • Recoat Interval(塗り重ね乾燥時間)
    下の層を塗ってから、次の層を塗れるようになるまでの待機時間(工程間隔)です。私たちプロが工程表を作る際、最も重視するのがこの「インターバル」の厳守です。

私たち現場監督は、常にこの「塗り重ね可能時間」の最小値と最大値を確認しながら、その日の作業スケジュールを組み立てています。

(参考: 各種塗料の温度と乾燥性|日本ペイント株式会社 技術資料

図面指示や塗装仕様書の英語表記を確認
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そもそも外壁塗装しないとどうなるか

ここまで工程や間隔の厳しさについてお話ししてきましたが、「そんなに大変で面倒なら、いっそ塗装しなくてもいいのでは?」と思われるかもしれません。しかし、塗装をしないリスクは乾燥不足のリスクよりも遥かに甚大です。

外壁や屋根の塗膜が劣化して防水性が失われると、建物内部に雨水が浸入しやすくなります。外壁材自体が水を吸って反り返ったり、内部の柱や土台を腐らせてシロアリを呼んだりと、構造的なダメージにつながります。

こうなると、塗装工事だけでは済まず、外壁の張り替えや大規模な改修工事が必要になり、費用も数倍に膨れ上がります。

適切な時期に、適切な工程(間隔)を守って塗装することが、結果的に家を最も安く、長く維持するための最短ルートなのです。

外壁塗装の下塗り・中塗り・上塗りの間隔まとめ

外壁塗装における下塗り、中塗り、上塗りの間隔は、塗料が本来の性能を発揮するために欠かせない「育成期間」のようなものです。早ければ良いというものではなく、かといって放置しすぎてもいけません。

  • 下塗りから中塗り、中塗りから上塗りは、(気温23℃前後の標準状態で)多くの戸建て向け塗料で3時間〜4時間以上の塗り重ね乾燥時間が指定されており、季節や塗料によってはそれ以上の間隔が必要。
  • 一般的な戸建て外壁では「1日1工程」が理想的で、3工程を同じ日に進めるのは品質面から基本的に避けるのが無難
  • 乾燥不足は「膨れ」や「剥がれ」の原因となり、逆に間隔が長すぎると「密着不良」の原因となることもある
  • 気温5℃以下、湿度85%以上の時は塗装を避けるのが、国土交通省の仕様書や学会規準にも示されている共通ルール。

私たちステップペイントでは、日々の天候や気温を常に見極め、焦らず確実に工程を重ねることをお約束しています。

「工期が少し伸びても、長持ちする塗装をしてほしい」というお客様の想いに応えるため、丁寧な時間管理を徹底しています。

工事期間や雨天時の対応について、日数の目安をもう少し詳しく知りたい方は、『 外壁塗装・屋根塗装の工事期間と雨天時の対応に関するよくある質問 』もあわせてご覧いただくとイメージしやすいと思います。

もし工期や施工内容で気になることがあれば、どんな小さなことでもご相談くださいね。安心できる塗装工事を一緒に進めていきましょう。

外壁塗装の下塗り・中塗り・上塗りの間隔まとめ
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