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外壁のメンテナンスコラム

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外壁塗装と屋根塗装で180万は高い?相場と適正価格をプロが解説

外壁塗装と屋根塗装で180 万は高い?相場と適正価格をプロが解説

業者から「外壁・屋根塗装で180万円です」という見積もりを提示され、その金額が高いのか、あるいは妥当なのか、判断に迷っていませんか。

一般的な30坪40坪の住宅における屋根と外壁を塗装する費用平均的な相場や、そもそも一軒家の屋根の塗装費用はいくらなのか、正確な知識がなければ適切な判断は難しいものです。

塗料の種類、例えば高耐久な無機塗料の相場や、ご自宅の正確な塗装面積(例:200平米)によって、外壁塗装の費用は150万200万、時には250万と大きく変動します。

さらに、残念ながら消費者センターの悪質業者リストに載るような会社も存在し、「焦って契約すると危ないから、外壁塗装はまだするな」というインターネット上の意見も気になるところでしょう。

この記事では、あなたのそんな疑問や不安をすべて解消し、大切な住まいのメンテナンスに安心して臨むための知識を、専門的な視点から網羅的に解説します。

記事のポイント

  • 外壁・屋根塗装180万円が妥当か判断できる
  • 坪数や塗料別の費用相場がわかる
  • 悪質な業者を見抜くポイントを学べる
  • 塗装費用を適正価格に抑えるコツがわかる
目次

外壁塗装と屋根塗装で180万は高い?妥当性の判断基準

  • 30坪・40坪の平均的な相場とは?
  • 屋根と外壁を塗装する費用の内訳
  • 一軒家の屋根の塗装費用も確認
  • 塗料・種類で金額は大きく変わる
  • 高耐久な無機塗料・相場を解説
  • 200平米規模の塗装費用の目安

30坪・40坪の平均的な相場とは?

外壁塗装の費用を考える上で、まず押さえておきたいのがご自宅の坪数に応じた平均的な相場です。

日本の戸建て住宅で最も多いボリュームゾーンである30坪から40坪の場合、外壁と屋根を同時に塗装するときの費用相場は、おおよそ110万円~170万円の範囲内に収まることが大半です。

もちろん、これはあくまで標準的な2階建て住宅を想定した目安の金額となります。

例えば同じ30坪でも、壁面の凹凸が多い複雑な形状の家は塗装面積が増えるため費用が上がりますし、逆に窓が非常に多い家は塗装面積が減るため安くなる傾向があります。

加えて、外壁のひび割れやシーリングの劣化が激しい場合は、補修費用が別途加算されます。

ただ、この相場を知っておくことで、提示された見積もりが適正範囲内にあるかどうかの一次判断が可能になります。

もし30坪程度のお住まいで、特に大掛かりな補修工事や高価な塗料の指定がないにもかかわらず180万円を超える見積もりが出た場合は、注意が必要です。

そのような時は、内訳について一つひとつ丁寧に確認し、納得できる説明を求めることをおすすめします。

具体的な坪数ごとの費用相場を以下の表にまとめました。ご自身の住宅と見比べ、大まかな予算感を把握するための参考にしてみてください。

坪数別・工事内容別の費用相場

延床面積外壁塗装のみ外壁+屋根塗装
30坪(約99㎡)60~100万円110~150万円
40坪(約132㎡)80~130万円125~170万円
50坪(約165㎡)100~160万円140~190万円
60坪(約198㎡)120~200万円155~220万円
Information

坪数と塗装面積の関係について 見積もりで重要なのは「延床面積(坪)」ではなく、実際に塗装する「塗装面積(㎡)」です。

一般的に、塗装面積は「延床面積(坪) × 3.3(㎡) × 係数1.2~1.7」という計算式で概算できます。

この係数は家の形状によって変動するため、正確な面積は業者による実測が必要です。

30坪・40坪の平均的な相場とは?
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屋根と外壁を塗装する費用の内訳

「塗装工事」と一言でいっても、その費用は様々な要素から成り立っています。

見積書に記載されている項目がそれぞれ何を指しているのか理解することが、費用の妥当性を見極める鍵となります。

高額に感じる費用の背景には、塗料代以外にも安全確保や品質維持のための重要な工程が含まれているのです。

主に、塗装費用は「足場代」「塗料代」「工事費(人件費)」「その他諸経費」の4つに大別されます。それぞれの費用が全体の中でどれくらいの割合を占めるのか、一般的な目安は以下の通りです。

  • 足場代:約20%
  • 塗料代:約20%
  • 工事費(人件費):約45%(職人の技術料・下地処理や塗装作業など)
  • 諸経費:約15%(現場管理費、廃材処理費、交通費など)
Information

※この割合はあくまで標準的な工事での目安であり、建物の状況や工事内容によって変動します。

このように、塗料の価格だけでなく、職人の安全と作業品質を確保する足場や、美しい仕上がりと耐久性を実現する丁寧な作業(人件費)が、大きな割合を占めています。

具体的な工事内容と費用の目安を見ていきましょう。

主な工事項目と費用目安(30坪の場合)

項目内容詳細費用目安
足場設置職人が安全かつ均一な作業を行うための作業床。近隣への塗料飛散を防ぐメッシュシートの設置も含む。15~22万円
高圧洗浄長年の汚れ、カビ、コケ、古い塗膜を強力な水圧で洗い流す。これを怠ると新しい塗料がすぐに剥がれる原因になる。3~5万円
下地補修・シーリング外壁のひび割れ(クラック)を埋めたり、サイディングボードの継ぎ目にあるゴム状のシーリング材を交換したりする重要な工程。8~15万円
養生窓サッシやドア、植木など、塗料が付着してはいけない箇所をビニールシートで丁寧に保護する作業。6~7万円
外壁塗装(3回塗り)「下塗り(接着剤役)」「中塗り」「上塗り」の3工程が基本。この重ね塗りで塗料本来の性能と耐久性が発揮される。32~47万円
屋根塗装(3回塗り)外壁同様、下塗りから上塗りまでの3工程を行う。屋根材の種類によって専用の下塗り材が必要になる場合がある。20~35万円
諸経費現場監督の人件費、廃材の処理費用、車両のガソリン代、近隣への挨拶品代など、工事を円滑に進めるための経費。7~9万円
Information

見積もりの「一式」表記には気を付けて

労務費・材料費・諸経費などを内訳明示した見積書の普及が国交省でも促されています。

「〇〇工事一式」という表記が多い場合は、どの作業にいくらかかっているのかが不透明になり、不必要な費用が上乗せされていたり、逆に必要な工程が省かれていたりする可能性があります。

項目別内訳と算出根拠の提示を求め、できるだけ詳細な見積書を提示してくれる誠実な業者を選びましょう。

(参考:労務費・必要経費等を内訳明示した見積りの普及に向けて|国土交通省

屋根と外壁を塗装する費用の内訳
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一軒家の屋根の塗装費用も確認

外壁塗装を検討する際、多くの方が同時に気になるのが一軒家の屋根の塗装費用です。屋根は、住まいの中で最も過酷な環境にさらされる部分。

外壁以上に紫外線や雨風を直接受け止めるため、劣化の進行も早く、定期的なメンテナンスが建物の寿命を延ばす上で非常に重要になります。

もし屋根塗装だけを単独で行う場合、その費用相場は一般的な30坪程度の住宅で40万円~60万円ほどです。

ただし、この金額には塗装作業そのものに関する費用しか含まれていません。

屋根のような高所作業には必ず足場が必要となり、もし屋根塗装のためだけに足場を組むと、先述の通り別途15万円~20万円程度の足場設置費用が発生してしまいます。

ポイント:同時施工によるコスト削減効果

外壁と屋根の塗装を同時に行う最大のメリットは、この高額な足場代を一度で済ませられる点にあります。

外壁と屋根の塗膜の劣化時期は、同じような環境下にあるため近くなることが多く、まとめて工事を依頼することが賢明です。

こうすることで、長期的視点で見ると足場代1回分、つまり数十万円単位の大きなコスト削減につながるのです。

そのため、もし外壁の塗り替えを検討しているのであれば、業者に依頼して屋根の状態も一緒に点検してもらうことを強くおすすめします。

「まだ大丈夫だろう」と思っていても、専門家が見ると補修が必要な劣化が見つかることも少なくありません。

同時に施工することで、結果的に住まいの維持にかかるトータルコストを賢く抑えられる可能性が高いでしょう。

一軒家の屋根の塗装費用も確認
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塗料の種類で金額は大きく変わる

塗装工事の総額を左右する最も大きな要因が、使用する塗料の種類です。塗料は単なる「色を付ける液体」ではありません。

紫外線や雨風から建物を守り、その寿命を延ばすという重要な役割を担っています。

塗料には様々なグレードがあり、どれを選ぶかによって費用はもちろん、建物を保護してくれる期間(耐用年数)が大きく異なります。

初期費用が安い塗料は一見すると魅力的に感じられますが、耐用年数が短いため、次の塗り替え時期が早く訪れます。

一方で、初期費用が高くても耐用年数が長い塗料を選べば、塗り替えの回数そのものを減らすことができます。

それが、長期的な視点で見ると結果的にお得になる「ライフサイクルコスト」の観点も非常に重要です。

ここでは、現在主流となっている塗料の種類と、それぞれの特徴、そして長期的なコストパフォーマンスを比較してみましょう。

塗料グレード別の詳細比較

塗料の種類耐用年数(目安)m²あたりの単価30坪住宅での総額目安特徴
アクリル5~8年1,000~1,800円90~120万円安価だが紫外線に弱く耐久性が低い。現在はあまり使われない。
ウレタン8~10年1,700~2,500円100~130万円密着性と柔軟性に優れるが、シリコンの登場でコストメリットが薄れた。
シリコン10~15年2,100~3,500円110~150万円コストと耐久性のバランスが最も良く、現在の主流。防汚性も高い。
ラジカル12~16年2,200~4,000円120~160万円シリコンをベースに塗膜の劣化因子「ラジカル」の発生を抑制する機能を追加。シリコン以上の耐久性を期待できる。
フッ素15~20年3,500~5,000円140~180万円高い耐久性と防汚性を持つハイグレード塗料。東京スカイツリーにも採用。
無機20~25年4,200~5,500円150~200万円最高級グレード。紫外線による劣化が極めて少なく、非常に長い耐用年数を誇る。

180万円という見積もりは、この表でいう「フッ素」や「無機」といったハイグレードな塗料が選択されているか、あるいは50坪以上の大きな住宅である場合に提示されることが多い金額帯です。

Information

※上記の数値は標準的な環境下での目安です。実際の耐用年数は、気候条件・施工品質・メンテナンス状況により変動します。

※フッ素塗料は東京スカイツリーにも採用されるなど、高耐候性が実証されています。(参考:塗料用フッ素樹脂「ルミフロン®」が『東京スカイツリー®』に採用|AGC

塗料の種類で金額は大きく変わるの
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高耐久な無機塗料の相場を解説

先ほどの表でも紹介した「無機塗料」は、現在の住宅用塗料の中で最高級グレードに位置づけられています。

無機塗料を使用した外壁・屋根塗装の相場は他の塗料に比べて高く、30坪の住宅でも総額で150万円を超え、場合によっては180万円~200万円程度になることもあります。

では、なぜこれほど高価なのでしょうか。その最大の理由は、主成分にガラスや石などの「無機物」を配合している点にあります。

有機物(合成樹脂)を主成分とする一般的な塗料は、紫外線によって分子結合が破壊され、徐々に劣化していきます。

しかし、無機物は紫外線による影響をほとんど受けないため、有機塗料とは比較にならないほどの圧倒的な耐候性・耐久性を実現するのです。

無機塗料のメリットとデメリット

メリット
  • 超高耐久性
    耐用年数が20年~25年と非常に長く、塗り替え回数を大幅に削減できる。
  • 超低汚染性
    静電気が起きにくく、親水性の塗膜が雨水で汚れを洗い流すため、長期間美観を維持できる。
  • 不燃性
    主成分が無機物であるため燃えにくく、防火上有利。
デメリット
  • 高価格
    初期費用が他の塗料に比べて非常に高い。
  • ひび割れリスク
    塗膜が硬いため、建物の動きに追従できずひび割れしやすい性質があった(ただし、近年の製品は有機樹脂を配合し、柔軟性を高めたハイブリッド型が主流)。
  • 業者選定の難しさ
    比較的新しい塗料のため、施工実績が豊富で正しい知識を持った業者を選ぶ必要がある。

つまり、180万円という金額は、単なる塗り替えではなく「20年以上先を見据えた長期的な資産保護への投資」と考えることができるわけです。

30年、40年と長くその家にお住まいになる予定であれば、目先の費用は高くとも、生涯のメンテナンスコストを考えれば無機塗料の選択は非常に合理的な判断となり得ます。

高耐久な無機塗料の相場を解説
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200平米規模の塗装費用の目安

坪数ではなく、より正確な塗装面積である平米数で費用を把握することも重要です。

外壁の塗装面積が200平米の場合、塗装費用はおおよそ100万円~200万円が目安となります。

塗装面積は延床面積の1.2〜1.7倍程度になるため、この規模は延床面積で約40坪~50坪の住宅に該当します。

この規模の住宅になると、塗装する面積が格段に広くなるため、塗料代や職人の人件費が必然的に増加します。

特に3階建ての建物や、デザインが複雑で凹凸が多い家の場合は、以下のような理由でさらに費用が高くなる傾向にあります。

  • 足場費用の増加
    3階建てになると、より高く頑丈な足場が必要となり、設置・解体の手間も増えるため、2階建てに比べて足場代だけで1.2~1.5倍ほど高くなることがあります。
  • 作業工数の増加
    壁面が複雑だと、養生や刷毛を使った細かい部分の塗装に時間がかかり、人件費が膨らみます。
  • 安全対策費用の追加
    高所作業が増えるため、追加の安全対策が必要になる場合があります。

もしご自宅が延床面積60坪以上であったり、塗装面積が200平米を超える規模である場合、外壁と屋根の塗装で180万円という見積もりは、十分に妥当な範囲内である可能性が高くなります。

むしろ、高品質な塗料を使用したり、丁寧な下地補修を行ったりすれば、200万円を超えるケースも決して珍しくありません。

正確な塗装面積は、専門の業者に現地調査を依頼して算出してもらうのが最も確実です。

信頼できる業者は、図面だけに頼らず、メジャーを使って実際に建物を計測し、詳細な根拠のある見積書を作成してくれます。

見積書に塗装面積(㎡)とその算出根拠が明記されているか、必ず確認するようにしましょう。

200平米規模の塗装費用の目安
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外壁塗装と屋根塗装で180万!失敗しないための知識

  • 見積もりの金額・高いと感じたら
  • 悪質業者リストに載る業者の特徴
  • 「外壁塗装はまだするな」の真意
  • 外壁塗装200万・250万・150万の差
  • 総括:外壁・屋根塗装180万の考え方

見積もりの金額が高いと感じたら

提示された見積もりの金額・高いと感じた場合、その場で決断したり、断ったりする必要は全くありません。

まず行うべき最も重要な行動は、複数の業者から見積もりを取る「相見積もり」です。

1社の見積もりだけでは、提示された価格が本当に高いのか、あるいは妥当なのか、工事内容が適切なのかを客観的に判断することは極めて困難です。

理想としては最低でも3社以上から見積もりを取り、それぞれの内容をじっくり比較検討することをおすすめします。

そうすることで、ご自宅の塗装工事における適正な価格帯が自ずと見えてきます。

また、各社の担当者の専門知識、提案内容、人柄などを比較することで、金額面だけでなく、本当に信頼して大切な住まいを任せられる業者を見極めることにもつながります。

相見積もりを取る際は、各社に「シリコン塗料で見積もってください」「塗装範囲は外壁と屋根、それから雨樋です」といったように、同じ条件を伝えることが非常に重要です。

条件を揃えることで、初めて純粋な価格とサービスの比較が可能になります。

見積書で必ずチェックすべき詳細ポイント

複数の見積書が手元に揃ったら、総額だけを見るのではなく、以下のポイントを詳細にチェックしてください。ここに業者の誠実さが表れます。

  • 塗装面積(㎡)は正確か
    「一式」という曖昧な表記ではなく、具体的な数値が記載されているか。また、その算出根拠(実測なのか図面からか)も確認しましょう。
  • 塗料のメーカー・商品名は明記されているか
    「シリコン塗料」という大雑把な書き方ではなく、「日本ペイント株式会社製 パーフェクトトップ」のように、どのメーカーの何という製品を使うのかまで正確に記載されているかを確認します。
  • 塗装工程は3回塗りか
    高品質な塗装の基本である「下塗り・中塗り・上塗り」の3工程が、それぞれ別の項目としてしっかり記載されているか。工程を省く手抜き工事を防ぐための重要なチェック項目です。
  • 付帯工事の範囲は明確か
    雨樋、軒天、破風板、雨戸、水切り板金など、外壁・屋根以外の塗装範囲を一つひとつ確認します。「サービスで塗っておきます」という口約束は避け、必ず書面に残してもらいましょう。
  • シーリング工事の仕様
    サイディングの場合、既存のシーリングを撤去して新しく充填する「打ち替え」なのか、上から重ねる「増し打ち」なのかが明記されているか。一般的には「打ち替え」が推奨されます。
  • 保証内容と期間は記載されているか
    「工事保証」の年数やメーカーの「製品保証」の有無、および保証範囲(剥がれ、膨れなど)を、万が一に備え書面で明確に確認しておくことが重要です。
見積もりの金額が高いと感じたら
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悪質業者リストに載る業者の特徴

残念ながら、塗装業界には消費者の知識不足につけ込んで法外な費用を請求したり、ずさんな手抜き工事を行ったりする悪質な業者が存在するのも事実です。

高額な契約で後悔しないためにも、国民生活センターなどに報告される悪質業者リストに載るような会社が使いがちな典型的な手口を知り、自己防衛の知識を身につけておきましょう。

こんな業者には要注意!見抜くための4つの危険なサイン

契約を異常に急がせる(限定商法)

「今日この場で契約していただければ、モニター価格として50万円値引きします」「この地域でのキャンペーンは本日までです」といった甘い言葉で即決を迫ります。

これは、冷静に考えたり他社と比較されたりすると、見積もりの高さや不審な点が露見するのを防ぐための典型的な手口です。

本当に良い工事を適正価格で提供する業者は、顧客がじっくり検討する時間を必ず尊重します。

過度に不安を煽る(危機訴求商法)

突然訪問してきては、「お宅の壁、ひび割れがひどいですね。

このままではすぐに雨漏りして、家が腐ってしまいますよ」などと専門用語を交えて危機感を煽り、冷静な判断力を奪おうとします。

本当に緊急性が高いケースは稀であり、まずは慌てずに他の専門家の意見を聞くことが重要です。

見積書が大雑把すぎる

数量の単位が「一式」ばかりであったり、塗料名が「シリコン塗料」としか書かれていなかったりする見積書は非常に危険です。

後から「この作業は一式には含まれていません」と称して高額な追加料金を請求する口実を作っていたり、安価な塗料を使って差額を利益にしたりする可能性があります。

オリジナルの高機能塗料を執拗に勧める

「弊社が独自開発した、30年持つ夢のような塗料です。他社では扱えません」といった謳い文句で、客観的な性能データや実績の乏しい高額なオリジナル塗料を勧めてくるケースがあります。

実績のある国内大手塗料メーカー(日本ペイント、関西ペイント、エスケー化研など)の製品を提案しない業者は、基本的に避けるのが賢明です。

これらの特徴に一つでも当てはまる場合は、その業者との契約は一旦保留し、他の信頼できる業者を探すことを強く推奨します。

悪質業者リストに載る業者の特徴
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「外壁塗装はまだするな」の真意

インターネットなどで情報を集めていると、「外壁塗装はまだするな」という少し強い言葉のアドバイスを見かけることがあります。

これは「塗装工事は不要だ」という意味ではなく、「焦って不必要な工事をしてはいけない」「最適なタイミングを見極めるべきだ」という消費者への注意喚起として使われる言葉です。

では、具体的にどのような場合に「まだするな」=「塗装を急ぐ必要がない」と言えるのでしょうか。

塗装の緊急性が低いと考えられるケース

劣化が軽微である場合

一般的に外壁塗装の目安は10年と言われますが、これはあくまで目安です。

日当たりの良い面と悪い面で劣化速度は異なりますし、新築時に高耐久な塗料が使われていれば15年以上持つこともあります。

外壁に目立ったひび割れや塗膜の剥がれがなく、軽い汚れや色褪せ程度であれば、緊急性は低いと判断できます。

季節が塗装に適していない場合

塗料が性能を発揮するためには、適切な環境下で乾燥させることが不可欠です。

一般的に、気温が5℃以下、または湿度が85%以上になる環境下での塗装は、乾燥不良による塗膜の剥がれや耐久性低下の懸念があります。

(参考:冬場の寒いときや、夏場の暑いときに外壁や屋根を塗装しても問題ないですか? | 日本ペイント株式会社

具体的には、真冬の寒い日や雨が続く梅雨時期の工事では、気温が上がる時間帯を選んだり、晴天の日を見計らったりといった工程調整が必要になります。

悪徳業者による提案の可能性がある場合

前述のような悪徳業者が、まだ必要のない工事を不安を煽って勧めてきているケースです。彼らの提案を鵜呑みにせず、まずは冷静になることが大切です。

ご自宅の壁を手で優しくこすってみてください。

もし、手にチョークのような白い粉がべったりと付着する「チョーキング現象」が見られたら、塗膜が劣化し、防水機能が低下し始めているサインです。

この状態になったら、塗り替えを具体的に検討し始める時期と言えます。

しかし、最終的な判断は専門家による正確な診断に委ねるのが最も安全です。複数の信頼できる業者に点検を依頼し、それぞれの見解を聞いて総合的に判断しましょう。

外壁塗装200万・250万・150万の差
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外壁塗装200万・250万・150万の差

これまで見てきたように、外壁塗装の費用は様々な要因が複雑に絡み合って決まります。

同じような大きさに見える家でも、ある家では150万円、隣の家では200万円、そして別の家では250万円と、見積もりに大きな差が出ることがあります。

この数十万円、時には100万円以上にもなる価格差は、一体何によって生まれるのでしょうか。

価格を決定づける主な要因を改めて整理し、どのような場合に費用が高騰するのかを具体的に見ていきましょう。

塗装費用を大きく変動させる4大要素

建物の規模と形状

単純な家の大きさ(坪数・平米数)が最も基本的な要因です。

それに加え、同じ坪数でも総2階建てより凹凸の多い家、2階建てより3階建ての家の方が、塗装面積と足場面積が増えるため費用は高くなります。

塗料のグレード

これは最も価格差が生まれやすいポイントです。耐用年数が約10年のシリコン塗料と、20年以上の無機塗料とでは、塗料代だけで数十万円の差が出ます。

長期的な視点を持つか、初期費用を抑えるかで選択が分かれます。

劣化状況と補修範囲

築年数が経過し、外壁のひび割れが多い、サイディングのシーリングが全面的に劣化して全て打ち替えが必要、ベランダの防水工事も必要といったように、下地補修や付帯工事の範囲が広ければ広いほど、費用は大きく加算されます。

依頼する業者の形態

新築時にお世話になった大手ハウスメーカーに依頼すると、安心感はありますが、下請け業者への仲介マージンが発生するため、地元の塗装専門店より2~3割ほど高くなる傾向があります。

これらの要因がどのように組み合わさるかで、最終的な金額が決まります。例えば、以下の様なケースが考えられます。

【価格帯別】見積もりモデルケース

総額住宅モデル主な仕様
約150万円35坪・2階建て・築12年・塗料:シリコン(耐用年数12年)
・補修:軽微なひび割れ補修、シーリング一部打ち替え
・業者:地元の塗装専門店
約200万円50坪・2階建て・築18年・塗料:フッ素(耐用年数18年)
・補修:シーリング全面打ち替え、ベランダ防水工事
・業者:中堅リフォーム会社
約250万円60坪・3階建て・築20年・塗料:無機(耐用年数25年)
・補修:大規模な下地補修、屋根カバー工法も実施
・業者:大手ハウスメーカー
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総括:外壁塗装と屋根塗装で180万と言われた時の考え方

この記事で解説してきた内容を最後にまとめます。外壁・屋根塗装で180万円という金額について正しく理解し、賢い判断を下すためのポイントリストです。

  • 外壁・屋根塗装180万円は家の大きさや塗料によっては妥当な範囲
  • 30坪~40坪の相場は110万円~170万円が一つの目安
  • 180万円が妥当なのは60坪以上の家や高機能な無機塗料を使う場合
  • 追加工事(防水工事など)が含まれる場合も金額は上がる
  • 費用内訳は足場代・塗料代・工事費・諸経費で構成される
  • 外壁と屋根の同時施工は足場代の節約になりお得
  • 塗料の種類(グレード)が費用と耐用年数を大きく左右する
  • 無機塗料は初期費用が高いが長期的なコストパフォーマンスに優れる
  • 200平米規模の住宅では180万円は適正価格の範囲内
  • 見積もりが高いと感じたら必ず3社以上から相見積もりを取る
  • 見積書は「一式」表記を避け、詳細な内訳を確認することが重要
  • 契約を急がせる・不安を煽る業者は悪質業者の可能性が高い
  • 「まだするな」は劣化が軽微な場合や季節が不適切な時期を指す
  • ハウスメーカー経由の依頼は中間マージンで割高になる傾向がある
  • 最終的な費用は建物の規模・塗料・劣化状況・業者形態の組み合わせで決まる

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